元スレ夏海「なつみちゃんわるくないもーんwww」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
51 = 1 :
蛍「先輩はどうして、あんな場所に居たんですか」
夏海「ほたるんの家に、行こうと思って…」
蛍「…私の家に行くのに、獣道を通る必要はありませんよね。」
夏海「…あそこが……近道だったの…」
イスが倒れる音がした。床と金属がぶつかる鈍い音
それと同時に、誰かが私の胸ぐらを掴んだ。誰だろう。この部屋に居るのは、おそらくほたるんだけだ。
蛍「先輩が!先輩があんなとこ行かなかったら!!ううぅ…」
顔に温かいものが落ちてきた。それは紛れも無く涙なんだろう
なぜかさっきより悪くなった視界では、その人の顔がよく見えない。
目の前がよく見えない。そうか、私も泣いてるんだ。
52 :
>>44
死体が埋まってる土の上で寝るとか怖すぎ
53 = 1 :
夏海「ごめん、ごめんね、ゆるし…」
その時、病室の引き戸がギシギシと音を上げ開いた。
一穂「ちょっ!ほたるん、やめなってなにしてんのさ!」
知っている声だ。その人はほたるんの両肩を掴んで私から離した。
蛍「えっぐ…せんせぇ…私…うわああああん!!」
一穂「まぁまぁ落ち着いて、ちょっと待合室に戻っといてねぇ」
一穂「夏海と二人で話したいからさ」
蛍「うう…ぐすっ…わかりました…ごめんなさい先輩、取り乱しちゃって……」
夏海「ん、ああ…いいよべつに、気にしないで」
ほたるんが病室から出て、私はその人と二人きりになった。
54 = 18 :
まぁ屑なら当然だな
55 :
一人称がウチじゃない事に違和感
56 = 1 :
夏海「…水一杯ちょうだい」
一穂「お茶なら水筒にあるから、ちょっとまってねぇ」ガサガサ
一穂「…あのね」
一穂「こまちゃんさ、たぶんダメだろうって、警察の人が。」
ダメだろう。濁ったその言葉が何を表しているかは自分が一番良くわかっていた。
夏海「…」
一穂「吊り橋のすぐ下の川から、靴が見つかったんだって」
一穂「あの高さから落ちて、靴もなしに遠くへ行くのはムリだろうから」
一穂「近くの森か、川で流されたか。」
一穂「あそこは浅い川だけど、急な大雨で水かさが増してたからって。」
一穂「今も警察の人が探してくれてるけど…ね」
夏海「そうなんだ…」
わかってる。私が埋めたんだ。ちゃんと覚えてる。
都合の悪いことだけ、忘れてちゃったらどれだけ楽だろう
57 = 36 :
早いな
書き溜めてるのか
58 = 42 :
書き溜めてるところはとても評価する
59 :
夏海が集団リンチにあって埋められるスレかと思ったら違った
60 = 1 :
あの時にびっくりさせたから落ちちゃったんだから。
私が落としたも同然なのに。
一穂「…なんか、覚えてることとか、話してくれる?」
夏海「あ、あの、母ちゃんは?」
一穂「一応連絡はしたけど、家には居ないみたいだから、まだこの事は知らないよ」
夏海「そっか…」
夏海「えっと…覚えてることね」
一穂「うん。ムリはしなくていいからねぇ」
夏海「あそこは、前にうちがみつけたほたるん家への近道なの」
夏海「危ないとは、思ってたけど…」
夏海「でも、面白そうだからねーちゃんと二人で入ってったの」
夏海「それで…あの橋のとこまでいっしょに行って」
61 = 52 :
ここからだ......
62 :
なつみss多すぎだろ
みんななっつん大好きだな
63 = 1 :
本当の事を話すべきか。
でも、びっくりさせたところまで話しちゃったら
後もぜんぶ話さないといけないし。
今になって、なんてバカな事をしたのかと、後悔が胸に刺さる。
ふつう、あそこは助けを呼ぶところだろう。ふつうは。
突然の衝撃的な出来事は人間を簡単に、そして強く狂わせる。
もちろん、自分が落としたんだという罪悪感からと考えれば、わからなくもないかもしれない。
なんだか他人ごとのように、私は考えていた。
夏海「それで…あの橋はうちが先に渡り始めて」
とりあえず、今は嘘をつこう。
今は、今だけは。
64 = 52 :
あーあ
65 = 42 :
嫌いだよ
66 = 18 :
さすが屑
67 = 1 :
夏海「それから、怖い怖いってねーちゃんが言いながら」
夏海「うちの後ろからゆっくりついてきて」
嘘だけど
夏海「ねーちゃんは橋のまんなかくらいで」
嘘なんだけど
夏海「手すりを掴み損ねたみたいで」
意図的につく嘘。
それも、人の生き死にを乗せた大きな嘘
緊張と罪悪感で口もうまく動かない。手はかすかに震えてしまう。
夏海「それから…大きな音がして…」
夏海「振り向いたら、ねーちゃんが居なくて」
一穂「ん…わかった。もういいよ。」
68 = 20 :
まぁまぁお前ら落ち着け
悪魔でSSだからな
69 = 1 :
一穂「話を聞いた限り、夏海は悪くない。気にしないでって言い方は変だけど」
一穂「心のキズは時間が癒してくれるの。今はなにも考えないで休んでていいからねぇ」
優しさが痛い。哀れんだ視線が痛い。
あんな過ちをした自分が、嘘をついた自分が受けていいものじゃない。
夏海「…うん」
一穂「それに、まだ決まったことじゃないから。案外、ひょっこり帰ってくるかも」
一穂「とりあえず、お母さん帰って来ないことにはどうもできんからねぇ」
一穂「んっと、卓と雪ねぇはいっしょに買い物行ってるんだよね」
夏海「うん、グニャグニャの峠の向こうにあるとこ」
一穂「ああ、西のほうね」
一穂「あそこは怖いくらいグネグネだから、車酔いしやすい君らにゃキツいねぇ」
一穂「そっか…じゃあ、ゆっくり休んでていいからね お茶、ここ置いとくよ」
夏海「うん、わかった」
病室の扉が開く。冷たい風が入ってくるのを肌で感じた。
70 = 52 :
実は生きてる説
71 :
何て早さだ アセアセ
72 = 1 :
夏海「…あのさ、私は誰が見つけてくれたの?」
一穂「ああ、都会から野鳥観察に来た人たちが見つけたって、警察の人が。」
夏海「ん…そっか」
冷たい風が止み、一人になった。
少し広い病室には、掛け時計の音だけが虚しく響く。
夏海「姉ちゃん…」
夏海「これ、夢じゃないのかな。」
わかってる。これは現実
マメが痛い両手、すこしざらつく顔、初めて見たあんなほたるんの姿。
これが夢なら、どれだけいいか。
わかってるけど。
これから一生、姉ちゃんの居ない日々が続くんだ
いままでみたいな楽しい毎日はもう無い。
せっかくほたるんも転校してきて、もっと毎日元気で学校へ行けるはずだったのに。
73 = 1 :
いつも4人で遊んで、勉強して、ただなにもせずぼーっとする
それも、もうずっとできない。
そんな考えが、一つ、また一つと浮かんでは消える。
そして浮かぶたび、消えるたびに、心臓が針を刺したように痛む。
不思議と涙は出ない。現実があまりにも重くてつらいからだ。
夏海「はぁ…どうしたらいいのかな」
夏海「どうしようも、ないけど。」
窓の外は相変わらずの大雨。
時々、灰色の雲が一瞬だけ光る。少し時間を置いて、大きな雷鳴が響いた。
夏海「姉ちゃんだったら…コタツに潜っちゃうだろうなぁ」
夏海「……」
74 = 2 :
>>46
悲壮感漂うな
75 :
ぼくのこまちゃん…
76 = 1 :
-病室 土曜日 午後11時
どれくらい時間が経っただろう。薄暗かった外は、もう真っ暗だ。
一応、都会である街の街路灯が、人の居ない夜道を照らしていた。
コンコン
病室の扉がノックされた。
扉を開けたのは母ちゃんだった。
夏海「あ…母ちゃん」
雪子「…夏海、怪我の具合は大丈夫かい」
夏海「あ、う、うん。もう大丈夫だよ」
雪子「そう、よかった。」
なんだか様子がおかしい。
いつもうざいくらい明るくて、いつも元気に怒りちらしていた母ちゃん。
うつむいて、目には光がない。
当然かもしれない。自分の子供が、突然居なくなって。
見つかってなくて。きっと、もう駄目だろうって言われたとしたら。
77 = 71 :
これはアレですね、オヤシロさまの祟りだコレ
78 = 1 :
雪子「小鞠のこと、もう聞いてるの」
夏海「う、うん。一穂姉ちゃんから聞いたよ…」
雪子「そう…」
雪子「あの子のことだから、いつも心配してたけど」
雪子「まさか、本当にこんなことになっちゃうなんて」
夏海「か、母ちゃん、私が…」
雪子「夏海は悪くないのよ、もう中学生なんだから、ある程度は小鞠の責任。」
雪子「…でも、危なっかしい場所じゃ、あの子は・・」
雪子「夏海はそれをよく知ってるもんだと、てっきり思ってた」
夏海「うちは…なにも…」
なにもしてない。私は悪くない。
私はいつも、決まってそう言っていた。悪くても、そうでなくても。
雪子「あんたは、なんか隠してることなんかないでしょうね。」
夏海「え」
79 = 20 :
兄ちゃんどんな反応するんだろ...
80 = 1 :
唐突に発せられたその言葉
いつもなら、身振り手振りを付け加え笑いながら反論するだろう。
夏海「な…そんなの……ないよ…」
雪子「そう、ならいいのよ」
怖い。いつもの怒り方や、皮肉の言い方とは違う。
なんだか、人間じゃないものに問い詰められたような冷たい感覚。
雪子「じゃあ、お母さん警察の人と話さなくちゃなんないから」
雪子「静かに寝てなさいね」
夏海「うん」
また冷たい風が入ってくる。
うつむいたままのお母さんの背中は、なんだかもう二度と会えないような
昔には戻れないような、そんな気がして。
夏海「あっ、ちょっと母ちゃん」
呼び止めた声は、母ちゃんに届かなかった。
ピシャリ、と扉が閉まる。
また一人になった。
一人は嫌だ。性に合わないし、やっぱり寂しいし。
81 = 18 :
さるよけ
82 :
のんのんの重たい話はマジできついからやめてほしい
83 = 52 :
ssと分かっていても今後の夏海に対する見方が変わっちまいそう
84 = 1 :
夏海「…なんだか、眠い」
夏海「もう、夜だからかな」
夏海「ほたるんは帰っちゃったのかな」
夏海「月曜、学校で謝んないとだめだよね…」
夏海「れんちょんになんて言えばいいのかな」
夏海「もし…」
夏海「もし、次に目を開けた時」
夏海「ぜんぶ元通りで、夢だったなら」
夏海「私、勉強も頑張る…し、ちゃんと言うことも……聞くし」
夏海「それに…」
85 = 1 :
-病室 日曜日 午前9時
朝だ。
左手で畳をまさぐる。時計を見るために。
いつもならざらざらした感触を覚えるはずの左手が冷たい金属の柵に触れた。
そうだ、ここは病院。
そして昨日は…
夏海「夢じゃない、そんなわけないよね…」
目の前に誰かいる。
それが姉ちゃんだったらいいのに。
87 = 18 :
夢だとしてもなっつんは頑張らない
89 :
ものすごくどうでもいいけど
逆転裁判だったら>>67のとこで
ガラガラガラーガシャンガシャンガシャン
ってサイコロックができてたな、うん。
90 = 1 :
楓「お、起きたか」
夏海「ん、なんだ…駄菓子屋かぁ」
当然、姉ちゃんじゃなかった。
たぶん、あの調子じゃほたるんや母ちゃんではないと想像したけど。
楓「駄菓子屋じゃねぇっつーの、ったく」
楓「あー…昨日は、大変だったないろいろと」
夏海「うん…」
楓「一応見舞いだ、ほれ、駄菓子ここ置いとくからさ。」
夏海「ありがと、楓」
楓「ん、そう、名前で呼ぼうな。」
夏海「うん…今、何時だっけ」
楓「んーあ~今はな~」
そう言って、ジャケットの袖を上げ腕時計を見た。
92 :
兄貴は?
93 :
兄ちゃんが掘り起こしそうだな
94 = 1 :
扉が突然開く。ノックはなかった。
開けたのは一穂姉ちゃんだった。なんだか真剣な顔に見えるけど
まさか、あれが見つかっちゃったのかな。
一穂「楓、ちょっといい?」
楓「ん、夏海ちょっとまっててな あ~今は9時ちょい過ぎだよ」
夏海「うん、ありがと」
楓「おう」
楓が部屋から出た。扉の取手に手をかけ勢い良く閉めた。
だが、扉はあと10cmくらいを残して開いたままになった。
冷たい風が隙間から入ってくる。
昨日を思い出すこの感覚。橋の上に吹いた、あの冷たい秋風。
二人は病室の外でなにか話してるようだった。
すこし開いた扉から、その会話は嫌がらせのように流れてきた。
95 = 1 :
楓「…夏海の母ちゃん居なくなったって本当かよ」
一穂「うん…警察の調書が終わって、今日になって家誰も居なくて」
一穂「車もなくなってて、ポストんとこに」
一穂「しばらく家を開けます。って…」
楓「…蒸発、ってやつか」
一穂「そうだね…」
楓「ムリもねぇけどよ…夏海が居るのに」
楓「あの兄貴は居なかったのかよ」
一穂「うん。あれで、親にはついていくタイプだからねぇ…」
楓「んだよそれ…」
楓「まさか、どっかで心中なんてしちゃいねぇよな」
一穂「…なんとも、言えないねそれは……」
楓「いくらなんでも急すぎるっつーの…夏海に、なんて言ったら」
96 :
見つかったのか
97 = 1 :
うそ、うそうそ
母ちゃんが?嘘だよ、たまたま買い物に行ってるだけだ。
でもしばらく家を開けますって…
昨日もなんか様子が変だったし。
やっぱり私に怒って家出しちゃったのかも
ぜんぶ私のせいだ…私の…
一穂「ごめんねぇ~楓、横取りしちゃって」
楓「あーおまたせ、っと何の話だっけ」
夏海「母ちゃん、家出しちゃったって」
思わず、口に出た言葉。
楓「あ…聞こえてた…か…」
二人はしまった、という顔をしていた。
でも、聞いてしまったもの、言ってしまったものはどうしようもない。
夏海「私のせいなんだ、私が姉ちゃんを…」
楓「…夏海のせいじゃない。事故ってのはいつ誰に来るかわかんねぇもんなんだ」
98 = 89 :
スレタイからは想像出来ないほどシリアスだな
99 = 71 :
やばいwwww
100 = 52 :
これは、心中フラグですね
みんなの評価 : ☆
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