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    元スレ菫「あの時の君は、もっと手強かったがな」

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    102 = 78 :

    「そ、そう、ですね………」

    部長「………」

    「ま、萬子が、よく、来るような……」

    部長「……それだけ?」

    「えっ……えっと……そ………」

    部長「…………」

    「それ、だけ……です」

    部長「――そ。わかったわ。じゃあ、大部屋戻りなさい」

    「はい………」





    部長「……どーしたもんかしらねえ……」

    104 = 78 :

    (――詮索された。つい誤魔化したけど、見当はついてるって言ってた)


    (確かに、最近少し感じてることではあった。対応されてるとまではいかないけど、違和感のある相手の打ちまわしは)


    (もし、全部明かしたら……どうなっちゃうのかな)


    「ロン。3900」

    「……っ。はい……」


    (全部、露呈する。この体質と、赤土先生の教えで勝ってきた………そうだ、本当は、私自身の実力なんて大したことないんだ)


    (―――レギュラーに、なれないかもしれない)


    (そんなの、嫌だ………あんなに、期待されてたのに。試合にすら出られないなんて)


    (麻雀なら、私にも出来るから。麻雀でなら、こんな私でも他の人の役に立てるから)


    (そう思ったから、大学でも続けようと思ったのに―――)

    105 :

    能力が一般にも浸透してるのか

    106 = 97 :

    宥姉はもっと自信持っていいよね

    107 = 78 :

    「ただいま………」

    「おかえりお姉ちゃん。今日はどうだった?」

    「……ちょっと、負け込んじゃった。調子、悪かったみたい。あは、あはは……」

    「そっか。そういうこともあるよね………ねえ、お姉ちゃん」

    「なあに?」

    「えっとね……」


    『考えてもみなさい。ただ出席して、相手が誰かも気にせずただ打って、ろくに検討もせずに帰るだけ………それじゃ、ネット麻雀となにも変わらないわ』


    「――どう?大学の麻雀部で、友達はできた?」

    「………うん、まあ……それなりに、ね」

    「……そっか。よかった」

    「……先、お風呂入っちゃうね」

    「うん………」

    108 :

    しえーん

    109 = 78 :

    (………多分、お姉ちゃんは今のままじゃだめなんだ。もっと積極的にいこうって、相談乗るよって、言ってあげたい、けど)


    『あんたそう言って高校生になるまで甘やかしてたんでしょーが……』


    『実際、大したモチベーションだと思……』


    (あのお姉ちゃんが、今は自分の意思で頑張ってる。なんとなくウチを継ぐんじゃなくて、自分でやりたいと思ったことを、やるべきだと思ったことをやってる)


    (お姉ちゃんが自力で解決するか、自分から全部話して相談してくるか……私は、それを待ってなきゃいけないんだ)



    (何やってるんだろう、私……。玄ちゃんに、ウソまでついて)


    (友達なんて、できてない。………それどころか、最近どんどん『敵意』が増えてきた気がする)


    (私に負つと、露骨に不機嫌そうに席を立つ人。私に勝つと、こっちを一瞥もせずに自慢しにいく人。……私の能力について、情報を引き出そうとしてくる人)


    (ぜんぶ、敵に見える。おんなじ部活のはずなのに、ぜんぶぜんぶ。……阿知賀のときと、全然違う)


    (怖いよ。寂しいよ。あったかくないよ………)

    111 = 78 :

    ――6月末 某日 麻雀部部室


    「対外試合……」

    部長「東京からわざわざ遠征に来るそうなので、丁重にお相手してあげること。今週末よ」

    先輩「えっ、でも、このW大って1部リーグのちょー強いとこじゃないっすか!人数だってウチの倍以上……」

    部長「もちろんあの大所帯が全員で来るわけではないわ。1軍やその候補者はまた違うところへ行って、ウチに来るのは2軍以下の面々……それでも、各上には違いないけど」

    先輩「ほえー……」

    「……」


    (東京の巨大私立の2軍………たぶん、テストだと思ったほうがいいんだろう。7月末に、10人の1軍メンバーを決定するための)


    (インカレ公式戦では、1試合ごとに更にそこから5人を選抜する。……私は、5月までは5指には入れるとたかをくくってたくせに、今はその10人の当確線上)


    (何かをしなきゃ、だめなんだ。このままだと……)

    113 = 78 :

    (……検討、とか……付き合ってくれる人、いるかな……)


    「ねえせんぱーい。今日2本付けを2倍付けって言い間違えたせんぱーい」

    先輩「なにをー!このこのー!」

    部長「もしもし、監督?ええ、はい、伝えました。それで……」


    「………」

    「――ちょっと。邪魔なんだけど。どいてくんない?」

    「あっ……ご、ごめんなさい……」


    (――嫌だ。もう、役立たずは嫌だ。なんとか、そこで結果を出さないと……勝ててる間は、みんな優しくしてくれてたから……)

    114 = 78 :

    ―― VS W大 練習試合当日


    (さすが、って言うべきなんだろう………2軍以下といっても、去年インターハイで見たような人たちが何人かいる)


    (私とあたる人は、せめてその中でも、私と対戦経験の無い人なら……私のこの特質を知らない人なら、多分有意に立てるから)


    (それで、なんとか今日良い成績を出せれば、レギュラーには残れるから……)


    (――そう、思ってたのに、なんで)


    「久しぶり、だな」


    (神様は、意地悪だ)




    「――松実、宥さん」

    「は……はいぃ……」

    115 :

    しあ

    116 = 97 :

    ここで菫さん

    117 = 78 :

    (……入った。9sを切って、3900のテンパイ。曲げて7700にしたいところだけど……弘世さん、白を鳴いてるし、手出しの回数を見ても張ってておかしくない)


    (弘世さんの親でもあるし、振れば大きいかもだけど、8sは4枚出てるし、9sも2枚見え……あるとしたら、地獄単騎)


    「………」


    (たとえそれでも相手の余剰牌待ちで構えるのがこの人……でも、右手の動きも無いし、視線も特段私にだけ集中してるわけじゃない。いける、よね……)


    「リーチ」


    「……舐められたものだ」

    「――っ!」

    「ロン。5800」

    118 = 78 :

    「「「「「ありがとうございました!」」」」」


    (――結果は、散々だった)


    (最初に弘世さんにいいようにやられて、せめて自分の今日の収支をプラスにしようと躍起になって……結局、今日の最終的な収支は下から数えた方が明らかに早いってぐらい)


    「せんぱいせんぱい!私今日プラスでしたよ!プラス!」


    (多分、これで1軍入りは難しくなった。最近の部内戦の感覚からいっても、これからは落ちる一方な気がする)


    先輩「お、やるじゃん!最近うなぎのぼりだねー。最初はあんなへっぽこだったのになー」


    (どうしよう、かな。居心地もいいとはいえない場所で、成績で誇ることもできなくなって、私がここにいる意味はどれだけあるだろう)


    「羨ましいなー。………どっかの期待の星さんとは、大違いだなー」ボソッ

    「………ッ」




    「…………」

    119 = 78 :

    「………」


    (お姉ちゃんは帰って夕飯を食べると、途端に炬燵にもぐりこんでしまいました。その夕飯もろくに食べたとはいえない量)


    (今日は対外戦って言ってたから……多分、良い結果が出せなかったんだろう)


    「おねーちゃーん、お風呂はー?」

    「あとで、入るからぁ……」


    (……私が、いけなかったのかな。私が、お姉ちゃんのこれからなんて偉そうに気にせずに、もっと相談にのってあげれば……)


    「ごめんくださーい」

    「はい!ただいまお伺い致します」


    (………お客さん?)


    (なんか、どこかで聞いたことあるような……)

    120 = 98 :

    菫さんはにせおもち疑惑を払拭しないと松実家に入れないよ

    121 = 78 :

    「お姉ちゃんお姉ちゃん!!」

    「ふぇっ!の、ノックぐらいしてよう……」

    「あ、ごめん……ってそんな場合じゃないよ!お姉ちゃんどうしたの!?」

    「どうしたのって……私が聞きたいよ。玄ちゃんどうしたの……」

    「どうしたもこうしたも……」



    「すまないな。夜分遅くに急に現れて」

    「う、ううん……大丈夫だよ。お客さんとか、このぐらいの時間でもよく来るし……」

    「そうか……だが私は旅館の客ではないし、やはりこうして人一人呼び出す時間としては唐突だったよ。すまない。ただどうしても気になったんだ」

    「気に、なった?」

    「ああ。とんでもない偶然で出会った顔見知りだ。近況のひとつぐらい気になったっていいだろう?」

    「………インターハイ、以来ですね。それが初対面ですけど」

    「そうだな。ただ――」



    「あの時の君は、もっと手強かったがな」

    123 = 78 :

    「……弘世さんが、強くなったんですよ。クセだって、完全に直っちゃってた」

    「同級だ、敬語なんて使わないでいい………君はどうだ。高校の頃に比べ、自分が伸びた実感はどれほどある?」

    「………全然、かな。あはは……」

    「だろうな。今日打ってみて思ったよ。成長していないどころか、高校の頃のほうがまだ覇気があった」

    「覇気?私が……?」

    「そうさ。『勝とう』という強い思い……インターハイの選手なんて、みんなそんなものだが、君もそういった気概に満ちていた」

    「………今日だって、勝とう、勝たなきゃって、思ってたよ」

    「『勝とう』というより『勝てなかったらどうしよう』だな。大方1軍争いにおいて今日が重要だったんだろう」

    「………!」

    「………君には感謝してるんだ。自らにつけ込めるような癖があるなんて、あの時にはじめて分かった」

    「……私が、気づいたわけじゃないの。赤土先生に、教えてもらっただけで……」

    「私からすれば同じことだ。阿知賀は皆伸びしろがある選手だったし、私と当たった3年ともしまた戦うことがあれば、恩返しとリベンジの両方を果たそうと思っていた」

    「………」

    「率直に聞きたい。………君は、いったい何をしてるんだ?」

    124 = 81 :

    しゃ~ぷしゅ~たそ~

    125 = 78 :

    「……考えが、甘かったんだと思う。高校のときに結構活躍できて、賞だってもらって……大学でも、多分こんな風に活躍できるだろうって」

    「………」

    「でもね……大学では、だめだったの。人が増えるだけだと思ってたら、それによってなにもかもが違うものになってた」

    「……違う、とは?」

    「阿知賀にいた頃は、みんな仲良しで、あったかくて……赤土先生は、一人ひとりの特徴を開花させたり、対戦相手のことも考慮した打ち回しとかまで指導してくれた」

    「……それが、今は自分の居場所もおぼつかないし、個人に指導が行き渡るわけでもない、と」

    「……!う、うん……」

    「一目見ただけでわかったよ。君の部活内での立ち位置とか、まわりの評判の移り変わりまで手に取るようだった」

    「……私、こんな性格だし、なかなか上手く皆と接することができなくて……でも」

    「でもこの中では成績をキープできる自信がある。一定の実力を示していれば自然と皆から近寄ってくると思ったが、露骨に目の敵にされ勝率も立ち行かなくなった」

    「……よく、わかるね」

    「似たような後輩を見たことがあってな。……では、その後輩に言ったのと同じことを言おうか」

    「………」

    「――チームを舐めるな。この大馬鹿者が」

    126 = 81 :

    あわあわわ

    129 = 79 :

    132 :

    律儀すぎる

    133 = 115 :

    支援だよー

    135 = 115 :

    支援なのよー

    137 = 97 :

    しえんしえん

    139 = 115 :

    支援じゃ

    140 = 115 :

    支援ですわ

    141 = 115 :

    支援かしら

    143 = 76 :

    これは惚れますわ

    145 = 115 :

    支援なのよー

    147 = 79 :

    もう充分でしょ

    戻ってるはず

    149 = 115 :

    うんまぁこんだけやれば解除できるだろね

    他人のレス×0.5くらいは投稿できるはず


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