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元スレ夏海「なつみちゃんわるくないもーんwww」

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事故。
事故じゃない。
あれは事故なんかじゃ
夏海「あれは私が…!」
一穂「いいの、もうええのよ、それ以上言わなくて」
そう言って、私の手を握った。
一穂「ウチに来ればいいんだからさ。」
一穂「心配しなくていいの…」
夏海「うっ…えっぐ…」
一穂「泣かなくてええんよ、大丈夫、大丈夫だから」
自然と涙がこぼれてしまう。
受けてはいけない優しさのはずなのに。
楓「…」
事故じゃない。
あれは事故なんかじゃ
夏海「あれは私が…!」
一穂「いいの、もうええのよ、それ以上言わなくて」
そう言って、私の手を握った。
一穂「ウチに来ればいいんだからさ。」
一穂「心配しなくていいの…」
夏海「うっ…えっぐ…」
一穂「泣かなくてええんよ、大丈夫、大丈夫だから」
自然と涙がこぼれてしまう。
受けてはいけない優しさのはずなのに。
楓「…」
結局、姉ちゃんは橋から勝手に落ちてその後行方不明。
私はそれを探してる途中にケガをした、ということになった。
ケガと、あの出来事による精神的な疲労で、記憶が混乱している、と。
急な大雨で捜索が難しかったのと、人のあまり入らない場所で目撃者もいなかったから
土を堀り、あれを埋めたことも見つからなかった。
野鳥観察の人たちは大雨の中倒れていた私に驚いて、あの埋めた場所を
気にかけている暇がなかったらしい。
月曜日。自分の家には誰も居ない。
私は、宮内家で暮らすことになったからだ。
親も兄も消えてしまった今、まだ中学生の私は誰かの世話にならないといけない。
私はそれを探してる途中にケガをした、ということになった。
ケガと、あの出来事による精神的な疲労で、記憶が混乱している、と。
急な大雨で捜索が難しかったのと、人のあまり入らない場所で目撃者もいなかったから
土を堀り、あれを埋めたことも見つからなかった。
野鳥観察の人たちは大雨の中倒れていた私に驚いて、あの埋めた場所を
気にかけている暇がなかったらしい。
月曜日。自分の家には誰も居ない。
私は、宮内家で暮らすことになったからだ。
親も兄も消えてしまった今、まだ中学生の私は誰かの世話にならないといけない。
-宮内家 月曜日 午前7時30分
一穂「ええ、はい…そうですか、わかりました。」
一穂「ほたるん、今日休むって、学校に電話したみたい。」
夏海「ん…そっか」
ほたるんは姉ちゃんがすごく好きだったみたいだから。
相当ショックを受けただろうことはすぐにわかる。
ほたるんへの申し訳ないという気持ちで、胸が詰まる。
慣れない場所と、苦しい心であまり良く寝ることができなかった。
けだるい体を起こしながら、とりあえずほたるんに謝ることを考えた。
夏海「うち、ほたるん家にお見舞い行ってくる」
一穂「…今日はやめとき、まだ、きっと苦しいだろうから。」
正論だ。大人の考え。
素直に従うしかない。きっと、ほたるんのほうが私よりも辛いかもしれない。
一穂「ええ、はい…そうですか、わかりました。」
一穂「ほたるん、今日休むって、学校に電話したみたい。」
夏海「ん…そっか」
ほたるんは姉ちゃんがすごく好きだったみたいだから。
相当ショックを受けただろうことはすぐにわかる。
ほたるんへの申し訳ないという気持ちで、胸が詰まる。
慣れない場所と、苦しい心であまり良く寝ることができなかった。
けだるい体を起こしながら、とりあえずほたるんに謝ることを考えた。
夏海「うち、ほたるん家にお見舞い行ってくる」
一穂「…今日はやめとき、まだ、きっと苦しいだろうから。」
正論だ。大人の考え。
素直に従うしかない。きっと、ほたるんのほうが私よりも辛いかもしれない。
夏海「あ…そうだね、そうかも…」
れんげ「きょう学校ないのん?」
一穂「ん~今日は臨時休校だからねぇ」
生徒の心情を考え、ということで、何日かの臨時休校が決まった。
もともと、私達とほたるんしか生徒が居ないわけだから。
れんげ「ふーん」
れんげ「あ!なっつん、にゃんぱすー」
夏海「ん、れんちょんおはよ」
れんげ「あれ?なんでなっつんウチん家いるのん」
夏海「今日からしばらくお泊りさしてもらうんだよ~」
れんげ「なっつんウチの人になるのん!」
夏海「ん~まあ、そうかもねぇ」
ウチの人、か。
いつまで続くかわからない生活に
足の付かないような不安を感じるけど、こうなったものはどうしようもない。
母ちゃん、兄ちゃん 早く帰ってきてほしいな
みんな居なくなっちゃったら、うち一人ぼっちだから。
れんげ「きょう学校ないのん?」
一穂「ん~今日は臨時休校だからねぇ」
生徒の心情を考え、ということで、何日かの臨時休校が決まった。
もともと、私達とほたるんしか生徒が居ないわけだから。
れんげ「ふーん」
れんげ「あ!なっつん、にゃんぱすー」
夏海「ん、れんちょんおはよ」
れんげ「あれ?なんでなっつんウチん家いるのん」
夏海「今日からしばらくお泊りさしてもらうんだよ~」
れんげ「なっつんウチの人になるのん!」
夏海「ん~まあ、そうかもねぇ」
ウチの人、か。
いつまで続くかわからない生活に
足の付かないような不安を感じるけど、こうなったものはどうしようもない。
母ちゃん、兄ちゃん 早く帰ってきてほしいな
みんな居なくなっちゃったら、うち一人ぼっちだから。
-宮内家 火曜日
つい三日前の出来事が、とても遠いように感じる。
いつも聞こえる姉ちゃんや母ちゃんの声は、今も、これからもたぶん無い。
寂しさか、悲しさか、虚しさか、なにかわからないような感情が
心臓を握るように締め付ける。
たくさんのことがいっぺんに起こって、自分でも訳が分からなくなってしまう。
ふと、あの時、姉ちゃんをびっくりさせなかったら。そう思ってしまう。
あの時、吊り橋に行かなかったら。
あの時、近道しなかったら。
あの時、ほたるん家に遊びに行こうと思わなかったら。
あの時、宿題の問題がすぐ解けていたら。
ふとした行動の連続が、この結果を産んでいるわけだから
昔を後悔しても、どこから後悔すれば良いのか次第にわからなくなってくる。
でも、すべてがもう遅い。もう過ぎてしまったから。
私はこれらの現実を背負ってこれから生きていくほかない。
つい三日前の出来事が、とても遠いように感じる。
いつも聞こえる姉ちゃんや母ちゃんの声は、今も、これからもたぶん無い。
寂しさか、悲しさか、虚しさか、なにかわからないような感情が
心臓を握るように締め付ける。
たくさんのことがいっぺんに起こって、自分でも訳が分からなくなってしまう。
ふと、あの時、姉ちゃんをびっくりさせなかったら。そう思ってしまう。
あの時、吊り橋に行かなかったら。
あの時、近道しなかったら。
あの時、ほたるん家に遊びに行こうと思わなかったら。
あの時、宿題の問題がすぐ解けていたら。
ふとした行動の連続が、この結果を産んでいるわけだから
昔を後悔しても、どこから後悔すれば良いのか次第にわからなくなってくる。
でも、すべてがもう遅い。もう過ぎてしまったから。
私はこれらの現実を背負ってこれから生きていくほかない。
-宮内家 金曜日 午後1時
一穂「夏海、どこ行くのん昼間っから」
夏海「ん、ちょっとね」
一穂「一応、学校休みってことやから、あんまし一人でうろうろしたらダメよ」
一穂「あとでれんちょんと隣町まで買い物行くけど、一緒にいかんの?」
夏海「あーうちはいいや」
一穂「なんかほしいもんは?」
夏海「べつにないかなぁ~」
夏海「じゃ行ってきまーす」
一穂「んー、夕方までには帰ってくるんだよ~」
夏海「はいはーい」
もともとよく遊びに来ていた家だ。
私の性格も手伝って、すぐに慣れることはできた。
もちろん、あの日の記憶は一週間近く経った今も薄れないままだ。
私は、あの場所、あれを埋めた場所へ行くことにした。
姉ちゃんに謝りに。それと、まだ、埋まっているか、確認しに。
一穂「夏海、どこ行くのん昼間っから」
夏海「ん、ちょっとね」
一穂「一応、学校休みってことやから、あんまし一人でうろうろしたらダメよ」
一穂「あとでれんちょんと隣町まで買い物行くけど、一緒にいかんの?」
夏海「あーうちはいいや」
一穂「なんかほしいもんは?」
夏海「べつにないかなぁ~」
夏海「じゃ行ってきまーす」
一穂「んー、夕方までには帰ってくるんだよ~」
夏海「はいはーい」
もともとよく遊びに来ていた家だ。
私の性格も手伝って、すぐに慣れることはできた。
もちろん、あの日の記憶は一週間近く経った今も薄れないままだ。
私は、あの場所、あれを埋めた場所へ行くことにした。
姉ちゃんに謝りに。それと、まだ、埋まっているか、確認しに。
-川辺の森
夏海「たしか…この辺りだったと思うんだけど…」
どこも草にまみれて埋めた後なんかわかりっこない。
それに、野山だと動物が臭いをたよりに荒らしに来るなんてこともある。
無我夢中で降りて、訳もわからないまま掘って埋めてしまったのだ。
具体的な場所なんて覚えていない。
でも、あの生々しい手の感触、記憶から消えない赤い水の色。
それだけは確かに頭に刻まれていた。
夏海「あ、たぶんこの辺りだっけ」
不自然に草が生えていない辺りを見つけた。
川からの距離、踏み倒された背の高い草を見ても、たぶん自分がここを選んだと察することができる。
あの夜以来、曇りが続いてじめじめした土には、動物や、それ以外のなにかに
掘り返されたような跡はなく、安心した。
夏海「たしか…この辺りだったと思うんだけど…」
どこも草にまみれて埋めた後なんかわかりっこない。
それに、野山だと動物が臭いをたよりに荒らしに来るなんてこともある。
無我夢中で降りて、訳もわからないまま掘って埋めてしまったのだ。
具体的な場所なんて覚えていない。
でも、あの生々しい手の感触、記憶から消えない赤い水の色。
それだけは確かに頭に刻まれていた。
夏海「あ、たぶんこの辺りだっけ」
不自然に草が生えていない辺りを見つけた。
川からの距離、踏み倒された背の高い草を見ても、たぶん自分がここを選んだと察することができる。
あの夜以来、曇りが続いてじめじめした土には、動物や、それ以外のなにかに
掘り返されたような跡はなく、安心した。
全部知ってる有力家がサツに見つかる前に掘り起こしてるパティーン
夏海「姉ちゃん、ごめんね」
夏海「こんなとこに埋めちゃってさ。」
夏海「……」
返事はない。当然だ。
夏海「母ちゃんと兄ちゃん、どっか行っちゃったよ」
夏海「姉ちゃんが死んじゃったから、おかしくなっちゃったのかな」
夏海「でも、自分の子供がそうなったら、当たり前かもね」
夏海「あれはあれで人の親なんだね~あはは」
自分の声だけが森に響く。
返事がほしい、また声が聞きたい。でもそれは叶わない。
夏海「でもさぁ、ちょっとおどかしたくらいで落ちちゃうなんて」
夏海「姉ちゃんもドジだよね~ ちょっとシャレになんないよ」
夏海「あはは…ほんとにさ…」
夏海「こんなとこに埋めちゃってさ。」
夏海「……」
返事はない。当然だ。
夏海「母ちゃんと兄ちゃん、どっか行っちゃったよ」
夏海「姉ちゃんが死んじゃったから、おかしくなっちゃったのかな」
夏海「でも、自分の子供がそうなったら、当たり前かもね」
夏海「あれはあれで人の親なんだね~あはは」
自分の声だけが森に響く。
返事がほしい、また声が聞きたい。でもそれは叶わない。
夏海「でもさぁ、ちょっとおどかしたくらいで落ちちゃうなんて」
夏海「姉ちゃんもドジだよね~ ちょっとシャレになんないよ」
夏海「あはは…ほんとにさ…」
>>118 まさかな…
-宮内家 午後3時
夏海「ただいま~」
夏海「あ…買い物行ってるんだっけ」
夏海「……」
また、一人だ。
自分は一人という場面を経験したことがあまりないことに気づいた。
独りは寂しいものだと、いまさら気付かされる。
夏海「あ、ほたるん…しばらく会ってないなぁ」
夏海「…謝りに行かないと」
もう一週間だ。
友達の声をしばらく聞いていない。
人恋しさも手伝って、私はほたるんの家へと向かっていた。
もちろん、あの道は通らない。もう二度と通らない、つもり。
夏海「ただいま~」
夏海「あ…買い物行ってるんだっけ」
夏海「……」
また、一人だ。
自分は一人という場面を経験したことがあまりないことに気づいた。
独りは寂しいものだと、いまさら気付かされる。
夏海「あ、ほたるん…しばらく会ってないなぁ」
夏海「…謝りに行かないと」
もう一週間だ。
友達の声をしばらく聞いていない。
人恋しさも手伝って、私はほたるんの家へと向かっていた。
もちろん、あの道は通らない。もう二度と通らない、つもり。
________
_____
___
?「……み……きろっ……つみ……!」
小鞠「夏海!起きろってば!」
夏海「うわぁ!」ガバ
夏海「え?あれ?姉ちゃん?」
小鞠「まったく夏海また宿題の途中で寝てたでしょ」
夏海「は?宿題?……あっ夢かぁ」
今回はここまで
_____
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?「……み……きろっ……つみ……!」
小鞠「夏海!起きろってば!」
夏海「うわぁ!」ガバ
夏海「え?あれ?姉ちゃん?」
小鞠「まったく夏海また宿題の途中で寝てたでしょ」
夏海「は?宿題?……あっ夢かぁ」
今回はここまで
- 一条家の前 午後4時
一人で道を歩くのも、なんだか暇で
両端の空間というものを持て余している気がした。
いつも誰かがそこに居たから。
真新しい家のインターホンを押す。カメラが付いている最新のものだ。
ほたるんの部屋はカーテンが閉じていた。
家の人「はい、どちらさまでしょうか」
夏海「あの、越谷夏海といいます。ほたるん…蛍ちゃんの友達の」
家の人「ああ…夏海ちゃんね、来てくれて悪いんだけど」
家の人「あの子今病院に居るのよ」
夏海「え…病院、ですか」
一人で道を歩くのも、なんだか暇で
両端の空間というものを持て余している気がした。
いつも誰かがそこに居たから。
真新しい家のインターホンを押す。カメラが付いている最新のものだ。
ほたるんの部屋はカーテンが閉じていた。
家の人「はい、どちらさまでしょうか」
夏海「あの、越谷夏海といいます。ほたるん…蛍ちゃんの友達の」
家の人「ああ…夏海ちゃんね、来てくれて悪いんだけど」
家の人「あの子今病院に居るのよ」
夏海「え…病院、ですか」
ケガや病気をしたとは聞いていない。学校はずっと休んでいたけれど。
夏海「蛍ちゃんの様子は…」
家の人「あの子ねぇ、あの事故以来、なにも食べなくなっちゃって」
家の人「体を崩して病院に連れてったんだけど」
家の人「先生は精神的なものだって。」
夏海「そう…ですか」
家の人「それで今は、県庁がある市の総合病院で入院してるの。」
家の人「つい、昨日からね」
夏海「……わかりました、どうもすみません。」
家の人「いいのよ、こちらこそごめんね」
家の人「お互いにつらいけれど、頑張ってね、なにかあったら相談してちょうだい」
やさしい励みの言葉が、心に針を刺されたように痛い。
みんなに嘘をついた自分の罪悪感が、より針を押し込む。
夏海「…ありがとうございます。それでは」
夏海「蛍ちゃんの様子は…」
家の人「あの子ねぇ、あの事故以来、なにも食べなくなっちゃって」
家の人「体を崩して病院に連れてったんだけど」
家の人「先生は精神的なものだって。」
夏海「そう…ですか」
家の人「それで今は、県庁がある市の総合病院で入院してるの。」
家の人「つい、昨日からね」
夏海「……わかりました、どうもすみません。」
家の人「いいのよ、こちらこそごめんね」
家の人「お互いにつらいけれど、頑張ってね、なにかあったら相談してちょうだい」
やさしい励みの言葉が、心に針を刺されたように痛い。
みんなに嘘をついた自分の罪悪感が、より針を押し込む。
夏海「…ありがとうございます。それでは」
>>129
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>>126
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-宮内家 午後9時
一穂「…それで、ほたるんはどうだって」
夏海「今は精神的につらくて、なにも食べてないって。」
夏海「だから、県庁んとこの病院で入院してる。」
一穂「そっか…」
一穂「一応、学校は土日明けから再開するんだけど」
一穂「れんちょんと二人だけってことになりそうやねぇ」
夏海「そうだね……」
一穂「とりあえずさ、宿題はたっぷり用意してるんだから」
一穂「勉強遅れないようにちゃーんとやるんだよ~?」
夏海「うへぇ、勘弁してよ」
一穂「これからは密着教育だからなぁ~」
夏海「いやああ!!」
れんげ「密着なのん!?」
夏海「うわあ最悪だぞ~れんちょん!」
一穂「…それで、ほたるんはどうだって」
夏海「今は精神的につらくて、なにも食べてないって。」
夏海「だから、県庁んとこの病院で入院してる。」
一穂「そっか…」
一穂「一応、学校は土日明けから再開するんだけど」
一穂「れんちょんと二人だけってことになりそうやねぇ」
夏海「そうだね……」
一穂「とりあえずさ、宿題はたっぷり用意してるんだから」
一穂「勉強遅れないようにちゃーんとやるんだよ~?」
夏海「うへぇ、勘弁してよ」
一穂「これからは密着教育だからなぁ~」
夏海「いやああ!!」
れんげ「密着なのん!?」
夏海「うわあ最悪だぞ~れんちょん!」
宮内家 日曜日 午後2時
なにもやることがない。
いつもなら、誰かとぶらぶらしたり、喋ったり、ゲームしたりしてた。
今は誰も居ない。
この村には、分校のみんなしか友達がいないから。遊ぶ人もいない。
相変わらず、れんちょんは一人で不思議な遊びをしてる。
目の前に霞がかかっているように感じる。
一週間前の出来事は、鮮明に、生々しく思い出すのに
今、眼の前の風景は現実味がない。
一穂「なっつん宿題したんかい?」
夏海「ん、今からやるよ」
夏海「あーめんどくさいなぁ~えーと数学だっけぇ?」
プリントと教科書の山からそれらしい紙を引っ張りだす。
ほとんどの問題がわからない。
勉強嫌いの自分のせいだけど。
なにもやることがない。
いつもなら、誰かとぶらぶらしたり、喋ったり、ゲームしたりしてた。
今は誰も居ない。
この村には、分校のみんなしか友達がいないから。遊ぶ人もいない。
相変わらず、れんちょんは一人で不思議な遊びをしてる。
目の前に霞がかかっているように感じる。
一週間前の出来事は、鮮明に、生々しく思い出すのに
今、眼の前の風景は現実味がない。
一穂「なっつん宿題したんかい?」
夏海「ん、今からやるよ」
夏海「あーめんどくさいなぁ~えーと数学だっけぇ?」
プリントと教科書の山からそれらしい紙を引っ張りだす。
ほとんどの問題がわからない。
勉強嫌いの自分のせいだけど。
夏海「ん~…んー?」
夏海「ねーちゃんこれわかんないんだけどぉ」
夏海「あ…」
夏海「(そっか、姉ちゃんもう居ないんだっけ)」
ふいに現実が突き刺さる。
泣いても後悔しても、遅い。
切り替えて、心をいれかえて、もうそれしかない。
一穂「んー呼んだか~?」
夏海「あっ…ね、ねーちゃんさぁ、ここわかんないんだけど」
一穂「どれどれ~んーあーここはねぇ」
一穂「ここをこうすると、こうなるから、後は公式で…」
夏海「お!なるほど!さすが本物の先生だけあるね」
一穂「いや、どういう意味それ…」
新しい、姉ちゃん、ってことでいいか。
夏海「ねーちゃんこれわかんないんだけどぉ」
夏海「あ…」
夏海「(そっか、姉ちゃんもう居ないんだっけ)」
ふいに現実が突き刺さる。
泣いても後悔しても、遅い。
切り替えて、心をいれかえて、もうそれしかない。
一穂「んー呼んだか~?」
夏海「あっ…ね、ねーちゃんさぁ、ここわかんないんだけど」
一穂「どれどれ~んーあーここはねぇ」
一穂「ここをこうすると、こうなるから、後は公式で…」
夏海「お!なるほど!さすが本物の先生だけあるね」
一穂「いや、どういう意味それ…」
新しい、姉ちゃん、ってことでいいか。
-旭丘分校 月曜日
いつもより3人少ない教室は、とても広く静かに感じた。
中に私物の入った姉ちゃん、兄ちゃんとほたるんの机を見ると、なんだかまた心が痛くなる。
一穂「はーい、じゃ今日は3人で勉強しましょうねぇ」
れんげ「なんで3人なのん?」
れんげ「こまちゃん最近ぜんぜん見ないのん」
れんちょんには、まだあの事は言っていない。
いくら賢くても、理解するのは難しいだろうから。
一穂「なんだろうねぇ、まあそのうちくるんちゃう~」
れんげ「ふーん」
本当はもう二度と来ない。
れんちょんが、それがどういうことなのか理解するのは、いつの話になるんだろうか。
いつもより3人少ない教室は、とても広く静かに感じた。
中に私物の入った姉ちゃん、兄ちゃんとほたるんの机を見ると、なんだかまた心が痛くなる。
一穂「はーい、じゃ今日は3人で勉強しましょうねぇ」
れんげ「なんで3人なのん?」
れんげ「こまちゃん最近ぜんぜん見ないのん」
れんちょんには、まだあの事は言っていない。
いくら賢くても、理解するのは難しいだろうから。
一穂「なんだろうねぇ、まあそのうちくるんちゃう~」
れんげ「ふーん」
本当はもう二度と来ない。
れんちょんが、それがどういうことなのか理解するのは、いつの話になるんだろうか。
-旭丘分校 水曜日 午前8時
なにしてるんだろう。消しゴムに向かってエンピツを突き立てている。
れんちょんはいつも不思議な遊びをしている。
あんなふうに、私も一人でも楽しくやってけたらいいな。
外から足音が聞こえてきた。廊下側の窓を見るとふたつの人影が見える。
古い引き戸が、耳障りな音を立てて開いた。
一穂「は~いみんなおはよー」
一穂「さ、入って入って、大丈夫だからねぇ」
誰かはわかってる、この学校に生徒はあと一人しか居ないから。
蛍「……」
一穂「ウチちょっと職員室行ってくるからねぇ」
なにしてるんだろう。消しゴムに向かってエンピツを突き立てている。
れんちょんはいつも不思議な遊びをしている。
あんなふうに、私も一人でも楽しくやってけたらいいな。
外から足音が聞こえてきた。廊下側の窓を見るとふたつの人影が見える。
古い引き戸が、耳障りな音を立てて開いた。
一穂「は~いみんなおはよー」
一穂「さ、入って入って、大丈夫だからねぇ」
誰かはわかってる、この学校に生徒はあと一人しか居ないから。
蛍「……」
一穂「ウチちょっと職員室行ってくるからねぇ」
ひどくやつれた顔だった。
目元は赤く晴れていたし、髪型はうまく整っていない。
夏海「あ……おはよう、ほたるん」
蛍「おはようございます。先輩。」
うつむいて床を見つめながら、吐き捨てるようにそう言った。
私の顔は見てくれなかった。
夏海「えっと、その…学校来てくれてうれしいよ」
夏海「あ~…一時間目なんだっけ」
返事はない。
イスに座ったほたるんは、じっと机を見つめている。
夏海「確か一時間目は国語だったっけ、あはは…」
夏海「……」
目元は赤く晴れていたし、髪型はうまく整っていない。
夏海「あ……おはよう、ほたるん」
蛍「おはようございます。先輩。」
うつむいて床を見つめながら、吐き捨てるようにそう言った。
私の顔は見てくれなかった。
夏海「えっと、その…学校来てくれてうれしいよ」
夏海「あ~…一時間目なんだっけ」
返事はない。
イスに座ったほたるんは、じっと机を見つめている。
夏海「確か一時間目は国語だったっけ、あはは…」
夏海「……」
>>138
ありがとう
ありがとう
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