元スレ僕「え、僕に義妹?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
父「ああ。あれ、お前に連絡しなかったっけか?」
僕「初耳だよ。そういう大事な事はキチンと伝えて欲しいなぁ!」
父「悪かった悪かった。じゃあ改めて紹介しよう。少女ちゃんだ」
少女「少女です。よろしくね、お兄ちゃん!」
僕「……」
父「先月、孤児院から引き取ったんだ。可愛いだろ?」
少女「可愛いだろ?」
僕「……」
3 :
トゥモロゥ
明日になれば
トゥモロゥ
4 :
まぁブスだったらそうなるよなわ
6 = 1 :
風呂『ピーッピーッピーッ』
父「お、風呂が沸いたな。少女ちゃん、お風呂入ってきなさい」
少女「はーい」
僕「……」
少女「…お兄ちゃん、一緒に入る?」
僕「……ッ!!!!」
7 = 1 :
少女「そうだ! 一緒に体、洗いっこしようよ!」
僕「…あー…僕、朝風呂派なんだ。ゴメンね」
少女「えぇぇーっ!? じゃあ夜は入らないの?」
僕「うん、入らないの」
少女「寝るとき体、気持ち悪くならない?」
僕「……なる…かな…?」
少女「あはははっ!! お兄ちゃんのベッドはベットベト~♪」トテトテ
僕「……」
父「……」
8 = 1 :
僕「孤児院ってもしかして、近所の教会が運営してる……?」
父「うん。あそこの牧師さんと俺は大学時代の友人でな。同じ哲学サークルだった」
父「当時は安保闘争とベトナム反戦運動の時代でね。同級生達は皆、日本でもカルチェ・ラタンを実現せんと息巻いていた。しかし私と彼はマルクス・レーニン主義が……」
僕「父さん、話が脱線してる」
父「あぁすまん。とにかくこの前、その牧師さんと偶然会ったので喫茶店で雑談したんだ」
9 :
んで少女は世界を破滅させるかもしれない僕を穀しにきた使徒だと
10 = 1 :
牧師『あんた、息子さんが東京の○○大学に入ったんだって?』
父『そうなんだよ。それで唯一の肉親である俺を放っぽって、一人暮らし始めやがったんだ』
牧師『奥さんを亡くし、一人息子には発たれる。さぞ寂しいだろうね』
父『うん。とても寂しい』
牧師『そうだ。良かったら、ウチの子供たちを世話してみないか?』
父『養子か。悪くないな』
牧師『どうせなら女の子が良いだろう? 一番良い子を引き取らせてやるよ』
父「……と、こんな経緯だ」
僕「(随分いい加減な話だなぁ!)」
11 = 1 :
僕「って言うか、養父になるには配偶者が必要なんじゃないの? 母さんはもう死んだのに、父さんどうやって家裁の審査を通ったのさ?」
父「えっとそれは……細々とした事は牧師に任せきりだったから解らないな」
僕「(目、逸らしてる……)」
父「とにかく、あの子は今日からお前の妹になる。仲良くしてくれ」
僕「マジかよ」
12 :
ここからの展開に期待
13 :
寝ないといかんから朝まで続けてて
14 = 1 :
大学に進学し、東京で一人暮らしを始めた僕。
今日は自分の荷物の回収と親父の様子見を兼ねて、田舎の実家へ帰省したところだ。
僕「(しかしまさか養子を引き取っていたとは……)」
僕「あまりに吃驚して、お土産の東京バナナ渡しそこねちゃったじゃん」
僕「……」
僕「(しかし、妹ができて嬉しくない訳ではない)」
僕(歳の離れた義妹というのは夢のような話ではある)
少女「おにーいちゃん♪」
僕「……ッ!!!!」
少女「なにニヤニヤしてるの?」
僕「……してないよ」
少女「うそ。してた!」
僕「気のせいだよ」
15 = 1 :
少女「ふーん」
少女「ところでお兄ちゃん、明後日帰るんでしょ?」
僕「そうだよ」
少女「わたし、明日お兄ちゃんとお出掛けしたいなー…なんて」
僕「は? お出掛け?」
少女「うん。パパからお金も貰ってきたよ」
僕「(つまり親父の差し金か)」
16 = 1 :
僕「そうか。君はどこに行きたいの?」
少女「んー……お兄ちゃんと一緒ならどこでも良いかな!」
僕「は?」
少女「明日はー、わたしとお兄ちゃんとー、二人っきりでデートー♪」
僕「……」
少女「お兄ちゃんはわたしとどこに行きたいっ?」
僕「急に言われても……」
僕(彼女なんていた事ないし、デートってどこに行けば良いんだ?)
17 :
続けて
18 = 1 :
少女「あ、そうだ! 海行こうよ、海!」
僕「無理。僕泳げないし」
少女「えー、いい年して泳げないって恥ずかしくないの?」
僕「……」
少女「じゃあさ、砂浜で見てくれるだけで良いからさ、行こうよ!」
僕(そもそもあんまり外に出たくない)
僕(でもだからと言って提案をことごとく断るというのも……)
少女「……?」
僕「うん、分かった。海行こう」
少女「ホント? やったー!」
20 = 1 :
少女「あ、わたしがお兄ちゃんに泳ぎ方、教えてあげよっか?」
僕「駄目だよ。僕スタミナがないからすぐに体力尽きて溺れる」
少女「えー? 泳ぐの楽しいのにぃー」
僕「……」
僕「あ、水着とか持ってる?」
少女「バッチリだよ。明日まで楽しみにしといてね!」
僕「……」
21 = 1 :
夜・寝室
僕「……」
僕(しかし親父、法的な手続きの話になるとあからさまに挙動不審になってたな)
僕(本当にあの子、我が家の養子になっているのだろうか?)
僕(誘拐とか……親父が話した牧師の話も全て嘘だとしたら?)
僕(考えたくないけど、まさかな)
僕(近いうちに教会で話を訊いて来るべきだな。あと役所で戸籍の確認もした方が良いか)
僕「……」
僕(眠れそうもない……)
22 = 1 :
翌朝
少女「おにーぃちゃん! 起きてよ、朝だよ!」
僕「……」
少女「ほらほら、支度してよ。早く海行こー?」
僕「……」
少女「今起きなきゃイタズラしちゃうぞー?」
僕(イタズラ……拷問……?)
僕(インドシナのフランス軍は、爪の間に薄い竹べらを刺して第二関節までいたぶる拷問を好んで使った)
僕「……ッ!」ガバッ
少女「あ、起きたね。朝ごはん出来てるよ。一緒に食べよ?」
僕「……うん」
23 = 12 :
ほ
24 = 1 :
僕「父さんは?」
少女「今日は東京に出張だって、わたしが起きた時にはもういなかったよ」
僕「ふーん」
少女「あ、コーヒー飲む? インスタントだけど」
僕「あぁ、うん」
少女「お砂糖とミルクは入れる?」
僕「任せるよ」
25 = 1 :
少女「~~♪」
僕(かぼちゃスープとサンドイッチ。彼女が作ったものか)
僕「……」パク
僕(美味しい。孤児院で身に付けたのだろうか)
少女「はいコーヒー、お待たせ」コト
僕「ありがと」
26 = 12 :
ダメだ眠い
おやすみ
27 = 1 :
少女「あ、もうサンドイッチ食べちゃったんだ? 一緒にいただきますしたかったのにー」
僕「あぁごめん。お腹減ってて」
少女「ま、良いけどね。その代わり、今日はたっくさんわたしを楽しませてよね?」
僕「え、うん」
僕(テンションが違ってて、会話に温度差を感じる)
僕(これまで経験した事のないタイプの人だからかな、彼女との接し方が分からない……)
28 :
いもぺろしえん
29 = 1 :
電車の中
僕「この快速に座ってれば……あと二十分で着くな」
少女「楽しみだねー」
僕「うん」
少女「ところでさ、お兄ちゃんって大学生なんでしょ。大学生って何してるの?」
僕「うーん、人によるけどね。僕はソ連崩壊の原因を考える研究をしてるよ」
少女「ソ連って、ロシアのこと?」
僕「厳密に言えば少し違う。通常、国家というものはその地域の民族、言語、文化、そういったアイデンティティから成り立つ共同体だ。しかしソ連という国家は……」
少女「すぅ…すぅ…」
僕「……おやすみ」
30 = 1 :
少女「着いた!」
僕「うん、着いたね」
県外の海浜。
インドアの僕には青空が眩しくて、海水浴にはぴったりな天候だった
おまけに初夏だからか人も少ない
僕「はい、これコインロッカーのお金」
少女「うん、じゃ着替えてくるね!」
正直、彼女の水着が楽しみだった
31 = 1 :
僕(彼女、小学四年生だったっけ。じゃあ学校の制定水着かな?)
僕(キツいビキニとか着てたらどうしよう)
少女「ねぇ…お兄ちゃん聞いてる?」
僕「え?」
少女「もう! せっかく着替えたのに、感想くらい言ってよ」
僕「……ッ!」
小学生用のビキニを着た少女。
年相応の水着を着ているのに、普通の小学生よりも大人っぽく見えた
白くて長い脚がよく映えて……
33 = 1 :
僕(『よく似合ってるよ!』なんて恥ずかしくて言えないよなぁ……)
少女「お兄ちゃん、どうしたの?」
僕「あ、うん、じゃあ遊んでおいで。あんまり遠くには行っちゃ駄目だよ」
少女「ううん、お兄ちゃんと一緒に遊ぶのっ!」
僕「え? でも泳げないのにどうやって……」
少女「砂遊びから始めよ? 面白いよー!」
34 :
フーッフーッ
35 = 1 :
それから僕たちは、色んな事をして遊んだ
少女「あー! お兄ちゃんまたよそ見してー!」
僕「いや、波が怖くて……」
色んな泳ぎ方も教えてもらった
少女「ほら、これがスクロール! 簡単でしょっ?」
僕(そもそも水に浮けない……)
美味しいものも食べたし
男「あ、この焼きそば美味しいなぁ! ソースとよく合う」
少女「お兄ちゃん、わたしのフランクフルトと、半分こして食べよ?」
男「え……」
少女「美味しいものを二つも味わえるんだよ、ね?」
36 = 1 :
>>35
あれ、途中で僕が男になってる……
37 :
読んでないけど主人公が「僕」なのはさすがに勘弁してほしいんだが
38 = 1 :
かき氷も美味しかった
少女「お兄ちゃん! あーんして! あーん!」
僕「え、さすがにそれは……」
少女「む~~、いいからするのっ」
僕「じょあ……あ、あーん……」ソロー
少女「……♪」パクッ
僕「……ッ!」
少女「あ、頭がキーンってするぅ~!」
そして、あっという間に日が暮れた
40 = 1 :
夕方・家
僕「……」
少女「すぅ…すぅ…」
僕「……寝ちゃったのか」
僕「ホラ、寝る前にお風呂入って、歯磨かないと」
少女「え~? うーん……」
僕「全く、仕方ないなぁ…」
少女「すぅ…すぅ…」
僕(彼女に布団をかけて……)
僕「……」
僕(さて、親父が帰ってくる明日までに、僕はやらなきゃいけない事がある)
41 :
参考画像とか欲しいんだよ
42 = 1 :
僕(役所が閉まるまでに行かなきゃ!)
……
少女「……」すやすや
少女「……!」
少女「……あれ? いつの間にか家に……お兄ちゃんは……?」
43 = 1 :
……
僕「そんな……!」
役所で問い合わせたところ。
僕「ありえないだろ……」
少女という名前の人間はいなかった。
僕「……」
同姓同名の人間なら全国に沢山いるだろうが、
少なくともあの教会の孤児院の名簿や我が家の戸籍に、彼女の名前はなかった。
僕「一体どうなってるんだ……」
44 = 41 :
怖いお
45 = 1 :
夜・家
ガチャ
僕「……」
少女「あ、お兄ちゃん、どこ行ってたのっ!」
僕「あ、あぁ……ちょっとゴミ出しに行ってたんだ。明日ペットボトルの回収日だからね」
少女「ホントに心配してたんだから!」
僕「あれ? 良い匂いがするね」
少女「あ、晩ご飯作ってたんだよ。お兄ちゃんも早く食べよっ」
僕「……」
46 = 1 :
少女「今晩はお兄ちゃんと二人っきりだからね、腕によりをかけてクリームシチュー作ったんだ!」
僕「美味しそう。ってかこの短時間によく作れたね」
少女「実は下ごしらえは昨日のうちに済ませてたから、後は煮込むだけだったのです!」
僕「へぇー、偉いなぁ!」
僕(誰なんだ、こいつは)
47 = 9 :
やっぱり使徒だったのか
48 = 1 :
僕「いただきます」
少女「どうぞ召し上がれ♪」ニコニコ
僕(…まさか毒が入ってる事はないだろうが……)パクッ
僕「もぐ…もぐ…」
少女「……どう、かな。味は?」
僕「……美味しい。今まで食べたことがないくらい美味しいシチューだよ!」
少女「……ッ!」パァァ
49 = 1 :
その後、二人でテレビを見ているうちに、いつの間にか彼女は寝付いてしまっていた
少女「すぅ…すぅ…」
僕(布団に運んでやるか。お姫様抱っこって、どこに腕を回せば良いんだろ?)
僕「お、とっても軽いな」
僕「軽い、軽い」
僕(僕が小学生の時もこれくらいの軽さだったんだろうな)
僕(こんな小さな体に、よくあれだけの体力が詰まってるものだ)
少女「……」
僕(可愛い寝顔)
僕「おやすみ、少女ちゃん」
…バタン
50 = 1 :
僕「あいつは一体誰なんだ」
僕は、昨日からの二日間の出来事を反芻した
僕「彼女と僕は初対面だ。しかし彼女は最初から馴れ馴れしく僕に接してきた」
『そうだ! 一緒に体、洗いっこしようよ!』
『明日はー、わたしとお兄ちゃんとー、二人っきりでデートー♪』
『お兄ちゃん! あーんして! あーん!』
僕「……」
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