元スレあかり「マッチいりませんか?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
ここは、とある町。
レンガ造りの建物が印象的な町だ。
今は冬。この町は特に冬が厳しい。
そんな町の…人が賑わう通りに一人。
健気な少女があたふたと動いている。
彼女の名前は…赤座あかり。
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
あかり「マッチいりませんか?」
2 :
うがい、手洗い、シャブセックス
3 :
みんな、あかりのこと見えない聞こえない
5 :
あかりちゃん死んでしまうん?
6 = 1 :
格好はボロボロ。
可愛らしい顔をしているものの、やせ細っている印象。
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
あかり「マッチいりませんか?」
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
あかり「マッチいりませんか?」
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
あかり「マッチいりませんか?」
彼女の持ち物はたった1つ。
これまたボロボロのカゴに、マッチをぎゅうぎゅうに詰めこんでいる。
7 = 1 :
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
あかり「マッチいりませんか?」
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
あかり「マッチいりませんか?」
「ちょ、邪魔!」ドン
あかり「きゃ…!」ドサッ
「人の邪魔にならないように商売しろ!」
あかり「…」スクッ
あかり「マッチいりませんか?」ニコッ
「買うワケねーだろバーカ!」
8 :
妙にマッチするんだよなこの配役
10 = 1 :
あかり「そう…ですよね」
「当たり前だろ!マッチなんて誰が買うんだよ!」
あかり「…ありがとうございました」ペコリ
比較的、生活水準の高いこの町では、ほとんどの人々が家に帰れば、明かりもあるし暖をとることも出来る。
…マッチなど売れるわけがない。
あかり「…あかりだって、分かってるんだけどね…」
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
あかり「マッチいりませんか?」
11 :
捨てあかりの紙芝居思い出した
12 :
綾乃「とりあえずっ」バッ
綾乃「パンツは脱いだわっ」バッキン
千歳「綾乃ちゃん…まだはやいって」
綾乃「で、でも!ここから不意打ち濡れ場があるかもしれないし!」バッキン
千歳「そ、そうやったらうれしいなぁ~」ダバーッ
13 = 1 :
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
あかり「マッチいりませんか?」
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
あかり「マッチいりませんか?」
「邪魔」
あかり「…すみません。マッチいりませんか?」
「…一応、値段は聞いてあげる。一本何円かしら?」
あかり「○○円になります」
それは…この町の人々のマッチへの価値観を大きく上回る値段だった。
「…売る気あるの?」
14 :
ぼく「マッチ100個くださいwwwwwwこれでwwwwwwぼくもポカポカwwwアッカリンの懐もポカポカwwwwwwwww」
15 = 1 :
あかり「…お願いします。この値段で売らないと…生活できないんです」ペコリ
「そんなの知らないわよ。その値段を10分の1にしたって、まだ高いわ!」
あかり「…」
「時間をムダにしたわ。それじゃ」
この通行人が特別冷たいワケではない。
マッチ売りに声をかけただけでも優しい方だろう。
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
あかり「マッチいりませんか?」
…赤座あかりは、幸せそうな人々を目で追いながら呼びかける。
ムダだと知りながら。
18 :
俺の極太マッチいりませんかぁ…
19 = 1 :
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
あかり「うぅ…寒い…はぁー…」カタカタ
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
もう夜にも関わらず、人々で賑わう通り。
いかにも楽しそうだ。
赤座あかり以外の人々は。
あかり「誰か…マッチいりませんか?」
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
「…ねぇ、これ欲しい!」
「…お前は子供か…」
すぐ隣で、金髪の少女と黒髪ショートの少女が楽しそうにガラスに並んだ商品を眺めている。
21 = 1 :
「このトマトのパジャマにインスピレーションを感じたのだよ」
「そんなの知るか。自分の欲しいものは自分で買いなよ」
「えぇ~…結衣のケチ」
「京子に言われたくない」
赤座あかりは、休憩がてら二人の話を盗み聞いていた。
少しうらめしく思いながら。
あかり「うっ…つらぃ…うらやましぃ…苦しいよぉ…」グスッ
どうやら休憩になっていないようだ。
あかり「こんなマッチより…あんな暖かそうな服が欲しかったよぉ…」ポロポロ
23 = 1 :
あかり「誰かぁ…助けてよぉ…」グスッ
京子「…結衣、何か聞こえない?」
結衣「ん?何の話?」
京子「いや、誰かの泣き声が…」
結衣「…冗談きついよ、京子」
京子「…本当は結衣だって気付いt」
あかり「すみません…きっと、泣き声って私の事です」ヌッ
京子&結衣「…」
あかり「…?」
京子&結衣「うわああああああああああああああああっ!!!!」
あかり「っ!?」ビクゥ
24 :
松岡修三「そんな声じゃきこえないよ!!もっと大きな声で!!!」
25 = 1 :
京子「おおおおおおおおばけぇ!?」
結衣「え、うそっ、ええ…!」
あかり「…あー。良く言われます。オバケのマッチ売りだ!…って子供に」
京子「…あ。人間?」
結衣「す、すみません!いきなり後ろにいたし、痩せ細っていたのでつい…!」
あかり「こちらこそ、ごめんなさい。ビックリさせちゃいましたよね」
京子「いや、なんのなんの」ニコッ
結衣「何で偉そうなんだよお前は…失礼な事をしてすみません。お詫びに何か…」
あかり「…あ!それなら!」
あかり「マッチいりませんか?」
26 :
おもしろい
27 :
おもろい
28 = 1 :
京子「マッチぃ?………」
結衣「おい、京子…。分かりました。おいくらですか?」
あかり「○○円です…」
京子&結衣「…え?」
絶句する二人の少女。
当たり前である。マッチにしては法外な値段なのだから。
結衣「…えーと…もう少し安くなりませんか?マッチ一本にその値段はちょっと」
あかり「すみません…生活がかかってるんです…」
沈黙。
赤座あかりも容易に結果は予想できた。
…が、その予想は外れた。
結衣「わかりました…一本なら」
29 = 9 :
俺が叩かれてないだと…
30 = 1 :
あかり「…ですよね。すみませんでした…」ペコリ
京子「…ちょいちょーい!」
あかり「…クレームを相手できる気分じゃなくて…ごめんなさい」
もちろん、歳納京子が慌てて呼びかけた理由はクレームではない。
船見結衣は確かに「買う」と言ったのだ。
結衣「…落ちついて下さい。一本なら買います…下さい」
あかり「…ごめんなさい。もう一度お願いしますぅ…」
結衣「…マッチ一本ください」
あかり「…!!」
31 :
空気は叩けないだろ
33 :
結衣は可愛いなあ
34 = 12 :
あかり「マッチ一本…これが今なら!」
結衣「…い、いくらなんだ…」
京子「…」ワクワク
あかり「二万九千八百円!」
35 = 1 :
あかり「…う、そ…夢…?」ポロポロ
京子「…夢じゃないよ!安心しな!」ビシッ
赤座あかりは一ヶ月も前からマッチ売りを始めた。
だが、一本も売れた試しがなかったのだ。
…たとえ状況は特殊でも、商談成立には変わりはない。
あかり「…」涙フキフキ
あかり「○○円になります!はい、マッチです!」ニコッ
結衣「…ふふ。はい、○○円。」
あかり「ありがとうございます!」ニコニコ
36 :
天使や・・天使がおる
37 :
この笑顔で一万は払えるでぇ…
38 = 32 :
あかりを買いたい
39 = 1 :
…たかがマッチ一本。
…されどマッチ一本。
赤座あかりの喜びようは、天にも昇るようだった。
あかり「本当にありがとうございます!ああ、うれしいよぉ…!」ニコニコ
京子「…こりゃ、失礼なことをして良かったね~結衣?」
結衣「…まぁな。この子を笑顔に出来たなら、○○円なんて安いものだよ」
あかり「お二方、本当にありがとうございます…!!」ペコペコ
京子「いやぁ…そんなそんな…」
結衣「なぜお前が偉そうなんだ」コツン
京子「いたっ」
…冷たい人間も居れば、暖かい人間もいる。
41 :
あかりが灯りを売るなんて…
42 :
つまんねえSSだな
>>1死ね
43 :
あかり「残念ですがバラ売りはできません。
箱でご購入いただかなければなりませんので、
30本入りで○○○○円になります。」ニコニコ
44 = 1 :
それから、三人は意気投合。
2時間ほど話をしていく中で、互いを深く知った。
歳納京子と船見結衣は裕福な家庭で生まれた兄弟らしい。
歳納京子と船見結衣は、赤座あかりとたった一歳違いであることを知り、驚いた。
それほど、赤座あかりの体は小さく縮こまり、痩せ細っていたのだ。
…歳納京子と船見結衣は暖かい人間。
こう考えるのは自然である。
「この子を助けたい」
45 = 12 :
ところがどっこい
46 = 31 :
苗字が違う
47 = 1 :
その考えは、赤座あかりの話を聞く度に深くなっていった。
あかり「私、お姉ちゃんと二人暮らしなんだけどね…お姉ちゃんは頑張りすぎで倒れちゃって」
あかり「私が働かなくちゃいけないって思って…でも、私みたいな少女を雇ってくれるとこなんて無くて」
あかり「…貯蓄も尽きてきて…いよいよかな、って所で二人が助けてくれたんだ」ニコッ
京子「…あかり…私達なんてこんな…幸せボケしてるわー…」
結衣「…でも、さっきの金だってスグに無くなっちゃうだろ?」
あかり「うん…」
48 = 17 :
>>46
養子とかじゃね?
49 = 1 :
>>44ごめん兄弟でなくて姉妹
あと二人とも養子って設定書くの忘れてた…ごめん
次から続き
50 = 1 :
結衣「…ごめんね。私達、小遣いもあんまり無くて…お金はあんまり」
あかり「い、いやいや!マッチを買ってくれただけでも本当にありがたいよぉ!」
京子「…じゃあ…」ニヤッ
歳納京子が不敵な笑みを浮かべる。
結衣「…どうした、京子」
京子「私がビジネス戦略というものを教えてやろう!マッチを大量に売るのだ!」ビシッ
あかり「び、ビジネスぅ!?」
結衣「…」
歳納京子は本気である。赤座あかりを助けるために、本気で言っている。
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