私的良スレ書庫
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元スレ理樹「恭介は好きな人いないの?」 恭介「いない」
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あーちゃん「それに、風紀委員会からかなちゃんがいなくなった今、あなたたちの活動を諫めることができるのって、もしかしたら私くらいなものでしょ?」
恭介「は? なんでお前なんだ?」
あーちゃん「だって、そのリーダーたる棗君は私には頭あがらないじゃない?」
恭介「なっ……どこがだよ」
あーちゃん「そぉいうとこが、だよ……にゅふふ」ツン
恭介「ぐっ……」
恭介(たしかに、俺はこいつにだけは頭が上がらない……それは自覚している)
恭介(そもそも、こいつと知り合ったのはいつ頃だったろうか)
恭介(たしかあれは俺が一年のときの夏……まだ中学気分が抜けずにいた頃だった)
理樹たちがいないことで退屈してた俺は、校舎の南側にあるフェンスに穴を作り、たびたびそこから脱出を図っていた。
ある日、真人の家にみんなで集まり、冷やし中華の大食い選手権をやった帰りだった。
腹が膨れ上がったままフェンスの穴を通ろうとした俺は、ものの見事にすっぽりとハマり身動きが取れなくなってしまったのだ。
恭介「は? なんでお前なんだ?」
あーちゃん「だって、そのリーダーたる棗君は私には頭あがらないじゃない?」
恭介「なっ……どこがだよ」
あーちゃん「そぉいうとこが、だよ……にゅふふ」ツン
恭介「ぐっ……」
恭介(たしかに、俺はこいつにだけは頭が上がらない……それは自覚している)
恭介(そもそも、こいつと知り合ったのはいつ頃だったろうか)
恭介(たしかあれは俺が一年のときの夏……まだ中学気分が抜けずにいた頃だった)
理樹たちがいないことで退屈してた俺は、校舎の南側にあるフェンスに穴を作り、たびたびそこから脱出を図っていた。
ある日、真人の家にみんなで集まり、冷やし中華の大食い選手権をやった帰りだった。
腹が膨れ上がったままフェンスの穴を通ろうとした俺は、ものの見事にすっぽりとハマり身動きが取れなくなってしまったのだ。
俺がここまでかと諦めた頃、天野は現れた。
『君、なにしてるの?』
『穴にハマったんだ。助けてくれ!』
『でもどうやって?』
『腕を思いっきり引っ張ってくれればいい』
そうして彼女は俺の救出を試みたが、どうやっても抜け出せない。
そこで、彼女は俺の胃袋が冷やし中華を消化し終えるまで、一緒に話相手になってくれたのだ。
俺は内心ずっとこのままなんじゃないかと焦りを感じていたが、彼女の陽気な笑顔を見ているうちに、それも徐々に薄れていった。
思えばこの時からだったのかもしれない……俺が天野に特別な感情を持つようになったのは……。
結局、俺は数時間後になんとか脱出することができ、それと同時に彼女はある意味で俺の人生における恩人となった。
『君、なにしてるの?』
『穴にハマったんだ。助けてくれ!』
『でもどうやって?』
『腕を思いっきり引っ張ってくれればいい』
そうして彼女は俺の救出を試みたが、どうやっても抜け出せない。
そこで、彼女は俺の胃袋が冷やし中華を消化し終えるまで、一緒に話相手になってくれたのだ。
俺は内心ずっとこのままなんじゃないかと焦りを感じていたが、彼女の陽気な笑顔を見ているうちに、それも徐々に薄れていった。
思えばこの時からだったのかもしれない……俺が天野に特別な感情を持つようになったのは……。
結局、俺は数時間後になんとか脱出することができ、それと同時に彼女はある意味で俺の人生における恩人となった。
恭介「……」
あーちゃん「あははっ、そうだよね~」
恭介(だが、俺はその感情を封印した。いや、せざるをえなかかった)
恭介(第一に、俺には鈴がいた。俺はあいつのことを考えるので手一杯で、とてもそれ以外のことに手を出している余裕はなかった)
恭介(第二に、天野と俺では不釣合いだということ。一方は校則破りの不良少年。もう一方は寮長を任されるだけの人望を備えた優等生……結果は言わずとも知れていた)
恭介(後悔がないと言えばうそになる……だが、俺は今の生活に十分満足しているのだ)
恭介(理樹や鈴たちといる毎日は楽しい。メンバーもより増えた新生・リトルバスターズは、これからも俺を飽きさせることはないだろう)
恭介(今の俺にはそれで十分だった……そう、十分なんだ)
あーちゃん「あははっ、そうだよね~」
恭介(だが、俺はその感情を封印した。いや、せざるをえなかかった)
恭介(第一に、俺には鈴がいた。俺はあいつのことを考えるので手一杯で、とてもそれ以外のことに手を出している余裕はなかった)
恭介(第二に、天野と俺では不釣合いだということ。一方は校則破りの不良少年。もう一方は寮長を任されるだけの人望を備えた優等生……結果は言わずとも知れていた)
恭介(後悔がないと言えばうそになる……だが、俺は今の生活に十分満足しているのだ)
恭介(理樹や鈴たちといる毎日は楽しい。メンバーもより増えた新生・リトルバスターズは、これからも俺を飽きさせることはないだろう)
恭介(今の俺にはそれで十分だった……そう、十分なんだ)
同じ頃
理樹「それで、どうするの?」
来ヶ谷「放課後、恭介氏のクラスで聞き込み調査だ」
理樹「でも、恭介にバレたら今度こそ本当に怒っちゃうよ」
来ヶ谷「そこは抜かりない。別働隊として小毬君たちが恭介氏を教室の外に誘い出すんだ」
小毬「がんばっちゃうよ~! 恭介さんのためにっ!」
鈴「……ん」
理樹(鈴……?)
来ヶ谷「その隙に、私と理樹君と美魚君で教室へ潜入。クラスの者に色々聞いて回る」
理樹「色々って?」
美魚「……例えば、棗さんと親しい男子学生は誰なのか? といった具合です」
謙吾「……西園、わかってるとは思うが女学生な」
理樹「それで、どうするの?」
来ヶ谷「放課後、恭介氏のクラスで聞き込み調査だ」
理樹「でも、恭介にバレたら今度こそ本当に怒っちゃうよ」
来ヶ谷「そこは抜かりない。別働隊として小毬君たちが恭介氏を教室の外に誘い出すんだ」
小毬「がんばっちゃうよ~! 恭介さんのためにっ!」
鈴「……ん」
理樹(鈴……?)
来ヶ谷「その隙に、私と理樹君と美魚君で教室へ潜入。クラスの者に色々聞いて回る」
理樹「色々って?」
美魚「……例えば、棗さんと親しい男子学生は誰なのか? といった具合です」
謙吾「……西園、わかってるとは思うが女学生な」
放課後
恭介(やっと終わったぜ……)
ブブブッ
恭介「ん、小毬からメールか」
『恭介さん、大変なので今すぐ部室へ来てくださいっ!』
恭介「なんだと!?」ガタッ
恭介(……遂に復活を遂げた野球部との全面抗争か!?)
あーちゃん「ど、どうしたの?」
恭介「仲間のピンチだ。行ってくる!」ダダッ
あーちゃん「あ、ちょっと!」
??「よし、恭介氏は行ったようだな」
??「……では、ミッションスタートです」
恭介(やっと終わったぜ……)
ブブブッ
恭介「ん、小毬からメールか」
『恭介さん、大変なので今すぐ部室へ来てくださいっ!』
恭介「なんだと!?」ガタッ
恭介(……遂に復活を遂げた野球部との全面抗争か!?)
あーちゃん「ど、どうしたの?」
恭介「仲間のピンチだ。行ってくる!」ダダッ
あーちゃん「あ、ちょっと!」
??「よし、恭介氏は行ったようだな」
??「……では、ミッションスタートです」
来ヶ谷「君、少し尋ねたいことがあるのだが……」
「あ、はい」
理樹(上級生に対してもタメ口……さすが来ヶ谷さんだ)
美魚「……あの、棗恭介さんと親しい殿方はいらっしゃいますか?」
「棗と? んーそうだな……」
理樹(西園さんは方向性を確実に間違えてる……)
理樹「っと、僕も調査しなきゃ……」
理樹「えーと……」キョロキョロ
??「あら、あなたたしか棗君の……」
理樹(え、恭介の名前……)
??「たしか直枝君じゃなかったかしら?」
理樹「えっと、たしか女子寮長さん?」
あーちゃん「元、ね。にゅふふ」
「あ、はい」
理樹(上級生に対してもタメ口……さすが来ヶ谷さんだ)
美魚「……あの、棗恭介さんと親しい殿方はいらっしゃいますか?」
「棗と? んーそうだな……」
理樹(西園さんは方向性を確実に間違えてる……)
理樹「っと、僕も調査しなきゃ……」
理樹「えーと……」キョロキョロ
??「あら、あなたたしか棗君の……」
理樹(え、恭介の名前……)
??「たしか直枝君じゃなかったかしら?」
理樹「えっと、たしか女子寮長さん?」
あーちゃん「元、ね。にゅふふ」
理樹「……なるほど、そんなことが」
あーちゃん「そ。だから、今はただの一女生徒」
あーちゃん「だから寮長じゃなくてあーちゃん先輩って呼んで? 私、苗字が天野だから」
理樹「じ、じゃあ、あーちゃん先輩。その……聞いてもいいですか?」
あーちゃん「おう、なんでもどーぞ」
理樹「先輩って恭介の知り合いなんですか?」
あーちゃん「棗君? そりゃ同じクラスで隣の席だしね」
理樹「へぇ、初耳です」
あーちゃん「ええぇ、なんだぁ……棗君、リアルファイターズでは私のこと話題にしないんだ~」
理樹「り、リアルファイターズってなんですか……」
あーちゃん「ん? ほら、あなたたちの集まり」
理樹「リトルバスターズです……たしかにリアルファイト的なものもしますけど」
あーちゃん「そ。だから、今はただの一女生徒」
あーちゃん「だから寮長じゃなくてあーちゃん先輩って呼んで? 私、苗字が天野だから」
理樹「じ、じゃあ、あーちゃん先輩。その……聞いてもいいですか?」
あーちゃん「おう、なんでもどーぞ」
理樹「先輩って恭介の知り合いなんですか?」
あーちゃん「棗君? そりゃ同じクラスで隣の席だしね」
理樹「へぇ、初耳です」
あーちゃん「ええぇ、なんだぁ……棗君、リアルファイターズでは私のこと話題にしないんだ~」
理樹「り、リアルファイターズってなんですか……」
あーちゃん「ん? ほら、あなたたちの集まり」
理樹「リトルバスターズです……たしかにリアルファイト的なものもしますけど」
あーちゃん「そそ、それそれ。なんか横文字ってよくわかんないのよねぇ」
理樹「……」
あーちゃん「んで、棗君がどうしたって? 彼ならさっき、仲間のピンチだ~とか言って教室とびだしていったわよ?」
理樹(小毬さんたちだな……)
理樹「あ、いえ……恭介を探してるわけじゃなくて」
あーちゃん「それならどうしたの?」
理樹「その……聞きにくいことなんですけど、恭介と仲のいい女子生徒ってこのクラスにいますか?」
あーちゃん「仲のいい女子生徒?」
理樹「はい」
あーちゃん「妙なこと聞くわね……もしかして色恋沙汰?」
理樹「ち、違います!」
あーちゃん「ふーん……そうねぇ」
あーちゃん「いない、かな?」
理樹「えっ……」
理樹「……」
あーちゃん「んで、棗君がどうしたって? 彼ならさっき、仲間のピンチだ~とか言って教室とびだしていったわよ?」
理樹(小毬さんたちだな……)
理樹「あ、いえ……恭介を探してるわけじゃなくて」
あーちゃん「それならどうしたの?」
理樹「その……聞きにくいことなんですけど、恭介と仲のいい女子生徒ってこのクラスにいますか?」
あーちゃん「仲のいい女子生徒?」
理樹「はい」
あーちゃん「妙なこと聞くわね……もしかして色恋沙汰?」
理樹「ち、違います!」
あーちゃん「ふーん……そうねぇ」
あーちゃん「いない、かな?」
理樹「えっ……」
あーちゃん「いないのよ。だって棗君って教室でもいっつも一人で漫画ばっか読んでるし」
あーちゃん「一匹狼っていうの? そんな感じ。みんなとは一線を引いて接してるっていうか」
理樹「そうなんですか……」
理樹(となると、クラス内に好きな相手がいる可能性は……)
理樹(ん、いや待てよ?)
理樹「……」ジー
あーちゃん「なに? そんな見つめて」
理樹「わっ、すみません……」
あーちゃん「別にいいけど」
理樹「あの、あーちゃん先輩自身はどうなんですか? 恭介と、その……仲いいですか?」
あーちゃん「私と棗君? さぁ……仲がいいって言っていいものか」
理樹「でも、さっきの口ぶりだと、恭介のことをよく知ってるように感じました」
あーちゃん「まぁ、そうね。なんていうか、彼って放っておけないのよ」
あーちゃん「一匹狼っていうの? そんな感じ。みんなとは一線を引いて接してるっていうか」
理樹「そうなんですか……」
理樹(となると、クラス内に好きな相手がいる可能性は……)
理樹(ん、いや待てよ?)
理樹「……」ジー
あーちゃん「なに? そんな見つめて」
理樹「わっ、すみません……」
あーちゃん「別にいいけど」
理樹「あの、あーちゃん先輩自身はどうなんですか? 恭介と、その……仲いいですか?」
あーちゃん「私と棗君? さぁ……仲がいいって言っていいものか」
理樹「でも、さっきの口ぶりだと、恭介のことをよく知ってるように感じました」
あーちゃん「まぁ、そうね。なんていうか、彼って放っておけないのよ」
理樹(放っておけない……)
あーちゃん「なんか面倒見てあげたくなるというか」
理樹(面倒見てあげたくなる……)
あーちゃん「いじりたくなるというか」
理樹(いじりたくなる……)
あーちゃん「まぁ見てて飽きないよね、にゅふふ」
理樹「……」
理樹(もしかして……)
理樹「もしかして、先輩って恭介のこと……」
バァーンッ
理樹「っ!?」
あーちゃん「な、なにごと!?」
あーちゃん「なんか面倒見てあげたくなるというか」
理樹(面倒見てあげたくなる……)
あーちゃん「いじりたくなるというか」
理樹(いじりたくなる……)
あーちゃん「まぁ見てて飽きないよね、にゅふふ」
理樹「……」
理樹(もしかして……)
理樹「もしかして、先輩って恭介のこと……」
バァーンッ
理樹「っ!?」
あーちゃん「な、なにごと!?」
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