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    元スレ暴君「俺に逆らう奴は、どいつもこいつも死刑だ!」

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    101 = 80 :

    効果は抜群だな

    102 = 60 :

    暴君「腰と腕がいてぇ~……」シャカシャカシャカシャカ…

    メイド「明日は筋肉痛でしょうね。私たちに明日があれば、ですが」シャカシャカシャカシャカ…



    ザワザワ…… ドヨドヨ……

    敵兵A「なんだよ……なんなんだよ、あれ……」

    敵兵B「オイ、矢でも射てみろよ」

    敵兵C「イヤだよ、絶対呪われるよ! 黒魔術の儀式かなんかだろ、あれ!」

    隊長「なにをやっている! 相手はただの男女二人組だぞ!」

    敵兵A「隊長、あれのどこが“ただの”なんですか! よく見て下さいよ!」

    隊長「た、たしかに……」ゴクッ…

    隊長(今の私の気持ちを率直に表すとするなら──キモイ!)

    ザワザワ…… ドヨドヨ……

    103 = 72 :

    104 = 60 :

    将軍「兵たちに怯えが伝染し始めています!」

    将軍「国王様、どうか賢明なるご決断を!」

    側近「国王様! こうしてる間にも距離が狭まっています!」

    国王「うむむ……」

    国王(あのブリッジ二人組にどんな意味があるのかさっぱり分からんし)

    国王(仮にあれを兵たちに始末させたところで、むしろ我が軍の恥にしかならんよな)

    国王(多少改革が進んだところで、この国が我が国に追いつけるはずもないし──)

    国王(ここで兵を退いておけば、周辺国には演習のいきすぎ、ぐらいで説明はつく!)

    国王(うん、決まった! よし、決まった! さすがワシ!)

    国王「撤退じゃ! 全軍に撤退命令を出せ!」バッ

    将軍「了解いたしましたァ! 全軍、撤退! あのブリッジ二人組は放置せよ!」

    ワアァァァァァ……!

    ザッザッザッザッザッ……!

    105 = 72 :

    106 :

    後にこの出来事が平和への架け橋と呼ばれる。

    107 = 80 :

    さすがわしwwwww

    108 = 60 :

    ぽつんと残された二人──

    暴君「…………」

    メイド「…………」

    暴君「どうやら……俺の“誠意”が通じたようだな」

    メイド「……そういうことにしておきましょうか」

    暴君「トゲのある言い方だな」

    暴君「しかし、お前も物好きな奴だ。俺一人で十分だったものを」

    メイド「どんな時もお供をするのが、メイドの務めですから」

    暴君「ふん……。ただ、なかなかのブリッジだったことだけは認めてやる」

    暴君「帰るぞ」クルッ

    メイド「服を着るのを忘れないで下さいね」

    暴君「いわれなくとも分かっている!」

    109 = 60 :

    < 城下町 >

    ワアァァァ……! ワアァァァ……!

    暴君「なんだこれは……やかましい」

    メイド「城や城下町の方々が集まっていますね」

    「陛下、バンザイ!」 「お帰りなさい!」 「ありがとう!」

    兵士「ご無事でしたか! よかった……!」

    シェフ「今夜は特に腕を振るわせて下さい!」

    神父「おお、神よ……感謝いたします」

    店主「またリンゴ買って下さいよ!」

    国民「陛下……あなたにはまた助けていただきました! ありがとうございます!」

    ワアァァァ……! ワアァァァ……!

    メイド「みんな、陛下の無事を喜んでいますよ」

    暴君「ふん」

    113 = 60 :

    大臣「陛下!」

    暴君「大臣か。なにを青ざめている」

    大臣「なにを考えているんですか、メイドと二人だけで隣国軍に乗り込むなんて!」

    暴君「お前らが不甲斐ないから、挨拶しに行っただけだ」

    「お部屋、ちゃんとキレイにしておきましたから!」

    暴君「チリ一つでも残っていたら、大目玉喰らわすからな!」

    ワアァァァァァ……! ワアァァァァァ……!

    暴君「…………」

    メイド「どうしました?」

    暴君「いや……」

    115 = 60 :

    < 寝室 >

    暴君「…………」

    メイド「どうしました、さっきから黙ったままで」

    メイド「シェフ会心の夕食にも、なにもリアクションせずに……」

    暴君「…………」

    暴君「……お前になら話してもいいか。ブリッジした仲だしな」

    メイド「どうぞ」

    暴君「さっき……町に戻って、市民どもが俺たちを迎えてくれた時──」

    メイド(愚民ではなく、市民……?)

    暴君「俺としたことが……」

    暴君「こういうのも悪くないな、などと思ってしまってな」

    暴君「フフッ……おかしくなっちまったのかな、俺……」

    暴君「あれだけ、愚民愚民いってたはずなのにな……」

    メイド「いいえ」

    116 :

    117 :

    ぼうくんちゃんかわいい

    118 = 60 :

    メイド「やっと心の底から笑って下さいましたね、陛下」

    メイド「横暴で身勝手で、無理なバカ笑いを繰り返す陛下も嫌いではありませんが」

    メイド「今の陛下の微笑みが、今までで一番ステキでしたよ」クスッ

    暴君「な……! バカ笑いだと!?」

    暴君「しかもお前こそ、笑ったところ初めて見たぞ!」

    メイド「陛下が心から笑うまでは私も笑うまい、と心に決めていたものですから」

    暴君「なんだそりゃ……意味あるのかよそれ」

    暴君「だがお前こそ……笑ったツラも悪くないな」

    メイド「ありがとうございます」

    119 :

    実は俺っ娘

    120 :

    ふむ

    122 = 60 :

    暴君「ま、ここらで──」

    暴君「目指してみるのもいいかもな……“名君”ってやつを」

    メイド「迷う方の“迷君”にならなければいいですがね」

    暴君「なんだと!? お前は死刑だ! 死刑にしてやる!」

    メイド「もう陛下にそんな権限はありませんよ」

    メイド「もしあったとしても、私は死刑を受け入れたりはしません」

    メイド「私はこれからこの国をよりよくしていく陛下に、お供したいのですから」

    メイド「できるかぎり、ずっと」ニコッ

    暴君「…………」

    暴君「勝手にしやがれ!」



    これこそが──

    後にこの国の“中興の祖”とも呼ばれることになる、名君誕生の瞬間であった。




                                       ─ 完 ─

    123 = 72 :

    >>1おつ
    面白かったよ

    メイドが敵軍に犯されたらどうしようかとヒヤヒヤしてたが

    125 :

    寝なくて良かったわ 乙

    126 = 116 :


    なかなか面白かった

    129 :

    いいね

    130 :

    おつおつ

    131 = 120 :

    おつお

    132 = 80 :

    よかったよかった乙

    133 :

    おつ


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