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    元スレココア「シャロちゃーん。お金あげよっか?」

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    101 = 1 :

    計8回。
    歪んだ欲望を全て中に吐き出しつくすと、
    ようやくワイルドギースは何も知らない少女を解放した。

    ワイルドギース「元気な赤ちゃんをたくさん産んでね。ボクと君の子だよ」

    ワイルドギースは無表情でそう言い放つと、
    ぐったりとしているシャロの横で、もしゃもしゃと餌を食べ始めた。
    シャロはしばし、虚ろな瞳でそれを呆然と眺めていた。
    下腹部には鈍痛を、心には刺すような深い悲しみを抱えて、
    シャロはただ眺めていることしかできなかった。

    102 = 1 :

    シャロ「どうして、こんなことをしたの……?」

    どれほど時間がたっただろうか。
    満腹になり昼寝を始めたワイルドギースが目覚めると、
    シャロは唐突にそう質問をした。

    ワイルドギース「どうして?」

    ワイルドギースは首を傾げる。

    ワイルドギース「随分とおかしなことを聞くんだね。
         ボクはエサ場を提供したでしょ。そして君はそこでエサを食べた。
         つまり君はその時点で、ボクの子供を産む決断をしたってことさ。
         それが嫌だったら最初からエサ場に付いてこなければいい」

    103 = 1 :

    ココア「またシャロちゃん元気なくなっちゃったね」

    チノ「どうしたんでしょうか。昨日まであんなに仲が良かったのに」

    ワイルドギース「きぃきぃ。(ちゃんと食べないと体に毒だよ)」

    シャロ「きぃきぃ……。(もう、ほっといてよ。私のことは……)」

    悲しみに暮れたシャロはゆっくりと立ち上がり、
    トボトボと冷蔵庫の方へと歩いて行った。
    そして。冷凍室を、前足でカリカリと掻く。

    チノ「もしかして……。シャロさんは千夜さんの肉が食べたいんじゃないでしょうか」

    104 = 61 :

    おいクソガキ

    105 :

    マジキチ

    106 = 1 :

    ココア「はい! お待たせ!」

    シャロの目の前に湯気の立つ器が置かれた。
    やや躊躇するようにシャロは、その前をウロウロとしていたが、
    決心がついたのか、勢いをつけてそれにかぶりついた。
    もしゃもしゃと肉を咀嚼する音が響く。

    チノ「やっぱりそうでした。体調が戻った証拠ですね」

    ココア「冷凍しておいてよかったねぇ。
       ……シャロちゃん。まだたくさんあるからね」

    シャロ「きぃ……。(生きてやる……。何が何でも生きて……)」

    107 = 15 :

    てす

    108 = 1 :

    ~リゼ宅~

    リゼ「ああ……。シャロ……。シャロぉ……っ」

    机に突っ伏したリゼは、後悔の念に押し潰されそうだった。
    たくさんの命と友人の命をはかりにかけて、後者を犠牲に選んでしまったのだ。

    リゼ「せめて……。ちゃんと弔ってやりたい……」

    我を失い泣き伏せっていたリゼがふと我に返ったときには、
    ギロチンで処刑したはずのシャロの頭部がこつ然と姿を消していた。
    リゼは家の財力、人脈を使い全力で捜索にあたっているが、
    未だ見つかっていないという状況だ。

    リゼ「シャロぉ……。本当にすまない……っ」

    109 = 16 :

    リゼちゃん良いねぇ

    110 = 1 :

    「お嬢様! シャロさんの頭部が見つかったそうです!」

    リゼ「本当か!?」

    突然自室に飛び込んできた使用人の言葉に、リゼは弾かれたように立ち上がった。

    リゼ「どこだ! どこで見つかったんだ!」

    リゼは使用人に駆け寄り、激しく肩を揺さぶる。

    「は、はい! >>115で見つかったそうです!」

    111 = 16 :

    加速

    112 = 96 :

    千夜の家

    113 = 12 :

    学校のリゼのロッカー

    114 :

    ゴルゴタの丘

    115 = 16 :

    甘兎庵

    116 = 1 :

    ~甘兎庵前~

    リゼ「やはり……。今日も閉まっている……」

    シャロの処刑の日。
    それ以来、甘兎庵がオープンしていないことを、
    リゼはずっと気にはかけていた。
    仮に、千夜がシャロの頭部を奪ったのだとしたら、それに関しても合点がいく。

    リゼ「シャロ……。待っていてくれ……」

    117 = 1 :

    リゼ「はぁっ!!!」

    ミシリ。
    リゼが取っ手を引くと、大きく木の軋む音を立てて、
    甘兎庵の、鍵が閉まっている扉が開いた。
    真っ暗な店内に、日の光が徐々に広がっていく。

    リゼ「千夜! いるのか!?」

    付いて来ようとする使用人を必死になだめて、
    リゼは単身乗り込んできていた。
    自分一人の力で解決する肚だった。

    リゼ「千夜! 出て来い!」

    不自然なほどに暗い店内に疑念すら抱かず。
    リゼはどんどんと店の奥へと入って行った。

    119 = 1 :

    リゼ「千夜! 千……っ!?」

    気配を感じ、慌ててリゼは横に飛び退き地面を転がった。
    リゼの耳孔にバチバチと、何かが弾けるような音が残響している。

    リゼ「お前は……」

    床に片膝をついてしゃがんでいるリゼは、信じられないものを見た。
    スタンガンを構え、息を荒げるココアの姿を。

    ココア「まさか。このタイミングで避けるとはね……」

    120 :

    熱いバトルシーン

    121 = 1 :

    リゼ「なんでお前がここにいる!? 千夜はどうした! シャロは!?」

    ゆっくりと立ち上がりながら、憤怒の形相でリゼは叫ぶ。
    ココアの額から、冷汗が一筋流れた。

    リゼ「……ふん。答えないのなら、それもいい」

    ココアから視線を外さずに、リゼは制服のポケットから、
    鈍く光るナイフを取り出した。それは以前、シャロからプレゼントされたものだった。

    122 :

    物騒なもんプレゼントしてんな

    123 = 1 :

    リゼ「ここにいるということは無関係でもあるまい!」

    リゼはナイフを持った右腕を大きく振り、空間に閃光を走らせる。

    リゼ「その体に、直接聞いてやるとしよう!」

    両腕を広げ、リゼは疾走する。
    ココアの右手で、スタンガンが火花を散らした。

    ココア「あはっ! リゼちゃん! 私が一人だと、思わないことだね!」

    闇に染まる店内。そのテーブルの陰から。
    >>127が姿を現した。

    124 = 16 :

    加速

    127 = 16 :

    マヤメグ

    128 = 105 :

    青山ブルーマウンテン

    129 :

    霊体化した千夜ちゃん

    130 :

    セガール

    131 = 1 :

    リゼ「お前ら……っ! お前らもグルか!?」

    テーブルの陰から現れたマヤ、メグの両名に、リゼは声を荒げるが、
    どうも様子がおかしいことに気付いた。
    二人は暗い店内でも分かるほどに青ざめていて、
    木造の床が軋むほどにガタガタと震えている。

    マヤ「リゼ……。助けて……」

    メグ「逃げてください……。リゼさん……」

    二人の背後から小さな影が揺れる。

    チノ「こういうことです、リゼさん。まさか、見殺しになんてしませんよね」

    132 = 1 :

    リゼ「がはっ……」

    大きく体を仰け反らし、リゼは床に倒れ込んだ。
    椅子が二つほどひっくり返り、派手な音を立てる。

    ココア「あはは。リゼちゃーん。もうおしまい?
       じゃあマヤちゃんとメグちゃんも終わりだねぇ」

    ココアが振り返りながらそう言うと、チノが頷きナイフを手に取った。
    息を呑むような小さな悲鳴が、薄暗い店内に響く。

    リゼ「ま、待て……」

    テーブルに手を突き、身体を震わせながらリゼは立ち上がる。
    頭からは血を垂れ流し、顔は腫れ、ボロボロの制服から肉の裂け目が覗いていた。

    ココア「あはは。そうこなくっちゃねぇ」

    133 = 105 :

    タカヒロ
    ティッピー

    助けてくれ

    134 = 1 :

    ココア「ふんっ! ふんっ!」

    ココアはささくれ立った角材で、何度もリゼを殴打した。
    角材から数本飛び出している釘が、リゼの肉を刺し、抉る。

    リゼ「あぐ……っ! ぐう……っ!」

    全身を滅多打ちにするのに飽きたココアは、
    先程からリゼの左の鎖骨付近を集中的に殴りつけていた。

    ココア「えいっ! よい……、しょおっ!」

    短いストロークはやめ、大きく振りかぶった一撃を叩きこんだ。
    バキン。大きな音がして、角材がへし折れた。
    先端がくるくると中空をまわり、地面に落ち、転がる。

    リゼ「は……っ。はぁ……っ! うああああああああああっ!!!!!!!!」

    顔を苦痛に歪め、左肩を押さえて、ゆっくりと床に膝をついたリゼは、たまらず絶叫した。
    鎖骨が折れ、肩が異様な形に隆起していた。

    135 = 1 :

    ココア「あはは。もうダメみたいだねぇ」

    チノ「そうですね。じゃあ……」

    ココアの合図で、チノがナイフを掲げる。
    「ひっ」マヤとメグ。二人は短い悲鳴を上げた。

    リゼ「ああああっ!!!! ああ……! ま、待ってぇっ!」

    ココア「ん? まだ殴られたい?」

    リゼ「うう……」

    ココアが角材を振り上げると、リゼは固く目を閉じ顔を背けた。

    チノ「はい。というわけで。お二人には残念ですが」

    136 = 1 :

    リゼ「ひっ……。ひい……っ」

    リゼは床に座り込み、固く目を閉じ俯いて、頭を抱え震えていた。

    ココア「あはは。リゼちゃん。高校生にもなって恥ずかしいねぇ」

    ココアが笑う。
    リゼは恐怖と痛みのあまり失禁し、お尻のあたりに水溜りができていた。
    その傍らには、マヤとメグの血に染まった死体が転がっている。

    チノ「せっかくリゼさん頑張ったのに。その甲斐が無かったですね。
      結局、安っぽい正義感じゃだれも救われないんです。
      マヤさんもメグさんも。そして、シャロさん、千夜さん」

    リゼは顔を伏したまま、ゆっくりと目を開けた。

    リゼ「シャロ……」

    137 = 1 :

    チノ「さて、家に帰ったら楽しいショーが待っていますから」

    ナイフを構え、チノは言う。

    ココア「そうだねぇ。くっさいうさぎ小屋でたくさんのオス兎に犯されて、
       シャロちゃんはどんな鳴き声を上げるのかなぁ」

    両手を広げ、ココアは笑う。
    座り込んだリゼの眼前にチノが迫る。
    ナイフが煌めく。
    光が揺れる。

    チノ「さよならです。リゼさん」

    チノが腕を振りかぶる。
    その背後で、ナイフが光る。

    リゼ「シャロおおおおおっ!!!!!!!」

    チノ「えっ」

    飛びかかったリゼがチノを押し倒した。
    固いものが床に叩きつけられる、けたたましい音。
    リゼが、シャロからもらったナイフ。
    床で鈍い光を放つそれが、チノの身体を貫いていた。

    138 = 72 :

    (ワイルドギースってぬいぐるみじゃなかったっけ)

    139 = 1 :

    リゼ「ぐううううううううううううっ!!!!!!!!!!」

    突き刺すような痛みに耐え、リゼは立ち上がった。
    鎖骨の折れた左肩は、野獣に噛みつかれたように熱く疼いたし、
    全身は、針の筵を巻き付けたように鋭く感覚を刺激した。
    それでもリゼは立ち上がった。
    友人を取り戻すために。

    リゼ「今……、”シャロちゃん”がどうとか、聞こえたが……」

    今にも命の灯火は消えそうだった。
    それが嘘のように、眼前の敵を睨み付ける瞳は、光を失っていない。

    リゼ「返してもらおう……。私の……、愛する人を……」

    リゼは重い体を引きずるように、一歩一歩足を前に踏み出した。

    140 = 12 :

    コイツ…何言ってんだ?

    141 = 1 :

    ココア「……なんなのよ。この死にぞこない」

    冷汗を流しながら、ココアは後ずさる。
    目の前にいるリゼは、言葉の通り”死にぞこない”だった。
    ココアが手を下さずとも、勝手に死にゆく体だろう。

    ココア「あっはは……。ここまでおいでぇ、ってねぇ……」

    ひきつった笑いを浮かべ、なおもココアは後進した。
    あと数歩。おそらくあと数歩で、リゼは死ぬだろう。
    身体を揺らめかせ歩くその姿と、出血量がそれを物語っている。

    ココア「あはっ……。さっさと死になさいよ……」

    142 :

    >>138
    原作くらい買おうな

    143 = 1 :

    ココア「ひっ……!?」

    何かに蹴躓き、ココアは後ろに倒れた。
    その”何か”は「きぃきぃ」と鳴き声を漏らす。

    リゼ「あああああああああああああっ!!!!!!!!!」

    勝機を見逃すリゼではなかった。
    残り少ない命の灯火を全力で燃やし、強く地面を蹴ると疾走した。

    ココア「がふっ!!!」

    倒れ込むようにしてリゼは、
    チノを貫いたのと同じナイフを、仰向けに寝ているココアの胸に突き立てた。

    144 = 1 :

    大きく目を見開いたまま、ココアは絶命していた。
    その横に同様に仰向けに倒れているリゼも、すぐにそうなることだろう。
    か細い呼吸を繰り返し、それに合わせて血塗れの胸が上下していた。

    リゼ「……?」

    リゼのぼんやりとかすれる視界に、何かが動いているのが見えた。

    「きぃきぃ……」

    それは暖かく、モフモフとした感触を、リゼの頬に伝えてくれた。

    リゼ「シャロ……。ありがとう……」

    リゼの頬を一筋流れた涙が、シャロの毛むくじゃらの身体に吸い込まれていった。

    145 = 16 :

    感動した

    146 :

    いい話だぁ…

    147 = 1 :

    ~ウサギ帝国~

    シャロ「ううううううう……っ!!!!!」

    ワイルドギース「頑張って! シャロ!」

    約一か月後。
    自身の作り上げた国で、シャロはその時を迎えていた。

    シャロ「はぁ……っ。はぁ……っ」

    ワイルドギース「よくやったよ、シャロ! 6羽とも、無事みたいだ。
         みんな、ボクたちの子供だよ」

    シャロ「……ふふっ。それは、なによりだわ」

    148 = 105 :

    リア獣め…

    149 = 1 :

    ワイルドギース「名前はどうしようか」

    シャロ「……名前はね、もう決めているの」

    ワイルドギース「へぇ! どんな?」

    シャロ「千夜、リゼ……。それに、ココア、チノ、マヤ、メグ……」

    ワイルドギース「あはは。いい名前だね。どんな願いを込めて、その名前にしたんだい?」

    シャロ「そうね……」

    ふと、顔を上げ、シャロは遠い目をする。

    シャロ「次は、みんなうまくやれるように」

    150 = 1 :

    ワイルドギース「次?」

    シャロの答えに、ワイルドギースは首を傾げる。

    ワイルドギース「おいおい……。もしかして、前の夫との間に生まれた子と、
         同じ名前だとか言うんじゃないだろうね?」

    「ふふっ」シャロは含んだように笑った。

    シャロ「そんなんじゃないわ……。ただ、別の世界があるなら。
       きっと私たち、うまくやれていたはずなのよ。
       みんなで、楽しく、笑って……」

    感慨深げに瞼を閉じたシャロの頬を、涙が一筋つたった。

    ワイルドギース「そうだね! ボクたち、きっとうまくやれるはずさ!
        ……さぁ。ボクはお祝いの準備をしないと! キミは寝てていいからね!」

    ワイルドギースはいそいそと駆け出していく。
    シャロはその背中を見送り、微笑んだ。

    シャロ「ふふっ。次は、みんな仲良くしましょうね?」

    子供たちの寝床を、シャロは覗き込み笑みを浮かべる。
    そこには、これからの生活を暗示するかのように、
    すやすやと安らかに眠るかわいらしい顔が、6つ並んでいた。

    終わり


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