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    元スレさやか「私達の戦いはこれからだ」

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    みんなの評価 :
    タグ : - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    代行
    ID:KeLLtWXr0

    2 :

    代行ありがとうございます。
    新編の続きものです。
    書き溜めはあります。

    4 :

    前置きはいいからはよかけ!

    5 :

    長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
    ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
    パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
    今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
    皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
    少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
    長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
    またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
    皆さんお疲れ様でした!

    6 = 2 :

    杏子「どうなってんだよおい…」

    なぎさ「訳がわからないのです…」

    見滝原の魔法少女達、巴マミ、美樹さやか、佐倉杏子、百江なぎさの四人は
    活動の拠点である巴マミの自宅で途方に暮れていた。

    マミ「魔獣を全て倒しても人々の呪いがこの世から消える訳ではない。
    結局魔獣も人の世に厄災をもたらす数ある要因の一つに過ぎなかったという事でしょうね…」

    さやか「そんな…」

    あれから一ヶ月が経った。
    見滝原の魔法少女達の手によって最後の魔獣が倒されてからである。
    勿論彼女達にその自覚があった訳ではない。
    いつもの様に四人で魔獣退治に出掛け、いつもの様に戦闘を終えた後、唐突にこう告げられたのだ。

    QB『おめでとう。これで君達はこの地球上の全ての魔獣を倒しきったよ。』

    7 = 2 :

    しかし魔獣を滅ぼしたからといって何が変わったわけでもなく
    四人は置いてけぼりを食らったような感覚に陥っているのである。

    さやか「QBの奴はあの戦い以降さっぱり姿を見せなくなっちゃうし」

    マミ「仕方ないわ。元々QBだって慈善事業で私達を助けていたんじゃない。あくまでも取引だったって事だったんでしょう…」

    杏子「でもあんた達は本当の友達みたいに仲が良かったじゃないか、マミはそれでいいのかよ?」

    マミ「勿論良くなんかないわ。正直裏切られた気がして凄くショックよ。でも、もうそんな事を言っても仕方がないじゃない」

    なぎさ「マミ…」

    8 :

    くぅ~

    9 :

    くぅ~疲れましたw これにて完結です!
    実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
    本当は話のネタなかったのですが←
    ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
    以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ

    まどか「みんな、見てくれてありがとう
    ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

    さやか「いやーありがと!
    私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

    マミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

    京子「見てくれありがとな!
    正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

    ほむら「・・・ありがと」ファサ

    では、

    まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」



    まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
    改めまして、ありがとうございました!」

    本当の本当に終わり

    10 = 2 :

    さやかはマミの言葉を聞いて何か違和感を感じた。
    マミはずっと自分達のリーダーだった。優しくて頼り甲斐のあるリーダー。それは間違いない。
    しかしその強さの内側に誰よりも繊細な心を持っている事もまた事実だった。
    しかし今の彼女はどうだろう?ショックを受けている様子はあるもののあまりにも冷静過ぎはしないか?
    自分の知っていたマミさんはこんなにも強い女性であっただろうか…?

    マミ「いいじゃない。私達は魔法少女としてやれる事は全てやったのよ。これからは自分達の事を考えるべきだわ」

    杏子「自分達…」

    マミ「そう…余生をどう過ごすのかっていう事よ…」

    ギクリ、と部屋全体に嫌な緊張が走った。
    そう、今までは魔獣から回収したグリーフシードによってある程度彼女達のソウルジェムの穢れを浄化する事ができた。
    しかし魔獣が全て死に絶えてしまった今ではもうそれも出来ない。
    皮肉にも魔獣を殲滅した事が彼女達を窮地に立たせていた。
    まるでシマウマを全て食べてしまったライオンの様な状況である。

    11 = 5 :

    やめてください
    人の作品に土足で踏み込むだなんてとても恥知らずな行為です
    人の子供に暴力を振るっているようなものですよ
    …うっ、考えたら気持ち悪くなってきました
    あなたはそれだけ、最低なことをしてるんです

    12 = 2 :

    なぎさ「やっぱり私達…死んじゃうしかないのですか?」

    マミ「死ぬというのは正しくないわ…円環の理によって導かれるの。遅かれ早かれ私達はそういう運命の下にいたわ」

    杏子「…なんでそんなに落ち着いてんだよ…」

    マミ「自分でも分からないの。使命だと思っていた物が唐突に終わって気が抜けているのか、それとも友達に裏切られたショックの方が大きいのか…
    でも正直言って今までと比べて状況が著しく悪化したとも思えないわ。今まで私達はいつ命を落としたり、魔力を使いきって導かれてもおかしくない状況だった。
    グリーフシードの浄化無しでどれくらいソウルジェムが持つのか、はっきりした事は分からないけど、気を付けて魔力を節約していれば一年間位は持たせられるんじゃないかしら」

    一年。それが長いのか短いのか、正直判断に困る数字ではある。
    しかしながら、魔獣との戦いの日々ではなく、普通のどこにでもいる少女としての日常を冥土の土産に出来るのであれば、考えようによっては幸福なのかもしれない。
    そもそも奇跡の代償としての戦いだったのだ、最後におまけがついてきたと考えればお釣りが出るほどの話なのかもしれない。

    13 = 2 :

    キョウコ「イヤーマミハアト15ネンハイケソウナキガスルケドナー」
    マミ「ナゼカバカニサレテイルヨウナキガスルワ」

    さやか「…」

    結局その日はそのままお開きになった。
    少女達は近い内にまた会合を開く事を約束し、それぞれの家路に付いた。
    少し一人になりたいからと杏子を先に帰したさやかは、一人夜の街を歩きながら、
    現在のこの状況と、最近胸に巣食い始めた違和感について考えていた。

    さやか「どーにも引っ掛かるんだよねーいや何がどうって訳じゃないんだけど…」

    さやか「状況が状況だから戸惑うのは当たり前っちゃ当たり前なんだけど…」

    さやか「もっとこう根本的に何かがおかしいような気がするんだよねぇ」

    さやか「あたしにはもっとこう大事な役割があったはずだっていうんですかぁ?」

    14 = 2 :

    そこまで独りごちてさやかは自分の頭をぐしゃぐしゃと掻きむしる。
    このままでは自分の頭の方がおかしくなってしまいそうである。

    さやか「だーもう大体QBはどこ行っちゃったのよー!
    こんな時こそちゃんと出てきて一から十までキチッと説明しろーーー!!」

    「僕がどうかしたかい?」

    さやか「?!」

    唐突な呼びかけに振り返るさやか、その視線の先、公園のフェンスの上に佇む白い影は

    さやか「QB!?」

    次の瞬間、まさに瞬きの間にその姿は消えた。
    混乱しながらも辺りを見回すさやか、
    その視界の端に引っ掛かるかのようにまたも白い影が現れては消える。

    15 = 2 :

    さやか「この!ふざけてんじゃないわよ!!」

    パッパッパと、ライトの明滅の様に現れては消える白い影をさやかは必死で追い掛ける。
    やっと掴んだ手掛かりの端なのだ、ここで逃してなるものか。

    さやか「今更わざわざ自分から出てくるなんて、絶対なにか企んでる!」

    そうして30分程ぐるぐるとおいかけっこをしただろうか、
    気づけばさやかは見慣れた見滝原駅のプラットホームへとたどり着いていた。
    ホームのベンチの上、見間違うはずもないあのQBが、
    「待っていたよ」とでも言わんばかりに落ち着き払って鎮座していた。

    16 = 2 :

    さやか「あんた…今さらこんな回りくどい事までして、一体どういうつもり!?」

    QB「君をこの場所まで連れてきたかったんだよ、美樹さやか」

    さやか「?」

    QB「君はこの場所を覚えているかい?」

    さやか「お、覚えてるもなにもここは見滝原駅じゃない!しょっちゅうお世話になってるわよ」

    QB「そういう意味じゃないよ」

    さやか「じゃ、どーいう意味よ?」

    わざとなのか癖なのか、もったいぶったQBの話し方に苛つくさやか。
    やがてQBがゆっくりと、その先の言葉を告げる。

    QB「ここはかつて君が…円環の理に導かれた場所じゃあないか」

    17 = 2 :

    さやか「…は?」

    ドクン、心臓の奥で何かが動いた音がした。
    なんだ?何を言っているんだこいつは…
    そんな想いに駈られながらも確かに感じるこの既視感はなんだろう?

    さやか「何言ってるのあんた、あたしは現にこうしてまだ生きて…」

    絞り出すように否定の言葉を紡ぐさやか、だがそれはもはや否定のためというよりも、
    QBに説明の続きを促すための物となっていた。

    QB「そう、この世界ではね。僕が言っているのは前の世界での話さ。」

    さやか「前の世界?」

    QB「暁美ほむら」

    ドクン

    18 = 2 :

    QB「彼女が悪魔となってこの世の理をねじ曲げる前、円環の理が鹿目まどかと共にあり、
    正常に機能していた世界…」

    ドクンドクン

    QB「その世界で君は導かれ、そしてある重要な役割を、円環の理から与えられていたはずだ」

    さやか「そ、それって・・・」

    QB「さあ思い出すんだ美樹さやか!円環の理の使いとしての役割を!!」

    瞬間さやかの目にとんでもない物が映る。
    QBの足の下、そこに掴まれているのは、他でもないさやか自身のソウルジェムではないか?!

    さやか「あ、あんたいつの間に!!」

    19 = 3 :

    いいね

    20 = 2 :

    二の句を待つ事なくQBがソウルジェムを掴む足に力を込める。
    強制的な意識の介入、青白い火花が飛び散る。
    割れんばかりの頭痛にうずくまるさやか。

    さやあ「あ、あああ、ああああああ!!!」

    頭に次々と浮かんでは消える映像と音声、その姿は徐々に鮮明な像へと変化していき、やがて・・・

    さやか「思い出した…」

    QB「おかえり、という言葉が適切かな?美樹さやか」

    さやか「ふざけるな!」

    さやかは無意識の内に魔法少女の姿へと変身していた。
    使いなれた剣を抜き、QBの首下へとその切っ先を突きつける。

    22 :

    ブログでやれって感じの文だな

    23 = 2 :

    さやか「まどかと共にあった記憶、ほむらがやった事、思い出させてくれた事には感謝するよ。
    ついでに全ての元凶はあんただって思い出させてくれた事にもね!」

    QB「落ち着いてくれ美樹さやか。今はそんな事を言っている場合ではないんだ。」

    さやか「何をぬけぬけと…」

    QB「魔獣」

    ピクリ、と反応するさやか。

    QB「君達は今魔獣を滅ぼしてしまった事で逆に窮地に立たされる格好となっているわけだけど、
    何か疑問に思わなかったのかい?」

    さやか「あんたが説明もせずにばっくれたんじゃない」

    24 = 2 :

    QB「仕方なかったんだ、僕は今ある者の支配を受けている状態にある。
    あの時点では彼女の指示に従う他無かったのさ」

    さやか「ある者ってまさか…」

    QB「そう…暁美ほむらだよ」

    ある程度は予想できた回答だった。
    しかしながら、さやかは自分の中の動揺を認めざるを得なかった。

    QB「そもそも魔獣を生み出したのは僕達インキュベーターだ。」

    さやか「それは…」

    25 = 2 :

    QB「正確にはそういう捉え方も出来るといった方が正しいけどね。
    僕らが初めに産み出して運用していたのは魔女のシステム、
    そのシステムを鹿目まどかは世界改変によって否定した。
    しかし彼女が否定したのはあくまで魔女であって魔法少女ではなかった。」

    さやか「…」

    QB「そもそも魔法少女なくして人類の発展は無かった訳だしね。
    ただそうなると魔女の代わりになる物が必要になる。
    魔法少女の敵であり、宇宙や魔法少女のエネルギー源にも成り得る存在。
    人の呪いの感情を狩り取れる形に具現化させた物。それが魔獣なんだ。
    つまり魔獣とは鹿目まどかと僕達インキュベーターの合作というわけさ」

    さやか「そこまではわかってるよ。で、それでなんだって唐突に魔獣がいなくなっちゃった訳?」

    27 = 2 :

    QB「僕達にも魔獣を簡単に全滅させたりする事なんて出来ない。
    魔獣の発生を防ぐなんて芸当も同様だ。ただこれでも合作者の片割れだからね。
    しかるべき協力があればこの限りではないんだよ。」

    さやか「…」

    QB「それが暁美ほむらだ。いや、むしろ逆だね。暁美ほむらの命令で僕らが協力したという方が正しい。
    円環の理となった鹿目まどか程ではないにしろ、悪魔となったほむらも限りなく概念に近い存在。
    システムへ干渉しねじ曲げる位の力はある。実際ねじ曲げたのが今の世界な訳だからね。
    ただハッキリ言って彼女単独では極々大雑把な改変しか出来ない。
    僕らはエンジニアとして彼女を補佐し、魔獣発生のシステムの元栓を閉めたんだ」

    さやか「ほむらの目的は何なの?!」

    QB「魔法少女を全滅させる事さ」

    29 = 2 :

    今度こそさやかは本当に絶句していた。
    魔法少女の全滅?一体、何のために??

    QB「もっともそれも彼女の最終目標までの段取りの一つに過ぎない。
    魔獣殲滅による兵糧攻めで魔法少女を滅ぼす。そうなると何が起こると思う?」

    さやか「まさか…」

    QB「円環の理というシステムの意味が消失するだろう?
    円環の理はあくまで鹿目まどかの、魔女を消し去りたいという願いの副産物だ。
    この世から魔獣も魔法少女もいなくなってしまえば未来永劫魔女は生まれない、
    それで願いは叶ってしまうんだ。そうなれば円環の理は自ずから消滅する。」

    さやか「つまり今この世界にいる人間としてのまどかは…」

    QB「二度と円環の理に組戻される事はない。今度こそ正真正銘ただの人間になる。
    それが暁美ほむらの最終目標さ。」

    31 = 2 :

    さやかの胸中を暴風雨が駆け抜ける。唾を飲み込む音がやけに響く。
    それでも思考だけは止める訳にはいかない。
    今の話が本当だとして…それをQBが自分に伝えに来たのは一体なぜだろう?

    さやか「もしかして…あんた達も風前の灯火って訳?」

    QB「ご明察だよ。さやか。君は本当に賢くなったね」

    さやか「ほっとけ!」

    QB「ほめたつもりんだけどな。そうなんだ、現存する魔獣と魔法少女が全て滅んだとしても
    それだけでは絶対に魔女が生まれないとは言い切れない。僕達インキュベーターがいる限りね。
    だから彼女の仕事が一段落した後、僕らにも相応の処置がなされるのではないかと懸念している。
    なんらかの能力的制限を掛けられるか、悪くすれば僕らも滅ぼされるかもしれない。」

    33 = 2 :

    さやか「なんであたしだけに声を掛けたの?」

    QB「この世界に違和感を感じてくれるとしたら、
    円環の使者だった君かなぎさのどちらかだろうと思ってマークしていたんだ。
    まどかはほむらのマークが固すぎるからね。
    残念ながらなぎさは当てが外れけれど、なんとかほむらの隙を見て君にだけはコンタクトが取れた。
    でも恐らくチャンスは今回だけだろうね」

    さやか「あんた達はあたしに何をさせたいの?」

    QB「単刀直入に言う、暁美ほむらを殺して欲しいんだ」

    34 = 2 :

    なんと言う事だろう。
    暁美ほむらはついさっきまでの自分にとってはただのクラスメートだったのに。
    ちょっとだけ言動がサイコだというだけの普通の友達だったのに。
    今では殺すべき宿敵だと言うのか。

    さやか「殺す?ほむらを…そんな事出来るわけ…」

    QB「それは人間の言うところの倫理的な意味でかい?それとも戦力的な意味でかい?」

    さやか「…両方よ」

    さやかはさっきから自分の体の状態を何度も確かめていた。
    記憶が戻ったとはいえ、今の自分は円環の使いとしての能力まで戻ったわけではなさそうだ。
    一介の魔法少女のままらしい。そんな状態であの悪魔を殺すなんて事が可能なのだろうか?

    35 :

    なぎさって誰だよ

    36 = 2 :

    QB「実は今がそのチャンスなんだ」

    さやか「なんですって?」

    QB「今君達のそばにいて一緒に学校に通っている暁美ほむら、あれは実は悪魔じゃない、人間なんだ」

    さやか「どういう事?」

    QB「彼女に隙が生じたから君とコンタクトが取れた、僕はさっきそう言ったよね?
    その原因も実はそこにある。君たちが魔獣を倒して集めていたグリーフシード。
    僕らとほむらはそれを、まどかを欠いて不安定になっていた円環の理のメンテナンスにも使っていたのさ。
    まどかがひょんな事から理に目覚めてしまうのを防ぐためにね」

    38 = 2 :

    さやかは歯ぎしりのする思いがした。
    自分達がやっていた事が図らずもほむら達の企みの片棒を担ぐ事になっていたとは。

    QB「しかし魔獣が滅んだ事によって、グリーフシードの供給が絶たれてしまっただろう?
    彼女はこれから魔法少女が滅びるまでの間、円環の理の安定化を自らの魔力で行わなければならない。
    そのシステム構築のため、彼女の悪魔としての部分のほとんどは目下円環の理に掛かり切りなんだ。」

    さやか「まどかにしたように、自分の事も今は二つに裂いているってわけね?」

    QB「そういう事になるね。勿論全くの無防備というわけではないと思うけど、
    暁美ほむらを叩くとしたら今が絶好のチャンスなんだよ」

    さやか「人間であるほむらをこ…倒したら悪魔部分のほむらはどうなるの?」

    40 = 2 :

    QB「ここからは正直予想の範疇でしかないが、
    円環の理ですら人間であるまどかを欠いた事によってひどく不安定になっている。
    悪魔である暁美ほむらもその例外ではないだろう。
    少なくとも今ほど強大な力は残らないだろうし、僕らインキュベーターにも勝ち目が見えてくる」

    さやか「あんた達はほむらを倒した後、どうするつもりなの?」

    QB「願わくはまたまどかに円環の理に戻ってもらって一つ前の宇宙の状態に再改変してもらいたいね。
    勿論更に一つ前の状態でも僕らは構わないんだが、魔女というシステムは僕らが利用するには
    危険過ぎるという事は前回の改変時に思い知ったからね」

    41 = 2 :

    その後、二言三言の会話を交わし、さやかとQBは別れた。
    少し考えさせてほしいと答えた彼女にQBははこう告げた。
    「それは君の自由だがおすすめはしない。せいぜい二週間もあれば
    ほむらは魔力の供給システムを完成させ再び地上のほむらと一つになるだろう。
    そうなればもう勝ち目はないよ」
    勿論なるべく時間を稼ぐつもりではいるけどね、と捨て台詞を残しQBは夜の闇に消えた。
    自室に戻ったさやかはシャワーを浴びる気にもならず、
    倒れる様にベッドに飛び込んだが、到底眠れそうにはなかった。

    42 = 2 :

    さやか「どうしよう、あたし一人でこんな事決められっこないよ…」

    誰かに相談したい、とさやかは考えた。だが誰に?

    さやか「なぎさは…もしかしたらこの話を聞けばあたしの様に記憶を取り戻すかもしれないけど…」

    もしも記憶が戻らなかった時の事を考えると気が引けた。
    魔法少女として過酷な運命と戦ってきたとはいえ彼女はまだ小学生なのだ。
    幼い彼女にこの事実はあまりにも残酷過ぎる。

    巴マミはどうか?いやだめだ、こういう時真っ先に避けねばいけないのが彼女だ。
    気丈に振る舞ってはいたが、万が一これまでの様に精神のバランスを欠き、
    仲間割れにでも発展してしまえばそれこそ事態は悪化の一途を辿るだろう。

    43 = 2 :

    さやか「まどかの再改変までこぎ着ければ、その辺も全部チャラになるのかもしれないけど…
    うまくいく保証なんかなんにもないんだもんね…」

    さやか「杏子…」

    思わず親友の名前を呟くさやか…その時彼女の携帯が着信に震えた。

    さやか「…杏子?」

    不審に思いながらも電話にでるさやかの耳に、今一番聴きたかった声が飛び込んできた。

    46 = 2 :

    杏子『さやか!!』

    さやか「杏子…!あんたどうしたの?」

    杏子『どーしたのとはご挨拶だなーなんか元気なかったみたいだからわざわざ電話してやったんじゃん』

    さやか「いやだって、わざわざ電話なんて…あんた割と近所なんだからテレパシーでいいじゃん」

    杏子『バカだなーもう忘れたのかよ?もう魔獣は現れないんだぜ?ちょっとでも魔力を節約すんのは当然だろ?』

    杏子の言葉でさやかは今自分達の置かれているもう一つの現実を思い出した。
    魔法少女としての決して長くはない余生。

    47 = 2 :

    さやか「そう…だよね、私達このまま円環の理に導かれるのを待つしかないんだもんね」

    杏子『もー暗くなんなよさやか、今日はさやかにいい提案があるんだよ!』

    さやか「いい提案?」

    杏子『あのさ、さやか、もし良かったらさ、ふ、二人で旅行にでもいかねー?』

    さやか「??」

    旅行、今杏子は旅行と言ったのだろうか?
    自分の置かれている状況とはあまりにもかけはなれた言葉に思え、さやかは一瞬混乱してしまった。

    48 = 2 :

    杏子『あたしも色々考えたんだけどさ、マミも言ってたみたいに、あんまり悲観したってしょうがないよ。
    あたし達はやれるだけの事はやったんだし、残り時間が限られてるなら
    くよくよしてる間に自分達のために使った方がいいんじゃねーかって
    これが不治の病で死ぬってんじゃこんな風には考えられなかったかもしれないけどさ、
    最後は円環の理様とやらがお導きくださる訳だろ?』

    さやか「それは…そうかもしれないけど…」

    杏子『それに…これもマミの受け売りだけどさ、もしあのまま魔獣が存在し続けてたら、
    逆にこんなチャンスなかったかも知れないぜ?
    あたし達はジェムが濁り切るか、ヘマして死んじまうか、それまでゆっくりする暇なんて殆ど無くてさ、
    それだっていつまで続けられたのかなんてわかんねーんだ』

    さやか「杏子…」

    49 = 2 :

    杏子『だからさ、さやかもそうしようぜ。やりたい事全部やってさ、
    現世をエンジョイしきってやろうじゃねえか』

    さやか「そのやりたい事第一号が私との旅行な訳?あんたどんだけわたしの事好きなのよ?笑」

    杏子『バ!』

    杏子『ちげーよ!あたしはあんたが元気が無さそうだったから、は、励ましてやろうと思って』

    さやか「おやおやー少ない残り時間を私を励ますために使ってくれるって言うのかなー?
    ますます愛情を感じちゃう言葉ですなーw」

    杏子『なんだよもー!べ、別にあたしと二人きりが嫌だってんならマミやなぎさや、
    なんならまどかやほむらも誘ったっていいじゃねーか?!』


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