元スレ魔王「テレビとはなんだ?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
51 = 1 :
―――草原
魔王「ふはははは、みなびっくりしておったな」
側近「そりゃいきなり家に来てアンテナとテレビ壊されたらびっくりしますね」
魔王「だが、これで妙な情報で魅了されることはなくなるだろう」
側近「どうでしょうねぇ」
ドゴオオオオオン
魔王「なんの音……」
バキバキバキッ
魔王「ぐおおおおおおおおおおおお!」
側近「魔王様!お腹に何かが刺さって……」
魔王「ぐああああああああああ!」
52 :
お腹とか可愛い
53 = 5 :
物理が最強か
54 = 1 :
兵士B「命中を確認!」
兵士A「よし!よくやった!」
兵士B「なっ……なんだって……そんな……馬鹿な……」
兵士A「どうした!?」
兵士B「劣化ウラン弾が貫通しないだって……鋼鉄の壁でも貫通するんだぞ……どうして……」
兵士B「あの黒いやつは……化物か……」
兵士A「おい!報告しろ!何があった!」
55 = 1 :
魔王「こ、こんな槍なんぞおおおおお!」ズボッ
魔王「ふんっ」ドシーン
側近「魔王様!大丈夫ですか?」
魔王「こんなもの唾をつけておけば治る!」
側近「さすが魔王様」
魔王「ふ、ふふふふふ。ふはははははは!しかし、面白い!このような槍を投げてくるなどよほどの強者だろうな!全力で相手をしてやろう!」バサァ
側近「羽をだして……まさか……」
魔王「槍が来た方向は向こうだな!行くぞ!」バサバサッ
ピュー
56 = 1 :
兵士B「ほ、報告を……」
魔王「貴様か!次はこちらから行くぞ!」
兵士B「ひ、ひぃいいいい!来た……あの距離を一瞬で!黒い羽の生えた……」ズササー
魔王「くらえい!」ドガ
兵士B「ぎゃあ!」
兵士B「……」バタッ
魔王「ん?お、おい……まさか一発で?」
側近「魔王様待ってくださいよー、もう、一人で行っちゃって」
魔王「おい、側近。これはどういうことだ?あのような攻撃をしてきたものがたった一発で倒れるとは……」
57 = 1 :
側近「たぶんですけど、あれは槍じゃないんじゃないですか?」
魔王「槍ではない?では誰があそこまで投げたのだ」
側近「そこにある機械でじゃないです?」
魔王「機械?」
側近「そのあたりはあまりテレビでも言わないものですから想像になってしまいますが……」
側近「ようするにこれは大きいゴム鉄砲みたいなものなんでしょう」
側近「でもおかしいですね、軍や兵器の使用や開発は禁止されていたはずですが……せいぜい認められてるのは警官の鉄砲くらいで……」
魔王「なるほど……撃ったのはただの人間なのか……つまらん。もっと力と魔法を駆使した戦いがしたいのだが」
側近「いや、それが……魔法はもうないんですよ。禁止されています」
魔王「なんだと!?」
側近「魔法は危険だとかなんとかで……」
魔王「ではこの世界には勇者も魔法もないというのか!?」
側近「いえ、勇者はいますし、魔法を認められてる唯一の人間なんですけど……」
59 = 1 :
―――辺境
女の子A「はい、勇者様。あーん」
勇者「あーん」モグモグ
女の子B「あー、勇者様ずるいー。あたしのも食べて、はい」
勇者「あーん」
女の子C「勇者様、私は口移しで食べさせてあげる」
勇者「あははは」
魔法使い「勇者様、そろそろ仕事のお時間です」
勇者「そんなことより君も一緒にこっちにきて楽しまない?」
魔法使い「勘違いなさらないでください。私は家事手伝いでこちらで仕事させてもらっているだけです」
魔法使い「あなたのハーレムメンバーじゃないんですから。今度そんなこと言ったらぶち殺しますよ」
60 :
では魔法使いは人間ではないということか…
61 = 5 :
勇者爆発しろ
62 = 1 :
女の子A「やーん、メイドさんこわぁい」ギュッ
女の子B「勇者様ぁ」
女の子C「あんな子が好みなの?勇者様ぁ」
勇者「あー、もう分かったよ。仕事は国民の義務だからね」
勇者「じゃ、みんな行って来るよ」チュッチュッ
64 = 1 :
―――台所
ザザッ……
魔法使い「こちらブラボー2、ブラボー1応答お願いします。どうぞ」
『こちらブラボー1。どうだ、勇者の様子は。どうぞ』
魔法使い「相変わらずアホ面下げて王国の言いなりになってるわ。今仕事に行ってる所」
『仕事か。開拓だったか?』
魔法使い「ええ、それも一人で。窓から今見てるけど……剣の一振りで山を平地にしてるわ」
『マジか……恐ろしいやつだな……どうだ?俺たちレジスタンスには入りそうか?』
魔法使い「どうかな……王国から与えられたハーレムに満足してるって感じだけど」
『やつが王国についたらかなりやっかいだ。がんばってくれ』
魔法使い「難しいと思うけどね……そっちの調子は?』
『相変わらず仲間が増えない。情報をほとんど王国に握られているのが痛いな』
魔法使い「そう、そっちもがんばってね」
『ああ、最悪の場合、勇者を敵に回しても勝てるように準備はしておく。終了だ、オーバー』
魔法使い「了解。こっちもがんばるわ、オーバー」 ザザッ……
65 = 1 :
―――王国
大臣「王様、魔王討伐に向かった兵たちが全滅しました」
王様「全滅だと!?どういうことだ。劣化ウラン弾の使用も許可したはずだぞ」
大臣「相当の負傷はおったようですが、反撃にあい、あえなく全滅に……」
王様「敵はどのようなやつなのだ」
大臣「報告によると、ええと……黒くて……なんでしたっけ……」
大臣「それから羽が生えてて……カサカサしてる?とか……言っていた様な……」
王様「なんと恐ろしい姿のやつだ……しかし、通常兵器では効かぬか……」
66 = 63 :
ほ
67 = 1 :
大臣「こうなったら勇者を使ってはいかがでしょうか?」
王様「まぁ待て。勇者は最後の手段だ、そう簡単には奥の手はだせん」
大臣「ではどうするんです?」
王様「そうだな……ではガスを使うか」
大臣「ガスですって!?」
王様「VXガスの使用を許可する。即時実行しろ、やつも生物には違いあるまい、毒ガスなら効くだろう」
大臣「しかし、それでは周辺の町への影響が……」
王様「そうだな……たしか近くの町に王国を批判する記事をかきおった大学教授がいたな……」
王様「よし、その大学教授が実験で使ったとか何とか報道しておけ」
大臣「分かりました」
王様「それからやつらのその後の動きはどうなっておる」
大臣「テレビとアンテナを破壊しているようです」
王様「くくくっ……なんと愚かな……大臣、分かっておるな?」
大臣「はっ」
68 = 1 :
―――草原の町
魔王「おい、側近。この町のアンテナは少し前に破壊したよな?」
側近「ええ、確かに」
魔王「ならばなぜ全部元に戻っておるのだ!」
側近「修理したんでしょうか……にしてもすばやいですねぇ……ん?あれは……」
主婦「本当に無料でいいんですか?」
男「いいんですよ、テレビもアンテナも国が無料で補償しますから」
主婦「悪いわねぇ」
魔王「あいつか!直してるのは!」ダッ
男「あ……やべっ」ササッ
魔王「お、おい!……くっ見失った」
側近「ああやってすぐ直してるんですね……」
魔王「ゴキブリみたいなやつらだな」
側近「本当ですね」
69 = 1 :
―――草原
魔王「いくら壊してもきりがない」
側近「そうですねぇ……これは大元を叩くしかないんじゃないですか?」
魔王「大元?」
側近「テレビ局です、っといってもほどんど国が関与してる独占状態ですけどね」
魔王「そこをつぶせば終わるのか?」
側近「分かりませんが、アンテナを一本ずつ折ってるよりは早いかと」
魔王「先に言わんか……」
兵士C「そこまでだ貴様ら!」バッ
魔王「むっ?」
側近「変なマスクしてますね……もしや変質者?」
71 = 1 :
兵士C「変質者ではない!貴様らの命もここまでよ」
魔王「なんだ、決闘をしたいのか?ふはははは、よいぞ!どこからでも……」
兵士C「VXガスを食らえええええええ!」ブシュー
魔王「ごほっ……なんだこの煙は」
側近「ガスとか言っていましたが……くさっ!」
兵士C「この毒ガスを吸って生きてられるものはいない!」
魔王「毒……だと?」
兵士C「どうだ、苦しんで死ね」
72 = 1 :
魔王「ふはははははは!愚かな!」
兵士C「な、なに?」
魔王「この私を誰だと思っておる!瘴気の漂う魔界で生まれたのだ!この程度の毒などむしろ懐かしいくらいだわ」
側近「私はちょっと臭いの嫌なんですけどね」
魔王「どれ、では私が本当の瘴気というものを貴様に味合わせてやろうではないか、ほれっ、マスクをはずしてみよ」ガシッ
兵士C「や、やめ……ぎゃあああああああああああああああ!」
74 = 1 :
―――草原の町
ヒュー……
側近「風向きで町にまでガスが流れてしまったんですね……」
魔王「自ら同族を殺すとは愚かな……」
側近「魔王様の瘴気も混ざってたんじゃないですか?」
魔王「私はもとより人間などどうなってもかまわんわ」
側近「そりゃそうですね」
魔王「それよりさっきの話の続きだ。テレビ局とはどこにあるのだ?」
側近「それがよく知らないんです」
魔王「なんだと?」
側近「あまりそういう情報気にしてませんでしたから」
側近「あ、でもテレビの中継とかで映りますし、ちょっとテレビ見てみますか?」
魔王「気が進まんが……見ないと情報がないか……」
76 = 1 :
ガシャ
側近「勝手におじゃましまーす」
魔王「これか。どうやって使うのだ?」
側近「このスイッチを入れて……ほらっうつりました」
テレビ「……では次のニュースです」
テレビ「今日はテレビ局開局25周年としまして、港町より北へ10kmにある、ここ王国テレビ本部より中継です」
テレビ「今日は王国テレビ合衆国イベントということで、各国より料理など……」
魔王「港町の北か、行くぞ!」
側近「おかしいですねぇ?いつもこんな詳しい場所を言ったりはしてなかったような……」
魔王「おい!」
側近「あ、待ってください」
バサッバサッ
77 = 1 :
―――王国
王様「ガスも効かないとは化物どもめ……だが、見ていろ」
王様「やつらはテレビを目の敵にしておるようだ、次はここを突き止めようとしてくるだろうな」
王様「大臣、言われたとおりにしたか?」
大臣「言われたとおり放送しておりますが、港町の北10kmってただの廃墟の砦があるだけですよ」
王様「廃墟?違うな。あそこにはレジスタンスのアジトがある」
大臣「レジスタンス!?王様はアジトをご存知だったのですか?」
王様「ああ、ずっと前からな」
大臣「分かっててなぜ放っておいたのですか。やつらは魔法の復活やテレビの撲滅を訴えるテロリストですよ」
78 = 1 :
王様「くくくっ、人数も少なく、たいした力も持っておらんわ。それより何かあったときのスケープゴートに丁度よいと思ってな」
大臣「スケープゴート?」
王様「あの黒いやつらがあの放送を見てどうするか。やつらのアジトに向かってレジスタンスとぶつかるだろう」
王様「どちらも相手を敵と思うであろうな」
王様「共倒れになればよし、ならなくてもとどめは我が軍で行ってやるわ」
王様「わーっはっはっは」
80 = 1 :
―――レジスタンスアジト
僧侶「まずいですよ。戦士、テレビでここの場所を晒されました」
戦士「なんだと……」
僧侶「王国テレビ合衆国イベントの会場とか……」
戦士「なんだそりゃ?」
僧侶「早くここを離れたほうがいいんじゃ……」
戦士「待て、魔法使いにも連絡してみる」
ザザッ
戦士「こちらブラボー1……ブラボー2応答せよ、どうぞ」
『こちらブラボー2、どうぞ』
戦士「どうやらアジトがつきとめられたらしい」
『なんですって!?どうしてそんな……』
82 = 1 :
戦士「分からん。とにかくお前も気をつけ……」
ドゴオオオオオオン
戦士「うおおおおお、な、なんだこの振動は……」
『ブラボー1、どうしたの!?」
僧侶「空に何か黒いものが……」
戦士「これはやばいな……行くぞ!」
『ねぇ!何があったの!ブラボー1応答して!』
84 = 1 :
側近「魔王様、中から人が出てきましたよ」
魔王「ほぉ?剣を持った男に……杖を持った女か……やっとまともなやつらが出てきた」
魔王「なかなかやりそうではないか」ワクワク
側近「うれしそうですね」
魔王「最近下らん道具に頼るやつらばかりが相手であったからな」
戦士「あいつらか!?攻撃してきたのは……」
僧侶「もしかして勇者が攻めてきたんじゃないかと思ったんですが……違いましたね」
魔王「行くぞ!食らえい!」ズバッ
戦士「うおっ!いきなりか!僧侶!」
僧侶「防御結界!」ギィン
魔王「むっ……私の一撃を防ぎおったか……ふははははは、これはいい!今の世にこのようなやつらがおったとはな!ふんっ!」
バリーン
戦士「結界がやぶられた!?くっそう!なんなんだこいつらは!?王国め……こんな隠しだまを用意していたとは……」
85 :
もう王様が魔王で魔王が王様でいいんじゃないかな
86 = 1 :
僧侶「戦士!次がきますよ!」
魔王「これならどうだ!」ドガッ
戦士「ぐぐっ……つ、つよい」ギリギリッ
魔王「まだ耐えるか……」
側近「魔王様がんばれー」
戦士「くそ!魔法使いさえいれば……勇者を倒すための秘策を使えたものを……」
側近「弱音はいてる場合じゃないですよ!疾風魔法!」スパパッ
魔王「おおおおおおおっ!」
戦士「うりゃあああああああ!」ドガッ
魔王「ぐぐっ……やりおる……」
87 :
見てるからはよ
88 :
戦士「よしっ!効いているぞ!」
魔王「なんだ、魔法を使えるものがおるではないか、側近」
側近「あれぇ?おかしいですねぇ」
魔王「ならばこちらもゆくぞ!はぁあああああ!」ゴゴゴゴゴッ
戦士「な、なんだ……この魔力は……」
僧侶「結界を張ります!伏せて!」
魔王「極大破滅魔法!」ドキャアアアアアアアアアアアン
戦士「うおおおおおおおおおおおおおお!」
僧侶「きゃああああああああああああああ!」
89 = 1 :
魔王「ふははははは!どうだ、砦ごと吹き飛ばしてやったわ。あれがテレビ局とやらだろう」
側近「そうなんでしょうかね」
戦士「がはっ……俺たちのアジトがテ、テレビ局だと……?」ガクガクッ
僧侶「ごほっ……」ボタボタッ
魔王「おおっ、こやつら生きておるぞ、やるではないか」
側近「虫の息ですけどね。生きてるなら尋問でもしますか」
魔王「そうだな、おい。貴様らテレビ局とかいうところのやつらだな?」
戦士「ちが……う……お前らこそ……王国の手先だろう……」
魔王「私が王国の?何を馬鹿な!我が名は……まぁ今は言わぬが……あのようなやつらと一緒にするな!」
側近「あ、私側近です」
90 = 1 :
戦士「違う……だと……まさか王国の勇者以外にこれほどの力を持ったやつがいたとは……」
側近「前の勇者には負けちゃったんですけどね」
魔王「べ、べつに敗れてなどいない!ちょっと休憩してただけだ!」
側近「魔王様……負け惜しみはちょっと恥ずかしいですよ」
魔王「ま、負け惜しみではないもん!」
側近「ないもんって……」
魔王「とにかく私たちのことは分かっただろう。お前たちの素性を教えろ」
戦士「俺たちは……王国を……テレビをぶっつぶすために立ち上がった……レジスタンスだ」
魔王「何?レジスタンス?テレビ局じゃないのか?」
戦士「ちが……う……どうしてそう思った……」
魔王「いや、テレビで言っておったのでな……はっ!?」
魔王「『テレビで言っていた』だと……私の口からそのような言葉がでるとは……」
側近「あちゃー、もしかして私たちだまされちゃいました?」
魔王「恐るべし……テレビ……」
戦士「釣られた……のか……」
91 = 1 :
側近「なんかこの人たちに悪いことしちゃいましたね」
魔王「だが、久しぶりに楽しかったぞ。お前たちの攻撃なかなかであった。ふははははは」
魔王「どうだ?望むのであれば我が配下に加えてやってもよいぞ?」
戦士「てめぇ……ふざけん……な」ガクガクッ
魔王「まだ闘気が衰えないとはますます気に入った!まぁ断るのであればもう言うまい」
戦士「テレビ局を……探しているのか?」
魔王「知っておるのか?」
戦士「ああ……長年の俺たちの目標だからな……」
魔王「どこにあるのだ」
戦士「王国の王城……その中枢だ……」
魔王「よし、側近、行くか」
側近「あいあいさー」
戦士「ま……て……」
92 = 1 :
魔王「何だ?」
戦士「テレビには……電力が必要だ……」
魔王「電力?どこかで聞いたな」
側近「テレビのエネルギー源ですよ」
戦士「ここから西……火の町にそれはある……」
魔王「なぜそんなことを教える?」
戦士「……」
魔王「まぁ、よかろう。テレビのエネルギー源だな!先にそこをつぶしておくか」
バサッバサッ
93 :
魔王スレはほぼまとめ載るし支援
ゴールド色でオナシャス
94 = 1 :
―――レジスタンスアジト跡
戦士「いつつ……回復サンキュー」
僧侶「死ぬかと思いましたね」
戦士「あいつら、ここをテレビ局と間違えて襲ったってことは王国を襲うってことだな」
僧侶「そうでしょうね」
戦士「ならば我々もそのときがチャンスか……よし!魔法使いを呼び戻そう」
僧侶「え……でも勇者はどうするんですか?」
戦士「とにかく今がチャンスだ。勇者が出てきたら……全力で叩く!」
僧侶「勝てるでしょうか……」
戦士「そのための俺たちだろ?それにもしかしたらあの黒いやつらが王国をかきまわしてくれるかもしれん」
僧侶「ところでなんであの黒いのに火力発電所の場所を?」
戦士「少しでも王国にダメージを与えたいということもあるが、時間稼ぎもある」
僧侶「時間稼ぎ?」
戦士「電力は王国の根幹のひとつだ。それが滞ればやつらの動きも鈍るだろう」
戦士「その間に魔法使いを呼び戻して作戦を練るぞ」
95 :
96 = 1 :
―――火の町
魔王「ここが火力発電所か」
側近「ここでテレビに必要な電力を作ってるみたいですね」」
魔王「電気を作っている施設か」
側近「さっそく壊してしまいますか?」
魔王「いや、どんな風に作っているのか少し興味がある」ワクワク
側近「あ、私も興味あります。どんな仕組みで電気をつくってるんでしょうねぇ」
魔王「私の予想では、大量の電気うなぎから電気を放電させているのではないかと思う」
側近「いやいや、それはないでしょう。きっと雷撃魔法を使ってるんですよ」
魔王「まぁ入ってみれば分かるだろう」
側近「な、なんかドキドキしますね」
ガチャ
97 = 1 :
炎の将魔「おおおおおおお!燃え上がれ!俺の魂!」ゴゴゥ
炎の将魔「発熱せよ!俺の肉体!」ゴオオオオオオオ
炎の将魔「ファイアあああああああああ!!」ゴオオオオオオオオ
炎の将魔「ふぅ、今日はこのくらいっすね」ガシャ
作業員「発電おつかれ」
炎の将魔「いやぁ、労働は気持ちいいっすねぇ。今日はよく働いたっす」
作業員「ご苦労さん。どうだ、今夜いっぱいやってくか?奢ってやるぜ」
炎の将魔「先輩、あざーっす!ごちになります!いやぁ、やっぱ労働の後の一杯は最高っすもんね!」
作業員「いやいや、この火力発電所の動力源としてお前はすっげえ世の中の役に立ってるよ」
炎の将魔「この世の中、仕事があるだけ幸せっす!」
作業員「だなぁ、不況で仕事がないとかテレビで言ってたからなぁ。仕事があるだけでうれしいよな」
炎の将魔「ほんとっすね……ん?誰か来たっすよ」
魔王「……」
側近「……」
98 = 1 :
炎の将魔「あ、誰かと思ったら魔王様じゃないっすか!ひさしぶりっす!」
魔王「何をやっとるんだ……お前は……」
炎の将魔「俺っすか?この火力発電所のエネルギー源やってるっす」
炎の将魔「いやぁ、これでも俺人気者なんすよ?俺が元の戦隊ヒーローの番組もできてるんすから」
炎の将魔「放火戦隊モエルンジャーっていってね。俺がモチーフになってるんすよ」
炎の将魔「毎週火曜日にやってるんすけどね、この間なんて子供が社会見学に来たときにサインねだられちゃったりしてね」
炎の将魔「やっぱ子供はかわいいっすね。あ、色紙は持ったとたん燃えちゃったんでサインはできなかったんすけど」
炎の将魔「あ、今の笑うとこっすよ?」
炎の将魔「やっぱこの仕事楽しいっすわ。世のため人のために……」
100 = 1 :
魔王「ふんぬあああああああああああああ!」ボゴォ
炎の将魔「ぐはぁ……」バターン
魔王「側近……私は……」
側近「あ、魔王様……何も言わなくてもいいです、私も何かむかついたんで」
魔王「こいつを魔王城に持って帰って牢に放り込んでおけ……」
側近「これで電力はなくなったんですかね?それで私は魔王城に戻りますけど、王城はどうするんですか?」
魔王「こんな腑抜けばかりの国など私一人で十分だ、任せておけ」
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