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    元スレ僕「え、僕に義妹?」

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    102 = 85 :

    「じゃあ…これ!」

    「え、ヘアピン?」

    彼女が持ってきたのは、何とも可愛らしいヘアピンだった。
    小さくアサガオの意匠が付いた、幼さを感じるデザインのもの。

    (結構安いけど、こんなもので良いんだろうか)

    「ねぇ、わたしに付けて見せて?」

    「あ、付け方がよく解らない……」

    「もう、しょーがないな。お兄ちゃんは」

    そう言うと、彼女は自分でヘアピンを付けてみせた。
    前髪を右から左へ流して分けた、少しおでこが見えるような髪型。

    「また、帰ってきてね……?」

    「うん」

    「じゃ……」

    「バイバイ」

    103 = 75 :

    帰ってきてた

    104 = 85 :

    新幹線

    (結局僕は、少女に彼女の生い立ちを訊く事は出来なかった)

    「ヘタレだな……」

    (結局、残る手掛かりは親父だけになった)

    (次に親父とじっくり話し合える機会はいつになるんだろうな)

    「結局、彼女は……」

    「……Zzz…」

    105 = 85 :

    数年後・僕の部屋

    「あー、俺はとてもとても寂しい」

    「……」

    「俺の友達連中は皆就職しちまって、院に進むのは俺一人。この先どうすりゃ良いんだい?」

    「友、ちょっとうるさいよ」

    106 :

    なんだ、夢オチじゃないのか

    107 = 85 :

    「ああ、お前だけは俺の仲間だと思っていたのに!」

    「大体君は、卒業コンパで僕のお酒まで飲み干してゲロまでしてたじゃないか。もう十分でしょ」

    「お別れのキスくらいしてくれよ」

    「嫌だよ、気持ち悪い」

    「そう邪険にしないで」

    108 = 85 :

    「だったら僕の引越しの準備、手伝ってくれないかな!?」

    「それは疲れるからヤダ」

    「ホント邪魔くさいなぁ」

    「お兄ちゃん、その人をそんなに苛めると可哀想でしょっ」

    「いやこいつホモだからこれくらい言わないと尻を触ってく……ん?」

    「誰だよ、この可愛い娘」

    「さぁ問題です。わたしは誰でしょうっ?」

    110 = 85 :

    「少女…ちゃん…?」

    「せいかーい! 久しぶり、お兄ちゃんっ!」ダキッ

    (だ、抱きつかれた!)
    「お、大きくなったね。背……」

    「うん、今150センチ!」

    「なんだよお前、浮気かよ」

    「え、お兄ちゃん浮気してたの……?」

    「いや、浮気もクソも誰とも付き合った事ないから」

    111 :

    まだ続いてたのか

    112 = 85 :

    「なんか俺、空気みたいだから退散するわ」

    ガチャ…バタンッ

    「で、何してるの?」

    「あぁ、引越しの準備だよ。就職したからこの寮を出なくちゃいけないの」

    「やけにダンボール多いね?」

    「うん、結構重いから、気をつけてね」

    113 = 85 :

    「で、今日は何の用事で来たのさ?」

    「えーっと……お兄ちゃんに会いたくなって……」

    (これは何か隠してるな)

    「わたしは身長伸びたけど、お兄ちゃんは変わらないね」

    「え、まぁ成長期も終わったしね」
    (君はカラダはデカくなったけど、胸は成長してないじゃんか)

    114 = 85 :

    「引越し、手伝ったげるよ!」

    「そう? じゃあの本棚の本をダンボールに詰めてくれないかな」

    「うん、わかったっ!」

    (なかなか手際が良いな)

    「よいしょっと……」セッセッ

    (あ、パンツ見えた)

    115 = 85 :

    ワンボックスカーの中

    「あ、お兄ちゃん車持ってたの?」

    「いや、これは友人から借りたものだよ。これで引越し先にダンボールを持ってく」

    「引越し屋さんは使わないの?」

    「ここの寮の家具や家電は僕の物じゃないからね。それに僕の私物もあんまりないし、業者を雇うより自分で運んだほうが安い」

    「ふーん」

    116 = 85 :

    僕たちを乗せた車は公道を走っていく

    「会社には寮はないの?」

    「一応あるんだけどね。狭いから自分でアパート借りる事にした。ちょっと広い家だよ」

    「ふーん……」

    「?」

    「その話なんだけどさ、わたし、お兄ちゃんと一緒に住んで良い?」

    「……え?」

    117 = 85 :

    「いやいや、君、学校あるんじゃないの?」

    「うん、東京の高校に受かったし、お兄ちゃんのアパートから通えるだろうってパパも言ってた」

    「じゃあ少女ちゃんは、僕がアパートに入居した事は知ってたけど、その場所は知らなかったってこと?」

    「うん」

    (つまりこれも親父の差金か……)
    (まるで数年前、彼女と初めて会った時みたいだな)
    (考える事が多い……)

    118 :

    結局大人に振り回されっぱなしだな

    119 = 85 :

    夕方・アパート

    「じゃあわたし、晩ご飯作ってくるね!」

    (今のうちに親父に電話しとくか)

    Prrrrrr Prrrrrr

    『おう、お前か、どうした?』

    「父さん。今日少女が来たんだけど、僕の家から通学するって?」

    『ああ、その話か。前もって話しておかなくて悪いな』

    「いや、その話もなんだけど……数年前から訊きたい事はいっぱいあった」

    『……』

    120 :

    もにょもにょするな

    121 = 85 :

    (…っと、ここからの話は家でしない方が良いな。一旦外に出るか)

    「……」

    …バタンッ

    「今日が良い機会だから訊くけどさ」

    『あの子は何者か?って話か』

    「そう」

    『お前があの日、役所に行って確認してきた事は知っている。だが今はきちんと我が家の養子になっているはずだ』

    122 = 120 :

    役所に確認したのって親にバレたりするのか

    123 :

    いもちゅしえん

    124 = 85 :

    「……そもそも少女は誰の子だよ?」

    『……』

    「じゃ次の質問。養父になるには配偶者が要るって話だけど、父さんの再婚相手は誰?」

    『……そんなこと聞いてどうする?』

    「僕の義母に当たる人が何者なのかを訊いたら駄目なの?」

    『……』

    「実は僕、あの子が父さんの隠し子じゃないかとか、あの子自身が父さんの愛人だとか、考えてる」

    『それは違う』

    126 = 118 :

    あの子自身が父さんの愛人とかやべーよ

    127 :

    ま実際何も言われなきゃ疑うだろな

    128 = 85 :

    「3つ目の質問。どうして父さんはそんなに、僕と少女を仲良くさせようとしてるんだよ?」

    『……』

    『少女が我が家の養子にならなければ、あの子は学校に通う事も出来なかった』

    「……」

    『ま、仲良くやってくれ』

    「え? あ、ちょっとっ!」

    電話『ツーッ、ツーッ、ツーッ』

    「……」
    (結局、ろくに教えてくれなかった)

    129 = 85 :

    …バタン

    「ただいまー……ってあれ?」

    「……」

    (どうしたんだろ?)

    「…お兄ちゃんは、わたしの事、キライ?」

    (まさか今の話を聴かれたか?)

    130 = 85 :

    (そりゃ愛人が云々話してれば傷付くわな……)

    「……」

    「……そんな事ない、好きだよ」

    「……ホント…?」

    「本当だって。こんなに可愛い妹がいるんだもん、嬉しくない訳ないよ」

    (我ながらなんて臭いセリフだ……)

    「……♪」ニマー

    「でも妹かぁ……」

    「……」

    132 = 85 :

    「さっ、早くご飯食べよっ? 今日は唐揚げだよ!」

    「うん。美味しそうな匂い」

    『でも妹かぁ……』

    (まさか…な……)

    (そういや、血縁がなければ義妹と結婚できたっけ)

    「……」

    彼女の作った晩ご飯は美味しかった。

    133 = 85 :

    ご飯食べに行ってきます

    一、二時間以内に帰ってきますので、よろしくお願いします


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