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    元スレうさぎ「あの丘のてっぺんまでかけっこしよう」 かめ「いいよ」

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    1 :

    うさぎ「あの丘のてっぺんまでかけっこしよう」かめ「いいよ」

    うさ子「もし私が勝ったら、わ、私と、その、今度ニンジン畑にデートに……///」ゴニョゴニョ

    かめ「……え?」

    うさ子「う、ううん、な、なんでもない///
       
        いくわよ、よーい、どん!」

    かめ「わっ、ずるいぞ急に!」

    うさ子「うふふ///」

    うさぎのうさ子は、ぴょんぴょんぴょーんと勢いよく走っていきました。

    後ろを振り返ると、かめさんがもう小さく見えます

    うさ子は、少し顔を赤らめながら誇らしげな顔をしました

    「そう、私は足がはやいんだから」

    この恋だって、全速力でぶっちぎってやるわ

    2 :

    続け

    3 :

    ぶっちぎらんでぶつかれよ

    4 :

    やっぱマンコって糞だわ

    6 = 1 :

    「足が速い?それが、何?」

    「それって、何か意味あるの?」

    うさ子は走りながら、以前言われた嫌な言葉を思い出してしまいました

    ―――

    うさ子「やった、またかけっこ私の勝ちね」

    うさお(……くそっ、また負けた)

    まわりのうさぎと比べても、兄うさおと比べても、

    うさ子の早さは頭ひとつとびぬけていました

    うさ子「ねね、お兄ちゃん、もう一回競争しよう!」

    うさお「も、もういいよ、俺はこれから友達と遊びに行くから」

    うさ子「あ……そ、そう……」ズキッ

    "友達"

    その言葉を耳にすると、うさ子はなぜだか心が痛みました

    7 = 1 :

    ある日、草原で何匹かのうさぎさんたちが

    わいわいとおしゃべりをしていました

    楽しそうだなー、と思ってうさ子が近づくと

    なぜだか急に静かになってしまいました

    うさ子「ねね、みんな、何してるのー?」

    うさな「い、いや、別に……」

    うさ子「?……そ、そう?」

    うさな「……うん」

    うさ子「……」

    うさみ「……」

    うさな「……」

    うさね「……」

    ひゅうーと、きたかぜさんがとおりぬけました

    さっきまでのたのしそうな雰囲気がうそのようです

    8 = 1 :

    うさ子「そ、そうだ、みんな、またかけっこで遊ぼうよ」

    一同「……」

    だれもへんじをしません

    そう、うさ子はじまんの足の速さをかじょうにこじするわるいくせがあり、

    それがまわりとのわだかまりのげんいんの一つになっているのです

    9 :

    だからって異種交配に手を出さなくても

    10 = 3 :

    過剰に誇示って難しすぎないか

    11 = 1 :

    いぜん、そんなに足がはやくないうさなちゃんと競争したときのはなしです。


    うさ子ちゃんは、うさなちゃんをえんりょなしにぶっちぎり、

    「私を抜くまで終わらないよー」と

    りふじんなルールを強いた上

    体力が尽きて周回おくれになったうさなちゃんを

    後ろから煽り続け、延々と走り続けさせた上、

    それでも必死に走るうさなちゃんの様子を

    わざとこっけいでぶざまにきこえるように

    おもしろおかしくばかにしながら、まわり言いふらしてまわりました。

    12 = 5 :

    思ったより過剰に誇示しててワロタ

    13 = 1 :

    ただ、その話をきいてわらうひとはだれもいませんでした。

    わらっていたのは、はなしているうさ子ちゃんだけです


    うさ子「ほ、ほら、うさなちゃん、こないだは楽しかったよね」

    うさな「っ!」ビクッ

    とっさに見せたその時のうさなちゃんの顔は

    うさ子ちゃんのきおくにずっとのこりつづけるでしょう

    14 = 9 :

    これはハブられるわ

    15 = 1 :

    うさなちゃんにわるいことをしたな、というきもちは

    すこしはうさ子ちゃんにもあったので、このわだいはもうやめることにしました

    一同「……」

    しばらくちんもくがつづきます

    うさ子「そ、そういえば今日は寒いわよねー」ニコニコ

    うさ子「あ、雨でも降ったらたいへんよねー」ニコニコ

    一同「……」

    まわりのごきげんをとるようにうさ子は

    あたりさわりのないはなしをふりますが、

    いっこうにへんじがかえってきません

    うさ子「うちの兄って足が遅くってさー」

    うさみ「……」イライラ

    うさみちゃんは、はやくどっかいけよ、てきな"あつ"を

    ぜんめんにおしだしています

    だんだん、うさ子のかおから、えがおが消えていきました

    16 = 1 :

    うさ子のかおに浮かび上がってきたのは、"かなしみ"ではなく

    なぜか"いかり"のひょうじょうでした

    "なんでこんなれんちゅうのごきげんをとらないといけないのか"

    うさ子のあたまはそのことでいっぱいになりました

    うさ子「……なんで無視すんの?」イライラ

    一同「……」

    うさ子「きいてんのか、おら鈍足うさなっ!」

    うさな「っ!」ビクッ

    うさみ「ちょっとやめなよ」

    うさ子「っ!」

    うさ子は、反応してもらえていっしゅん

    よろんでしまったじぶんにすこしかなしみをおぼえました

    17 = 1 :

    うさみ「そうやって、きがよわそうな子にだけあたりちらすの、こっけいよ」

    うさ子「……っ!」

    ずぼしをつかれてしまいました

    そう、うさ子は、よわいひとにしかつよくでれないのです

    うさみ「あんた、はやくどっかいってよ」

    うさ子「で、いや、ふっ」アセアセ

    さっきまでのいかりはどこへやら

    とっさになにもいいかえせず、てんぱるだけでした

    うさ子ちゃんは、きがつよいうさみちゃんがちょっとにがてでした

    18 = 1 :

    うさ子「……足が遅いくせに」ボソッ

    うさみ「え、何?」

    うさ子「足が遅いくせに、足が遅いくせに、あんたらなんか、足が遅いくせに!」

    うさみ「は?何それ、いまかんけいあるの?」

    うさ子「足が遅いくせに!」

    うさ子はもうそれしかいえませんでした

    うさ子はくずなうえに、あたまのかいてんもあまりよくないのです

    こころのささえはあしのはやさだけでした

    うさみ「足の速い?それが、何?」

    うさね「それって、何かい意味あるの?」

    そのささえが、ちょうどいまくずれていくさいちゅうです

    19 :

    うさ子くずすぎかよwwwwwwwww

    20 = 1 :

    うさ子「に、にくしょくどうぶつからにげるのには、あしが速くないと……」

    うさみ「は?何あんたチーターより早く走れるわけ?」

    うさ子「い、いや……」

    うさね「同種より早いって程度で何か意味あるの?」

    うさみ「生活の上でそんなに必要?ねえ?」

    うさ子「……」グスッ

    うさ子は何もいいかえせません

    あふれでるなみだがおさえきれず、ついみんなに背を向けてしまった、そのときです

    ――どかっ

    あの内気なうさなちゃんから、むごんのけりが、せなかに入りました

    21 = 1 :

    そのいちげきがきめてとなり、うさ子ちゃんは駆け出しました

    うさみ「わー、すごい逃げ足ね、はやーい♪」

    うさね「たしかに必要だったわねー♪」

    ――くすくす、げらげら

    うさ子のうしろから、わらいごえがきこえてきます

    うさぎはみみがおおきいのです、はしりながらでも、

    いろんなおとがききとれます

    22 :

    うさぎせいかくわるすぎ

    23 = 19 :

    面白い

    24 :

    続きはよ

    25 = 1 :

    このよのすべてが、てきにおもえてきたそんなときです。

    ――であいはとつぜんやってきました。

    うさ子は、いかりとかなしみでいっぱいになりながら

    泣きながらいえにむかいました。

    そのとちゅう、池のまわりでのろのろと歩くカメをみつけました

    そのゆっくりと歩くすがたが、きげんのわるいうさ子のかんにさわりました

    うさ子「くそ、目障りだ、この鈍足カメが!」

    なんと、うさ子はカメを後ろから、思い切り池へ蹴り飛ばしました

    これがうさ子とカメの初対面でした。

    うさ子は、池へ落ちていくカメをほうちし、

    そのままいえにかえりました

    26 = 1 :

    いえにかえっても、うさ子のきげんはとうぜんなおりません

    うさ子「……」グスッ

    うさお「ど、どうしたうさ子、もしかして泣いて……」

    うさ子「うっせー、鈍足クソ兄死ね、話しかけんな!」

    うさ子は、せっかくしんぱいしてくれた兄にまで、

    つめたいことばを、はきかけてしまいます

    兄うさおは、いつものことなのでするーしてくれますが、

    ふつうほかのひとはそうはいきません

    それをかんがえると、あのカメにしたことはりふじんのきわみでした

    うさ子もじつはそれをわかっています。

    28 = 1 :

    うさみたちへのいかりのかんじょうをはらすために

    カメにやつあたりしましたが、まったくすっきりしませんでした

    それどころか、カメにたいして"ざいあくかん"が

    めばえてしまい、じぶんをせめてしまいました

    そしてその"ざいあくかん"が

    うさみたちとのかんけいも、ほんとうはじぶんがわるかったのだと

    きづくきっかけとなってしまいました

    うさ子はどんどんじぶんがきらいになっていきます

    30 = 1 :

    ふつうならここではんせいするところですが、うさ子はちがいます

    "カメがじぶんをくるしめている"というぶぶんだけ

    じぶんのなかでおおきくなっていきました

    うさ子「あのクソカメのせいで私は……」ブツブツ

    りふじんなくずがなんかつぶやいています



    そして、まったくしらないカメのそんざいが

    どんどんじぶんのなかでおおきくなっていくのをじかくするのは

    もうすこしあとのはなしです

    31 = 1 :

    ちょっと離れる

    残ってたら続きはってく

    33 :

    まだかね

    34 :

    待っておるぞ

    36 = 5 :

    これは煽りカスへの風刺

    38 = 35 :

    39 :

    うさぎ「お”っ❤亀さんやめでっ❤」
    かめ「うるせえ!!あんなとこで無防備に寝てやがって…誘ってんだろw!」

    40 = 35 :

    41 = 1 :

    遅くなった
    はってきます

    42 :

    うさ子って書かれると美少女戦士が脳裏を

    43 :

    とうとう絵本作家がデビューするのか

    44 = 1 :

    うさお「おはよう、うさ子」

    どうやら、うさ子はなきつかれて、ねむってしまったようです

    兄はそんな妹をきにかけてくれていました

    うさお「うさ子、きょうはかけっこできょうそうしようか。」

    兄うさおは、うさ子がおちこんでいるのをさっして、げんきづけるために

    うさ子のだいすきなかけっこにさそいました

    うさ子「は?」

    うさお「よーし、きょうはまけないぞー!」

    わざとらしくげんきよくはりきる兄をみて、

    うさ子はむしずがはしりました

    うさ子「勝手に走ってれば?私はひとりで出かけてくる」

    兄のあたたかいきもちは、妹にはまったくとどきませんでした

    うさ子「速く走れたからって、何になるのよ」ムッ

    みょうなすてぜりふをのこして、うさこはひとりででかけていきました

    45 = 1 :

    「足なんてはやくたっていみがない」

    そんなことをじぶんでいってしまったことに、じぶんでおどろきました

    うさ子は足がはやいことだけが誇りでした

    しかし、そんなことをじぶんで言ってしまったことで

    じぶんのそんざいかちがどんどんうすれていくきがしました

    わたしには、なにがあるのだろうか

    きえいりそうなきもちで歩いていると、なんと

    きのうのカメを見つけました

    しらずしらずのうちに、きのうの池にきてしまっていたのです

    46 :

    いいぞ

    47 = 1 :

    カメのまわりには、たくさんのなかまがあつまっており、

    わいわいがやがや、とてもたのしそうでした

    会いたくないな

    うさ子はそうおもってまわりみちしようとしましたが、

    そのはなしているないようをきいて、びっくりしました

    「ぼくはきのう、ここでそらをとんだんだー、ほんとだよー」

    うさぎはみみがおおきいので、とおくからでもこえがききとれるのです

    48 = 1 :

    「えー、うそだー」

    「そんなわけないよー」

    カエルさんや小鳥さん、ネコさんいろいろなどうぶつがあつまって

    カメさんのはなしをきいてますが、みんなしんじていません

    なんということでしょう

    カメは、じぶんが蹴飛ばされたとこに気が付いていなかったようです

    いきなり走ってきて、背後からけとばされたのでとうぜんといえばとうぜんかもしれません

    きゅうに体がちゅうにういたとしかかんじていなかったようです

    カメはこうらがかたいので、いたみはかんじなかったのでしょうか

    49 = 1 :

    「いやー、ながくいきていると、めずらしいこともあるもんだ」

    まわりの仲間がしんじていないことなど、まったくきにせずに

    カメはにこにこ笑いながらそんなはなしをしています

    まわりのなかまも、それがほんとうかどうかは、そこまできにしていませんでした

    どうやら、そんなカメさんの"おんわ"なひとがらが、

    なかまをよせつけているようでした

    50 = 1 :

    うさ子はそんなようすをみて、ただ"にくらしい"とかんじていました

    うさ子はにんきものがだいきらいです

    あんなにたくさんのなかまにかこまれたことなど、うさ子はいちどもありません

    きがついたら、うさ子はふたたび背後からカメを蹴り飛ばしていました

    こんどはもっともっとたかくまでうちあがるよう、ぜんりょくでけりとばしました

    このくそカメ、しんでまえ!


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