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元スレ幼馴染「起きろぉっ!」男「むっ、敵か!?」
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かわせないと悟った友人が、打ち合いを挑むがダメージの差は大きく──
友人「う……ぐっ……!」ドサァッ
金髪「ハハッ、かなり強かったよ。オレも何発かもらっちったし。
……で、他に挑戦者はいる?」
シ~ン……
金髪「いないのか残念。こないだのチンピラどものが、まだ根性あったなぁ」
友人「……ま、待て! まだ……ボクは……」ズル…
金髪「へぇ、すごい。だけど、もうやめときな。目が泳いじゃってるもん」
刺青「まぁ、待てよ」ズイッ
刺青「どうしてもまだやりてえんなら、俺が相手してやるよォ!!!」
ドゴンッ! ガゴンッ! グシャッ!
友人の顔面を踏みつける刺青。
長身「よせ……! 死んでしまう……!」ガシッ
刺青「おお、わりいわりい。 ──ふん、スッとしたぜ!」
友人「う……ぐっ……!」ドサァッ
金髪「ハハッ、かなり強かったよ。オレも何発かもらっちったし。
……で、他に挑戦者はいる?」
シ~ン……
金髪「いないのか残念。こないだのチンピラどものが、まだ根性あったなぁ」
友人「……ま、待て! まだ……ボクは……」ズル…
金髪「へぇ、すごい。だけど、もうやめときな。目が泳いじゃってるもん」
刺青「まぁ、待てよ」ズイッ
刺青「どうしてもまだやりてえんなら、俺が相手してやるよォ!!!」
ドゴンッ! ガゴンッ! グシャッ!
友人の顔面を踏みつける刺青。
長身「よせ……! 死んでしまう……!」ガシッ
刺青「おお、わりいわりい。 ──ふん、スッとしたぜ!」
首領「もうここに用はない……行くぞ」
金髪(ったく刺青のヤツ……余計なことしやがって……。
いずれ再戦したかったけど、あれじゃもう無理だな……)
長身「はい……」
刺青「へっ、寸止めした報いだ! 優しけりゃいいってもんじゃねえんだよ!」
友人「…………」ビクビクンッ
「ヤ、ヤバイ!」 「ケイレンを起こしてる!」 「早く病院に!」
首領「…………」チラッ
首領(なかなかの若者ではあったが、やはりここでもなかったか……)
─────
───
─
金髪(ったく刺青のヤツ……余計なことしやがって……。
いずれ再戦したかったけど、あれじゃもう無理だな……)
長身「はい……」
刺青「へっ、寸止めした報いだ! 優しけりゃいいってもんじゃねえんだよ!」
友人「…………」ビクビクンッ
「ヤ、ヤバイ!」 「ケイレンを起こしてる!」 「早く病院に!」
首領「…………」チラッ
首領(なかなかの若者ではあったが、やはりここでもなかったか……)
─────
───
─
< 東の道場 >
男「──友人が!?」
幼馴染「うん……病院に運ばれて……ずっと意識が戻らないんだって……。
まさか……こんなことになる、なんて……」グスッ…
幼馴染「どうしよ……どうしよ……」ヒック…
男「…………!」
男「……心配すんな。アイツは絶対すぐ回復するさ」ガシッ
幼馴染「う、うん……」
男「次に狙われるのはウチかお前んとこだろうが、十中八九、西の道場だろう。
少しの間、お前んとこに滞在しても大丈夫か?」
幼馴染「もちろん……いいけど……」
男「なら決まりだ! 俺がヤツらを迎え撃って、全員ブチのめしてやる!
友人も不良の奴も退院して、めでたしめでたし、だ」
男「兄貴、道場の留守は任せた!」
兄「お~う、行ってこ~い」
男「──友人が!?」
幼馴染「うん……病院に運ばれて……ずっと意識が戻らないんだって……。
まさか……こんなことになる、なんて……」グスッ…
幼馴染「どうしよ……どうしよ……」ヒック…
男「…………!」
男「……心配すんな。アイツは絶対すぐ回復するさ」ガシッ
幼馴染「う、うん……」
男「次に狙われるのはウチかお前んとこだろうが、十中八九、西の道場だろう。
少しの間、お前んとこに滞在しても大丈夫か?」
幼馴染「もちろん……いいけど……」
男「なら決まりだ! 俺がヤツらを迎え撃って、全員ブチのめしてやる!
友人も不良の奴も退院して、めでたしめでたし、だ」
男「兄貴、道場の留守は任せた!」
兄「お~う、行ってこ~い」
< 西の道場 >
男「いつ来てもここはオシャレな道場だな~。ウチのオンボロ道場とは大違いだ」
幼馴染「ウチは美容とか健康のために、武術をやる人をターゲットにしてるからね。
ま、見た目もそれなりでないとね」
幼馴染「──といっても」
ビュアッ!
幼馴染の蹴りが、男の顔面をかすめる。
男(あっぶねえ……!)ドキドキ…
幼馴染「あたしは強くなるための鍛錬もやってるけどさ」ニヤッ
男「ハハ、俺なんか必要ないかもな」
幼馴染「そんなことないよ……」
男「え……!」ドキッ
男「いつ来てもここはオシャレな道場だな~。ウチのオンボロ道場とは大違いだ」
幼馴染「ウチは美容とか健康のために、武術をやる人をターゲットにしてるからね。
ま、見た目もそれなりでないとね」
幼馴染「──といっても」
ビュアッ!
幼馴染の蹴りが、男の顔面をかすめる。
男(あっぶねえ……!)ドキドキ…
幼馴染「あたしは強くなるための鍛錬もやってるけどさ」ニヤッ
男「ハハ、俺なんか必要ないかもな」
幼馴染「そんなことないよ……」
男「え……!」ドキッ
幼馴染「なんかさ……今日のアンタは妙に頼もしくって、ビックリしちゃった!」
幼馴染「あたし迷ったんだよ? アンタに友人がやられたこと伝えるの。
絶対キレると思ったから」
男「バカ、俺はいつだって頼もしいし冷静だよ」
男(……ホントはコイツの弱々しい姿を見たから、なんだけどな。
あんなとこ見たら、嫌でも頭を冷やさざるをえないだろ)
男(いつもの俺だったら多分……“友人の仇!”とかいって無策で道場破りに挑んで、
今頃病院送りになってたはずだ)
男(不良はともかく、友人を倒すほどの相手──だが)
男(頭を冷やして、ここで迎え撃てば勝機はある!)
幼馴染「あたし迷ったんだよ? アンタに友人がやられたこと伝えるの。
絶対キレると思ったから」
男「バカ、俺はいつだって頼もしいし冷静だよ」
男(……ホントはコイツの弱々しい姿を見たから、なんだけどな。
あんなとこ見たら、嫌でも頭を冷やさざるをえないだろ)
男(いつもの俺だったら多分……“友人の仇!”とかいって無策で道場破りに挑んで、
今頃病院送りになってたはずだ)
男(不良はともかく、友人を倒すほどの相手──だが)
男(頭を冷やして、ここで迎え撃てば勝機はある!)
翌日──
女門下生「あのっ……怖そうな人たちが道場にやってきます!」タタタッ
幼馴染「ありがと!」
男「……ついに来たか」
幼馴染「みんな、今日の稽古はもう終了よ! すみやかに出ていって!」
「はいっ!」 「は~いっ!」 「幼馴染ちゃんも気をつけてね~!」
女性や子供を中心とした門下生たちが道場から出て行く。
そして──
ガラッ……!
刺青「なんだァ? カップルだけかよ! 道場セックスってかァ!?
だったら見学してやってもいいぜェ!?」
長身「……土足で上がるな」
金髪「オレらが来るのを読んで、強い奴だけでお出迎えってとこかな?」
首領「…………」
男(コイツら、か……! あの金髪が友人を倒した格闘家……。
そして一番後ろにいる、いかにも強そうなアイツが、リーダー格だな!)
女門下生「あのっ……怖そうな人たちが道場にやってきます!」タタタッ
幼馴染「ありがと!」
男「……ついに来たか」
幼馴染「みんな、今日の稽古はもう終了よ! すみやかに出ていって!」
「はいっ!」 「は~いっ!」 「幼馴染ちゃんも気をつけてね~!」
女性や子供を中心とした門下生たちが道場から出て行く。
そして──
ガラッ……!
刺青「なんだァ? カップルだけかよ! 道場セックスってかァ!?
だったら見学してやってもいいぜェ!?」
長身「……土足で上がるな」
金髪「オレらが来るのを読んで、強い奴だけでお出迎えってとこかな?」
首領「…………」
男(コイツら、か……! あの金髪が友人を倒した格闘家……。
そして一番後ろにいる、いかにも強そうなアイツが、リーダー格だな!)
金髪「そっちの彼が、西の道場の代表者?」
男「俺は……西の道場の人間じゃない。東の道場の人間だ」
金髪「へぇ、なんでここにいるの?」
男「西の道場はあくまで健康や美容のための道場で、
あいにくアンタらが道場破りをするような場所じゃない」
男「だから……俺が相手だ。さあ、だれから来る?」ザッ
男が構えると──
刺青&長身&金髪「!!!」
首領(こ、この構え……間違いない……! 私の……私の……!)
首領「君とは……私がやろう」ヌゥッ…
男(え、なに、いきなりボスから!? ある意味、ありがたいけど……)
首領「やっと会えた……」ザッ…
首領が構える。
幼馴染(なにあれ!? 男とほとんど同じ構えじゃない!)
男(コイツか……コイツが不良のいってた、俺と似た戦い方をするってやつか!)
男「俺は……西の道場の人間じゃない。東の道場の人間だ」
金髪「へぇ、なんでここにいるの?」
男「西の道場はあくまで健康や美容のための道場で、
あいにくアンタらが道場破りをするような場所じゃない」
男「だから……俺が相手だ。さあ、だれから来る?」ザッ
男が構えると──
刺青&長身&金髪「!!!」
首領(こ、この構え……間違いない……! 私の……私の……!)
首領「君とは……私がやろう」ヌゥッ…
男(え、なに、いきなりボスから!? ある意味、ありがたいけど……)
首領「やっと会えた……」ザッ…
首領が構える。
幼馴染(なにあれ!? 男とほとんど同じ構えじゃない!)
男(コイツか……コイツが不良のいってた、俺と似た戦い方をするってやつか!)
最初キモすぎて見てらんなかったけどなんか読んでるうちに楽しくなってきてしまった
首領「行くぞ」シュバッ
バチィッ!
首領の軽い突きが、男の顔面を打つ。
男「ぐっ……! うおぁっ!」ビュアッ
男の突きは、簡単にかわされてしまう。
男(な、なんだコイツ……俺とほとんど同じ突きなのに──
なんつうか……密度というか、練度というか……中身は全然ちげえ!)
首領「今ので、だいたい分かった」フゥ…
首領「こんなものか」
首領「今の軟弱な格闘界は、我が流派をも腐らせてしまったというのかッ!」
男(我が流派? なに勝手なことほざいてんだ、コイツ──)
ドゴォッ!
極限まで力まれた拳が、男の顔面にめり込んだ。
バチィッ!
首領の軽い突きが、男の顔面を打つ。
男「ぐっ……! うおぁっ!」ビュアッ
男の突きは、簡単にかわされてしまう。
男(な、なんだコイツ……俺とほとんど同じ突きなのに──
なんつうか……密度というか、練度というか……中身は全然ちげえ!)
首領「今ので、だいたい分かった」フゥ…
首領「こんなものか」
首領「今の軟弱な格闘界は、我が流派をも腐らせてしまったというのかッ!」
男(我が流派? なに勝手なことほざいてんだ、コイツ──)
ドゴォッ!
極限まで力まれた拳が、男の顔面にめり込んだ。
ドゴォッ! バキィッ! メキィッ!
男「げほっ……ごほっ……」ドサッ…
首領「話にならんな……。こんなことなら、出会わなければよかった」
幼馴染(ウソでしょ……!? アイツがここまで手も足も出ないなんて……!)ゾクッ
男(強い……! まちがいなく俺と同じ技の使い手だ……!
そして──俺より遥かに鍛錬を積んでいる! なんなんだコイツ……!?)ググッ…
首領「もう動けんか。ならば──トドメをくれてやる」
幼馴染「!」ハッ
幼馴染「やめてぇっ!」バッ
首領の前に立ちはだかる幼馴染。
首領「どけ……小娘。決闘に割り込むのなら、容赦せんぞ」
幼馴染「……どかない!」
首領「なら──お前からだ」
ブオンッ!
男「げほっ……ごほっ……」ドサッ…
首領「話にならんな……。こんなことなら、出会わなければよかった」
幼馴染(ウソでしょ……!? アイツがここまで手も足も出ないなんて……!)ゾクッ
男(強い……! まちがいなく俺と同じ技の使い手だ……!
そして──俺より遥かに鍛錬を積んでいる! なんなんだコイツ……!?)ググッ…
首領「もう動けんか。ならば──トドメをくれてやる」
幼馴染「!」ハッ
幼馴染「やめてぇっ!」バッ
首領の前に立ちはだかる幼馴染。
首領「どけ……小娘。決闘に割り込むのなら、容赦せんぞ」
幼馴染「……どかない!」
首領「なら──お前からだ」
ブオンッ!
ガシィッ!
首領「! ……ほう、私の拳を受けるとは」ググ…
覆面「この辺にしといたらどうだ?」ググ…
首領「そうはいかん。一度始めた勝負は、決着までやらねばな」ググ…
覆面「……だったら、この俺が相手をしよう!」バッ
拳を打ち合う首領と覆面。
ガッ! バシィッ! バキッ! ドズッ! ドゴォッ!
金髪「へぇ、やるじゃん。マスクはダッサイけど」
長身「首領さんとまともにやり合えてる……」
刺青「ケッ、マグレだろ!」
幼馴染(お兄さん……!)
バッ!
覆面(ウチの道場と同じ技……!)ザッ
首領「ふざけた格好だが大したものだ。なるほど、お前が今の“当主”か。
お前ならば、まだ私も納得できる」
首領「! ……ほう、私の拳を受けるとは」ググ…
覆面「この辺にしといたらどうだ?」ググ…
首領「そうはいかん。一度始めた勝負は、決着までやらねばな」ググ…
覆面「……だったら、この俺が相手をしよう!」バッ
拳を打ち合う首領と覆面。
ガッ! バシィッ! バキッ! ドズッ! ドゴォッ!
金髪「へぇ、やるじゃん。マスクはダッサイけど」
長身「首領さんとまともにやり合えてる……」
刺青「ケッ、マグレだろ!」
幼馴染(お兄さん……!)
バッ!
覆面(ウチの道場と同じ技……!)ザッ
首領「ふざけた格好だが大したものだ。なるほど、お前が今の“当主”か。
お前ならば、まだ私も納得できる」
覆面「いや……今の当主はアイツだ」
首領「なぜだ? あの小僧より、お前の方が力量は上と見たが」
覆面「色々あってな……。それにアンタの話じゃ、まだ決着はついてないんだろ?
だったら──アイツに再戦のチャンスをくれないか?」
覆面「アンタだって……“もっと強い現当主”と戦いたいだろ?」
首領「……いいだろう。私もあの程度の実力で我が流派の当主とは、認めたくない」
首領「日時は一週間後、この町の道場破りの総仕上げとして、
東の道場に我々四人で乗り込む」
首領「何人用意してもかまわん。我々四人を撃退できるよう──
せいぜい腕を磨き、人を集めておくことだ」
刺青「ちょっと待てよ! 一週間もこんな町にいなきゃなんねえのかよ!」
首領「黙れ」ギロッ
刺青「うっ……」ゾクッ
首領「では、一週間後に」
道場破りたちは西の道場から出て行った。
首領「なぜだ? あの小僧より、お前の方が力量は上と見たが」
覆面「色々あってな……。それにアンタの話じゃ、まだ決着はついてないんだろ?
だったら──アイツに再戦のチャンスをくれないか?」
覆面「アンタだって……“もっと強い現当主”と戦いたいだろ?」
首領「……いいだろう。私もあの程度の実力で我が流派の当主とは、認めたくない」
首領「日時は一週間後、この町の道場破りの総仕上げとして、
東の道場に我々四人で乗り込む」
首領「何人用意してもかまわん。我々四人を撃退できるよう──
せいぜい腕を磨き、人を集めておくことだ」
刺青「ちょっと待てよ! 一週間もこんな町にいなきゃなんねえのかよ!」
首領「黙れ」ギロッ
刺青「うっ……」ゾクッ
首領「では、一週間後に」
道場破りたちは西の道場から出て行った。
覆面「さらばだ!」ダダダッ
幼馴染「あ……お兄さんも行っちゃった」
幼馴染「ちょっと、大丈夫!?」ユサユサ
男「ああ……なんとかな。ありがとよ、お前と兄貴がいなきゃ、やられてた……」
幼馴染「なんか一週間後に決戦することになっちゃったけど──
もちろんあたしも出るからね! アイツらのうち、一人くらい倒してみせる!」
男「……そう、だな。頼むよ」
男「…………」
男(手も足も出なかった……!)
男(たった一週間で……どうにかなるのかよ、あんな相手……!)
幼馴染「あ……お兄さんも行っちゃった」
幼馴染「ちょっと、大丈夫!?」ユサユサ
男「ああ……なんとかな。ありがとよ、お前と兄貴がいなきゃ、やられてた……」
幼馴染「なんか一週間後に決戦することになっちゃったけど──
もちろんあたしも出るからね! アイツらのうち、一人くらい倒してみせる!」
男「……そう、だな。頼むよ」
男「…………」
男(手も足も出なかった……!)
男(たった一週間で……どうにかなるのかよ、あんな相手……!)
< 東の道場 >
男「……ただいま」
兄「お~う……どうした!? なんか怪我してるじゃないか。
もしかして、幼馴染ちゃんとケンカでもしたか?」
男(白々しいっつうの……)
男「西の道場で、道場破りと戦った」
兄「ふうん……で、どうだった?」
男「勝負無しだけど負けたようなもんさ。で、ここで再試合することになった」
兄「そ、そうか……でも一週間もありゃ、対策の一つや二つ余裕で立てられるだろ。
次こそは、なんとしても現当主として──」
男「それなんだけどさ、兄貴……」
兄「なんだ?」
男「俺の代わりに──戦ってくれないか?」
兄「!」
男「……ただいま」
兄「お~う……どうした!? なんか怪我してるじゃないか。
もしかして、幼馴染ちゃんとケンカでもしたか?」
男(白々しいっつうの……)
男「西の道場で、道場破りと戦った」
兄「ふうん……で、どうだった?」
男「勝負無しだけど負けたようなもんさ。で、ここで再試合することになった」
兄「そ、そうか……でも一週間もありゃ、対策の一つや二つ余裕で立てられるだろ。
次こそは、なんとしても現当主として──」
男「それなんだけどさ、兄貴……」
兄「なんだ?」
男「俺の代わりに──戦ってくれないか?」
兄「!」
兄「……どうして俺なんだ?」
男「だってよ……あのリーダー格の奴、メチャクチャ強いんだ!
しかも、俺とほとんど同じ技を使うし……。そう、まるで──」
男「気の遠くなるくらい長い間、ウチの道場の鍛錬をこなした人間と
戦ってるような──」
兄「…………」
男「ハッキリいって今の俺じゃ勝てない……!
でも兄貴ならもしかしたら、勝てるかもしれない!」
男「恥を承知で頼む! 兄貴……! 俺の代わりにアイツと──」
兄「…………」
兄「……ダメだ」
男「!?」
男「なんでだよっ!」
男「なんでなんだよ!」
男「だってよ……あのリーダー格の奴、メチャクチャ強いんだ!
しかも、俺とほとんど同じ技を使うし……。そう、まるで──」
男「気の遠くなるくらい長い間、ウチの道場の鍛錬をこなした人間と
戦ってるような──」
兄「…………」
男「ハッキリいって今の俺じゃ勝てない……!
でも兄貴ならもしかしたら、勝てるかもしれない!」
男「恥を承知で頼む! 兄貴……! 俺の代わりにアイツと──」
兄「…………」
兄「……ダメだ」
男「!?」
男「なんでだよっ!」
男「なんでなんだよ!」
男「そりゃ俺だって、こんな時に兄貴を頼るのは心苦しい……。
これまでだって、何度も助けてもらってきたからな……」
─ 回想 ─
父「これしきの鍛錬でへばってんじゃねえ、グズどもがッ!!!」
ガッ! ゴッ! バキッ!
男「兄ちゃん……もう俺イヤだよ……こんな生活……」
兄「心配するな……俺もお前もこんな道場は継がない。
もう少しして俺が大人になったら、一緒に逃げ出そう」
~
兄「こないだの大会で優勝したら、国立の武術指導場からスカウトが来た!
もちろんお前も連れてってやるからな! 一緒に道場出るぞ!」
男「うん!」
~
兄「風邪をこじらせるなんて……。死ぬ時はあっさりだったな……親父……」
男「ああ……」グスッ…
これまでだって、何度も助けてもらってきたからな……」
─ 回想 ─
父「これしきの鍛錬でへばってんじゃねえ、グズどもがッ!!!」
ガッ! ゴッ! バキッ!
男「兄ちゃん……もう俺イヤだよ……こんな生活……」
兄「心配するな……俺もお前もこんな道場は継がない。
もう少しして俺が大人になったら、一緒に逃げ出そう」
~
兄「こないだの大会で優勝したら、国立の武術指導場からスカウトが来た!
もちろんお前も連れてってやるからな! 一緒に道場出るぞ!」
男「うん!」
~
兄「風邪をこじらせるなんて……。死ぬ時はあっさりだったな……親父……」
男「ああ……」グスッ…
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