元スレ僕「え、僕に義妹?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
102 = 85 :
少女「じゃあ…これ!」
僕「え、ヘアピン?」
彼女が持ってきたのは、何とも可愛らしいヘアピンだった。
小さくアサガオの意匠が付いた、幼さを感じるデザインのもの。
僕(結構安いけど、こんなもので良いんだろうか)
少女「ねぇ、わたしに付けて見せて?」
僕「あ、付け方がよく解らない……」
少女「もう、しょーがないな。お兄ちゃんは」
そう言うと、彼女は自分でヘアピンを付けてみせた。
前髪を右から左へ流して分けた、少しおでこが見えるような髪型。
少女「また、帰ってきてね……?」
僕「うん」
少女「じゃ……」
僕「バイバイ」
103 = 75 :
帰ってきてた
104 = 85 :
新幹線
僕(結局僕は、少女に彼女の生い立ちを訊く事は出来なかった)
僕「ヘタレだな……」
僕(結局、残る手掛かりは親父だけになった)
僕(次に親父とじっくり話し合える機会はいつになるんだろうな)
僕「結局、彼女は……」
僕「……Zzz…」
105 = 85 :
数年後・僕の部屋
友「あー、俺はとてもとても寂しい」
僕「……」
友「俺の友達連中は皆就職しちまって、院に進むのは俺一人。この先どうすりゃ良いんだい?」
僕「友、ちょっとうるさいよ」
106 :
なんだ、夢オチじゃないのか
107 = 85 :
友「ああ、お前だけは俺の仲間だと思っていたのに!」
僕「大体君は、卒業コンパで僕のお酒まで飲み干してゲロまでしてたじゃないか。もう十分でしょ」
友「お別れのキスくらいしてくれよ」
僕「嫌だよ、気持ち悪い」
友「そう邪険にしないで」
108 = 85 :
僕「だったら僕の引越しの準備、手伝ってくれないかな!?」
友「それは疲れるからヤダ」
僕「ホント邪魔くさいなぁ」
?「お兄ちゃん、その人をそんなに苛めると可哀想でしょっ」
僕「いやこいつホモだからこれくらい言わないと尻を触ってく……ん?」
友「誰だよ、この可愛い娘」
?「さぁ問題です。わたしは誰でしょうっ?」
110 = 85 :
僕「少女…ちゃん…?」
少女「せいかーい! 久しぶり、お兄ちゃんっ!」ダキッ
僕(だ、抱きつかれた!)
僕「お、大きくなったね。背……」
少女「うん、今150センチ!」
友「なんだよお前、浮気かよ」
少女「え、お兄ちゃん浮気してたの……?」
僕「いや、浮気もクソも誰とも付き合った事ないから」
111 :
まだ続いてたのか
112 = 85 :
友「なんか俺、空気みたいだから退散するわ」
ガチャ…バタンッ
少女「で、何してるの?」
僕「あぁ、引越しの準備だよ。就職したからこの寮を出なくちゃいけないの」
少女「やけにダンボール多いね?」
僕「うん、結構重いから、気をつけてね」
113 = 85 :
僕「で、今日は何の用事で来たのさ?」
少女「えーっと……お兄ちゃんに会いたくなって……」
僕(これは何か隠してるな)
少女「わたしは身長伸びたけど、お兄ちゃんは変わらないね」
僕「え、まぁ成長期も終わったしね」
僕(君はカラダはデカくなったけど、胸は成長してないじゃんか)
114 = 85 :
少女「引越し、手伝ったげるよ!」
僕「そう? じゃあの本棚の本をダンボールに詰めてくれないかな」
少女「うん、わかったっ!」
僕(なかなか手際が良いな)
少女「よいしょっと……」セッセッ
僕(あ、パンツ見えた)
115 = 85 :
ワンボックスカーの中
少女「あ、お兄ちゃん車持ってたの?」
僕「いや、これは友人から借りたものだよ。これで引越し先にダンボールを持ってく」
少女「引越し屋さんは使わないの?」
僕「ここの寮の家具や家電は僕の物じゃないからね。それに僕の私物もあんまりないし、業者を雇うより自分で運んだほうが安い」
少女「ふーん」
116 = 85 :
僕たちを乗せた車は公道を走っていく
少女「会社には寮はないの?」
僕「一応あるんだけどね。狭いから自分でアパート借りる事にした。ちょっと広い家だよ」
少女「ふーん……」
僕「?」
少女「その話なんだけどさ、わたし、お兄ちゃんと一緒に住んで良い?」
僕「……え?」
117 = 85 :
僕「いやいや、君、学校あるんじゃないの?」
少女「うん、東京の高校に受かったし、お兄ちゃんのアパートから通えるだろうってパパも言ってた」
僕「じゃあ少女ちゃんは、僕がアパートに入居した事は知ってたけど、その場所は知らなかったってこと?」
少女「うん」
僕(つまりこれも親父の差金か……)
僕(まるで数年前、彼女と初めて会った時みたいだな)
僕(考える事が多い……)
118 :
結局大人に振り回されっぱなしだな
119 = 85 :
夕方・アパート
少女「じゃあわたし、晩ご飯作ってくるね!」
僕(今のうちに親父に電話しとくか)
Prrrrrr Prrrrrr
父『おう、お前か、どうした?』
僕「父さん。今日少女が来たんだけど、僕の家から通学するって?」
父『ああ、その話か。前もって話しておかなくて悪いな』
僕「いや、その話もなんだけど……数年前から訊きたい事はいっぱいあった」
父『……』
120 :
もにょもにょするな
121 = 85 :
僕(…っと、ここからの話は家でしない方が良いな。一旦外に出るか)
少女「……」
…バタンッ
僕「今日が良い機会だから訊くけどさ」
父『あの子は何者か?って話か』
僕「そう」
父『お前があの日、役所に行って確認してきた事は知っている。だが今はきちんと我が家の養子になっているはずだ』
122 = 120 :
役所に確認したのって親にバレたりするのか
123 :
いもちゅしえん
124 = 85 :
僕「……そもそも少女は誰の子だよ?」
父『……』
僕「じゃ次の質問。養父になるには配偶者が要るって話だけど、父さんの再婚相手は誰?」
父『……そんなこと聞いてどうする?』
僕「僕の義母に当たる人が何者なのかを訊いたら駄目なの?」
父『……』
僕「実は僕、あの子が父さんの隠し子じゃないかとか、あの子自身が父さんの愛人だとか、考えてる」
父『それは違う』
126 = 118 :
あの子自身が父さんの愛人とかやべーよ
127 :
ま実際何も言われなきゃ疑うだろな
128 = 85 :
僕「3つ目の質問。どうして父さんはそんなに、僕と少女を仲良くさせようとしてるんだよ?」
父『……』
父『少女が我が家の養子にならなければ、あの子は学校に通う事も出来なかった』
僕「……」
父『ま、仲良くやってくれ』
僕「え? あ、ちょっとっ!」
電話『ツーッ、ツーッ、ツーッ』
僕「……」
僕(結局、ろくに教えてくれなかった)
129 = 85 :
…バタン
僕「ただいまー……ってあれ?」
少女「……」
僕(どうしたんだろ?)
少女「…お兄ちゃんは、わたしの事、キライ?」
僕(まさか今の話を聴かれたか?)
130 = 85 :
僕(そりゃ愛人が云々話してれば傷付くわな……)
少女「……」
僕「……そんな事ない、好きだよ」
少女「……ホント…?」
僕「本当だって。こんなに可愛い妹がいるんだもん、嬉しくない訳ないよ」
僕(我ながらなんて臭いセリフだ……)
少女「……♪」ニマー
少女「でも妹かぁ……」
僕「……」
132 = 85 :
少女「さっ、早くご飯食べよっ? 今日は唐揚げだよ!」
僕「うん。美味しそうな匂い」
『でも妹かぁ……』
僕(まさか…な……)
僕(そういや、血縁がなければ義妹と結婚できたっけ)
僕「……」
彼女の作った晩ご飯は美味しかった。
133 = 85 :
ご飯食べに行ってきます
一、二時間以内に帰ってきますので、よろしくお願いします
みんなの評価 : ☆
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