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元スレしずか「私は源しずかという人間が嫌いです」
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スネ夫「大丈夫かい?しずかちゃん」
しずか「スネ夫さん?どうしてここに?」
私は呆然として、尋ねた。
スネ夫「へへっ、随分探したんだぜ。君から着信があって、掛け直したのに繋がらないから。昨日の君の様子から、僕は嫌な予感がしたんだ」
スネ夫「だからあちこち連絡して、ジャイアンから昼間君が病院に来たって話を聞いてさ、裏山の事件を気にしているみたいだったから、まさかと思って来てみたら、ビンゴだった。一体君はここで何をしようとしているんだい?」
しずか「ごめんなさい…」
安心したせいか、涙が出た。
ふと見ると、スネ夫さんの足が震えている。
すると今度は笑えて来て、私は泣きながら笑うという奇妙な体験をした。
スネ夫さんはおろおろと、そんな私を見下ろしていた。
しずか「スネ夫さん?どうしてここに?」
私は呆然として、尋ねた。
スネ夫「へへっ、随分探したんだぜ。君から着信があって、掛け直したのに繋がらないから。昨日の君の様子から、僕は嫌な予感がしたんだ」
スネ夫「だからあちこち連絡して、ジャイアンから昼間君が病院に来たって話を聞いてさ、裏山の事件を気にしているみたいだったから、まさかと思って来てみたら、ビンゴだった。一体君はここで何をしようとしているんだい?」
しずか「ごめんなさい…」
安心したせいか、涙が出た。
ふと見ると、スネ夫さんの足が震えている。
すると今度は笑えて来て、私は泣きながら笑うという奇妙な体験をした。
スネ夫さんはおろおろと、そんな私を見下ろしていた。
しずか「私、自分が思っている以上に馬鹿なんだわ」
気持ちが落ち着くと、私は立ち上がり、服についた泥を軽くはたき落とした。
スネ夫「は?」
しずか「探そうと思ったの。時空の歪みを」
スネ夫「時空の歪み?」
しずか「ええ、裏山にあるはずだと思って。ほら昔、ドラちゃんがいた時もたまにあったじゃない。何かのきっかけで時空が歪み、タイムマシンが予期せぬ時代に到着してしまったことが」
スネ夫「ああ、それで何度か怖い思いもしたっけね」
しずか「ふふっ、懐かしい」
スネ夫「だけど、何でここにそんなものがあると思ったんだい?」
しずか「最近裏山で連続して身元不明者が保護されてるでしょう?彼らは恐ろしい体験の末、精神のバランスを崩してしまった。私はそれを、時間旅行をしたせいだと考えたの」
スネ夫「まさか!そんなことあるわけない!」
気持ちが落ち着くと、私は立ち上がり、服についた泥を軽くはたき落とした。
スネ夫「は?」
しずか「探そうと思ったの。時空の歪みを」
スネ夫「時空の歪み?」
しずか「ええ、裏山にあるはずだと思って。ほら昔、ドラちゃんがいた時もたまにあったじゃない。何かのきっかけで時空が歪み、タイムマシンが予期せぬ時代に到着してしまったことが」
スネ夫「ああ、それで何度か怖い思いもしたっけね」
しずか「ふふっ、懐かしい」
スネ夫「だけど、何でここにそんなものがあると思ったんだい?」
しずか「最近裏山で連続して身元不明者が保護されてるでしょう?彼らは恐ろしい体験の末、精神のバランスを崩してしまった。私はそれを、時間旅行をしたせいだと考えたの」
スネ夫「まさか!そんなことあるわけない!」
しずか「ええ、だからあくまで私の想像よ。別の時代から、いきなりこの時代に飛ばされて、彼らはパニックを起こした。彼らがみんな言ってることが滅茶苦茶で、情緒不安定だと診断されたのはそのせい」
しずか「誰だって自分のいた時代からいきなり過去、あるいは未来に飛ばされたら怖いし、不安になるでしょう。元々いた時代が違うのだから、この時代の人間と話が噛み合わないのは当たり前」
しずか「だからこの時代の人間からすると、彼らの言っていることは滅茶苦茶に聞こえる」
スネ夫「だけど君は、たったそれだけの事柄で時空の歪みの存在を想像し、ここまで来たというのかい?たったひとりで、こんな夜中に、野犬に襲われもして!いくらなんでも無謀すぎるよ」
しずか「そうね。だから私は救いようのない馬鹿なのよ。でもね、今日病院で保護された少女と面会してみて、なんとなく感じたの。私は間違ってないかもしれないって」
スネ夫さんが乾いた笑いを洩らした。
しずか「でも今晩はもう駄目ね。さっきの野犬のせいで懐中電灯が壊れてしまったわ。もう先に進めない。帰りましょう、スネ夫さん」
スネ夫さんは明かりをちゃんと持っていた。
私はそれを頼りに、一緒に下山することにした。
だがスネ夫さんは私の言葉を無視して、帰り道とは反対の方角を照らした。
しずか「誰だって自分のいた時代からいきなり過去、あるいは未来に飛ばされたら怖いし、不安になるでしょう。元々いた時代が違うのだから、この時代の人間と話が噛み合わないのは当たり前」
しずか「だからこの時代の人間からすると、彼らの言っていることは滅茶苦茶に聞こえる」
スネ夫「だけど君は、たったそれだけの事柄で時空の歪みの存在を想像し、ここまで来たというのかい?たったひとりで、こんな夜中に、野犬に襲われもして!いくらなんでも無謀すぎるよ」
しずか「そうね。だから私は救いようのない馬鹿なのよ。でもね、今日病院で保護された少女と面会してみて、なんとなく感じたの。私は間違ってないかもしれないって」
スネ夫さんが乾いた笑いを洩らした。
しずか「でも今晩はもう駄目ね。さっきの野犬のせいで懐中電灯が壊れてしまったわ。もう先に進めない。帰りましょう、スネ夫さん」
スネ夫さんは明かりをちゃんと持っていた。
私はそれを頼りに、一緒に下山することにした。
だがスネ夫さんは私の言葉を無視して、帰り道とは反対の方角を照らした。
しずか「スネ夫さん?」
スネ夫「し、仕方ないな。乗り掛かった船だ。僕も一緒に探してやるよ」
しずか「え?」
スネ夫「君の考えていることはわかるよ。時空の歪みを利用して、ドラえもんに会いに行くつもりだろう。僕はこれ以上手を貸さない。だけど久しぶりにドラえもんに会うのも悪くないかなとも思うんだ」
スネ夫さんが、にやりと笑った気がした。
私の心は久しぶりに温かさを感じていた。
しずか「ありがとう、スネ夫さん」
スネ夫「し、仕方ないな。乗り掛かった船だ。僕も一緒に探してやるよ」
しずか「え?」
スネ夫「君の考えていることはわかるよ。時空の歪みを利用して、ドラえもんに会いに行くつもりだろう。僕はこれ以上手を貸さない。だけど久しぶりにドラえもんに会うのも悪くないかなとも思うんだ」
スネ夫さんが、にやりと笑った気がした。
私の心は久しぶりに温かさを感じていた。
しずか「ありがとう、スネ夫さん」
それから私たちは、じりじりと山道を登った。
スネ夫「闇雲に探すのは良くない。のび太の机の引き出しがそうだったように、時空間への扉の代用になりそうな物がないか探すんだ」
スネ夫「なあにこんな山の中だ、物は限られている。例えば不法投棄された冷蔵庫の中、木の裂け目、そういったものが時空間への扉の役目を果たしているかもしれない」
しずか「そうね、私ったら勝手に時空の歪みがぽんと空中に浮かんでいる様を想像してたわ」
スネ夫「そんなものあったら、とっくに警察が見つけて大騒ぎになってるよ」
私達はそれから、扉の代用となりそうなものを探し歩いた。
だが次第に山道は寂しくなり、登り始めて最初の頃はよく目についていた不法投棄物や誰かが食べ捨てた食品のパック、空き缶などが見当たらなくなってきた。
鬱蒼とした木々だけが広がる空間。
やはり私の考えは、ただの妄想に過ぎなかったのか。
諦めかけたその時、スネ夫さんが高い声を上げた。
スネ夫「あれをご覧よ、しずかちゃん」
スネ夫「闇雲に探すのは良くない。のび太の机の引き出しがそうだったように、時空間への扉の代用になりそうな物がないか探すんだ」
スネ夫「なあにこんな山の中だ、物は限られている。例えば不法投棄された冷蔵庫の中、木の裂け目、そういったものが時空間への扉の役目を果たしているかもしれない」
しずか「そうね、私ったら勝手に時空の歪みがぽんと空中に浮かんでいる様を想像してたわ」
スネ夫「そんなものあったら、とっくに警察が見つけて大騒ぎになってるよ」
私達はそれから、扉の代用となりそうなものを探し歩いた。
だが次第に山道は寂しくなり、登り始めて最初の頃はよく目についていた不法投棄物や誰かが食べ捨てた食品のパック、空き缶などが見当たらなくなってきた。
鬱蒼とした木々だけが広がる空間。
やはり私の考えは、ただの妄想に過ぎなかったのか。
諦めかけたその時、スネ夫さんが高い声を上げた。
スネ夫「あれをご覧よ、しずかちゃん」
スネ夫さんが指差したのは、小さな祠だった。
中が薄ぼんやりと発光している。
スネ夫「ははっ…まさか本当にあるなんて」
しずか「あれが時空の歪み…」
私は背負っていたリュックを地面に下ろし、中からロープを取り出した。
スネ夫「な、何するんだい?」
しずか「決まってるじゃない。中に入るのよ」
ロープの端を木に縛り付けた。
しずか「昔みたいにタイムマシンに乗ることは出来ない。時空間に体ひとつで入ることになる。このロープはきちんとこの時代に帰ってくるための策よ」
しずか「途中で千切れるかもしれないし、何より長さが足りないかもしれない。だけど何もないよりは安心出来ると思ったの」
スネ夫「しずかちゃんはこのロープを辿って帰るつもりなんだね」
しずか「ええ。ありがとうスネ夫さん、ここまでで充分よ。後はわたしひとりで行くわ」
中が薄ぼんやりと発光している。
スネ夫「ははっ…まさか本当にあるなんて」
しずか「あれが時空の歪み…」
私は背負っていたリュックを地面に下ろし、中からロープを取り出した。
スネ夫「な、何するんだい?」
しずか「決まってるじゃない。中に入るのよ」
ロープの端を木に縛り付けた。
しずか「昔みたいにタイムマシンに乗ることは出来ない。時空間に体ひとつで入ることになる。このロープはきちんとこの時代に帰ってくるための策よ」
しずか「途中で千切れるかもしれないし、何より長さが足りないかもしれない。だけど何もないよりは安心出来ると思ったの」
スネ夫「しずかちゃんはこのロープを辿って帰るつもりなんだね」
しずか「ええ。ありがとうスネ夫さん、ここまでで充分よ。後はわたしひとりで行くわ」
スネ夫「そんな!君ひとりで?行かせられないよ。ぼ、僕を見くびるな!もう昔の、弱虫で怖がりの僕じゃない!どんな危険があろうと、僕は君と一緒に行くよ」
しずか「スネ夫さん…」
スネ夫「君に昨日言われて、目が覚めたんだ。僕はやっぱりのび太の無実を信じたい。そのための過程で例えジャイアンを傷つけることになったとしても、妹を殺した犯人が幼馴染みでしたなんて結末よりはジャイアンも救われるはずだ」
スネ夫「そうだよ、これはのび太だけを救うためのものじゃない。何よりジャイアンを救うための、僕としずかちゃんの冒険なんだ!」
スネ夫さんの目は、いつからか少年の頃のそれに戻っていた。
希望に胸を膨らませ、明日が今日よりも楽しくなると信じて疑わなかったあの頃。
しずか「わかったわ、一緒に行きましょう」
私達はロープの端を握り、祠の先、時空の歪みへと飛び込んだ。
時空間の中は、子供の頃となんら変わっていなかった。
暑くも寒くもなく、ふわふわとしていてちょっと心細い。
この中では風向きがそのまま時間の流れを表している。
ドラちゃんのいる未来へ行くためには、風に逆らって進むのだ。
しずか「スネ夫さん…」
スネ夫「君に昨日言われて、目が覚めたんだ。僕はやっぱりのび太の無実を信じたい。そのための過程で例えジャイアンを傷つけることになったとしても、妹を殺した犯人が幼馴染みでしたなんて結末よりはジャイアンも救われるはずだ」
スネ夫「そうだよ、これはのび太だけを救うためのものじゃない。何よりジャイアンを救うための、僕としずかちゃんの冒険なんだ!」
スネ夫さんの目は、いつからか少年の頃のそれに戻っていた。
希望に胸を膨らませ、明日が今日よりも楽しくなると信じて疑わなかったあの頃。
しずか「わかったわ、一緒に行きましょう」
私達はロープの端を握り、祠の先、時空の歪みへと飛び込んだ。
時空間の中は、子供の頃となんら変わっていなかった。
暑くも寒くもなく、ふわふわとしていてちょっと心細い。
この中では風向きがそのまま時間の流れを表している。
ドラちゃんのいる未来へ行くためには、風に逆らって進むのだ。
スネ夫「ドラえもん…ドラえもん…」
スネ夫さんはぶつぶつと呟きながら歩いていた。
ロープはすぐに長さがいっぱいになり、この先へ進めば、帰り道を失う可能性も考えられた。
つまり、元の時代には帰れなくなるかもしれないのだ。
しずか「いい?スネ夫さん。ロープはここで終わり。私達を現代に繋ぎ止めてくれているものを、私は今から手放すわ」
私はスネ夫さんに宣言した。
スネ夫さんはなぜか私を無視して、私の頭上辺りをぼんやりと眺めていた。
しずか「え?」
視線をやると、そこに白い機体が浮いていた。
しずか「タイム…パトロール隊…」
スネ夫さんはぶつぶつと呟きながら歩いていた。
ロープはすぐに長さがいっぱいになり、この先へ進めば、帰り道を失う可能性も考えられた。
つまり、元の時代には帰れなくなるかもしれないのだ。
しずか「いい?スネ夫さん。ロープはここで終わり。私達を現代に繋ぎ止めてくれているものを、私は今から手放すわ」
私はスネ夫さんに宣言した。
スネ夫さんはなぜか私を無視して、私の頭上辺りをぼんやりと眺めていた。
しずか「え?」
視線をやると、そこに白い機体が浮いていた。
しずか「タイム…パトロール隊…」
私達は、タイムパトロール隊に保護された。
調書を取られ、犯罪が絡んでいないと判断された後、きつく注意を受けた。
しずか「すみません、一般人の時間旅行が禁止されるようになったなんて知らなくて」
私とスネ夫さんは揃って頭を下げた。
私達は無謀な旅行者という立ち位置にいるらしい。
身元引き受け人を誰にするかと訊かれ、ドラちゃんの名前と時代を告げると、数時間後に別の小さな部屋と通された。
スネ夫「ドラえもん、ちゃんと来てくれるかな」
しずか「大丈夫よ」
そうして入り口から、あの懐かしいシルエットが現れた。
ドラ「やあやあ待たせたね」
久しぶりの再会だというのに、ドラちゃんはまるであの頃のまま、集合場所だった空き地に遅れてきたかのような口振りで、話しかけてきた。
だけど近くで見ると、少しだけボディに傷がついていたり、塗装がはげていたりもして、私は過ぎた歳月を思った。
調書を取られ、犯罪が絡んでいないと判断された後、きつく注意を受けた。
しずか「すみません、一般人の時間旅行が禁止されるようになったなんて知らなくて」
私とスネ夫さんは揃って頭を下げた。
私達は無謀な旅行者という立ち位置にいるらしい。
身元引き受け人を誰にするかと訊かれ、ドラちゃんの名前と時代を告げると、数時間後に別の小さな部屋と通された。
スネ夫「ドラえもん、ちゃんと来てくれるかな」
しずか「大丈夫よ」
そうして入り口から、あの懐かしいシルエットが現れた。
ドラ「やあやあ待たせたね」
久しぶりの再会だというのに、ドラちゃんはまるであの頃のまま、集合場所だった空き地に遅れてきたかのような口振りで、話しかけてきた。
だけど近くで見ると、少しだけボディに傷がついていたり、塗装がはげていたりもして、私は過ぎた歳月を思った。
しずか「ごめんなさいドラちゃん、私達どうしてもまたドラちゃんに会いたくて」
スネ夫「ド、ドラえも~ん」
スネ夫さんは子供みたいに、ドラちゃんの体に抱きついた。
その横で、タイムパトロール隊員が事務的に、今後のことを説明する。
私達が元居た時代に帰るには、特別時間旅行許可の申請をしなければならず、手続きに少し時間がかかるらしい。
その間だけ、ドラちゃんの元に滞在する猶予が与えられた。
そうして私たちは昔話をする間もなく、タイムパトロール隊によってドラちゃんの生活する時代に送り届けられた。
ドラちゃんは一言も、のび太さんについて尋ねてこなかった。
きっともう知っているのだろう。
ドラ「ここが僕の家さ」
ドラちゃんの自宅は、この時代では中流家庭に分類されているらしい、マンションのひとつだった。
しずか「セワシさんの家じゃないの?」
スネ夫「ド、ドラえも~ん」
スネ夫さんは子供みたいに、ドラちゃんの体に抱きついた。
その横で、タイムパトロール隊員が事務的に、今後のことを説明する。
私達が元居た時代に帰るには、特別時間旅行許可の申請をしなければならず、手続きに少し時間がかかるらしい。
その間だけ、ドラちゃんの元に滞在する猶予が与えられた。
そうして私たちは昔話をする間もなく、タイムパトロール隊によってドラちゃんの生活する時代に送り届けられた。
ドラちゃんは一言も、のび太さんについて尋ねてこなかった。
きっともう知っているのだろう。
ドラ「ここが僕の家さ」
ドラちゃんの自宅は、この時代では中流家庭に分類されているらしい、マンションのひとつだった。
しずか「セワシさんの家じゃないの?」
ドラ「どうも数日前から事情が変わってね、今はセワシくんが生まれなかったという時間の流れになってるんだよ」
スネ夫「え?どういうこと?」
ドラ「のび太くんは子孫を残さなかった。その流れで出来た未来が今なんだよ。僕はロボットだから時代の変化に鈍感だけど、あと数日もすればセワシくんやのび太くんと一緒に暮らしていた時の記憶もなくなるだろう」
ドラ「正確には記憶が書き変わるんだ。しずかちゃんやスネ夫くんのことも忘れてしまう」
スネ夫「そんなぁ…」
しずか「じゃあ私達は間一髪だったのね」
ドラ「ああ、君たちを忘れる前に再会出来て良かった」
スネ夫「え?どういうこと?」
ドラ「のび太くんは子孫を残さなかった。その流れで出来た未来が今なんだよ。僕はロボットだから時代の変化に鈍感だけど、あと数日もすればセワシくんやのび太くんと一緒に暮らしていた時の記憶もなくなるだろう」
ドラ「正確には記憶が書き変わるんだ。しずかちゃんやスネ夫くんのことも忘れてしまう」
スネ夫「そんなぁ…」
しずか「じゃあ私達は間一髪だったのね」
ドラ「ああ、君たちを忘れる前に再会出来て良かった」
>>71
経年劣化だろ
経年劣化だろ
しずか「例えば後々の未来に影響を与える出来事が今起きたとして、その通りに時代の流れが変化してしまうまで、タイムラグはあるの?」
ドラ「それらはすべてタイムパトロール隊本部が管理してる。今ある未来を大きく変化させる出来事が起きた場合、その通りに時代を変化させていいか、修正が必要か、判断を下すにはそれなりの時間がかかる」
ドラ「起きた出来事の大小によって、判断にかかる時間も違う。いずれにせよ、何かが起きた後すぐに未来が変化するわけではないから、タイムラグはあるね」
しずか「良かった」
どうやら私にはまだ少し、時間が残されているようだ。
ドラ「だけどセワシくんは消えた。つまりこれは今まであった時間の流れを変化させるであろう出来事が、確定的になった証拠だ。セワシくんに影響を与えられるのは、先祖であるのび太くんしかいない。ねえ、のび太くんは本当に死刑になってしまうのかい?」
しずか「そうね、このままだと…」
スネ夫「ドラえもん、なんとかしてくれよ」
ドラ「残念だけど、時間旅行が禁止された今、僕は過去へ行くことが出来ない。力にはなれないよ」
ドラちゃんは心底悔しそうに言った。
ドラ「それらはすべてタイムパトロール隊本部が管理してる。今ある未来を大きく変化させる出来事が起きた場合、その通りに時代を変化させていいか、修正が必要か、判断を下すにはそれなりの時間がかかる」
ドラ「起きた出来事の大小によって、判断にかかる時間も違う。いずれにせよ、何かが起きた後すぐに未来が変化するわけではないから、タイムラグはあるね」
しずか「良かった」
どうやら私にはまだ少し、時間が残されているようだ。
ドラ「だけどセワシくんは消えた。つまりこれは今まであった時間の流れを変化させるであろう出来事が、確定的になった証拠だ。セワシくんに影響を与えられるのは、先祖であるのび太くんしかいない。ねえ、のび太くんは本当に死刑になってしまうのかい?」
しずか「そうね、このままだと…」
スネ夫「ドラえもん、なんとかしてくれよ」
ドラ「残念だけど、時間旅行が禁止された今、僕は過去へ行くことが出来ない。力にはなれないよ」
ドラちゃんは心底悔しそうに言った。
ドラ「セワシくんという存在がいなくなった今、僕が過去――君たちの子供時代――に送られたという事実もなくなる。子供の頃の君たちとは出会わなかったことになる。君たちの記憶は書き変わり、僕のことをすっかり忘れてしまう」
ドラ「なんだか切ないなぁ。もう一度だけでいい、最後にのび太くんに会いたかったよ…」
しずか「そんな!諦めるのは早いわ、ドラちゃん。なんとかしてのび太さんの無実を証明しましょう。そうすればまたセワシさんがあなたとのび太さんを出会わせたという、本来の時間の流れを取り戻せるわ」
ドラ「無実?のび太くんは本当に無実なのかい?」
しずか「ええ、そうよ。もちろんじゃない!」
ドラ「そうかおかしいと思ったんだ、あの弱虫ののび太くんに人なんて殺せるわけない」
しずか「ふふっ…大人になったのび太さんはもう弱虫なんかじゃなかったわよ。ドラちゃんだってのび太さんの高校時代を見てきたじゃない」
スネ夫「のび太、立派だったよな」
ドラ「いけないいけない、僕の中ではいつまでもジャイアンに苛められて泣きついてくる、子供ののび太くんの印象が強くて」
ドラちゃんはまあるい手で頭をかいた。
それから急に真顔になり、真っ直ぐ私を見つめた。
ドラ「なんだか切ないなぁ。もう一度だけでいい、最後にのび太くんに会いたかったよ…」
しずか「そんな!諦めるのは早いわ、ドラちゃん。なんとかしてのび太さんの無実を証明しましょう。そうすればまたセワシさんがあなたとのび太さんを出会わせたという、本来の時間の流れを取り戻せるわ」
ドラ「無実?のび太くんは本当に無実なのかい?」
しずか「ええ、そうよ。もちろんじゃない!」
ドラ「そうかおかしいと思ったんだ、あの弱虫ののび太くんに人なんて殺せるわけない」
しずか「ふふっ…大人になったのび太さんはもう弱虫なんかじゃなかったわよ。ドラちゃんだってのび太さんの高校時代を見てきたじゃない」
スネ夫「のび太、立派だったよな」
ドラ「いけないいけない、僕の中ではいつまでもジャイアンに苛められて泣きついてくる、子供ののび太くんの印象が強くて」
ドラちゃんはまあるい手で頭をかいた。
それから急に真顔になり、真っ直ぐ私を見つめた。
ドラ「しずかちゃん、なぜ君はのび太くんに別れを告げたんだい?」
ドラちゃんに会った時から、私はいつかその質問をされるだろうと予想していた。
スネ夫「えぇっ?しずかちゃん、のび太と付き合ってたの?」
しずか「ええ、高校の時にね」
スネ夫「へぇ、驚いた」
私とのび太さんの交際が始まったのは、高校の合格発表の後だった。
それから三年間、たまに喧嘩はしたけれど、仲良くやってきた。
のび太さんは背が伸び、メガネからコンタクトに変えて、すっかりおしゃれになっていた。
おまけに猛勉強のかいあり、高校は地元でも有名な進学校。
弱気だった性格は、彼を人の痛みがわかる優しく落ち着いた人物へと変化させていた。
当然、のび太さんは様々な女の子から声を掛けられることが多くなった。
のび太さんといる時、私はとても誇らしい気持ちでいっぱいだった。
素敵なのび太さんに選ばれた自分。
私は自分を特別な女の子だと思い込んでいた。
だけど交際が進むにつれ、私は気づいた。
特別なのはのび太さんであって、私はまったく素晴らしい人間でない。
彼は努力家で、しかもその努力をきちんと結果に結びつけているのに、一方私は頑張ってもいまいちパッとしない。
私はのび太さんにつり合わない。
すると今度は、彼と一緒にいることを苦痛に感じ始めた。
彼といると、自分がちっぽけな人間に思えて、たまらなく惨めだった。
悩んだ挙げ句、この辛い現実から目を反らすため、私は彼に別れを告げることを決めた。
それはドラちゃんが未来に帰り、落ち込んでいるのび太さんに、追い討ちをかけるような行為だったが、あの時の私には彼を思いやる余裕などなく、ただただ自分が楽になることだけを考えていた。
ドラちゃんに会った時から、私はいつかその質問をされるだろうと予想していた。
スネ夫「えぇっ?しずかちゃん、のび太と付き合ってたの?」
しずか「ええ、高校の時にね」
スネ夫「へぇ、驚いた」
私とのび太さんの交際が始まったのは、高校の合格発表の後だった。
それから三年間、たまに喧嘩はしたけれど、仲良くやってきた。
のび太さんは背が伸び、メガネからコンタクトに変えて、すっかりおしゃれになっていた。
おまけに猛勉強のかいあり、高校は地元でも有名な進学校。
弱気だった性格は、彼を人の痛みがわかる優しく落ち着いた人物へと変化させていた。
当然、のび太さんは様々な女の子から声を掛けられることが多くなった。
のび太さんといる時、私はとても誇らしい気持ちでいっぱいだった。
素敵なのび太さんに選ばれた自分。
私は自分を特別な女の子だと思い込んでいた。
だけど交際が進むにつれ、私は気づいた。
特別なのはのび太さんであって、私はまったく素晴らしい人間でない。
彼は努力家で、しかもその努力をきちんと結果に結びつけているのに、一方私は頑張ってもいまいちパッとしない。
私はのび太さんにつり合わない。
すると今度は、彼と一緒にいることを苦痛に感じ始めた。
彼といると、自分がちっぽけな人間に思えて、たまらなく惨めだった。
悩んだ挙げ句、この辛い現実から目を反らすため、私は彼に別れを告げることを決めた。
それはドラちゃんが未来に帰り、落ち込んでいるのび太さんに、追い討ちをかけるような行為だったが、あの時の私には彼を思いやる余裕などなく、ただただ自分が楽になることだけを考えていた。
しずか「ごめんなさいドラちゃん。私はのび太さんから逃げたのよ。彼は何一つ悪くない。悪いのは馬鹿で身勝手な私なのよ」
ドラ「のび太くんはだいぶ前から、しずかちゃんの心の変化に気づいていたみたいだったよ」
しずか「え?」
ドラ「自分といると、しずかちゃんはどこか無理してるみたいだって、いつだったか言ってたな。しずかちゃんの幸せを考えたら、自分は身を引いたほうがいいんじゃないかって」
しずか「そんな…嘘よ…」
ドラ「だけど結局のび太くんは君に別れを告げられなかった。君のことが大好きだったから、離れたくなかったんだ」
しずか「ごめんなさい…ごめんなさい…」
ドラ「しずかちゃん、君はまだのび太くんのことが好きなんだね?だから危険を承知で僕に会いに来てくれたんだろう?」
しずか「ええ…好きよ。だから今度こそ、私は逃げないと決めたの。自分で道を切り開き、いつかちゃんとのび太さんに会って、あの時のことを謝ろうと、心に誓ったのよ!」
ドラ「ありがとうしずかちゃん。僕は嬉しいよ。のび太くんが君にそこまで想ってもらえる男になったんだって知って、すごく嬉しいんだよ…あれ?おかしいな…目からオイルが漏れてきたみたいだ」
スネ夫「ロボットのくせに、まったくドラえもんは涙脆いなあ」
ドラ「えへへ」
ドラ「のび太くんはだいぶ前から、しずかちゃんの心の変化に気づいていたみたいだったよ」
しずか「え?」
ドラ「自分といると、しずかちゃんはどこか無理してるみたいだって、いつだったか言ってたな。しずかちゃんの幸せを考えたら、自分は身を引いたほうがいいんじゃないかって」
しずか「そんな…嘘よ…」
ドラ「だけど結局のび太くんは君に別れを告げられなかった。君のことが大好きだったから、離れたくなかったんだ」
しずか「ごめんなさい…ごめんなさい…」
ドラ「しずかちゃん、君はまだのび太くんのことが好きなんだね?だから危険を承知で僕に会いに来てくれたんだろう?」
しずか「ええ…好きよ。だから今度こそ、私は逃げないと決めたの。自分で道を切り開き、いつかちゃんとのび太さんに会って、あの時のことを謝ろうと、心に誓ったのよ!」
ドラ「ありがとうしずかちゃん。僕は嬉しいよ。のび太くんが君にそこまで想ってもらえる男になったんだって知って、すごく嬉しいんだよ…あれ?おかしいな…目からオイルが漏れてきたみたいだ」
スネ夫「ロボットのくせに、まったくドラえもんは涙脆いなあ」
ドラ「えへへ」
それから私とスネ夫さんは、事件について知っていることをすべてドラちゃんに話して聞かせた。
しずか「逮捕の一番の決め手となったのは、宅配寿司店のスタッフの証言だったの」
スネ夫「それからのび太の自白だね」
現場は都内の高層マンションの一室。
被害者は武さんの妹、ジャイ子ちゃんで、マンションは彼女が契約しているものだった。
漫画家としての大成功をおさめていたジャイ子ちゃん。
その作品は過激で不謹慎な内容のものが多く、スリルを求める十代の子達を中心に熱狂的な支持を集めていた。
何度もアニメ化、実写化がなされ、ジャイ子ちゃんを神と崇める信者まで現れた。
そんなジャイ子ちゃんの、突然の死。
彼女のファンが、あまりのショックから集団自殺未遂を謀り、この事件は世間からの注目を集めた。
そんな中、容疑者として名前が上がったのがのび太さんだった。
のび太さんはジャイ子ちゃんをキッチンハサミで刺した後、クローゼットから彼女のワンピースを一着盗んで逃走した。
それを目撃していたのがジャイ子ちゃんの注文で寿司を届けに来た宅配スタッフだった。
室内には争った跡と、のび太さんの指紋が残されており、言い逃れは出来なかった。
警察から同行を求められたのび太さんは、その場で罪を告白。
以降、自ら極刑を望む発言を繰り返す。
しずか「逮捕の一番の決め手となったのは、宅配寿司店のスタッフの証言だったの」
スネ夫「それからのび太の自白だね」
現場は都内の高層マンションの一室。
被害者は武さんの妹、ジャイ子ちゃんで、マンションは彼女が契約しているものだった。
漫画家としての大成功をおさめていたジャイ子ちゃん。
その作品は過激で不謹慎な内容のものが多く、スリルを求める十代の子達を中心に熱狂的な支持を集めていた。
何度もアニメ化、実写化がなされ、ジャイ子ちゃんを神と崇める信者まで現れた。
そんなジャイ子ちゃんの、突然の死。
彼女のファンが、あまりのショックから集団自殺未遂を謀り、この事件は世間からの注目を集めた。
そんな中、容疑者として名前が上がったのがのび太さんだった。
のび太さんはジャイ子ちゃんをキッチンハサミで刺した後、クローゼットから彼女のワンピースを一着盗んで逃走した。
それを目撃していたのがジャイ子ちゃんの注文で寿司を届けに来た宅配スタッフだった。
室内には争った跡と、のび太さんの指紋が残されており、言い逃れは出来なかった。
警察から同行を求められたのび太さんは、その場で罪を告白。
以降、自ら極刑を望む発言を繰り返す。
しずか「のび太さんは真犯人を庇っているような気がするの。だって行動がおかしすぎるわ。なぜジャイ子ちゃんのワンピースを盗んだのか」
スネ夫「ハサミについた血を拭き取るためらしいね」
しずか「犯行場所はキッチンよ?血を拭き取ろうと考えたのなら、すぐそばにタオルや布巾があったはずだから、それを使えばいいじゃない。もしくは水道の水で洗い流すとか。わざわざ寝室まで行って、ワンピースを持って来るという行動の意味がわからないわ」
スネ夫「気が動転してたってのび太は言うけど、凶器のハサミを現場に残しておいて、今更血を拭き取るも何もないよな。うん、のび太の発言はおかしい」
しずか「それに現場がキッチンなら、当然包丁があったはずなのに、なぜ凶器にキッチンハサミを選んだのかも怪しいわ」
スネ夫「包丁なら外国製の高級品が一式、シンク横に陳列されていたらしいよ。あ、ちなみにその包丁はジャイアンがプレゼントしたものらしい。キッチンハサミは確か三段目の引き出しだったかな」
しずか「すぐ手が届くところに包丁があったのに、わざわざ引き出しを開けてハサミを取り出した。これも謎ね」
スネ夫「ハサミについた血を拭き取るためらしいね」
しずか「犯行場所はキッチンよ?血を拭き取ろうと考えたのなら、すぐそばにタオルや布巾があったはずだから、それを使えばいいじゃない。もしくは水道の水で洗い流すとか。わざわざ寝室まで行って、ワンピースを持って来るという行動の意味がわからないわ」
スネ夫「気が動転してたってのび太は言うけど、凶器のハサミを現場に残しておいて、今更血を拭き取るも何もないよな。うん、のび太の発言はおかしい」
しずか「それに現場がキッチンなら、当然包丁があったはずなのに、なぜ凶器にキッチンハサミを選んだのかも怪しいわ」
スネ夫「包丁なら外国製の高級品が一式、シンク横に陳列されていたらしいよ。あ、ちなみにその包丁はジャイアンがプレゼントしたものらしい。キッチンハサミは確か三段目の引き出しだったかな」
しずか「すぐ手が届くところに包丁があったのに、わざわざ引き出しを開けてハサミを取り出した。これも謎ね」
声が旧ドラの声で再生される…
やっぱ新ドラの声はシリアスシーンには合わない。
やっぱ新ドラの声はシリアスシーンには合わない。
>>98
俺も
俺も
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