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元スレ王「勇者のためにセーブポイントを設置してまいれ」村人「頑張りますだ!」
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― ふもとの里 ―
里長「盗賊団を壊滅していただき、ありがとうございます」
村人「いやいや、困った時はお互い様ですだ」
里長「勇者様のためにセーブポイントを設置する旅とは……大変ですなぁ」
村人「大変だけど、やりがいはあるだよ!」
里長「それにしても、200年前に倒されたはずの魔王が再び現れるとは、恐ろしいことです」
村人「え、200年前にも魔王がいたんだべか」
里長「ええ、その時に魔王を倒したのは、今の勇者様の先祖である英雄とその相棒の二人組だったそうです」
村人「へぇ~、きっと仲良かったんだろうなぁ」
里長「そのようです。二人は破竹の勢いで魔物の軍勢を破ったと聞きます」
里長「ところが……」
里長「盗賊団を壊滅していただき、ありがとうございます」
村人「いやいや、困った時はお互い様ですだ」
里長「勇者様のためにセーブポイントを設置する旅とは……大変ですなぁ」
村人「大変だけど、やりがいはあるだよ!」
里長「それにしても、200年前に倒されたはずの魔王が再び現れるとは、恐ろしいことです」
村人「え、200年前にも魔王がいたんだべか」
里長「ええ、その時に魔王を倒したのは、今の勇者様の先祖である英雄とその相棒の二人組だったそうです」
村人「へぇ~、きっと仲良かったんだろうなぁ」
里長「そのようです。二人は破竹の勢いで魔物の軍勢を破ったと聞きます」
里長「ところが……」
里長「魔王を倒した後、英雄は莫大な報酬を与えられるなど、大変厚遇されたようなのですが」
里長「相棒だった方は、それほど恩恵にあずかれなかったようなのです」
里長「二人とも同じぐらいの強さだったのに、ほんの少しお金を渡されただったとか」
村人「二人で魔王を倒したのにひどい話だべ……」
村人「で、その相棒はどうなったんだべか?」
里長「結局、失意のまま行方をくらましてしまった、ということです」
村人「そんなことがあっただべか……悲しい話だ……」
村人「ま、だけど、今の勇者様は素晴らしい人だから、仲間差し置いて褒美独り占めなんてしねえべよ!」
里長「……そうだといいですな」
村人「色々世話になっただ! 出発するだ!」
里長「お気をつけて」
里長「相棒だった方は、それほど恩恵にあずかれなかったようなのです」
里長「二人とも同じぐらいの強さだったのに、ほんの少しお金を渡されただったとか」
村人「二人で魔王を倒したのにひどい話だべ……」
村人「で、その相棒はどうなったんだべか?」
里長「結局、失意のまま行方をくらましてしまった、ということです」
村人「そんなことがあっただべか……悲しい話だ……」
村人「ま、だけど、今の勇者様は素晴らしい人だから、仲間差し置いて褒美独り占めなんてしねえべよ!」
里長「……そうだといいですな」
村人「色々世話になっただ! 出発するだ!」
里長「お気をつけて」
― 迷いの森 ―
村人「すっかり迷っちまった……」
村人「うへぇ~、さっきも同じところ通ったなぁ」
村人「ここはセーブポイントを多めに設置しておいた方がいいだなぁ」ザクッ
人食い植物「キシャァァァァァッ!」ニュルニュルニュルッ
村人「わわっと、逃げるが勝ちだべ!」ガラガラガラ…
村人「すっかり迷っちまった……」
村人「うへぇ~、さっきも同じところ通ったなぁ」
村人「ここはセーブポイントを多めに設置しておいた方がいいだなぁ」ザクッ
人食い植物「キシャァァァァァッ!」ニュルニュルニュルッ
村人「わわっと、逃げるが勝ちだべ!」ガラガラガラ…
― 火山 ―
村人「ふぅ、ふぅ、暑いだ……」ガラガラ…
村人「だけど……火山には巨大な竜が住むっていうし、なるべくその直前に設置しなきゃ……」
ゴボゴボッ…
ファイアドラゴン「ギャァァァァスッ!!!」
村人「出、出たぁっ!」
村人「設置して」ザクッ
村人「逃げるだぁぁぁぁぁっ!」ガラガラガラガラガラ…
ファイアドラゴン「ナント逃ゲ足ノ速イヤツヨ……」
村人「ふぅ、ふぅ、暑いだ……」ガラガラ…
村人「だけど……火山には巨大な竜が住むっていうし、なるべくその直前に設置しなきゃ……」
ゴボゴボッ…
ファイアドラゴン「ギャァァァァスッ!!!」
村人「出、出たぁっ!」
村人「設置して」ザクッ
村人「逃げるだぁぁぁぁぁっ!」ガラガラガラガラガラ…
ファイアドラゴン「ナント逃ゲ足ノ速イヤツヨ……」
― 天空の国 ―
村人「いやぁ~、豆の木を登ったら雲の上に国があるなんて驚きだべ!」
天女「わらわは天女じゃ……」
村人「おわっ、こりゃべっぴんさんだべ!」
天女「ここまで来た褒美に、なにか願いを叶えてやるぞよ?」
村人「魔王を倒して下さい」
天女「すまん、そりゃちと無理じゃ」
村人「ハハハ、冗談だべ」
村人「じゃあ、ここにセーブポイントを設置してもいいだべか?」
天女「欲のない奴じゃな」
村人「いや、そうでもないべよ。ほら」ムックリ
天女「……下半身は正直な奴じゃな」
村人「いやぁ~、豆の木を登ったら雲の上に国があるなんて驚きだべ!」
天女「わらわは天女じゃ……」
村人「おわっ、こりゃべっぴんさんだべ!」
天女「ここまで来た褒美に、なにか願いを叶えてやるぞよ?」
村人「魔王を倒して下さい」
天女「すまん、そりゃちと無理じゃ」
村人「ハハハ、冗談だべ」
村人「じゃあ、ここにセーブポイントを設置してもいいだべか?」
天女「欲のない奴じゃな」
村人「いや、そうでもないべよ。ほら」ムックリ
天女「……下半身は正直な奴じゃな」
― 雪国 ―
ビュオォォォォォ……!」
村人「うへえ……さみ……!」
村人「オラ、暑いのはまだ平気だけど、寒いのは苦手だべよ……」
村人「とっととセーブポイント設置して、こんなとこからはおさらばするだ!」ザクッ
村人「うぅ~……さむっ!」
ビュオォォォォォ……!」
村人「うへえ……さみ……!」
村人「オラ、暑いのはまだ平気だけど、寒いのは苦手だべよ……」
村人「とっととセーブポイント設置して、こんなとこからはおさらばするだ!」ザクッ
村人「うぅ~……さむっ!」
― 暗黒の谷 ―
村人(黒い霧に包まれたおっかねえ谷……)
村人(呼吸するだけで、肺が苦しくなるだ!)
村人(早く村に帰って、村娘とイチャイチャしてえだ)
村人(だけど……勇者様のために……! 世界のために……! 村娘のために……!)
村人「突き進むべえええええええええっ!!!」
村人(黒い霧に包まれたおっかねえ谷……)
村人(呼吸するだけで、肺が苦しくなるだ!)
村人(早く村に帰って、村娘とイチャイチャしてえだ)
村人(だけど……勇者様のために……! 世界のために……! 村娘のために……!)
村人「突き進むべえええええええええっ!!!」
天女「……下半身は正直な奴じゃな…どれ」
あると思います
あると思います
― 魔王城 ―
村人「でっけえ城だなぁ~……」
村人「ついにここまでたどり着いただ……」
村人(50個あったセーブポイントも、あと残り二つしかねえ)
村人(まず入り口に一つ設置して、と)ザクッ
村人(ラストの一つは……なるべく魔王の近くに設置しなきゃなんねえ!)
村人「行くべ!」ザッ…
村人「でっけえ城だなぁ~……」
村人「ついにここまでたどり着いただ……」
村人(50個あったセーブポイントも、あと残り二つしかねえ)
村人(まず入り口に一つ設置して、と)ザクッ
村人(ラストの一つは……なるべく魔王の近くに設置しなきゃなんねえ!)
村人「行くべ!」ザッ…
ダークナイト「侵入者は斬る!」ザシュッ
村人「ぐあっ!」
グレートデーモン「邪悪なる炎よ、敵を焼き尽くせ!」ゴォアアアアッ
村人「ひいいいいっ!」
デュークドラゴン「グハハハッ! 食ってやる!」
村人「オラは食ってもまずいべっ!」
村人(うへぇ~、魔王城ともなるとやっぱり今までとは敵の強さがケタ違いだべ!)
村人(もう適当な場所にセーブポイント設置して、引き返しちまうか?)
村人(いや……ダメだべ! ここまできて手抜きは許されねえだ!)
村人「うおおおおおおおおおおおっ!」
村人「ぐあっ!」
グレートデーモン「邪悪なる炎よ、敵を焼き尽くせ!」ゴォアアアアッ
村人「ひいいいいっ!」
デュークドラゴン「グハハハッ! 食ってやる!」
村人「オラは食ってもまずいべっ!」
村人(うへぇ~、魔王城ともなるとやっぱり今までとは敵の強さがケタ違いだべ!)
村人(もう適当な場所にセーブポイント設置して、引き返しちまうか?)
村人(いや……ダメだべ! ここまできて手抜きは許されねえだ!)
村人「うおおおおおおおおおおおっ!」
村人「ハァ、ハァ、ハァ……」
村人(あちこち逃げ回ってたら、どこ走ってるか分からなくなっちまったべ……)
村人(これじゃ、たとえセーブポイント設置しても、生きて帰れるかどうか――)
「なんだキサマは?」
村人「!?」ゾクッ…
村人(なんだべ!? 声かけられただけで、とんでもねえ寒気が……)
村人(あちこち逃げ回ってたら、どこ走ってるか分からなくなっちまったべ……)
村人(これじゃ、たとえセーブポイント設置しても、生きて帰れるかどうか――)
「なんだキサマは?」
村人「!?」ゾクッ…
村人(なんだべ!? 声かけられただけで、とんでもねえ寒気が……)
村人「おめえ……おめえ、まさか――」
村人「魔王か!?」
魔王「その通りだ」
村人(やっぱり! 今までの奴らとは、さらに迫力が違うべ……!)
魔王「キサマは……勇者、には見えないな。何者だ?」
村人「オラ、ただの村人だべ……」
魔王「ただの村人が、魔王城の最深部まで来るとはな……後で部下にはきつく仕置きせねば」
魔王「で、こんなところまでなんの用だ? ウソを感じたなら即座に始末する」
村人(う、ぐぐ……正直に話すしかねえ……)
村人「セ、セーブポイントを設置に……」
魔王「セーブ……記憶……。なるほど、そういうことか。なんとなくどういうものかは分かった」
村人(さすが魔王、頭いいべ……)
魔王「我々の頃はそんなものなかったが、便利になったものだな」
村人「へ? 我々の頃?」
魔王「いや……なんでもない。いずれにせよ、セーブポイントは私の災いになるものらしいな」
村人「魔王か!?」
魔王「その通りだ」
村人(やっぱり! 今までの奴らとは、さらに迫力が違うべ……!)
魔王「キサマは……勇者、には見えないな。何者だ?」
村人「オラ、ただの村人だべ……」
魔王「ただの村人が、魔王城の最深部まで来るとはな……後で部下にはきつく仕置きせねば」
魔王「で、こんなところまでなんの用だ? ウソを感じたなら即座に始末する」
村人(う、ぐぐ……正直に話すしかねえ……)
村人「セ、セーブポイントを設置に……」
魔王「セーブ……記憶……。なるほど、そういうことか。なんとなくどういうものかは分かった」
村人(さすが魔王、頭いいべ……)
魔王「我々の頃はそんなものなかったが、便利になったものだな」
村人「へ? 我々の頃?」
魔王「いや……なんでもない。いずれにせよ、セーブポイントは私の災いになるものらしいな」
魔王「そんなものを城内に設置されたら面倒なことになる。セーブポイントとやらをよこせ」
魔王「さすれば、見逃してやる」
村人「…………!」
村人「い、嫌だっ! オラ、あんたの部屋の近くにセーブポイント設置するって決めただ!」
魔王「ならば……死ぬしかないな」ヒュッ
バキィッ!
村人「ぶげえっ!」
村人(オラも相当鍛えられてるはずなのに……見えなかっ……)
ドズゥッ! ドゴォッ! ボゴォッ!
村人「う、うげええ……っ!」
魔王「さすれば、見逃してやる」
村人「…………!」
村人「い、嫌だっ! オラ、あんたの部屋の近くにセーブポイント設置するって決めただ!」
魔王「ならば……死ぬしかないな」ヒュッ
バキィッ!
村人「ぶげえっ!」
村人(オラも相当鍛えられてるはずなのに……見えなかっ……)
ドズゥッ! ドゴォッ! ボゴォッ!
村人「う、うげええ……っ!」
>>86
あ、なるほど
あ、なるほど
魔王「いっとくが、キサマなどいつでも殺せる。やらないのは、単にそういう気分じゃないからだ」
魔王「さぁ、セーブポイントをよこせ」
村人「い、いやだ……」
ズドォッ!
村人「げ、げほげほっ……!」
魔王「なぜ強情を張る?」
魔王「ここまで来たということは、少なくとも魔王城の入り口あたりにはセーブポイントを設置したんだろう?」
魔王「それだけでも十分すぎる快挙だ」
村人「ハァ、ハァ……オラもよくわかんねえ……」
村人「けど……ここで手を抜いたら……オラ……胸張って村に帰れねえから……!」
魔王「バカが……その強情のせいで、キサマはここで死ぬのだ! 村に帰ることなくな!」
魔王「地獄の業火よ! こやつを魂ごと滅してしまえ!」グォアアアアアアッ
村人「うっ……うおおおおおおおおおおっ!」
魔王「さぁ、セーブポイントをよこせ」
村人「い、いやだ……」
ズドォッ!
村人「げ、げほげほっ……!」
魔王「なぜ強情を張る?」
魔王「ここまで来たということは、少なくとも魔王城の入り口あたりにはセーブポイントを設置したんだろう?」
魔王「それだけでも十分すぎる快挙だ」
村人「ハァ、ハァ……オラもよくわかんねえ……」
村人「けど……ここで手を抜いたら……オラ……胸張って村に帰れねえから……!」
魔王「バカが……その強情のせいで、キサマはここで死ぬのだ! 村に帰ることなくな!」
魔王「地獄の業火よ! こやつを魂ごと滅してしまえ!」グォアアアアアアッ
村人「うっ……うおおおおおおおおおおっ!」
村人「セーブポイント、オラを守ってくれぇっ!」サッ
ゴワァァァッ!!!
魔王「な……! こいつ、セーブポイントでガードを!?」
村人「そしてぇっ!」
ガツンッ!
魔王「ぐふっ!」
魔王(く……セーブポイントで攻撃してきやがった! ムチャクチャな奴だ!)
村人「ハァ、ハァ、ハァ……」
村人(思いきり殴ったのに全然こたえてねえ……やっぱオラここまでみてえだ……!)
ゴワァァァッ!!!
魔王「な……! こいつ、セーブポイントでガードを!?」
村人「そしてぇっ!」
ガツンッ!
魔王「ぐふっ!」
魔王(く……セーブポイントで攻撃してきやがった! ムチャクチャな奴だ!)
村人「ハァ、ハァ、ハァ……」
村人(思いきり殴ったのに全然こたえてねえ……やっぱオラここまでみてえだ……!)
魔王「……最期に聞いておこう」
村人「な、なんだべ……?」
魔王「仮にキサマがセーブポイント設置という任務をまっとうしたとしても」
魔王「キサマの手柄は全て、後から旅に出る勇者に奪われる格好になる」
魔王「キサマはせいぜい国から小金を渡されて村に帰され、皆から忘れ去られ、寂しく生涯を終えるだろう」
魔王「なのになぜ、キサマはそうまでして力を尽くそうとする!?」
魔王「しょせんキサマは前座! 捨て石! 脇役! 報われないと分かってるのに!」
村人「…………」
村人「な、なんだべ……?」
魔王「仮にキサマがセーブポイント設置という任務をまっとうしたとしても」
魔王「キサマの手柄は全て、後から旅に出る勇者に奪われる格好になる」
魔王「キサマはせいぜい国から小金を渡されて村に帰され、皆から忘れ去られ、寂しく生涯を終えるだろう」
魔王「なのになぜ、キサマはそうまでして力を尽くそうとする!?」
魔王「しょせんキサマは前座! 捨て石! 脇役! 報われないと分かってるのに!」
村人「…………」
村人「オラ……みんなが好きだから……」
魔王「!」
村人「王様は偉いと思うし、勇者様尊敬してるし、村のみんなのことも好きだし」
村人「旅で出会った人たちともまた会いたいし、村娘とはチューしたいだ」
村人「だから……脇役でもいいんだ……」
村人「世界を救うために、少しでも力になれれば……オラ、満足だ……」
魔王「なんの見返りもないとしても、か」
村人「……そうだ」
魔王「…………」
魔王「!」
村人「王様は偉いと思うし、勇者様尊敬してるし、村のみんなのことも好きだし」
村人「旅で出会った人たちともまた会いたいし、村娘とはチューしたいだ」
村人「だから……脇役でもいいんだ……」
村人「世界を救うために、少しでも力になれれば……オラ、満足だ……」
魔王「なんの見返りもないとしても、か」
村人「……そうだ」
魔王「…………」
村人「……め…す」
魔王「なに?」
村人「やめます!」
魔王「急に気が変わったか」
村人「だって!私忘れ去られたくなんてない!
魔王、貴女だって辛くてどうしよもないからここにいるんでしょう!?」
魔王「お前になにがわかる!!この小娘!!」
魔王「なに?」
村人「やめます!」
魔王「急に気が変わったか」
村人「だって!私忘れ去られたくなんてない!
魔王、貴女だって辛くてどうしよもないからここにいるんでしょう!?」
魔王「お前になにがわかる!!この小娘!!」
魔王「……設置しろ」
村人「へ?」
魔王「ここは私の部屋の目の前だ。ここにそのセーブポイントを設置しろ」
魔王「そうしたら、キサマはすぐ魔法で城の外に出してやる。後は勝手に帰れ」
村人「へ!?」
村人「な、なんで? なんでだ? なんでいきなり!?」
魔王「……もし」
村人「へ?」
魔王「ここは私の部屋の目の前だ。ここにそのセーブポイントを設置しろ」
魔王「そうしたら、キサマはすぐ魔法で城の外に出してやる。後は勝手に帰れ」
村人「へ!?」
村人「な、なんで? なんでだ? なんでいきなり!?」
魔王「……もし」
魔王「もしも……私もお前のような心を持っていれば……」
魔王「あるいは魔王などに堕ちずに……」
村人「!?」
村人「あ、あんたまさかっ! 昔、勇者様のご先祖と一緒に魔王を倒した――」
魔王「うるさいっ! とっとと設置しろ!!!」
村人「は、はいっ!」ザクッ
魔王「……ではさらばだ。達者でな」パァァァァ…
村人「あ、あんたも、どうか――」
――――
――
魔王「あるいは魔王などに堕ちずに……」
村人「!?」
村人「あ、あんたまさかっ! 昔、勇者様のご先祖と一緒に魔王を倒した――」
魔王「うるさいっ! とっとと設置しろ!!!」
村人「は、はいっ!」ザクッ
魔王「……ではさらばだ。達者でな」パァァァァ…
村人「あ、あんたも、どうか――」
――――
――
それからしばらくして――
― 村 ―
村娘「お~い!」
村人「ん?」
村娘「都から号外が届いたべ! ついに勇者様一行が魔王を倒したんだってよ!」
村人「……そうか」
村娘「あれ、嬉しくねえべか?」
村人「いんや、そんなことねえよ? 嬉しいよ! やったーっ!」
村娘「変なの」
― 村 ―
村娘「お~い!」
村人「ん?」
村娘「都から号外が届いたべ! ついに勇者様一行が魔王を倒したんだってよ!」
村人「……そうか」
村娘「あれ、嬉しくねえべか?」
村人「いんや、そんなことねえよ? 嬉しいよ! やったーっ!」
村娘「変なの」
クリスタルタワーの外にセーブポイントを設置した村人は許さない
村娘「あんたが設置したっていう、セーブポイントのことも書いてあるだよ」
村人「え、本当か?」
村娘「勇者様、魔王に10回くらい殺されたけど、部屋の直前にセーブポイントがあったおかげで倒せた~とか」
村人「ハハハ、苦労したかいがあっただ」
村娘「セーブポイントが三つも設置してある謎の盗賊団アジト跡地とか」
村人(そりゃオラのミスだ)
村娘「吊り橋の下にあるセーブポイントは、隠しダンジョンの近くだったから有り難かった、とか」
村人(あの吊り橋の下……オラは行かなかったけど、難所だったんだな)
村人「え、本当か?」
村娘「勇者様、魔王に10回くらい殺されたけど、部屋の直前にセーブポイントがあったおかげで倒せた~とか」
村人「ハハハ、苦労したかいがあっただ」
村娘「セーブポイントが三つも設置してある謎の盗賊団アジト跡地とか」
村人(そりゃオラのミスだ)
村娘「吊り橋の下にあるセーブポイントは、隠しダンジョンの近くだったから有り難かった、とか」
村人(あの吊り橋の下……オラは行かなかったけど、難所だったんだな)
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