元スレ葉山「もし俺とヒキタニ君が同じ小学校だったら全てが……」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
春
小学校・教室
八幡(ようやく始まったクラス替え……人間最初の掴みが肝心だ。ここは慎重に……)
先生「はーい、次は比企谷くん自己紹介お願い」
八幡「ヒ、ヒキギャヤヒャチマンです!」ガッチガチ
シーン
先生「あ、あのー……比企谷くん?出来れば教卓での方が良かったかな~……」
八幡(し、しまった……小学校生活最後の自己紹介すらも失敗した……終わりだ……)ガクッ
先生「えーと次は……」
ガラッ
葉山「先生、遅れてしまってごめんなさい!」
2 = 1 :
先生「あなたは葉山くんね。保健室の先生から事情は聞いてるわ。廊下で倒れた1年生の子を保健室に連れていってあげたんだよね?」
葉山「はい。それで少し遅れてしまってごめんなさい……」
先生「大丈夫よ。あ、そうだ!次の自己紹介は葉山くんにしましょう!さあ葉山くん、教卓に」
葉山「は、はい……」スタスタ
3 :
何も変わらなさそう
4 = 1 :
葉山「葉山隼人と言います。好きな食べ物はスパゲッティで、得意な事はサッカーです。よろしくお願いします」ペコリ
「あれが噂のイケメンくんかぁ……」ヒソヒソ
「噂通りすごいカッコいいよね……」ヒソヒソ
「しかも低学年の子を助けたんでしょ?すごいよね……」ヒソヒソ
八幡(何と言う完璧な自己紹介……!しかも俺の後だから余計にその凄さが引き立っている……)
「それに比べてヒキ……何とかの自己紹介見たwww」ヒソヒソ
「マジであんなのいるんだwww」ヒソヒソ
「私www無理かもwwwwww」ヒソヒソ
八幡(……なんか今凄く泣きたくなるようなこと言われたような……気のせいだよね……)
5 = 1 :
昼休み
八幡(自己紹介は失敗したけど、きっと友達作りは出来るはず……!まずは教室で適当な男子を見つけて……)キョロキョロ
葉山「みんな校庭でサッカーやらない?」
「おお!やるやる!みんな行こうぜ!」タッタッ
「葉山くんがサッカーやるんだって!見に行こうよ!」キャッキャッ
ガラーン
八幡「」
雪乃「……」ペラ
八幡(あれ、あんな綺麗な子クラスにいたっけ?)スタスタ
八幡「……なぁ、お前はサッカー行かないのか?」
雪乃「……」ペラ
八幡「無視かよ……」
6 = 1 :
雪乃「……あなたこそ行かないの。それともハブられたのかしら」ペラ
八幡「ハブ……?何言ってんだお前?」
雪乃「私はお前という名前ではないわ」
八幡「じゃあ名前教えてくれよ」
雪乃「呆れた……あなた自己紹介さえもまともに覚えられないのかしら?」
八幡(葉山の自己紹介までは俺だって必死に名前覚えようとしてたよ……あの後ちょっと恥ずかしかっただけで…………なんて言えない)
7 = 1 :
八幡「俺は人の名前を呼ばなくても意思疏通が出来るからな!俺、頭はそこそこ良いし!」
パタン
雪乃「……」スタスタ
八幡「おい、どこ行くんだよ?」
雪乃「あなたには関係無いでしょう。それとあなた……」
八幡「……ん?」
雪乃「痛いししつこいしうるさいし何より目障りだわ。もう少し人との接し方を考えなさい」
ピシャ
八幡「」
8 :
俺の支援を受け取れぇえぇえぇ
9 = 3 :
むしろより性格が拗れそうだな
10 = 1 :
放課後
廊下
八幡(クソゥ……自己紹介はダメダメだったし、葉山ってヤツがクラスの空気を支配してるみたいだし、おまけに女子からは酷い悪口言われるし今日は散々だ……ハァ)トボトボ
「きゃーっ!!」
八幡「な、なんだ!?」タッタッタッタッ
結衣「へ、へび……へび」ガクガク
八幡「ゲッ……何でこんなトコに蛇が……ん?へ……び……?」ヒョイ
結衣「ヒッ……」ビクッ
八幡「これ……オモチャだぞ。誰かが隠し持ってたんだな……」ゴミバコポイ
11 :
このときすでに先生が社会人だと思うとより切なくなるな
12 = 1 :
結衣「あ、ありがとう……。えっと……」
八幡「俺は比企谷。大丈夫か?」
結衣「う、うん……クラスの自己紹介の時の人だよね?」
八幡「ア……レ……?同じクラスだっけ……?」
結衣「もしかして……覚えてない?」
八幡「もちろんおぼ……ハッ!」
雪乃『もう少し人との接し方を考えなさい』
八幡「…………ごめんなさい、途中で寝てて聞いてませんでした」
結衣(何で寝てたかは聞かないであげよう……)
13 = 1 :
結衣「私の名前は由比ヶ浜結衣!よろしくね、ヒッキー!」
八幡「ヒッキー?何それ」
結衣「だって呼びにくいし……覚えてないし……。それにあだ名の方が呼びやすいじゃん!」
八幡(俺1分前に自己紹介したばっかじゃん……)
八幡「あれ?そういえば由比ヶ浜は1人なのか?」
結衣「あれ?さっきまで一緒に帰ろうとそこにいたのに……どこ行っちゃったんだろう?」キョトン
八幡「……」
14 = 1 :
八幡「にげ……」
雪乃『人との接し方を考えなさい』
結衣「どうしたの?ヒッキー」
八幡「いや……何でもない。じゃあな」スタスタ
結衣「うん、バイバイ!また明日ね!」
八幡(なんであそこまであの女子の言葉が気になるんだろう……。ハァ……)
16 = 1 :
翌日
教室
先生「……という訳で、この式の答えは6と2分の3になります。次は練習問題を答えてください!えーと……」
八幡(俺に当たるな俺に当たるな……)ナンマイダブナンマイダブ
先生「よし!葉山くんと雪ノ下さんお願い!」
八幡(ほっ……)
葉山「はい!」ガタッ
雪乃「分かりました」ガタッ
八幡(アイツ雪ノ下って名前だったのか……)
17 :
小学生の頃のゆきのんは内気でおとなしそう
絶対海外に行って変わったよね
18 = 1 :
葉山「出来ました」
先生「はい、正解!さすがね葉山くん!」
「やっぱり葉山くんチョーカッコいいよね~」
「しかも頭も良いとか!」
八幡(問題一問解いただけでキャーキャー言われんのかよ……。というか先生、少し葉山ひいきしてんじゃないだろうな……。俺はヒッキーだが……なんつってww)
雪乃「出来ました」
先生「うん、正解!やっぱり陽乃ちゃんの妹さんは違うわね~」
雪乃「……いえ、それほどでも」スタスタ
「何アレ、感じワル……」ボソ
「たった一問解いただけで偉そうに……何様?」ボソ
「何でもお姉さんがこの学校でスゴい人だったらしいよ……」ボソ
「何ソレ?お姉さんがスゴいだけじゃん……」ボソ
八幡「……」
19 :
むしろ勝ち気過ぎて環境変えられたのだと思ってた。あれでもマイルドになった方で
20 = 1 :
昼休み
八幡(女子達のあの感じ……葉山とは違ってたな。二人とも完璧な答えだったのに、どうしてあそこまで反応が違うんだろ……)
葉山「君も一緒に遊ばない?サッカーやろうよ!」
八幡「……え、俺?」
葉山「うん!そこにいる君。えーと……ヒ……ヒキ……ヒキタニ君?」
八幡「俺は比企……」
「葉山くーん!私たちと一緒に遊ぶんじゃないのー?」
「俺達先に行ってるからな!」タッタッタッタッ
葉山「あ、うん!先に行っててくれ!ヒキタニ君、俺達グラウンドにいるからいつでも来てくれ!」
21 = 17 :
ジャンケンでどちらのチームが俺をひきとるのかってやつが嫌だったな…
22 = 1 :
雪乃「……」ペラ
葉山「雪ノ下さんも一緒に遊ばないかい?」
雪乃「……私、体力無いから。それに……」
葉山「大丈夫だよ。みんな雪ノ下さんの事をまだよく知らないだけだから。みんなによく知られればきっと雪ノ下さんもヒキタニ君も仲良くなれるよ!」
雪乃「……ハァ、少ししたら行くわ」パタン
八幡(俺の名前間違ったままな時点で知る気があるのかわかんねぇよ……)
23 = 1 :
グラウンド
八幡「……で、なんでいつの間にかサッカーからドッジボールになってんの?」
葉山「いや、誰かがサッカーボールでやり始めちゃったみたいで……。そのままじゃ危ないから柔らかいボール探してきたらこうなっちゃって……」
八幡「……まあ、みんなでやるには向いてるか」
ヒュン
葉山「おっと!」
八幡「……」スカッ
葉山「よく当たらないね君……」
八幡「何もしなければ数が少なくならねぇ限り俺に当てにいくヤツなんていねぇよ」
結衣「きゃあっ!」カクレ
八幡「……え?」
ドコッ
24 = 1 :
「ヒキタニーアウトー」
葉山「当たらないんじゃ……」
八幡「おい、由比ヶ浜……なんで俺の後ろに隠れたんだよ……」
結衣「だって怖かったし、なんか壁に使えって感じだったし……」
八幡(どんな感じだよ……っと、他の女子からの視線がいてぇ……)トボトボ
ヒュン
雪乃「……!」
葉山「危ないッ!!」
ドコッ
25 = 1 :
結衣「うわ!」キャッチ
葉山「ありがとう!由比ヶ浜さん」ニコッ
結衣「え、あ……うん。えーと……えいっ!」ヒョロヒョロ
「ちょれえっ!!よっ!」ヒュン
雪乃「きゃっ!」ドコッ
結衣「うわっ!」ドコッ
「雪ノ下ー、由比ヶ浜ーアウトー」
結衣「イテテ……」トボトボ
雪乃「……」トボトボ
八幡(え、この3人だけとか外野が凄く不安なんですけど……)
27 :
小学校時代のこいつらってこんな性格じゃねーだろ
28 = 19 :
シーッ
パラレルワールドと考えれば……
29 = 19 :
ほ
31 = 1 :
内野同士での壮絶なラリー中
八幡「……」
結衣「……」
雪乃「……」
八幡(く、苦しい……。何か空気がこう……重い)
結衣「ゆ、雪ノ下さん!」
雪乃「何かしら?」
八幡(由比ヶ浜ナイス!)
結衣「ゆ、雪ノ下さんってどうしてそんなに頭いいの?」
32 = 1 :
雪乃「別に……普通にやれば出来るでしょう」ツン
結衣「そ、そうなんだ……アハハ……」
雪乃「……」
結衣「……」
八幡(会話が1分も持たなかったとかどんだけ……)
結衣「ヒ、ヒッキーはどうなの?」
八幡「ん……別に教科書見て黒板見てノート写してしかやってないからな」
33 = 1 :
結衣「え、いつも寝てるんじゃないの?」
八幡「俺ちょっとショックだぞ……。国語の時間に早速をはやいはやいなんて読み方したヤツから勉強してないって思われてたなんて……」
結衣「なっ……!それは今関係ないじゃん!」プンプン
雪乃「あなた達楽しそうね」
結衣「え……?」
雪乃「その嘘に満ちた友情ごっこが」
34 = 1 :
結衣「雪ノ下さん……それって……」
(チャイムの音)
雪乃「……」スタスタ
「結衣ーっ!一緒にクラスに戻ろうよ!」
結衣「え、あ……うん。またねヒッキー……」タッタッ
「結衣ー?その冴えない男子に絡まれてたのー?」
結衣「えっ……!ちが……」
「え?何?何かあんの?」ギロ
結衣「ゴメン……何でもない……」
「そっか。結衣は私たちに何も言わずついてきた方が絶対いいから。ねっ!」
結衣「う、うん……」
八幡(嘘に満ちた友情ごっこ……か……)スタスタ
35 :
私怨
36 = 1 :
放課後
八幡(何もする事無いし帰るか……。帰ったら野球でもやろうかな。……流石にキャッチャーフライばかりで飽きてきた……ん?)
雪乃「……」スタスタ
八幡「雪ノ下、ちょっと待ってくれ」
雪乃「何かしら」
八幡「雪ノ下も友達出来ないのか?何か友達ってのに恨みでもあるのか?」
雪乃「あなたは何を言ってるのかしら?あなたにそんな事話す理由も無いし、大体あなたと同類にしないでくれるかしら?ヒキガエルくん」
八幡「なっ……!」グサ
雪乃「……」スタスタ
八幡「俺の名前は……比企谷だぁぁぁっ!!チクショウ……」ガクッ
37 = 1 :
葉山「大丈夫?ヒキタニ君」
八幡「……いたのかよ」ジロッ
葉山「う、うん。雪ノ下さんは大体いつもこんな感じだからあまり気にしなくてもいいよ」
八幡「お前、雪ノ下と知り合いなのか?」
葉山「知り合いと言えば知り合いかもね。親の仕事の関係で何度か合う機会が多いんだ」
八幡「その割にはあんまり仲いいところ見たことないな……」
葉山「そうかな?雪ノ下さんと少しは仲良くなれてたと思ったんだけど……。雪ノ下さん素直な性格だし……」
八幡「えっ……素直ってあんなキツい感じなの?もう少し柔らかいモンだと思ってたんだけど……」
39 = 1 :
葉山「ハハハ……まあ確かに多くの人が思うような素直ってイメージとはちょっと違うかもしれないね。でも雪ノ下さんは素直だし優しいと思うんだよ」
八幡「そんなモンなのかねぇ……」
葉山「ところでヒキタニ君、良かったら一緒に帰らないか?」
八幡「なんで俺となんだよ?」
葉山「君ともう少し話したくなったんだ。それとも一緒に帰るのは嫌かい?」
八幡「まぁ……たまにはこんなのも悪くねぇかもな……」
葉山「ありがとう、ヒキタニ君」
八幡(いつになったら名前修正してくれるんですかねぇ……)
40 = 1 :
帰り道
葉山「そう言えばヒキタニ君ってなんでいつも一人なんだ?」
八幡「別に一人になりたくてなってんじゃねぇよ……。今まで、ずっと友達作ろうと頑張ったのに一人も出来なかっただけだよ」
葉山「うーん……なら、俺と友達にならないか?いっぱい遊べるし、楽しいこともきっと多くなると思うよ!」
八幡「友達か……。まぁ、考えておく……」
葉山「君はあんまり素直じゃないんだね」ニコッ
八幡「ほっとけ……」プイ
41 = 1 :
翌日
廊下
結衣「ハァ……」ポツン
八幡「……」スタスタ
結衣「あっ!ヒッキーやっはろー!」
八幡「よう、由比ヶ浜。……で、何それ?お前ってもしかして本物のバカなの?朝のあいさつはおはようございますだろ」
結衣「あ、ゴメン……。これ結構いいと思ったんだけどなぁ……。ってヒッキーもちゃんとおはようって言ってないじゃん!!」
八幡「バレたか……」
42 :
これは良い
しえん
43 = 1 :
八幡「……で、お前何してんの?そんなところで一人で」
結衣「ちょっと休んでるの……少し疲れちゃったから」
八幡「疲れる?何に。自分のバカっぽさ?」
結衣「信じらんない!もうちょっと優しく言ってよ!」プンプン
八幡「優しくならいいのかよ……」
結衣「……あのさ、ヒッキーはさ、言いたいこと言えるタイプ?」
八幡「よくわかんね。言える時もあるし、言えない時もあるし」
44 = 1 :
結衣「そっか……。私はね、言いたいことあんまり言えないんだ。いつも誰かに合わせて動いてばかりで……言いたいことも友達に言えないし……」
八幡「それ本当に友達なのかよ……」ボソ
結衣「……え、何て言ったのヒッキー?ねぇ教えてよ」ズイッ
八幡「何でもねぇから、本当に何でもねぇから。だから近づくな、暑苦しいから……」カァァ
結衣「ねぇ、教えてよヒッキー!」グイグイ
八幡「お前自分のやりたいことできないタイプじゃねぇのかよ!」アトズサリ
結衣「あれ?そう言われたら……なんでヒッキーにはやりたいことできたんだろ?」ピタッ
八幡(あ、危なかった……)ハァハァ
46 = 1 :
結衣「って、ごまかさないでよ!ヒッキー今何て言ったの!!」グイグイ
八幡「まだやるのかよ!」アトズサリ
ドン
八幡(か、壁……!)
結衣「ヒッキー!」ジリッジリッ
八幡「~~~~ッ!ごめんなさい、勘弁してください!何でもしますから!」
結衣「最初からそう言えばいいじゃん!」ピタッ
八幡(まさか、こんな事になるとは思わなかったんだよ……)ドキドキ
結衣「ヒッキ~、はやく言ってよ~」ピタッ
八幡「うわっ!!お前やっぱワザとやってるだろ!!」カァァ
47 = 1 :
結衣「あ、バレちゃった?てへ♪」ペロ
八幡「そういうのは好きなヤツとしろよ……」
結衣「好きな人かぁ……ハッ……!」ボン!
結衣「うわわわわわっ!!ヒッキーなんてこと考えてるの!?エッチ!変態!スケベ!」カァァ
八幡(俺……なんで朝からこんな踏んだり蹴ったりなこと言われてんだろ……)
48 = 1 :
結衣「そ、そーだ!はやくなんて言ったか教えてよ!」
八幡「いいのか……本当に……」
結衣「……うん」
八幡「……俺がお前と出会った時、友達と一緒に帰ってよな?」
結衣「うん、その後蛇が出てきたから先生探しに行っちゃったけど……」
八幡「それ、どこから聞いたの?」
結衣「え、どこって友達からだけど……」キョトン
49 = 1 :
八幡「お前それおかしいと思わなかったの?」
結衣「おかしいって何が……」
八幡「もし本当にお前を助けようとしてたんなら先生探しに行く前になんでお前を連れていかなかったんだよ」
結衣「あ……」
八幡「それに先生なんてわざわざ探さなくても職員室に行けばすぐに見つかるし、運が良ければ職員室に行く途中でも先生見つかるだろ。蛇が出たのにアレから何も先生に言われてないのもおかしいだろ」
結衣「それって……」
八幡「友達である由比ヶ浜をその友達は見捨てたんだよ」
結衣「……」
50 :
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