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    元スレ弟「姉貴シークレットサービス」

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    1 :

    「弟ー宿題やったのー?」

    「はいはい、やっとくやっとく」

    「もう、返事は短く一回でって言ってるじゃん」

    「はいはい」

    「もー」

    「男君の爪のを煎じて飲ませたいよ」

    (また、男先輩の話かよ)

    「男君すごいんだよ、この前のテストも学年1位だったし」

    「へぇーそりゃ凄い」

    2 = 1 :

    「他人ごとじゃないでしょ、聞いたよ英語、赤点でしょ」

    「俺は日本語も半人前なのに、英語の勉強なんておこがましいと思わない?」

    「ああ言えばこう言う」

    「てか、誰に聞いたんだよ」

    「物理のA先生」

    「なんで、アイツが英語の成績知ってんだよ」

    「先生も心配してるんだよ」

    「そんなんじゃねぇよ、面白がってるだけだ」

    「そんなことないよ」

    3 = 1 :

    「あの、ニヤリと笑った時の顔、ありゃ悪魔だ」

    「えぇーすごくいい先生なのに」

    「幾ら表面を見繕っても、チラチラと本性が見える」

    「そんなこと言わない、優しい先生なのに」

    「はいはい」

    「あ~もう、昔は可愛くて素直な子だったのになー」

    「今も可愛いだろ」

    「全然可愛くない」

    4 = 1 :

    「言い換えよう、愛嬌があると」

    「いつの間にかに私より背が高くなってるし」

    「背はしゃあねぇよ」

    「汗臭いし、筋肉硬いし」

    「筋肉、関係ないだろ」

    「昔は『お姉ちゃんーお姉ちゃん』五月蝿かったのに」

    「そんなふうに思ってたかよ」

    「とにかく、私は弟が心配です。男君の十分の一、いや、百分の一でもいいので見習いましょう」

    「はいはい」

    「もうーだから返事は一回でって言ってるじゃん」

    5 = 1 :

    学校にて

    「その、政さんがオーストラリアでレンガ職人になるって言って沖縄に行ったんですよ」

    「あぁ」

    「って、聞いてます俺の話?」

    「あぁ」

    「さっきからどこ見てるんすか」

    「あぁ」

    「あれは男先輩? 兄貴ってホモなんッスか」

    「あぁ」

    「えっ」

    「えっ」

    6 = 1 :

    「たとえ兄貴がホモだったとしても、俺はそれを受け止めてみせます」

    「何言ってんだお前」

    「いや、兄貴がホモだって話で

    「んなわけあるかよ」ボコ

    「イテー、だって自分で認めたじゃないッスかぁ~」

    「なこと言ってねぇ」ボコ

    「えぇ~、理不尽ッスよ」

    「ったく、くだらねえこと言ってんじゃねぇよ」

    「でも、男先輩には関わらない方がいいすよ」

    「なんでだよ?」

    7 = 1 :

    「だって、あの男先輩ですよ。眉目秀麗・謹厳実直・質実剛健、校内じゃ知らない奴はいない有名人で超がつくシスコン野郎」

    「それで、あの双子の兄だし」

    「お前がいつも言ってるあれか」

    「頭脳明晰で柔和温順、お淑やかで触っただけで壊れそうな双1ちゃん」

    「運動神経抜群で明快闊達、男子とも気兼ねなく話し、ポニーテールが最高の双2ちゃん

    「四字熟語好きだな」

    「趣味的なもので」

    「でもな、双子は関係ないんじゃねぇ?」

    「何言ってッスか、俺らの学年じゃ双1派と双2派が二大派閥なんッスよ。この双子が学校に与える影響力は計り知れない」

    8 = 1 :

    「たださえ、双1派と双2派は対立していて近々、戦争が起きそうな時期に双子の兄こと男先輩と揉めたら大変なことになるじゃないッスか」

    「なんだよ、戦争って」

    「わかってないッスね」

    「よく、お好み焼き・もんじゃ焼き、関西風・広島風で揉めてるじゃないッスか」

    「人間ってのはくだらないことで揉めるんですよ」

    「分からないでもないが」

    「どちらも美味しいって言える奴が少ないんです」

    「なんで、粉物メインの話を持ってきた」

    「それは、個人的な好みでして」

    9 = 1 :

    「お好み焼き食いたくなってきた」

    「いいッスね、食いに行きましょう」

    「そうだな」

    「おぉっと、危うく話をそらされるだった」

    弟 チッ

    「とにかく、俺は断然、双2ちゃんですけどね。普段は明るく元気な子ですが将来は三歩下がって歩く様な男を立てるいい女になりますよ」

    「なにがともかくだ?そもそもお前の妄想だろ」

    「いやいや、絶対そうなりますって」

    「そんなもんか?」

    「そんなもんですよ」

    10 = 1 :

    「そんで、兄貴はどっち派なんです?」

    「どっちかって言われてもな、よく知らねぇしなー」

    「兄貴は姉御しか見えてないですからね」

    「な、なに言ってんだお前」

    「どうせ今回も、姉御絡みなんでしょ?」

    「ば、馬鹿ちげーよ」

    「もう、わかりやすいんだから」

    「お前のそういう所が嫌いだわ」

    「ひどいッス、生まれながら兄貴の舎弟なのに」

    「出会って一年も経っていない赤の他人で同級生だろうが」

    11 = 1 :

    「時間なんて関係ないッスよ、俺の想いで過去を変えて見せます」

    「あぁ、がんばってくれ」

    「がんばります」

    「おぉっと、また話をそらされるとこだった」

    弟 チッ

    「そろそろ、姉離れした方がいいッスよ」

    「はぁ?」

    「姉御に好意を寄せる男共を裏で始末してるでしょ」

    「おい、なんで知ってるんだよ」

    「やっぱり」

    「ハメたな」

    12 = 1 :

    「姉御はモテるのに彼氏が居ないっておかしな話でしょ」

    「そんなのは、姉貴の好み次第だろ」

    「姉御に惚れる男が姉御から遠ざかるのは兄貴が何かしてるからでしょ」

    「あれは違う、あれは、勘違いした奴がを姉貴を困らせてたから」

    「いやいや、そんなに困らせてましたっけ?」

    「いま思えば、そんなに悪い奴らじゃないような」

    「それで、今年だけで何人やったんッスか?」

    「ふ、二人ぐらい?」

    「なぜ、疑問形?」

    「いや、五人だな」

    「…」

    13 = 1 :

    「えぇー、いやでも、イケメン糞シスコン野郎の男先輩が姉御に好意を寄せていたとは驚きッス」

    「いや、男先輩が姉貴の事を好きかどうかわからん」

    「えっ?」

    「姉貴は男先輩が好きかもしれん」

    「えぇー、それなら邪魔しちゃ駄目ッスよ」

    「訳の分からない男共の気持ちなってどうでもいいッスけど、姉御の気持ちを踏みにじるようなことしちゃ駄目ッス」

    「だから、何もやってないだろ」

    「でも、ちょっと気になる?」

    「お前のそういう所が嫌いだわ」

    14 = 1 :

    「後のことは任せて下さい」

    「何をだよ?」

    「糞野郎のこと色々調べときますから」

    「変なことするなよ」

    「任せて下さい、兄貴の敵は俺の敵でもありますし、姉御といい、双子といいあのイケメンシスコン野郎」

    「心配だなおい」

    「どーんと任せてくだい」

    15 = 1 :

    「俺、次サボるから」

    「次って物理でしょ、A先生綺麗なんだから見とかないと損ですよ」

    「アイツ嫌いなんだよ」

    「なに言ってるんですか、あの笑顔の裏に隠れる悪魔の様なところ最高じゃないッスか」

    「いや、俺はそんな性癖じゃないしお前の性癖にも興味ない」

    キーンコーンカーンコーン

    「おっと、じゃあサボり頑張ってください兄貴」

    「何を頑張るんだよ…」

    (さて、いつものとこ行くか……)

    16 = 1 :

    とある倉庫化した空き教室にて

    双1(先生に頼まれてきたのはいいけど)

    双1(高い位置にあるなーどうしよう)

    オロオロ

    「どうかしたか?」

    双1「えっ」

    双1(なんで、ここに弟君が)

    双1「その…荷物を持ってくるよう頼まれて…でも高い位置にあって…」

    「じゃあ、俺がとるわ」

    双1「でも…」

    17 = 1 :

    「いいって、えっとどれ?」

    双1「一番上にある…右側の…」

    「これ?」

    双1「それです…」

    「わぁーキタネー。しかも重い」ヨイッショ

    双1「あ…ありがとうございます…」

    「コレぐらいいいって」

    双1「私、持ちます…」

    「重いし汚れるからいいって、俺が運ぶわ」

    双1「でも…」

    18 = 1 :

    「ほら、俺汚れちまったし二人共汚れる必要ないだろ

    双1「わかりました…」

    「どこに運べばいい?」

    双1「物理準備室に…」

    「アイツの所かよ。はぁーしゃあねぇ、居ねぇこと願うか」

    双1「すみません…」

    「謝ることはねぇよ、俺が嫌いなだけだし」

    19 = 1 :

    物理準備室移動中

    双1「…」

    「…」

    双1「…」

    「…」

    双1(なにか、喋ったほうがいいのかな?)

    「…」

    双1(そもそも、弟君と喋ったこと無いし)

    双1(怖そうだし)

    20 = 1 :

    双1「…その…なぜ、あの教室に…」

    「サボりだよサボり」

    双1「さっきの授業…」

    「そうそれ」

    「あの教室って倉庫代わりになっててごちゃごちゃしてるだろ、中にいてもバレないし、日当いいからな」

    双1「でも、鍵が…」

    「合鍵、パクった」

    双1「えっ鍵を…」

    「この学校って、合鍵の管理は適当であの部屋もあんまり使ってないからバレないだよなー」

    双1「そうだったんですか…」

    21 = 1 :

    「…」

    双1「…」

    「…」

    双1「…」

    双1(会話途切れちゃった…なにか、話題は…)

    「…」

    双1「そういえば…姉先輩は男君のお姉さんですよね…」

    「そうだけど」

    双1「私、姉先輩とは同じ部活で…」

    22 = 1 :

    「へぇー姉貴と」 

    (ん?姉貴の部活の後輩で男先輩の妹ってことだよな)

    (今回のキーマンじゃん)

    (神は俺を見放してはいなかった、貴重な情報源をありがとう神よ)

    双1「なにか気に触っることでも…」

    「いやいや、ちょっと、神様に感謝してたとこ」

    双1「かみさま?」

    「気にしないでくれ」

    双1「はぁ…」

    23 = 1 :

    (ここは、慎重に自然に姉貴と男先輩の情報を引き出さなねーと)

    (でもな、どうやって聞くんだ?突然、姉貴や男先輩の話しをしたらおかしいだろ)

    (そもそも、双1さんとは初めて喋ってんだぜ?)

    (『姉貴って部活じゃどうなの?』いや、フレンドリーすぎるか?」)

    (『姉貴が迷惑かけてない?』保護者じゃねぇんだからな)

    双1「あの…」

    (う~んどうしたものか…)

    双1「あの…」

    「おお、どうした?」

    双1「準備室…つきました…」

    24 = 1 :

    ガラ

    「ちわーッス、お荷物をお届けに参りましたー」

    (うぁ、居るわ)

    先生「おい、弟。なぜ私の授業をサボった?5文字以内で説明しろ」

    「サボってないッスよ、諸事情で受けれなかっただけで」

    先生「制限数オーバー。それどころか、説明にもなってない」

    「5文字じゃ俺の全身全霊の謝罪をできるわけないだろ」

    先生「授業を受けてないと、こんな馬鹿になるから気をつけてね双1さん」

    双1「そんなことは…」

    「あぁ、受けたかったなー授業」

    先生「そうか、そんなに受けたかったのか」

    25 = 1 :

    「そりゃ、もちろん」

    先生「そんな、弟には特別授業を授けよう」

    「いえ、結構です」

    先生「遠慮するな」

    「結構です」

    先生「放課後でいいから、この部屋片付けといてくれ。いろんな機材あるし勉強になるだろ?」

    「ふざけんな、一日二日で終る量じゃねぇだろ」

    先生「やれ、留年させるぞ」

    「あ、ハイ」

    26 = 1 :

    先生「双1さん、荷物ありがとうねー」ニコ

    「運んだの俺なんだが」

    先生「あぁ?」

    「なんでもないです」

    先生「それと…悪魔で悪かったな」ニコ

    「oh…」

    27 = 1 :

    放課後

    「おい、友さぁー」

    「スイマセン、ちょっと用事がありまして。お先に」

    「なんだよ」

    (どっすかなーバックレるかー)

    双1「あの…」

    「ん?」

    双1「物理準備室の片付け…私も手伝います…」

    「いいって俺が言われたことだし」

    双1「今日、色々と手伝ってもらったので…」

    (その好意が辛い。バックレられない)

    28 = 1 :

    (アイツこの事、見越してたのか?)

    (いや、さすがに無いかー)

    双1「どうかしましたか…?」

    「じゃあ、頼むわ。ありがとな」

    双1「いいえ…そんな大したことじゃ…」

    「部活とかは大丈夫か?」

    双1「はい、さっき姉先輩にメールしたので…」

    29 = 1 :

    物理準備室

    「こりゃヒデーな」

    双1「そうですね…」

    「重そうなもんは俺が端に動かすからさぁ双1さんは細々としたのを頼むわ」

    双1「分かりました…」

    「…」

    双1「…」

    「…」

    双1「…」

    30 = 1 :

    (さて、せっかく二人きりなんだ。どうやって姉貴の話をするかな)

    双1(んー黙々と片付けてるし喋りかけたら邪魔かな)

    (大丈夫だ、俺の巧みな話術を持ってすれば)

    「あのさぁ」双1「あの…」

    「すまん、そっちからいいぜ」

    双1「いえ…弟君からで…」

    「そんじゃ、俺の姉貴のことなんだが」

    双1「姉先輩ですか…」

    「最近、ちょっと様子がおかしいというか…」

    双1「様子ですか…」

    31 = 1 :

    「悩み事があるっていうか…」

    双1「心配されてるんですね」

    「いや、俺じゃなくて 親父が…そう、親父が心配してて」

    「そんで、イライラしてるのか俺に当たるんだよ。親父、柔道経験者だから」

    双1(う~ん、柔道は関係あるのかな?)

    「いやー、いい迷惑なのねこれ。さっさと解決してもらいたいんだが」

    「俺が直接聞くのも姉貴の性格上、余計な心配しちゃうだろ?」

    「だから、双1さんがなんか知らないかな~って」

    双1「すみません…心当たりはないです…」

    32 = 1 :

    「じゃあ、こうしよう。姉貴の様子とか俺に報告してくれるとありがたい」

    双1「それなら…お役に立てるかも…」

    「あとこの事は他言無用で、姉貴は顔が広いからどっかから情報が漏れてもいけないし」

    双1「分かりました…微力ながら協力させて頂きます…」

    「これ、俺の番号とメールアドレスね」

    (完璧だ、俺が姉貴を気にしていることは微塵も感じさせない巧みな話術だった)

    双1(姉先輩のこと本当に心配してるんだな)

    33 = 1 :

    「今日はこのぐらいでいいだろ」

    双1「分かりました…」

    「悪いな、こんな時間まで」

    双1「いえ…そんなことは…」

    「時間も時間だし、送っていくわ」

    双1「気を使わなくても…」

    「ありがた迷惑かもしれないが、俺のせいで何かあっちゃ困るし」

    双1「それじゃ…お言葉に甘えて…」

    35 = 1 :

    駐輪場

    「じゃあ、このメット使って」

    双1「これって…」

    「あっ、大丈夫。下ろし立てのメットだから、全然綺麗だし」

    双1「そうではなくて…」

    「やっぱきになるよなーごめんな、今日はそれで勘弁してくれ」

    双1「あの…バイクに乗るんですよね…」

    「おう、ちゃっちゃと送ってやんよ」

    双1(バイクって怖そうだな)

    双1「……」

    「どうした?」

    36 = 1 :

    双1(覚悟決めるしか)

    双1「宜しくお願いします…」

    「じゃあ、行こうか」

    双1「あの…ヘルメットが…」

    「おっと、危ねえ。ノーヘルで捕まるところだったわ」

    「とりあえず、コイツのを」

    双1「それは…他の人のじゃ…」

    「あぁ、貸してたやつだから大丈夫」

    双1「はぁ…」

    37 = 1 :

    バイク帰宅中

    双1(あ~怖い、目を瞑っても怖い)

    双1 ギュ

    (にして、えらく握りしめてくるな)

    (こっちから、話しかけても聞こえてない感じだし)

    (あれ、もしかして怖がってる?俺やっちまった?)

    双1(やっぱり、バスで帰ればよかったかな)

    双1(あれ、止まった。着いたのかな)

    双1(あ~信号待ちか)

    38 = 1 :

    「動くよ」

    双1「は、ハイ…」

    ブロロロロオー

    双1「あ…」

    「どうした?」

    双1「夕日が綺麗…」

    「バイクに乗ってるとやたら綺麗に見えるんだよね」

    双1「すごく綺麗です」

    「そりゃよかった」

    「でもごめんな、怖かっただろバイク」

    双1「最初は…怖かったんですけど…」

    双1「バイクって気持ちいですね」

    39 = 1 :

    双1家に到着

    双1「弟君…ありがとうごさいました…」

    「おう、じゃあな」


    双2(ありゃ、コレはびっくり)

    双2(双1が男とそれもバイクで帰ってくるとは)

    双1「あっ、双2ただいまー」

    双2「目の前に居たのに気付いてなかったの?」

    双1「全然、気付かなかった」

    双2「ふ~ん、それはそれは随分お楽しみなさったようで」

    双1「うん、バイクすごく楽しかった」

    双2「いや、そうじゃなくて」

    双1「うん?」

    双2「まぁいいや」

    双1「変なのー」

    双2(これは、面白いことになりそうだ)

    40 = 1 :

    弟帰宅

    弟 ガチャ

    「兄貴、おかえりなさいっス」

    「遅い、夕ごはん食べちゃうところだったんだからね」

    「飯ぐらい、勝手に食べろよってかなんでお前が居るんだよ」

    「そりゃ、兄貴の舎弟ですから」

    「放課後、逃げたくせに?」

    「いやーどうしても外せない用事がありまして」

    「どうだか」

    41 = 1 :

    「だから、お詫びの品をこうやってお持ちした次第で」

    「友くんが街角のケーキ屋さんのモンブラン持ってきてくれたんだよ」

    「それで、タダ飯を食うと」

    「そうではなく、姉御のご行為で」

    「つうか、俺モンブラン嫌いなんだが」

    「姉御の好みに合わせました」

    「でかした」

    42 = 1 :

    「今日は、カレーです」

    「俺、カレー大好なんッスよ」

    「たくさん作ったから、どんどん食べてね」

    「なに、馴染んでんだ」

    「まぁ、そんな嫉妬しないでくださいよ」

    「あ”」

    「ちゃんと調べてきましたから」

    43 :

    あげ

    44 = 1 :

    「おい、それを早く言えよ。よし、俺が注いでやる」

    「いや、その、あれ、なんか福神漬の量多くないッスか」

    「俺が考えた最強のバランスだ」

    「これ、6割は福神漬けッスよ」

    「こら、食べ物で遊ばない」

    「大丈夫ッス、兄貴が俺のために、あぁ福神漬の味しかしない…」

    45 = 1 :

    弟の部屋

    「そんで?」

    「はい、シスコン以外は完璧です」

    「つかえねぇなー」

    「しかたないッスよ。学校一の俊才、空手部部長で全国大会経験者、真面目で誠実、シスコンも言い換えれば妹思いの兄ってことでしょ。こんな奴、どこ探しても居ない」

    「……」

    「次元が違いすぎて、俺なんかじゃ理解できないッスよ」

    「……」

    「欠点?弱点?そんなもんあるんでしょうか」

    「……」

    46 = 43 :

    あげ

    47 = 1 :

    「こんな男が近くに居るってだけで奇跡じゃないッスかね?姉御が惚れるのも仕方ないんじゃないッスかね?大人しく見守ってやるのが男じゃないッスかね?」

    「いや、ダメだ」

    「あれ?俺の話聞いてました?」

    「すげー奴ってことは分かったわ」

    「兄貴も男先輩に負けないぐらいのシスコンぶりッスね」

    「ああ”そんなんじゃねぇよ」

    「姉御となんか合ったんですか?」

    「なんもねぇー」

    「このこの、本当は言いたいくせに」

    48 = 1 :

    「あれは、小二の時だった」

    「あっ…語るんですか…」

    「昔から親父もお袋も仕事が忙しくてほとんど家に居なかった」

    「うわ、聞いてねーまぁ、聞きますけど…」

    「広い家に二人だけ、でも不思議と寂しくなかったむしろ楽しかったわ」」

    「俺が寂しくないように不安にならないように困らないように楽しくなるように」

    「全部、姉貴が何とかしてくれた。馬鹿な俺でも分かるコイツすげーって」

    「さすが、姉御。昔からしっかりしてらっしゃる」

    「っと、ここまでは大した話じゃないんだが」

    「なんかあったんッスか」

    49 = 1 :

    「たまたま、姉貴が同級生の男からいじめられるのを見ちまった」

    「好きな子、いじめちゃう奴でしょ」

    「いま、思えばそうだろうな」

    「小学生ならそんなもッスよね、それだけ姉御が可愛かったことでしょ」

    「でもな、俺は初めて姉貴の泣いてる所を見たんだぜ」

    「まじッスか」

    「なんで泣いてるのか知らねぇし、姉貴を泣かせる理由もわからねぇし」

    「意味わかんねぇけど、めちゃくちゃムカついたんだわ」

    50 = 1 :

    「じゃあ、一戦交えたんッスか」

    「そりゃねぇ」

    「さすが兄貴、上級生でも関係ない。それでどうなったんッスか?」

    「それがもう悲惨、ありゃガキの喧嘩じゃない。流血で先生飛んでくるわ親も来るわ親父に殴られるわ姉貴泣いてるわで」

    「悲惨ッスね」

    「それ以来、姉貴の泣いてる所見たことねぇよ。そりゃ、俺の知らない所で泣いてるのかもしれんが、律儀だよな。俺の前じゃ絶対に泣かない。もう、ガキじゃあねぇのによ


    「だから、姉貴の泣いてる所なんか見たくないんだわ」


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