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    元スレしずか「私は源しずかという人間が嫌いです」

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    タグ : - ドラえもん + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    152 = 37 :

    焦らさないでえ…

    153 :

    ジャイアン犯人かw

    154 = 67 :

    >>148
    公園の滑り台みたいなことになってるんだろ

    155 = 23 :

    最初の頃は書き溜めてあったけど
    後半は今書いてるとか?

    156 = 107 :

    書きためが消えたとかかもね

    158 = 56 :

    続き気になる

    159 :

    校正でも入れてんじゃね

    161 = 157 :

    >>160
    まさに

    162 = 117 :

    >>155
    なるほど

    >>1よ、焦らず書いてくれ

    163 = 125 :

    何で完結させてから投下しねーんだよ

    164 :

    ドラえもんSSは鬱エンドばっかりで辛い

    165 = 1 :

    夜が明けて、私とスネ夫さんは、武さんの勤務先である病院に向かった。

    「朝っぱらからどうしたんだよ。俺は夜勤明けでくたくたなんだけど」

    武さんは突然やって来た私たちを、腫れぼったい目で迎えた。

    しずか「悪いわね武さん」

    スネ夫「ジ、ジャイアン…ごめんよ…」

    しずか「裏山で保護されたという少女に、面会させてほしいの」

    「しずかちゃんも諦めが悪いな。あの患者は心を閉ざしている。いくら呼び掛けても無駄だよ」

    しずか「いいえ、会話出来るはずよ。だって武さん、あなたはすでにその患者と話しているでしょう?」

    「ま、まさか。馬鹿言うなよ」

    武さんはわかりやすく狼狽した。
    私は自分の考えが間違っていないことをさらに確信する。

    166 :

    「カレー 好き ドラえもん」でぐぐりそうになった…

    167 = 117 :

    キターーーー

    168 = 1 :

    しずか「606号室に入院している少女…。彼女以外にもまだもうひとり、裏山で保護されてここに入院している女の子がいるのよね?」

    私は武さんを見据えた。
    頭の中では、昨日病院の外で会った、フリーライターとの会話が思い出されていた。
    女は、患者と面会してきた私に対し、こう問いかけたのだ。

    『会ったんでしょ、患者に。ロクちゃんのほうだよね?』

    ロクちゃんとは606号室に入院する患者の通称だ。
    そして、ロクちゃんのほうという聞き方はこの場合おかしい。
    そこで私は考えた。
    “ロクちゃんのほう”ではない、“もうひとりのほう”がこの病院には入院しているのではないか。
    ならばロクちゃん以外に裏山で保護された人物は入院していないと言い切った武さんは、私に嘘をついたことになる。
    武さんは“もうひとりの入院患者”に私を面会させたくなかったのだ。

    169 :

    おもろいでー

    170 = 1 :

    しずか「ジャイ子ちゃんはどこ?」

    私が問うと、武さんは観念して、先を歩き出した。

    「ついて来な」

    案内された先は、最上階の個室だった。

    「…ごめん」

    室内に入る前、武さんは小さく呟いた。

    ジャイ子「あ、お兄ちゃん!」

    部屋の中、大きすぎるベッドの上に、ジャイ子ちゃんは居た。
    昔のまま、ぽっちゃりとした頬が可愛らしい、おかっぱ頭のジャイ子ちゃん。

    ジャイ子「お姉さんは誰?」

    ジャイ子ちゃんは無邪気な笑顔を私に向けた。

    しずか「お兄さんのお友達よ。よろしくね、ジャイ子ちゃん」

    スネ夫「お、おいこれどうなってるんだよ…ジャイ子ちゃんが生きてるのはわかった。だけどなんで成長してないんだ?なんで子供の頃のままなんだよ…」

    スネ夫さんは混乱し、掠れた声で言った。
    武さんはベッドに近づくと、優しく諭すようにジャイ子ちゃんに話しかけた。

    171 :

    うーん……
    何故こんなことをしたのか理由が俺にはわからねぇ……

    172 = 96 :

    俺じゃなきゃ犯人見逃しちゃうね

    173 = 1 :

    「兄ちゃんはこのお姉さん達と大事な話があるから、おまえはもう少し寝ていなさい」

    ジャイ子「えー?」

    ジャイ子ちゃんは不満そうだった。

    ジャイ子「お姉さん、お話が終わったら、あたいと遊んでくれる?」

    しずか「ええ、もちろんよ」

    ジャイ子「ふふっ…じゃあそれまでお絵描きして待ってるわ。お兄ちゃん、そこのスケッチブック取って」

    「ほらよ」

    お絵描きを始めたジャイ子ちゃんを残し、私たち三人は屋上に上がった。
    屋上からは、裏山の全貌が見渡せた。
    昨夜あれほど歩き回り、果てなんかないんじゃないかと思われた裏山も、ここから見下ろすと案外小さい。

    174 = 1 :

    「許してくれしずかちゃん…お願いだ見逃してくれ…」

    武さんは屋上の床に頭を擦りつけて、詫びた。

    スネ夫「ジャイアン…」

    その様子に、スネ夫さんは困惑の表情を浮かべていた。

    しずか「やめて武さん、私は別に武さんを責めに来たわけじゃないのよ」

    私は武さんに頭を上げさせると、言った。

    しずか「これ以上嘘を重ねるのはやめましょう。真実を明らかにしましょう」

    175 = 110 :

    どういうことだってばよ…

    176 :

     

    178 :

    これから仕事だというのぬ気になってしょうがない

    179 = 37 :

    面白いよ

    180 = 1 :

    それから武さんが語ったことは、ほぼ私の予想通りだった。
    時空の歪みに迷い込み、私達の子供時代――過去――からこの時代に時間旅行して来てしまったジャイ子ちゃんは、運命の悪戯か、この時代の、売れっ子漫画家になった大人の自分と遭遇した。
    大人のジャイ子ちゃんは、おそらくすぐに、目の前の子供が昔の自分だと気付いた。
    そして取り合えず自分のマンションに子供のジャイ子ちゃんを連れ帰り、食事を与えた。
    マンションに残されていたカレーが甘口だったのは、それを食べるジャイ子ちゃんがまだ子供だったからだ。
    それから大人のジャイ子ちゃんは、子供のジャイ子ちゃんが現れたことで、これからどうしたらいいか悩んだ。
    元の時代に帰そうにも、手段がない。
    彼女は日頃からの相談相手、のび太さんに連絡を取った。
    わざわざ来てくれるのび太さんのために寿司を注文し、彼がマンションを訪れるのを待った。
    そこで、大人のジャイ子ちゃんと子供のジャイ子の間にトラブルが起きた。
    口論の末、子供のジャイ子ちゃんは、大人のジャイ子ちゃんを刺し殺してしまった。
    凶器が包丁ではなく、キッチンハサミだったのは、単純に子供のジャイ子ちゃんの身長では、陳列されている包丁に手が届かなかったからだ。
    そしてタイミング悪く、のび太さんが現場にやって来た。
    のび太さんは一目見て状況を理解し、泣きじゃくるジャイ子ちゃんを宥めた。
    心配しなくていい、自分が助けてやると、ジャイ子ちゃんを励まし、すぐに行動に移った。
    返り血を浴びたジャイ子ちゃんを着替えさせた。
    クローゼットからワンピースが一着なくなっていたのは、凶器の血を拭き取るためではない。
    子供のジャイ子ちゃんでも着られる服を探したら、そのワンピースしかなかったからだ。
    それからのび太さんはジャイ子ちゃんを連れ、マンションを飛び出した。
    その際、宅配寿司店のスタッフに目撃されてしまった。
    一緒にいたジャイ子ちゃんの姿まで捉えられずに済んだのは、彼にとって幸運だったのか不幸だったのか。
    とにかくのび太さんは、自分が殺人を犯したことにして、子供のジャイ子ちゃんを逃走させることに成功した。

    181 = 144 :

    こんな面白いssひさしぶりだわ

    182 = 1 :

    「事件があった夜、突然のび太が子供のジャイ子を連れて俺の前に現れたんだ…」

    武さんが語る。

    「びっくりしたよ。それから、なんとかしなきゃと焦った。殺されたのはジャイ子、そして殺したのもジャイ子。どっちも俺の大切な妹だ」

    「いきなり別の時代に飛ばされ、まだ子供なのに殺人の罪に問われるジャイ子を思ったら、俺は不憫に思えて仕方なかった。なんとしてもジャイ子を守らなきゃと思った」

    「幸いなことに、子供のジャイ子はショックから、自分が殺人を犯したことを忘れている。清らかな心のままだった。ジャイ子が元の時代に戻る術はない。ならばここで、この時代で、子供のジャイ子を俺が面倒見ていこうと思った」

    スネ夫「それで…勤務先のこの病院に子供のジャイ子ちゃんを入院させたんだね…」

    「ああ…」

    しずか「そしてのび太さんは、ジャイ子ちゃんの犯行を、すべて自分のせいだと言ったのね」

    「のび太は逃走現場を見られている。いずれ疑いの目は自分に向くだろうと言った。そして、こうなったのは自分のせいだから、ジャイ子の罪を自分に被らせて欲しいと俺に頼んできた」

    スネ夫「なんでのび太のせいなんだよ。のび太は犯行現場に遅れてやって来ただけだろう?」

    「……」

    183 = 67 :

    どっちにしろ無実にならへんやろ、のびちゃん

    184 = 1 :

    しずか「スネ夫さん、あなたも思い出再生機で子供のジャイ子ちゃんの記憶を見たのなら、想像出来るんじゃない?」

    スネ夫「ちっともわかんないよ」

    しずか「子供のジャイ子ちゃんは、大人になった自分が、思い描いた通りの人生を歩んでこなかったことに気づき、失望したのよ」

    「ああ…のび太も同じことを言っていた」

    しずか「一番の違いは作風ね。子供の頃、ジャイ子ちゃんは少女漫画家になるのが夢だった。だから大人の自分に遭遇し、売れっ子漫画家になっていると知り、とても喜んだ」

    しずか「しかしいざその作品を見せてもらうと、自分の想像とはかけ離れたものだった。過激で暴力的な内容に、子供のジャイ子ちゃんはショックを受けた」

    しずか「たぶんその時彼女は、裏切られた気分だったんじゃないかしら。子供のジャイ子ちゃんは激昂し、大人の自分を刺し殺してしまった」

    「ジャイ子はかなり前から、自分の本当に描きたいものと、周囲から求められるものの違いに、悩んでいたよ。それで何度ものび太に相談していた。兄である俺は医師の仕事に追われ、ろくにジャイ子の話を聞いている暇などなかったからな」

    しずか「のび太さんはジャイ子ちゃんになんてアドバイスしていたのかしら…」

    185 = 171 :

    これ自分殺しのパラドクスになるよな……
    ジャイ子はもとの時代に帰るのかな

    186 :

    ジャイコ同士の口論の内容は?

    187 = 1 :

    「のび太のアドバイスは堅実だったよ。今は世間から求められるものを描いて、自分の地位を高めるべきだとジャイ子に言ったらしい。ある程度の地位や名声を得られれば、そのうちわがままが通るようになる」

    「有名になって、後はわがままに自分の描きたいものを描けばいい。のび太はジャイ子の近頃の作品より、昔のベタベタな少女漫画のほうを評価していたから、そのアドバイスはのび太にとっても辛かったと思うけどな」

    しずか「その結果、ジャイ子ちゃんは売れっ子になったけれど、それは子供のジャイ子ちゃんが思い描いた未来とは違うものだった。子供のジャイ子ちゃんは、大人の自分にも、少女漫画を描き続けていて欲しかった」

    「こうなったのはすべて自分のアドバイスが招いた悲劇だとのび太は言った。こんなことになってすまないと、のび太は泣いて俺に詫びた。俺はそんなのび太を責める気になれなかったよ」

    「忙しさを理由に、ジャイ子の相談を無視し続け、のび太に任せきりにしていたんだからな。俺はジャイ子の兄失格さ」

    しずか「のび太さんはせめてもの償いにと、自分が罪を被ることにしたのね」

    「ああ…そして俺はそののび太の申し出に甘えた。大人のジャイ子が死に、だけどまだここには子供のジャイ子が残っている。俺は今度こそジャイ子を失いたくない。警察になんて引き渡したくない。俺の手元に置いておきたい」

    「だから俺は、優しいのび太にすべてを押し付けたんだ。のび太を利用したんだ。俺は…俺は最低だよ…」

    武さんは拳で何度もフェンスを殴り、ぽろぽろと涙を流した。

    188 = 1 :

    スネ夫「ねえ…これからどうしよう…」

    スネ夫さんが途方に暮れた様子で、誰に言うでもなく呟いた。
    私にはもう時間がない。
    だから、武さんに言った。

    しずか「タイムパトロール隊に話はつけているわ。ジャイ子ちゃんも、そしてロクちゃんや他に裏山で保護されたみんなも、全員元の時代に帰れる」

    しずか「元の時代に戻ってしまえば、法律はジャイ子ちゃんを罰せられない。だからどのみち、あなたの前からジャイ子ちゃんはいなくなるの。ごめんなさい武さん、勝手に話を進めてしまって…」

    武さんは目を丸くして、私を見た。

    「本当かい?じゃあジャイ子が警察に捕まることはないんだな?」

    しずか「ええ。真犯人であるジャイ子ちゃんはこの時代から姿を消す。そして、のび太さんを救うにはどうすればいいと思う?」

    「それは…俺だ…」

    スネ夫「まさかジャイアン…」

    スネ夫さんもようやくここで気づいたみたいだ。

    189 = 169 :

    >>186
    よく読めやハゲ

    190 = 65 :

    引き込まれる

    191 = 67 :

    タイムパトロール隊がこの時代に迷いこんだ直後のジャイ子保護したら全部丸く収まるやろ

    192 = 136 :

    うわああああ

    193 = 110 :

    こんなに練ったssだったとは

    194 = 1 :

    「ジャイ子はいなくなる。俺はもうジャイ子に会えない。だったらもう未練なんてないよ。俺はジャイ子の兄だからな、妹のやったことは兄の俺が責任を取る。俺はもう現実から逃げない。傷つけちまった心の友を救えるのは、俺しかいないんだよ」

    しずか「武さん…」

    武さんはもう泣いていなかった。
    そこにいるのは、ただ妹と友人を思う、哀れな男だった。
    だけど私は、絶対に武さんをこのまま哀れな存在にはしない。

    「もっと早くにこうするべきだった。ありがとよ、しずかちゃん、スネ夫、最後に二人と話せて良かったよ。俺は今から警察に出頭する。俺は今から大悪人になる。実の妹を殺して、その罪を友人に擦り付けた、極悪非道の男になるよ」

    スネ夫「ジャイアン…ぼ、僕は…どんな手を使ってもジャイアンを助ける。少なくともジャイアンを非道な人間になんかしない。昔からこういうのは得意なんだ。世間がジャイアンに同情するような背景をでっち上げてやる!」

    スネ夫「そのためにはどんな嘘や汚い手だって使うぞ!えらい人間にたくさん媚びて、金もバラまいてやる!覚悟しとけよジャイアン、君は一生世間から悲しき英雄だと思われるんだ!君の裁判には女性ファンが殺到するようになるぞ!」

    スネ夫「どうだ悔しいか!子供の頃にたくさん殴られた仕返しだ、これからは君の評判を僕が左右してやるんだからな!うわぁぁん…」

    195 = 1 :

    スネ夫さんはそれから馬鹿みたいに声を上げて泣いた。
    それを見て、武さんは笑っていた。
    私たちはやっと、子供の頃のように戻れた。
    虚勢や建前を取り払って、馬鹿で無防備な心のまま、向き合えた気がした。

    しずか「私、ジャイ子ちゃんに会ってくるわ」

    私はひとり屋上を出た。
    女の子がいると、男の子同士はうまく話せないんだって、大人になった今ならわかる。
    武さんとスネ夫さんが二人きりで何を話すのか、少しは気になるけれど。

    196 = 1 :

    しずか「ジャイ子ちゃん?」

    病室に顔を出すと、ジャイ子ちゃんが歓声を上げた。

    ジャイ子「お姉さん!見て、これ」

    スケッチブックを向けられ、私は彼女が描いた絵を見た。
    繊細で美しいタッチの絵。

    しずか「とても上手ね」

    ジャイ子「あたい将来は漫画家になるのよ」

    ジャイ子ちゃんが得意気に言った。

    しずか「あなたならきっと素敵な漫画家になれるわ。だけど知ってる?漫画家さんはすごく大変なお仕事なのよ」

    ジャイ子「大丈夫よ」

    200 :

    すごく面白い
    支援


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