元スレ幼馴染「起きろぉっ!」男「むっ、敵か!?」
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151 = 122 :
刺青「あうっ……あうっ……」ブクブク…
兄「潰れちゃいないだろうが……泡吹いてるな。勝負ありだ」
幼馴染「ふん! アンタみたいなゲスと、まともに勝負する気なんかないのよ!
タマ押さえながら反省なさい!」
男「恐ろしい奴だ……」
友人「ボクは彼に半殺しにされたけど……こればかりは同情するよ」
金髪「さて! キンタマも引き締まったところで、第三試合だ!
オレの相手は、当然君だろう?」
友人「ああ、ボクがやる」スクッ
金髪「まだとても戦える状態じゃないのに、オレに再び挑む気力は大したもんだ」
金髪「オレもできれば人殺しにはなりたくないけど……手加減はしないよ?」
友人「それでいい……そうでなきゃリベンジする意味がない」ザッ
金髪「いぃ~ねぇ」ニィ…
兄「始めっ!」バッ
153 = 122 :
金髪が、一気に間合いを詰める。
友人(思い出せ……夢で延々と繰り返した彼との戦いを!)ス…
金髪(無駄だ! オレの拳は避けてもかわせない!)タンッ
金髪が右拳を繰り出す。
ブオンッ!
金髪(空振り! ──外した!? このオレが!)
金髪(なら、もう一撃ッ!)
ブオンッ!
金髪(また外された! マグレじゃないッ!)
友人「はあっ!」
ガッ! ドゴッ! ガゴンッ!
友人の三連蹴りが、金髪にヒット。
金髪「ぐはぁっ……!」ガクッ
友人「あなたの“絶対当たる拳”の正体……夢の中でようやく割り出せた」
156 = 126 :
ゅ
157 :
キュンッ
159 = 122 :
友人「正体は──その異常なまでに曲がる肘関節だ。
だからかわされても、即軌道を変えて、拳を当てることができる……!」
友人「もちろん普通のまっすぐな突きに比べると威力は劣るが──
かわしたと思い込んだ相手を倒すには十分だ」
金髪「……ご名答」
金髪「オレの流派では、肘関節を徹底的に柔らかくする」グニィ…
肘を本来ありえない方向に曲げる金髪。
幼馴染「えぇっ!?」
男「おいおい、あれで折れないのかよ……!」
兄(そうか……友人君は“相手がどう軌道を変化させるか”まで見切って、
パンチをかわしていたのか! 彼じゃないとできない芸当だな……)
首領(ほう……一度やられただけで、あの拳法を見切るか)
金髪「……でもね、オレの拳法はタネが割れたら無力化するような、
大道芸じゃないんだよ」ヒュバババッ
まるで蛇のようにうごめく拳が友人を襲う。
ズドドドドドッ!
友人「ぐあ……っ!」
161 = 122 :
金髪「拳ばかり警戒してるようだけど、もちろん蹴りもあるよォ!」シュバッ
ドゴォッ!
友人「ぐっ……!」ヨロッ…
男(まずい! 打ち合いになったら、退院したばかりの友人が不利!)
金髪「こうやってじわじわ攻めて……君が倒れるのを待たせてもらうよ」ヒュバババッ
バシッ! ドカッ! ガッ! ベシッ! ゴッ!
友人(このまま削り合ってたら、先に倒れるのは間違いなくボクだ……)
金髪「そぉら!」ギュルッ
バキィッ!
友人「くっ……(だったら──“ここ”を狙う!)」ビュバッ
ベキィッ!
金髪「ぐおおっ!?」ミシッ…
幼馴染(拳で、相手の右肘を狙った!)
162 = 140 :
膝関節もぐにゃぐにゃなのかね
163 = 122 :
金髪「ぐがあっ……!」メキメキ…
男「な、なんだ!? メチャクチャ痛がってる!」
友人「やっぱりそうだ……あんなに肘関節を曲げられるようにしたら、
当然肘関節は最大の弱点、ともなる」
金髪「くっ……まさかピンポイントで狙われるなんて……」ミシッ…
友人「あなたの拳法は非常に破るのが難しい拳法だ……。
だけど、格闘家としての寿命は決して長くない拳法のハズだ」
金髪「そのとおり……」
金髪「オレの拳法は肘に重大な負担がかかる……。
昔のような勝たなきゃ死ぬような時代ならともかく、今の平和な時代じゃ
こんな拳法、習う物好きなんていやしない」
金髪「こんな滅びゆく拳法に目をかけ、オレを仲間に入れてくれたのが首領さんだ」
金髪「だからこそオレは最後の使い手として、
現代格闘技の使い手を破って破って、破りまくってやるのさ!」
友人「……来い!」
164 = 131 :
金髪イケメンすなぁ
165 = 122 :
友人「はあっ!」シュッ
ベキィッ!
友人は右肘に続いて、左肘にも拳をヒットさせる。
金髪「ぐう……っ!」メキッ…
友人「もうここまでだ。両腕とも激痛で、まともに動かせないハズ──」
金髪「ぐぐっ……!」ミシミシッ…
金髪「オ、オレは……オレは、オレは……! ──勝つッ!」ググッ…
ブオンッ!
男「な!?(激痛が走ってる右腕で!)」
ドゴンッ!!!
フルスイングされた金髪の拳が、友人にクリーンヒットした。
友人「うぅっ……」ガクッ…
兄「……それまで!」バッ
166 :
スレタイで幼なじみが何故か男の幼なじみと思い、敵か!?の後に呂布だぁが出てきたのは内緒
167 = 122 :
男「友人、大丈夫か!」
幼馴染「しっかりして!」
金髪「…………」スタスタ
首領「よくやった。これでこっちも一勝、格好がついた」
金髪「首領さん。アイツ……アイツ……!」
金髪「オレの肘を……“壊さない”程度の力で……打ちこんでやがった……!
壊せたハズなのに……!」
首領「……だが、勝ちは勝ちだ」
金髪「……はい」ギリッ…
首領(勝敗はさておき……リベンジは果たされた、というところか)
そして──
友人「ご、ごめんよ……。負け、ちゃった……」ゼェゼェ…
男「ったく、どんだけ優しいんだよ! お前は!」
男(あんな試合やられたら──燃えざるをえないだろうが!)
168 = 149 :
このイケメンめ
169 :
みてるぞ
170 = 122 :
兄「最終試合──両者、前へ!」
幼馴染「頑張って!」
男「おう!」ザッ
首領「一勝一敗一分け、か。我々が勝つか、お前たちが誇りを守れるか。
この試合で決めようじゃないか」
男「……アンタの正体は分かってる」
男「とても信じがたいが、信じるしかない。
アンタは200年前に行方不明になった──ウチの流派の初代だ!」
首領「うむ」
首領「私は時の王の不興を買い、“不死の泉探し”という永久追放刑を命じられた。
ところが、私は見つけてしまった」
首領「あるはずもない、見つかるはずのない、不死の泉を」
首領「老いることもなく、死ぬこともなく、孤独に鍛え続け──200年!
私はついに格闘界への復讐の旅に出ることを決意した」
首領「そして旅の途中で、かつての私のように格闘界から弾きだされた三人を
同志としたのだ……」
171 :
王様じゃなくて格闘界恨むのかよwwww
172 :
逆恨みにもほどがあんよー
173 = 122 :
首領「あの不死の泉を離れ──道場破りを始めてから、私は無敗だ。
奥義を出すに値する相手にすら出会えなかった」
首領「私はまだまだ格闘技の恐ろしさを知らしめねばならん」
首領「さぁ始めよう。私を止められるか、現当主ッ!」
兄「始めっ!」バッ
しなやかな足さばきから、固めた拳を打ち合う二人。
スパパパァンッ!
男「ぐおっ……!」ヨロッ…
首領「ぬるい! 200年も経てば、どんな流派も腐るものだ──なァッ!」シュバッ
ベシィッ!
柳のような足さばきから放たれる、鞭のようなローキック。
男「がっ……!」ビリビリ…
174 :
ネテロみたいな奴に勝てるとは思えんのだがww
175 = 122 :
首領「とはいえ仕方のないことかもしれんな」
ドゴォッ!
首領「仮にお前と私の才能が同等だとしよう」
バキィッ!
首領「だとするなら、勝敗を分けるのは当然、鍛錬の量」
ボゴォッ!
首領「200年間休まず鍛えた私と、せいぜい十数年のお前──」
ドゴォッ!
首領「差は歴然だ」
ベキィッ!
男「がはっ、ごほっ、がはっ……!」
男(ちくしょう……! 運動能力にはほとんど差はねえけど──
やっぱり精度がちがいすぎる! これが200年の差、か!)
176 = 149 :
二百年やすまずにチクタクチクタク
177 = 122 :
首領「せめてトドメは、私が生み出した我が流派の奥義──」
首領「“下半身上半身緩急伝達一点集中高速拳”で決めてやろう」スッ…
男(ついに来た、緩急拳……! これを喰らったら……終わりだ! どうする!?)
足の力を緩め、爆発力を蓄える首領。
男(──ってあれ?)
首領「至近距離から放たれたこの技を破る術がないのは、お前も知っていよう」ググッ…
男(あっ、そうか! ──初代は知らないんだ!)
首領「安心しろ、一撃で済む」グッ…
ビュバァッ!
男「そこだっ!」シュッ
ズドンッ……!!!
首領のがら空きの腹部に、カウンターとなる突きがめり込んだ。
首領「げぶっ……!?」
178 = 146 :
きた
179 :
寝れない
180 = 122 :
首領「あがっ! ごふぁっ! ……ぐっ、小僧!」ヨロッ…
男「やっぱり知らなかった、か」ダンッ
ドゴッ! バキッ! ガスッ! ガッ! ズガッ!
首領「おぐぅ……!」ゲホゲホッ
(まさか……下半身上半身緩急伝達一点集中高速拳に、弱点が……あっただと!?)
男「一人で鍛錬し、道場破りでも奥義を出すまでもなかったアンタじゃ
気づかなかっただろう」
男「俺には200年この流派を継いできた、
アンタや親父を含めた、歴代当主の力がついてる!」
兄(あれ俺は?)
ドボォッ!
首領「ぐおっ……!」
首領「ぜああっ!」シュッ
ゴッ!
首領の鋭い突きで反撃する。
首領「いい気になるなよ……! それでもまだ、私の方が上に決まってる!」
181 = 140 :
五代目がゾンビになって出てきたら勝てないね
182 = 122 :
男「だったら、これはどうだ?」シュッ
ベシィッ! ベシィッ! ガゴッ!
首領「ぶはっ……!(この蹴りは、さっきの!?)」
友人「三連蹴りだ! いつの間に覚えたんだ!?」
幼馴染「ちょっとヘタだったけどね」
男「さらに幼馴染直伝──」タタンッ
ガガガッ! ガッ!
首領「ぐあぁっ……!(まるで踊るように……なんだこの動きは!)」
友人「どう?」
幼馴染「う~ん、45点」
兄(そうだ! お前はこの町で仲間と共に修業してきた! これは立派な武器だ!
このままいけば勝てる! ──って俺、全然中立じゃねえ!)
首領「ぐ、ぐぁっ……」ヨロヨロ…
長身「首領さん……!」
金髪(くっ……オレたち四人は一緒に鍛錬することがなかったもんな……)
183 = 122 :
男(このまま、初代が未体験の技で攻めまくれば勝て──……)
首領「ぐっ……!」サッ
男「……だけど。こんな勝ち方じゃ、あまり意味がない」スッ…
首領「!?」
男「殴り合いを挑んだ不良や、優しくあることを貫いた友人のように……
俺は格闘家ってのは、勝ち方を選ばなきゃダメだと思う」
幼馴染「あたしは?」
男「お前はキンタマ蹴っただけだろうが!」
男「……とにかく、せっかく初代と戦ってるんだ。
俺だって勝ち方は選びたい。やっぱ最後はこの技で決める」ザッ…
男が緩急拳の構えを取る。
男「来い……初代!」ググッ…
首領「私を侮辱するか……! いいだろう……受けてやる!」ググッ…
兄(なにやってんだ!? あのまま初代が知らない技で攻めまくれば、
十分勝ち目はあるっつうに!)
184 = 149 :
兄…
185 :
もう眠いんだが…気になって寝れないじゃないか!
186 = 122 :
ザッ……
男(不良……友人……幼馴染……兄貴……。親父、お袋……)
男(俺は勝つ!!!)
首領(私の200年に決着をつけるため──)
首領(勝負ッ!!!)
シュザッ……
両者、足の力を緩め──その力を一気に上半身へ伝達。
そして、拳へ!
男「ぬぉりゃあッ!!!」
首領「ぐぉあッ!!!」
ドォンッ……!!!
187 = 122 :
立っていたのは──男だった。
男(お、俺が……勝った、のか……?)ヨロッ…
首領「み、みごとだ……」シュウウ…
男「え!?」
(初代の、体が……崩れて……!?)
首領「我ながら、よくぞここまで持ったものだ……」シュウウ…
金髪&長身「首領さん!」
首領「不死の泉は……飲み、続ける限り……不老不死を保てるが……
代償として……一度飲めば、飲み続けねば体は崩壊するようになり……
泉にも限りが、あった……」シュウウ…
首領「私は……200年……泉の近くで……鍛錬して暮らし……
泉がついに枯渇した時……静かに一人で死のう、と決心した……」シュウウ…
首領「だが……」
首領「どうしても……どうしても……私の流派が……どうなったか……
知りたくなってしまった……。
もしいるのなら……子孫たちに……会いたかった……」シュウウ…
189 = 122 :
首領「そして……私は、自分の流派を継ぐ者と出会え……
その者に……倒される、ことが、できた……」ボロッ…
首領「格闘家として……これほど……幸せ、なことは……なかろう……」
男「初代……」
兄(そういうことだったのか……)
首領「最後に、頼みが……ある……」
男「! ──な、なんですか!?」
首領「一連の道場破りは……全て私が他の三人をそそのかしたことに……よるもの……」
首領「金髪も、長身も、刺青も……不運な格闘家だったのだ……。
だから私は……それにつけこみ彼らを利用した……。全ての責任は……私に……」
金髪「ちがう! アンタはオレらを拾ってくれた!」
長身「うぅっ……」
男「…………」
190 = 149 :
そういうことだった
191 = 149 :
ほ
192 = 179 :
このまま三人は東の道場に入門していくわけだな
いや・・・!?やべえ楽しみ
193 = 122 :
男「分かりました。道場破り自体は禁止されてるわけではないですし、
俺はこれ以上何もしません」
首領「感謝、する……」シュウゥ…
シュゥゥゥゥゥ……
幼馴染「あっ……! そんな……」
友人「消えた……」
不良「マ、マジかよ……!」
金髪「オレたちなんかのために……」
長身「うっ……うっ……」グスッ…
男「ありがとうございました……初代」
兄(初代に勝つだけなら俺でもできたかもしれないが……
俺は勝ち方を選ぶことしなかっただろう)
兄(この試合で確信した。俺はもう、必要ないな)
─────
───
─
194 = 149 :
ラスト?
195 = 122 :
その夜──
刺青「くそっ、くそっ、あの女! よくも俺のタマを……!」キュンッ
刺青「イラつくぜェ! こうなったら、東西南北の道場、全部火ィつけてやる!
俺はまだまだ道場破りをやめねぇ……こんな面白いことやめてたまっか!」
覆面「お~う、なるほどなるほど……。
途中から姿が見えないと思ったら、こんなところに……」ザッ
刺青「あァ!? だれだテメェは!?」
覆面「他の二人のように、心を入れ替えるつもりはないのか?」
刺青「ハァ~!? テメェみたいな変態覆面に説教されたくねぇな!」
覆面「変態覆面……!?」ピクッ
刺青「まずはテメェから血祭りにしてやらァ!」ダダダッ
覆面「これが俺の最後の仕事だ。まずは変態っていったこと謝れ!」ダッ
ドゴンッ!!!
ギャアァァァ……
196 = 122 :
─
───
─────
< 東の道場 >
幼馴染「起きろ──ってあれ!? もう起きてる!」
男「おはよう」
幼馴染「なぁんだ、つまんない。
今日こそ、熟睡してるとこにエルボーかまそうとしてたのに」
男「もう兄貴も道場から出てったし、
いつまでもお前を目覚まし時計代わりにしてらんないだろ」
幼馴染「それにしてもお兄さん、出てく時はあっさりだったね」
男「まぁ……昔から変な奴なんだよ、兄貴は」
男「それはともかく、北の道場に行こう。友人が待ってる」
幼馴染「うん!」
197 = 149 :
起きてるだと!?
198 = 122 :
< 町 >
男&幼馴染「!」
タッタッタ……
不良「おっしゃ、あと10周だ!」タッタッタッ…
手下「は、はいっ!」タッタッタ…
「ひえぇ~っ!」 「横腹いてえ……」 「ゼェ……ゼェ……」
手下たちを連れて、ジョギングをする不良。
幼馴染「あの事件以来、不良たちも少しはマシになったみたいね」
男「三日坊主にならなきゃいいんだがな」
199 :
寝そうだから先に乙って言っとくわ
200 :
奥義の正式名称の時は寒すぎて読むのやめようって思ったけど
なんだかんだここまできた
しぇん
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