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    元スレ勇者「結婚して子どもできてマイホームまで購入したんですよ!?」

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    101 :

    完走してほしい

    103 :

    わくわく

    104 :

    書きかけか 待ってるぞ

    105 :

    おいこら寝過ぎだぞ

    106 :

    魔法使い「やらかして仕事をクビになったって言ったでしょ?」

    勇者「……うん」

    魔法使い「あれ、ウソだから」

    勇者「……」

    魔法使い「……」

    勇者「……えっと、どこらへんからどこらへんまでがウソなんだ?」

    魔法使い「んー、今でも普通に研究やってる」

    勇者「ほ、本当にか?」

    魔法使い「ていうか普通に考えりゃウソってわかるじゃん」

    107 = 106 :

    魔法使い「だいたい王都の研究機関でやらかして追放されるレベルだったら」

    魔法使い「さすがのアンタでもなにかしらのウワサは耳にするでしょ?」

    勇者「……あー、そっか」


    魔法使い「それにアンタの奥さんや戦士があたしに相談しに来ることもないでしょ?」

    魔法使い「本当に営業で各地を飛び回ってるっていうなら」


    勇者「……そうだな」

    魔法使い「ったく、普通に考えればわかりそーなのにね」

    勇者「……じゃあ生活苦だっていうのも?」

    魔法使い「もちろん、うそよ」

    108 = 67 :

    110 :

    魔王が出てきてドゥビドゥバー

    111 = 106 :

    勇者「そ、そうか。……安心したよ」

    勇者「ほら、俺ってば頭が悪いからお前のウソもウソって見抜けなくて」

    魔法使い「ちがうでしょ」

    勇者「え?」

    魔法使い「アンタはあたしに興味なんてなかった。だから気づけなかっただけよ」

    勇者「それは……」

    魔法使い「否定できないでしょ?」

    勇者「たしかに、お前のことを本当に考えてたら普通にウソには気づけたかも」

    魔法使い「なんでちょっと落ちこんでんのよ」

    112 = 106 :

    勇者「いや、俺ってばわりと冷たい人間なのかなあって思って」

    魔法使い「そうかもね。でもいいじゃん」

    魔法使い「妻帯者がよその女にかまけてるほうがよっぽど問題よ」

    勇者「……なあ」

    魔法使い「なに?」

    勇者「なんでそんなウソついたんだ?」

    魔法使い「半分はいじわる」

    勇者「いじわる?」

    魔法使い「あるいはちょっとした仕返しかも。で、もう1つは……」

    魔法使い「……まあいいや。教えてあげない」

    勇者「は?」

    113 = 106 :

    勇者「気になるだろ、言ってくれよ」

    魔法使い「いやよ。考えたらだいたいわかりそうなことだし」

    勇者「いや、わからないから聞いてんだよ」

    魔法使い「知らないし教える気もないから」

    勇者「……あっそ」

    魔法使い「あー、代わりにべつのことを教えてあげる」

    勇者「なんだよ」

    魔法使い「たぶん、近いうちにあたしも結婚するんじゃないかなって思う」

    勇者「……え?」

    魔法使い「まあ彼から直接言われたわけじゃないから、まだ確定じゃないけど」

    114 :

    >>27
    見てる

    115 = 114 :

    なんだこの安価

    116 :

    つまらない人生送ってると思ったら戦士は楽しい人生送ってて辛いと思ったら魔法使いはつまらない人生送ってると告げられて
    そして自分はつまらない人生じゃなかったと思った所で魔法使いもつまらない人生じゃないと告げられて
    ややこしいな

    117 = 116 :

    前より仲間の安否も妻との仲もいい感じになった所で一人寂しく魔王倒しに行くと考えるとまた悲しいな
    国もクズ妻もクズなら気兼ねなく冒険できるのに

    119 :

    これ仲間集まらねぇな

    120 = 106 :

    勇者「え? どういうこと?」

    魔法使い「今同棲してる彼がいるの。で、たぶん近いうちにプロポーズされる」

    勇者「……恋人がいたのか」

    魔法使い「まっ、あたしもいい年だし」

    勇者「……ていうか、そんなプロポーズしそうとかわかるもんなのか?」

    魔法使い「オトコのやろうとしてることなんて筒抜けなの、女からしたらね」

    勇者「……そうか」

    魔法使い「まっ、そういうことだから」

    勇者「……なにが?」

    121 :

    結局王様がクソっていう事実が変わらなくてワロタ

    122 = 106 :

    魔法使い「さっきアンタが教えてくれって言ったことの答え」

    勇者「……いや、もう全然わからんのだけど」

    魔法使い「わからないなら、それでいいから」

    勇者「いや、ていうか気になるから……」

    魔法使い「あーもうっ、うっさい。こんなとこで油売ってていいわけ?」

    魔法使い「アンタはまだ仲間集めもあるんでしょ?」

    勇者「うっ……」

    魔法使い「なによりカワイイ奥さんと息子さんが待ってるんじゃないの?」

    勇者「……そうだな。帰らなきゃな、家に」

    123 :

    魔王は魔王でなんか苦労してそう

    124 = 106 :

    勇者「……あのさ」

    魔法使い「ん?」

    勇者「ありがとな、本当に」

    魔法使い「べつに。結局あたしにしても戦士にしても、ほとんど力にはなれてないし」

    勇者「いや、旅のことじゃない」

    勇者「それよりもっと大事なことだ。お前のおかげでそれに気づけた」

    勇者「……ような気がする」

    魔法使い「そこは断言してよ」

    勇者「……それじゃ。結婚式は呼んでくれよ」

    魔法使い「呼んでも来れるとは限らないけどね」

    勇者「……たしかに」


    勇者(まあそんなこんなで俺は家族の待つ家に帰った)

    125 = 39 :

    126 :

    半年とかどんだけ遠いんだよ

    129 = 39 :

    >>126
    木星並みに広い星なんだろう

    130 = 98 :

    楽しみに待ってるから、最後まで書いてくれ

    131 = 106 :

    5日後


    勇者「……おはよう」

    息子「パパがきょうも自分ひとりでおきてるー」

    「すごいじゃない。これで5日連続よ」

    勇者「はっはっは、当たり前だろ。今日からは旅だし気合入れてかなきゃな」

    「……自分で起きるって子どもでもできることだけどね」

    勇者「……」

    「まあでも、すこしは進歩したのかな」

    勇者「うんうん、そうだろ?」

    「そういえば。昨日、またお風呂の湯を抜いてなかったでしょ?」

    勇者「……あれ? 抜いてなかった?」

    「カビが生えるからあれほど湯は捨てろって言ってるのに、もうっ」

    勇者「……ごめん」

    132 = 106 :

    勇者(なんていうか、結婚生活って難しいよなあ)

    勇者(気づくとお互いにイヤなところばかり見るようになっちゃうし)

    勇者(ときどきなんで結婚したんだっけって思うことも、まあ正直ある)


    「待ち合わせの時間には間に合うの?」

    勇者「大丈夫だって。さすがに今日は遅刻できないしな」

    「そう。ならいいんだけど」

    133 = 127 :

    最後までたのむ

    134 = 121 :

    135 = 106 :

    勇者「よしっ! それじゃ、そろそろ行ってくるよ」

    「……本当は色々と言っておきたいことがあるけど」

    「どうせあなたは私の言ったことを忘れちゃうから」

    勇者「……ごめんな」

    「そのかわり。これだけはまもって」

    「必ず無事に帰ってきてね」

    勇者「……うん、わかってる」

    「それと、はい。久々に気合入れてつくったから」

    勇者「わーお、でっかい弁当だな!」


    勇者(……そういえば、お弁当だけはどんなときでも絶対にもたせてくれるんだよなあ)

    136 :

    こどもにいかせたら

    138 = 106 :

    勇者「……今まで言ってなかったけどさ」

    「うん」

    勇者「いつもお弁当をつくってくれてありがとう」

    「……ふふっ、お弁当のことでお礼なんて久々に言われた気がする」

    勇者「そうだな。ずっと言ってなかったもんな」


    「あと、この子からもプレゼントがあるの」

    息子「はい、パパ! ぼくからのプレゼント!」

    勇者「……これは?」

    「おまもり。2人でつくったの」

    息子「パパがげんきに帰ってこれるようにっておいのりしながらつくったんだよ!」

    勇者「ジュニア……お前ってヤツは……」

    139 = 106 :

    勇者(『俺ってば幸せだなあ!』ってずっと思えるほど、たぶん結婚生活って楽じゃないと思う)

    勇者(1人の方が楽だって瞬間は必ずあるし、俺はそれを実際に体験してる)

    勇者(だけど、それでも)


    勇者「……っ」

    息子「パパ? 目、うるうるしてるよ?」

    勇者「そ、そんなわけないだろ。パパはとーっても強いんだからな! 泣かないぞー」

    「ふふっ、そういうことにしておこっか」


    勇者(1人じゃ絶対に手に入らない幸せがあるんだよな)

    勇者(まあたぶんそれは、とってもささやかなものなんだろうけど)

    141 = 106 :

    勇者「じゃあ……今度こそ本当に行くよ」

    息子「パパー、いってらっしゃーい」

    「気をつけてね。いってらっしゃい、あなた」



    勇者「いってきます!」



    勇者(特にこの言葉を伝える相手がいるっていうのは、なによりも幸せなんだろうな、と思う)

    142 = 39 :

    自分涙いいすか?

    143 = 106 :

    おまけ


    魔王「かあちゃーん、そこにあるリンゴとってくれ」

    魔王「はあ?」

    魔王「そ、そんな睨まなくてもいいだろ!? 俺、まだカラダ動かないし……」

    魔王「ったく、なんでアンタはこう世話がかかるのかしらね」

    魔王「すこしは勇者を見習いなさいよ、ほんとに」

    魔王「な、なんで勇者を見習わなきゃならないんだよ!」

    魔王「ヤツのせいで俺は……」

    魔王「あっちは結婚して子ども産んで、立派な家庭も築いて……それに比べてうちの息子は」

    魔王「……」

    魔王「この年にもなってまだ母親の手を煩わせるなんてね」

    144 = 106 :

    魔王「アンタもアンタでいつまで水槽の前で突っ立ってんのよ」

    魔王「……あっ、オレ?」

    魔王「いやあすまんすまん、金魚の餌やりに夢中になってた」

    魔王「ああイライラする! ほんとうちのオトコどもは情けないっ!」


    バタンっ!


    魔王「また扉をあんな強く閉めて……ただでさえ建て付けが悪くなってるのに」

    魔王「……なあ、オヤジ」

    魔王「なんだ?」

    145 = 73 :

    魔法使いが腰の振り方を覚えたってのは嘘じゃなかったな

    146 :

    家庭に絶望した勇者が旅先で新たな家庭を築く話だと思ったのに

    147 = 106 :

    魔王「なんであんなコワイおふくろと結婚したんだ?」

    魔王「……んー、まあ流れと勢いかなあ」

    魔王「……なにかもっともらしい理由はないのか?」

    魔王「ない。戦いと恋はたいてい勢いで決まるもんだ」

    魔王「……あんなコワイおふくろとよく結婚しようと思ったもんだ」

    魔王「なに言ってんだ。なんだかんだでしっかりとお前の面倒を見てくれてる。優しいじゃないか」

    魔王「…………言われてみればそうかもな」

    魔王「親だって生き物だ。親が子の面倒を見るのが当たり前だなんて考えはダメだぞ」

    魔王「……わかったよ」

    148 = 106 :

    魔王「とりあえずカラダなおして、おふくろになにかしてやるか」

    魔王「してやれ。まちがいなく喜ぶぞ」

    魔王「ていうか、結婚とかも考えなきゃいけないのかなあ」

    魔王「その前に勇者をどうにかしないといけないがな」

    魔王「……つらいわあ」



    おわり

    149 = 39 :

    お疲れさま

    150 = 106 :

    ここまで読んでくれた人、保守してくれた人ありがとうー


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