元スレ剣士「依頼があれば……この剣でなんでも斬る!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
101 :
いいぞ
102 = 65 :
女騎士の指揮と、意外な実力を秘めていた町民たちにより、
戦いは町民側有利に進んでいた。
剣士(このままいけば……みんなは大丈夫だな)
剣士(だが、相手は大盗賊団の一派……油断できない! すぐに決めなければ!)
剣士(あとは……俺がこの盗賊団のリーダーを倒せば……!)
ボス「…………」シュバッ
ガキンッ!
剣士「くっ!」ザザッ…
ボス「ふん、よく受けたな」
剣士「そっちこそ……盗賊のくせに鋭い太刀筋だ……!」
剣士「!?」ハッ
剣士「お、お前は……! なんでお前が……!?」
103 = 74 :
しえんた
104 :
この手のスレの女騎士は決まってフェアリーテイルのエルザで脳内再生される
105 = 65 :
剣士「友人!?」
ボス「久しぶりだな」シュバッ
キィンッ! ギンッ! ガキンッ!
剣士「ちょ、ちょっと待て!」ザッ
剣士「なんでお前が……! 俺に勝って王国軍の精鋭部隊に入ったのに……!」
剣士「なんで盗賊になってんだよッ!?」
ボス「ま……色々あってな」
剣士「色々ってなんだよ!?」
ギンッ!
ボス「エリートってのはな、剣の腕だけじゃやっていけないんだ」
ボス「駆け引きだの派閥だの、剣以外の権謀術数に優れてなきゃ話にならねえ」
ボス「……で、そういうのが苦手な俺はすぐさま冷遇され、僻地に飛ばされて」
ボス「次第にやる気も失せて……あれよあれよと、盗賊にまで落ちぶれちまった……」
剣士「…………」
107 = 65 :
ボス「俺もお前みたくとっととエリート街道を捨てて」
ボス「こんな田舎町で気楽に剣を振ってりゃ、幸せな人生を送れたのかもな」
剣士「ふざけんな」
剣士「お前と首都で知り合って以来、お前は……俺の憧れだったんだぜ!」
剣士「お前を妬んだり恨んだりしたこともあるけど、お前は俺の誇りだった!」
剣士「きっと今も、王国軍の中で輝かしい剣の道を歩んでるんだってな!」
剣士「なのに、俺みたいな人生を歩めばよかった、とか簡単にいうんじゃねえ!」
剣士「それにな……お前のいう“こんな田舎町”に送られたって」
剣士「やる気も誇りも捨ててない、エリートだっているんだよ!」
剣士「ゴチャゴチャと……言い訳すんじゃねえっ!」
剣士「お前はここで──叩き斬るッ!」
ボス「俺に負けた田舎剣士が……ずいぶんと偉そうな口叩くじゃねえか」
ボス「なら……お前のその憧れの剣技とやらで、お前を町ごと斬り捨ててやるよッ!」
ギィンッ!
109 = 96 :
すごく熱い展開
110 :
しえん
111 = 65 :
キンッ! ギィンッ! ギャリッ! ──ザシッ!
剣士「ぐっ……!」ブシュッ…
ボス「俺はこのとおり落ちぶれたが……剣の鍛錬はやめてない」
ボス「お前はまた負けるんだよ……あの時のようになァ!」
キンッ! ギンッ! キィンッ!
剣士(強い……! 剣はあの試合と同じ──いや遥かに鋭くなってやがる!)
ボス「俺は王国軍で磨いた正統派剣術と、盗賊生活で鍛え上げた野良剣術を融合させた」
ボス「こんな町で遊んでた、お前に勝ち目はねえよ!」
ズシャッ……!
剣士「ぐは……っ!」ガクッ
剣士(そう……。俺もこんな町じゃ、剣の腕は鈍る……そう思ってた)
剣士(だがな、どんな町だろうが田舎だろうが、剣の道を歩むことはできんだよ!)
シュバァッ! ザシッ!
ボス「ぐおっ……!(足を狙ってきただと!?)」ブシュッ…
剣士「俺の弟子が教えてくれた……必殺剣“スネかじり剣”だ」
112 = 87 :
やだかっこいい
113 = 65 :
さらに──
剣士「どりゃあっ!」バッ
ドギャッ!!!
ボス「がはぁっ!」ドザッ…
剣士のドロップキックが、友人をダウンさせた。
ボス「ぐっ……どこが“剣の道”だ!」
剣士「俺はこの町で身につけた全てを──お前にぶつけるッ! 町を守るために!」
ギィンッ! キンッ! ガッ! キィンッ! ガキンッ!
ザシュッ!
ボス「ぐはっ……!」
剣士「どうした! 俺の憧れは、この程度か!?」
剣士「王国軍はもちろん、盗賊生活だってラクなもんじゃなかったろう!」
剣士「お前も全部ぶつけてこい! 全部出しきらなきゃ、俺には勝てねえぞ!」
ボス「へっ……」ニヤ…
ガキンッ!
114 :
再生厨は死んだ方がいいと思ふ
115 = 74 :
しえん
116 = 65 :
キィンッ! ギンッ! ガッ! キンッ! ギャリィンッ!
二人の斬り合いは、全くの互角だった。
剣士「ハァ、ハァ……」
ボス「フゥ、フゥ……」
剣士(次の一撃で……)
ボス(次の一撃で……)
剣士&ボス(決めるッ!)
剣士「いくぞおっ!」ダッ
ボス「来いっ!」
剣士「うおおおおっ!」ブオンッ
ボス(うぐっ……!)ジリ…
剣士のまっすぐな剣と気迫に──友人は真正面からのぶつかり合いは避けるべきと判断し、
剣をわずかに逸らした。
ボス(この一撃をかわして、俺が勝つ……!)
117 = 65 :
しかし──
ザグゥッ……!
剣士のまっすぐな一閃が、友人の肩から胸を大きく切り裂いていた。
ボス「がふっ……!」
剣士「友人……!」
ボス「俺はお前にビビって、剣を曲げちまったが……」
ボス「お前の剣はあの時と同じ……まっすぐ、だった……な……」
ドサァッ……
剣士(友人……)
118 = 65 :
盗賊団ボスを倒した剣士に、女騎士が駆け寄ってきた。
女騎士「剣士、よくやってくれた! 我々の勝利だ!」
女騎士「奴が倒されたことで、盗賊団は総崩れになって、散り散りに──」
女騎士「……どうした?」
剣士「あ、いや、何でも……」
剣士「…………」
剣士「女騎士さん……」
剣士「コイツ……俺の友だちだったんだ……」
女騎士「!」
女騎士「そうか……」
女騎士「素晴らしい決闘、だった。どうか彼の分まで誇ってくれ」
剣士「ありがとう、女騎士さん」
119 = 96 :
悲しい戦いだった
120 :
自分の迷いを斬ることができるのか
121 = 65 :
< 町 >
ワアァァァァァ……!
「無事だったか!」 「よく町を守ってくれた!」 「本当にありがとう!」
妻「あたしの料理がこんな役に立つなんてねぇ~、また初心にかえろうかしら」
夫「お願いだからやめてくれ!」
町娘「青年君もかっこよかったよ!」
青年「いやぁ~、ボクは一人も倒してないし……。君は五人くらい倒したけど……」
少年「よぉ~し、もっと稽古を頑張るぞ! いつか先生を超えるんだ!」
コソドロ「まさか、本当に町を守れるなんてな……」
町長「いやぁ~久々に暴れたわい……こりゃ明後日は筋肉痛じゃな」コキッ
女騎士「お疲れ様だ、剣士」
剣士「女騎士さんこそ、お疲れ。町民に死人が出なかったのは、あなたのおかげだよ」
剣士(これでまた平和な町に戻るんだな……。やっぱり平和が一番だ)
122 = 120 :
私 が 町 長 で す
124 :
おいついた
125 = 65 :
二週間後──
< 剣士の家 >
剣士(あれから……各地に散ったという盗賊団は全て退治された)
剣士(盗賊団に襲われた町や村の対応は、戦ったり逃げたり様々だったらしいが)
剣士(盗賊団と戦うことを決意して、なおかつ死人を出さずに済んだのは)
剣士(この町だけだったらしい……)
剣士(いやぁ~、今思うと、かなり危険な賭けだったよな……あの作戦)
剣士(さぁ~て、今日はやることないし、トレーニングでも──)
ガチャッ……
剣士(──ん?)
女騎士「剣士……とんでもないことになってしまった!」
剣士「どうしたんだよ。まさか……また盗賊団が!?」
女騎士「いや……そうではない」
126 = 65 :
女騎士「実は……あのおしどり夫婦に聞いたのだが……」
剣士「?」
女騎士「お前は料理も得意らしいな?」
剣士「得意ってほどじゃないけど……。まぁ、自炊くらいは……」
女騎士「頼む、料理を教えて欲しい!」
女騎士「私は普段、付き人たちに料理をやらせていたのだが」
女騎士「たまには自分でやろうと──」
女騎士「さっき自分でイモの皮をむいたら、こんなになってしまったんだ!」スッ
剣士「!?」
128 = 65 :
剣士(なんだこりゃ……どう見ても“食べ物で遊んでる”レベルの、イモ……!)
剣士(イモに気の毒なんて感情を抱くのは、生まれて初めてだ!)
剣士(もしかして、女騎士さんってあの奥さんを上回る料理下手なんじゃ……)
剣士(だとしたら……被害は未然に防がなきゃ!)
剣士「分かった……じゃあここで勉強してってくれ」
女騎士「助かる……」
剣士「ところで、料理の稽古が終わったら、一緒に剣の稽古でもどう?」
剣士「そういや俺、まだ試合じゃアンタに負けっぱなしだしさ」
女騎士「うむ、望むところだ!」
~ おわり ~
130 :
芋ェ……乙
131 :
あーインスピレーション湧いてきたわ
続き書いていい?
結構有名な書き手なんだが
133 = 88 :
まだやってたか
乙
134 = 110 :
>>131
代表作を述べよ
135 = 120 :
ずっぱしおわったなー乙
136 = 77 :
乙
若奥様を斬るでいかがわしいこと想像してすいませんでした
137 :
変にきをてらってなくて、とても良かった
139 :
>>134
うわあ…
140 = 72 :
いやー面白い
次回作に期待だね
141 :
乙でした
142 :
面白かった
143 :
町長が最強です
間違いありません
144 :
面白かった
おつ
145 :
147 :
俺の料理も斬ってください乙
148 :
なんというか普通に楽しめた
乙
149 :
おつ
150 = 114 :
まだ残ってたのか
おつ
みんなの評価 : ★
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