元スレココア「シャロちゃん。10万円あげるから指の骨へし折らせて?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
~ラビットハウス~
シャロ「な、何言ってるのよ。ココア……」
ココア「千夜ちゃんから聞いたんだけど、今月厳しいんでしょ? お金」
シャロ「確かに厳しいけど」
ココア「別にただでお金あげてもいいんだけど、
でも、それだとシャロちゃんもいい気がしないと思うの。
だから、その見返りとして。……指の骨へし折らせて?」
シャロ「なんなのよ。その発想は」
2 :
>>2なら俺が育てたアスパラガス晒す
3 = 1 :
ココア「もちろん見返りの10万円とは別に、
怪我の治療費とか、その間にできないバイトのお給料も払うよ」
シャロ「……」
ココア「どの指を折るのかもシャロちゃんに選ばせてあげるから。
……ね? いいでしょ?」
シャロ「……ココア」
ココア「何? どの指にするか決まった?」
4 :
シャロ生きろ
5 = 1 :
シャロ「見損なったわ。ココアのこと」
ココア「え……」
シャロ「そうやって、平気で人を傷つけられる人だとは思わなかったわ」
ココア「ちょ、ちょっと待ってよ……。シャロちゃん」
シャロ「最低よ。あなた」
6 :
>>2
あくしろよ
7 = 1 :
ココア「ち、違うよ! 私、シャロちゃんのことを助けたくて……。
指の骨へし折られて、痛みに耐えてるシャロちゃんの表情とか。
普段の生活で不便を感じて、
困ってるシャロちゃんを助けてあげて感謝されたりとか。
臨時収入が入って、いつもより豪華な食事食べて喜んでるシャロちゃんとか。
そういうのを、私見たかっただけなの……」
シャロ「やっぱりココアは分かってないみたいね。
私が言ってるのはそういうことじゃないの。
体に関してもそうだけど、ココアは人の心を平気で傷つけてるのよ。
……お金のために、私が喜んで身体を差し出すと思っているわけでしょ。
そこが気に入らないの。私、お金は無くても、プライドくらいは持ってるわ」
8 :
早く犯せ
9 = 1 :
ココア「ま、待って……。行かないで……」
シャロ「じゃあ、私は帰るから。一人でちゃんと考えることね」
ココア「待ってよぉ! 置いてかないでぇ……!
私のこと、キライになったら嫌だよぉ……!」
シャロ「……泣いたって無駄よ。じゃあね」
カランコロン。
シャロがラビットハウスのドアに手をかけた。
10 :
すぐ援交するクソシャロにプライドなんかねーだろ
11 :
これは何ココア?
12 :
13 = 1 :
ココア「うああああああああああっ!!!!!!!」
ポキン。
ココアの絶叫が響いた後に、小枝の折れるような音がした。
シャロが振り向くと、左手を右手で抱えたココアが、
机に突っ伏して小刻みに震えているのが目に入る。
シャロ「ココア……? ココア! あんた、何してんのよ!」
ココアの左手の小指は、あらぬ方向へと曲がっていた。
14 :
じっさい骨折の時はボキンッって鳴るらしいな
15 = 1 :
ココア「ごっ……! ごべんねぇ……っ! シャロちゃあああん……!」
シャロ「ココア……!」
シャロが慌てて駆け寄ると、
どうやら、自身の左手小指の骨を、自らへし折ったであろうココアは、
大粒の涙を流しながら謝罪の言葉を繰り返していた。
苦痛に歪めた顔を、時折しゃくりあげるようにして震わせている。
シャロ「な、なんでこんなこと……」
ココア「だってぇ……! シャロ……っ、ちゃんがぁ……っ」
16 :
ココアちゃんが構って系自傷メンヘラっぽい
17 = 1 :
シャロ「私も謝るから……。だから、落ち着いて。話を聞かせてよ。
……なんで、こんなことをしたの?」
ココア「う……、ひぐう……っ。うん……っ」
泣きじゃくるココアをなんとかなだめながら、
シャロは根気よく理由を聞き出そうとする。
それでもなんの拍子か錯乱したココアが、自身の薬指も折ろうとするので、
そのたびに、シャロは必死にそれを止めた。
18 = 12 :
19 :
>>16
指折るまでやるなら流石に構ってやるわ
20 = 1 :
シャロ「ココア……。あなた……」
頭おかしいんじゃないの。
喉まで出かかった言葉を、シャロは慌てて飲み込んだ。
『最初は許しを請うために、自ら小指の骨を折ったが、
慌てて駆け寄ってきたシャロの表情がとても美しかったので、
薬指も折ってやろうと思った。
全部の指を折れば、シャロがもっと優しくしてくれるから』
未だすすり上げるように泣いているココアの言い分は、
要約するとこういうことだった。
21 = 1 :
ココア「ごめん……! シャロちゃん、本当にごめんねぇ……っ!
わたっ……、私、もっといい子にするから……。
なんなら、シャロちゃんの気が済むまで痛めつけていいから……、
だから、嫌いにならないで……。お願い……」
シャロに縋るように懇願していたココアだったが、
徐々に勢いを失い、最後は呟くように言葉を漏らすと、
床にへたり込んでしまった。
ココア「お願い……。お願いします……」
22 = 1 :
ココア「全治1か月だって! 良かったねぇ!」
病院からの帰り道。
シャロと手をつないだココアが、
満面の笑みを浮かべながらスキップをしていた。
ブラブラと揺れている左手を、固定している真っ白なギプスが、
なんとも痛々しい。
シャロ「何が良かったのよ……」
呆れたようにシャロが呟くと、瞬間ココアの笑顔が曇った。
23 = 10 :
これは良いココシャロ
24 = 1 :
ココア「シャロちゃん。ご、ごめんね……?
私、また変なこと、言ったかなぁ……?」
不安げな表情でココアが足を止めると、
窺うようにしてシャロの顔を覗き込んだ。
ココア「わ、悪いこと言ったりしたら、容赦なくぶったり、つねったり。
蹴ったり、殴ったり、潰したり、折ったりしていいからね?
シャロちゃんの好きなように、私に罰を与えていいんだよ。
だから。お願いだから、私のこと嫌いにならないで……」
25 = 10 :
良いよぉ
26 :
いつものクズじゃなくて
ナチュラルなキチガイってのがちょっと新鮮
27 = 11 :
ドMココアもいいかもしれない
28 = 1 :
シャロ「ココアのことは、き、嫌いにならないから。
それに私は、殴ったりとか、
そんなひどいこと、しないし……」
それを聞いたココアの表情が、再びぱあっと明るくなった。
ココア「うんっ! 優しいもんね、シャロちゃんは!」
満面の笑みを浮かべてスキップをするココアの横を、
並んで歩きながら、シャロは考えていた。
『全治1か月だって! 良かったねぇ!』
この言葉の意味を。
シャロがふと横を見ると、
目の合ったココアが優しく笑いかけてくる。
その笑顔から、シャロは何も読み取れなかった。
29 = 1 :
シャロ「はぁ……」
ぼすん。
シャロは自室の、安物のベットに身を投げた。
自然と出てしまったため息に、思わず苦笑する。
シャロ「ココア……。なんなのよ、あの子は……」
今日はひどく疲れてしまった。
結局、ココアの奇行の意味も、意図も分からずじまいだ。
シャロ「はぁ……」
再度ため息を吐くと、ごろんと寝返りを打つ。
シャロは考えを巡らせていたが、いつの間にか眠っていた。
30 = 12 :
31 = 19 :
鍵締めただろうな。鍵締めただろうな!?
32 = 12 :
33 = 1 :
「シャロさーん」
フィルターを通したようなくぐもった声と、
何かを叩く音でシャロは目を覚ました。
シャロ「はーい。……あら、チノちゃんじゃない。
どうしたの、こんな朝早くに」
眠い目をこすりながらシャロが玄関の扉を開けると、
チノの薄青色で艶のある髪が目に入った。
チノ「シャロさん!」
先程よりクリアになった声が、
未だ夢の世界に半分いるシャロの頭の中に響いた。
34 = 8 :
ここあちゃーん
35 = 1 :
チノ「ちょっと、ココアさんの件でお話がありまして」
お互いに簡単なあいさつを済ませると、チノがそう切り出してきたので、
話が長くなりそうだと思ったシャロは、チノを家の中へと招き入れた。
シャロ「それで。話って言うのは、なぁに?」
テーブルの向かい側にチノを座らせると、
なるべく平静を装おうとしてシャロはそう尋ねたが、
その声は明らかに震えていた。
36 = 12 :
37 :
西田敏行かな?
38 = 1 :
チノ「昨日、ココアさんがギプスを巻いて帰ってきたんですよ。
それで尋ねたら、どうやら指の骨を折ったみたいで」
シャロ「……うん」
チノ「どこで怪我したのか、理由を聞いても答えてくれなくて。
シャロさんは、そのことで何か知りませんか?」
シャロ「し、知らないわ。ココアの怪我の事なんて」
正直に話しても良かったが、
うわずった声で、咄嗟に嘘をついてしまった。
シャロの頬を、冷汗が一筋つたう。
カチコチと鳴る時計の音が、狭い部屋にうるさいくらいに響く。
チノがため息を吐いた。
チノ「シャロさん。それ、嘘ですよね」
39 = 10 :
シャロちゃんが嘘つくわけないだろーがクソガキ腹パンしてやる
40 = 12 :
41 = 1 :
シャロ「な、なんのことかしら。チノちゃん」
明らかに自身が動揺しているであろうことは、
目の前にいるチノにもばれているだろう。
シャロはそう思ったが、最初に嘘をついてしまった手前、
とぼけるより他、無かった。
チノ「シャロさんが知らないなんて。そんなの嘘ですよ。
だって昨日、私はずうっと部屋にいたんです。
二人の言い争うような声。
ココアさんの絶叫。
全部聞いています」
42 :
チノ死ね
44 = 1 :
シャロ「それは……」
口を開いたが、シャロは二の句が継げなかった。
壁越しに声だけを聴いていたのなら、そう誤解されても仕方がない。
さすがにチノは話の内容まで、
はっきりと聞き取れていたわけではないだろうから。
シャロは無言のまま、ばつが悪そうにうつむいてしまった。
額のあたりに、チノの視線を痛いほど感じる。
チノ「ココアさんの指。折ったのって、シャロさんですよね」
46 :
は?
糞ド底辺がなに舐めた口聞いてんだ?
47 = 19 :
シャロちゃんになにかしたらラビットハウス放火するよ
49 = 12 :
50 = 1 :
シャロが顔を上げると、怒っているのであろうか、
全くの無表情でこちらを見据えるチノと目が合った。
たまらずシャロは立ち上がり、自己弁護に走る。
シャロ「ち、違うのよ! あれは、ココアが……!」
チノ「言い訳はいいんです。
私は、そんな話をしに来たんじゃありませんから」
半ば叫ぶようにして言うシャロを、チノが右手を上げて制した。
チノは相変わらずの無表情だった。
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