私的良スレ書庫
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元スレ塞「今年のインハイは麻雀じゃないらしい」胡桃「へ?」
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えり「さぁ、大一番。勝敗を大きく左右する事は間違い無い、ペナルティキックです」
えり「姫松のキッカーは主将。愛宕洋榎」
えり「宮守のキーパーは部長。臼沢塞です」
えり「共に部を率いる者同士。勝利の女神はどちらに微笑むのか…!」
咏「有利なのは間違い無く姫松だろうね」
咏「単純にPKはキッカー有利っていうのもあるけど、精神的な部分が大きいよ」
えり「たしかに姫松はここで外しても、同点のまま残り3分を5対4のまま戦えますからね」
えり「サドンデスに入ってもキーパーは愛宕絹恵選手ですし、優勢は動かないでしょう」
咏「対して、宮守はこれを決められたら完全に終わり」
咏「ただでさえ風前の灯の命が…掻き消える」
えり「キーパーの臼沢選手は今、物凄いプレッシャーと戦っているでしょうね」ゴクリ
えり「姫松のキッカーは主将。愛宕洋榎」
えり「宮守のキーパーは部長。臼沢塞です」
えり「共に部を率いる者同士。勝利の女神はどちらに微笑むのか…!」
咏「有利なのは間違い無く姫松だろうね」
咏「単純にPKはキッカー有利っていうのもあるけど、精神的な部分が大きいよ」
えり「たしかに姫松はここで外しても、同点のまま残り3分を5対4のまま戦えますからね」
えり「サドンデスに入ってもキーパーは愛宕絹恵選手ですし、優勢は動かないでしょう」
咏「対して、宮守はこれを決められたら完全に終わり」
咏「ただでさえ風前の灯の命が…掻き消える」
えり「キーパーの臼沢選手は今、物凄いプレッシャーと戦っているでしょうね」ゴクリ
咏(…たしかに、プレッシャーは凄く感じてるだろう)
咏(気丈な顔を作ってるけど、よく見たら手足は小刻みに震えてるし、呼吸も荒い)
咏(けど…プレッシャーを感じてるって事は、まだ勝ちを諦めて無いという事)
咏(4人になったのに。小瀬川ちゃんを失ったのに…それでもなお、全員目が死んで無い。)
咏(…これは、前言撤回しないといけないかもしれないねぃ)
咏「―――得てしてこういう時に、奇跡は起こるものさ」ボソッ
えり「?三尋木プロ、何かおっしゃいました?」
咏「何でもないよん。さっ勝負の行方を見届けよっか!」
咏(気丈な顔を作ってるけど、よく見たら手足は小刻みに震えてるし、呼吸も荒い)
咏(けど…プレッシャーを感じてるって事は、まだ勝ちを諦めて無いという事)
咏(4人になったのに。小瀬川ちゃんを失ったのに…それでもなお、全員目が死んで無い。)
咏(…これは、前言撤回しないといけないかもしれないねぃ)
咏「―――得てしてこういう時に、奇跡は起こるものさ」ボソッ
えり「?三尋木プロ、何かおっしゃいました?」
咏「何でもないよん。さっ勝負の行方を見届けよっか!」
洋榎「……………」
塞「……………」
数メートルの間を置いて、二人が向かい合う。
ほんの数分前にも同じ様な構図があったが、二人の集中力と気迫はあの時とは段違いのものだった
末原(…あんな恐い顔の洋榎、初めて見たわ)ゾクッ
由子(この異様な空気は何…?洋榎が読み合いで負ける訳無いのは分かってるけど)
由子(どうにも居心地の悪い雰囲気なのよー)
絹(…ウチは何も心配してへんで、おねーちゃん)
絹(おねーちゃんは最強。最強のおねーちゃんが勝つのは当たり前の事や。負い目なんて感じる必要無い)
絹(ブチ抜いたり!!)
塞「……………」
数メートルの間を置いて、二人が向かい合う。
ほんの数分前にも同じ様な構図があったが、二人の集中力と気迫はあの時とは段違いのものだった
末原(…あんな恐い顔の洋榎、初めて見たわ)ゾクッ
由子(この異様な空気は何…?洋榎が読み合いで負ける訳無いのは分かってるけど)
由子(どうにも居心地の悪い雰囲気なのよー)
絹(…ウチは何も心配してへんで、おねーちゃん)
絹(おねーちゃんは最強。最強のおねーちゃんが勝つのは当たり前の事や。負い目なんて感じる必要無い)
絹(ブチ抜いたり!!)
エイス「………っ!」ググッ! じっ!
胡桃「………っ!」ミシミシ じっ!
姉帯(外せ外せ外せ~~~!)ムムム…
ピッ!!!
呼吸するのも憚られる程に張り詰めた空気の中、審判の笛が鳴り響く。
洋榎「…………」タッ
胡桃(!早っ…)
そして少しの間を置くことも無く、愛宕洋榎が動き出し
ドカアアアアッ!!!!!
渾身の力を込めたボールが、塞の守る宮守のゴールを襲った。
胡桃「………っ!」ミシミシ じっ!
姉帯(外せ外せ外せ~~~!)ムムム…
ピッ!!!
呼吸するのも憚られる程に張り詰めた空気の中、審判の笛が鳴り響く。
洋榎「…………」タッ
胡桃(!早っ…)
そして少しの間を置くことも無く、愛宕洋榎が動き出し
ドカアアアアッ!!!!!
渾身の力を込めたボールが、塞の守る宮守のゴールを襲った。
笛の直後に動いた洋榎の行動を、何となくそうするだろうと予想していた塞は
動揺する事なく観察する事が出来、洋榎の爪先にボールが触れた瞬間に移動を開始した。
動いた方向は、右。
洋榎が動き出す前は、左に動こうと思っていた。
何故ならここまでの試合で、洋榎はシュートの7割を左側に撃っており
精度、威力共に左の方がやや高いと感じていた。
得意コースだと自覚しているのかどうかまでは分からないが、確率で言えば左の方が高いだろう。
塞(だけど、動き出した瞬間。何故か右が凄く気になった)
そんな何の根拠も無い直感に身を任せるなんて馬鹿げてる。後で後悔するだけだ
そう思って振り払おうとした時、ふと白望の視線を感じた気がした。そしたら――
塞(決めた。変だけど―――これで!!)バッ!!
動揺する事なく観察する事が出来、洋榎の爪先にボールが触れた瞬間に移動を開始した。
動いた方向は、右。
洋榎が動き出す前は、左に動こうと思っていた。
何故ならここまでの試合で、洋榎はシュートの7割を左側に撃っており
精度、威力共に左の方がやや高いと感じていた。
得意コースだと自覚しているのかどうかまでは分からないが、確率で言えば左の方が高いだろう。
塞(だけど、動き出した瞬間。何故か右が凄く気になった)
そんな何の根拠も無い直感に身を任せるなんて馬鹿げてる。後で後悔するだけだ
そう思って振り払おうとした時、ふと白望の視線を感じた気がした。そしたら――
塞(決めた。変だけど―――これで!!)バッ!!
シロ(…何をやってるんだ、私は)
シロ(エイスリンが傷付くのを防がないとと思って動いたのに)
シロ(結局自ら、より大きな傷が付く様な真似をしてしまった…)
膨大な罪悪感と自責に苛まれ、白望は顔を上げる事が出来なかった。
皆に合わせる顔が無かったし、自分の退場の所為で傷付いた仲間の顔を見るのは、白望にとって余りにも辛過ぎた。
見なくちゃいけない。
せめて、PKだけは。
自分の所為で、塞は想像も出来ないプレッシャーを受ける場に出る羽目になっている。
見たから何が変わる訳でも無いが、見届けるのが義務だと白望は思う。
思う、が。顔は上がらない。見る勇気がどうしても湧いて来なかった。
ピッ!!!
そうしている間にPKの時は来て、開始を告げる笛の音が鳴り響く。
シロ(………駄目だ、怖い。ゴメン、塞…。!?)
グイッ!!
シロ(エイスリンが傷付くのを防がないとと思って動いたのに)
シロ(結局自ら、より大きな傷が付く様な真似をしてしまった…)
膨大な罪悪感と自責に苛まれ、白望は顔を上げる事が出来なかった。
皆に合わせる顔が無かったし、自分の退場の所為で傷付いた仲間の顔を見るのは、白望にとって余りにも辛過ぎた。
見なくちゃいけない。
せめて、PKだけは。
自分の所為で、塞は想像も出来ないプレッシャーを受ける場に出る羽目になっている。
見たから何が変わる訳でも無いが、見届けるのが義務だと白望は思う。
思う、が。顔は上がらない。見る勇気がどうしても湧いて来なかった。
ピッ!!!
そうしている間にPKの時は来て、開始を告げる笛の音が鳴り響く。
シロ(………駄目だ、怖い。ゴメン、塞…。!?)
グイッ!!
その瞬間、何者かに急に頭を持ちあげられ
シロの視界は今にもボールを蹴ろうとしている洋榎を捉えた。
シロ(右だ)
根拠は何も無い。ただ、直感でそう思った。
そのまま目は自然と、塞の方の動いて行く。
シロ(塞!)
何故か塞が、笑った気がした。
シロの視界は今にもボールを蹴ろうとしている洋榎を捉えた。
シロ(右だ)
根拠は何も無い。ただ、直感でそう思った。
そのまま目は自然と、塞の方の動いて行く。
シロ(塞!)
何故か塞が、笑った気がした。
ズバアアアアンッ!!!!!
えり「決まったーーーー!!!愛宕洋榎選手の渾身の一撃が左下隅に突き刺さりました!」
えり「これで2対1!姫松高校逆転ですっ!!」
えり「決めた愛宕洋榎選手!まだエリアに立ったままゴールを眺めています。喜びを噛み締めているのでしょうか!」
咏(…違うだろうねぃ。あの悔しそうな表情は…)
漫「やりましたね主将っ!!」タタタッ!
由子「流石なのよー!」タタタッ!
洋榎「……………」
末原「…主将?」
洋榎「…ん。あ、あぁ」
洋榎「よっしゃこれで逆転や。でも浮かれたらアカン、最後まで気ぃ引き締めて戦うで」タッタッタ
漫「…どうしたんでしょう?主将」
由子「絶対『せやろー流石やろー!』って言って騒ぎ回ると思ったのに。らしくないのよー」
絹「…………」
由子「流石なのよー!」タタタッ!
洋榎「……………」
末原「…主将?」
洋榎「…ん。あ、あぁ」
洋榎「よっしゃこれで逆転や。でも浮かれたらアカン、最後まで気ぃ引き締めて戦うで」タッタッタ
漫「…どうしたんでしょう?主将」
由子「絶対『せやろー流石やろー!』って言って騒ぎ回ると思ったのに。らしくないのよー」
絹「…………」
洋榎(…さっきのPK。ウチは本当は『右』に蹴るつもりやった)
洋榎(ここまでの試合で見たあのキーパーの性格を考えると、絶対に左へ跳んでくるっちゅー自信があった)
洋榎(が、実際は……)
洋榎『(駆け引きの間を取らんっちゅー駆け引きを決めて)』
洋榎『(後は最高のシュートを右隅に…!?)』ビリッ
洋榎『(急に足が痺れ…!くそっ!!』
ドカアアアアアアッ!!!
洋榎(痺れた状態から打ち易いコースに打って、それが結果的に功を奏した)
洋榎(あのタイミング…もし右に撃っていれば止められてたやろ)
洋榎(このウチが読み合いで負けるやなんて…!しかも、痺れたんは小瀬川のスライディングの所為やから)
洋榎(敵のお陰で決めれたって事になる…。なんやねんこの悔しい勝ちは…!!!)ワナワナ
洋榎(ここまでの試合で見たあのキーパーの性格を考えると、絶対に左へ跳んでくるっちゅー自信があった)
洋榎(が、実際は……)
洋榎『(駆け引きの間を取らんっちゅー駆け引きを決めて)』
洋榎『(後は最高のシュートを右隅に…!?)』ビリッ
洋榎『(急に足が痺れ…!くそっ!!』
ドカアアアアアアッ!!!
洋榎(痺れた状態から打ち易いコースに打って、それが結果的に功を奏した)
洋榎(あのタイミング…もし右に撃っていれば止められてたやろ)
洋榎(このウチが読み合いで負けるやなんて…!しかも、痺れたんは小瀬川のスライディングの所為やから)
洋榎(敵のお陰で決めれたって事になる…。なんやねんこの悔しい勝ちは…!!!)ワナワナ
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