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    元スレ織莉子「バレンタインデーに鹿目まどかに一服盛る」

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    53 = 1 :

    マミ「………それは、本当に美国さんがそう言っていたの?」

    キリカ「間違いないよ……大きい方の包みを持って、これから鹿目の所に行こうって言っていたんだ」

    マミ「ふむ……。美国さんが、鹿目さんを、ねえ……」

    キリカ「わたしは織莉子をこんなにも愛しているというのに、織莉子の本命はわたしじゃなかったんだ……こんなのってないよ……」

    自分で言っておきながら、キリカは更に落ち込む。

    絶望とは、こういうものだったのか、と。

    そんな考えすら脳裏をよぎった。

    キリカ「ああ……失恋ってこのコーヒーのようにほろ苦いものだったんだね……」

    マミから受け取ったカフェオレを飲み下しながら、キリカはそうぼやく。

    マミ(それ、あの自販機の中で一番甘いものなんだけど……)

    56 = 7 :

    きりきりが魔女化してまう…

    57 = 1 :

    マミ「……失恋なんて、長い人生では何度もあることよ、呉さん。そう落ち込まないで。ね?」

    キリカ「……恩人……」

    マミ「そうだ!これからわたしの家でお茶会をやるんだけど、よかったら呉さんも来ない?失恋の悲しみなんて忘れるくらい、思いっきり騒いじゃおうよ!」

    キリカ「ありがとう、恩人……そうさせてもらうよ……」

    マミの優しさに、キリカは甘えることにした。

    織莉子のことを忘れることは無理だろうけれど、今日くらいは。

    そうして無理やりにでも忘れるのも、ありかもしれない、と思うことにした。

    59 = 1 :

    ~~~

    場面は移り変わり、住宅街。

    織莉子が、まどかの家を目指して歩いていた。

    織莉子(この魔法をかけた必殺クッキーなら、ひと口で爆発して死に至るのはほぼ間違いないはず……それでも不安だから量を多めにして、キリカにあげたのよりも大きな包みになってしまったけれど)

    大きな包みを両手に抱えながら、織莉子はそんな思考を巡らせる。

    織莉子とすれ違う人々みんなが、織莉子の事を振り返った。

    傍から見れば、想い人の為にバレンタインのチョコを渡しに行く女性にしか見えないであろう。

    そこまで計算に入れたうえでの、バレンタインデーの実行だった。

    実に大胆な犯行である。

    60 = 13 :

    まさかの爆発クッキー

    61 = 1 :

    織莉子(暁美ほむらには申し訳ないけれど、未だに未来予知の魔法では世界を滅ぼす魔女の姿が見える……やはり鹿目まどかをどうにかしなければ、あの光景が消えることはないでしょうね)

    見滝原中学校を襲撃した時のほむらの提案は、織莉子にとっても悪くないものであることは間違いなかった。

    あの時は、ほむらの提案なら本当になんとかなるのではないか、と思った。

    しかし、やはりそんなことはなかった。そんなことはなかったのだ。

    織莉子「そんなことはなかったのだっ!!」

    思わず声に出してしまう。

    それほどまでに、あの未来予知の光景が恐ろしいのだ。

    62 = 1 :

    丁字路の合流地点にて。

    ほむら「………あら?」

    織莉子「!」

    織莉子とほむらは、ばったりと出くわしてしまった。

    ほむら「こんにちは、織莉子」

    ほむらが、何気ない挨拶を投げかける。

    織莉子「こ、こんにちはっ!?」

    返事の声が裏返る。

    この自体は、想定していなかった。

    63 = 7 :

    中学校襲撃されてるってことは早乙女先生はもう…

    65 = 1 :

    ほむら「どうかしたの?なんだか、焦っているようだけれど?」

    織莉子「い、いえ、別に焦ってなんていないようなそうでもないようなっ!?」

    どうする、どうすればいい、どうしたら。

    織莉子は頭をフル回転させる。

    とにかく、この場から逃げなくてはならない。

    そうでなければ、ほむらは追及してくる。絶対してくる。

    ほむら「……?バレンタインのチョコレートかしら、それ?」

    織莉子「っ!!!」

    大胆な犯行ゆえの弊害である隠しようのない包みを、思いっきり指摘される

    66 = 24 :

    シリアスかと思ってた

    68 = 1 :

    織莉子「え、えぇもちろんそうよっ!?」

    ほむら「誰に渡すのかしら?やっぱり、キリカ?」

    織莉子「え、あ、え、ええっと、それはそのですね、ええっと……あの……」

    しどろもどろに返答する織莉子。

    もう、逃げようがなかった。

    織莉子「そ、そそそそそそうだっ!!そ、そういうほむらさんこそ、どこへ行くのですかっ!?」

    必死ながら、話題を転換する。

    ほむら「? わたしは、まどかの家へ行こうと思っていたのだけれど」

    織莉子(何……だと……?)

    織莉子の心の中で、大胆な犯行が音を立てて崩れて行く。

    最早、修正の施しようが無かった。

    71 = 1 :

    ほむら「ほら、バレンタインのチョコレート。まどかに渡そうかな、と思ってね」

    織莉子「そ、そう……なの……」

    さあ、どうする美国織莉子。と、織莉子は心の中で自身に問いかける。

    ほむら「それで?あなたは誰に渡すの?キリカ?」

    織莉子「こ、これは、その、ですね」

    思考の整理も追いつかず、更にはほむらに質問された為に思考がめちゃくちゃになり。

    織莉子「か、鹿目まどかに渡そうと思っていて……」

    つい、ポロリと本音が零れ落ちる。

    72 = 24 :

    さるよけ

    75 = 1 :

    ほむら「………………………………え?」

    織莉子(わ、わたし……今、なんて言った?鹿目まどかに、渡す、と言っちゃった……?もしかして?)

    動作が停止したほむらを眼の前にして、織莉子はたった今自分が漏らした言葉がどういったものだったのかを必死に思いだそうとする。

    ほむら「……………そ、そう……ま、まどかに……ね……」

    織莉子(や、やっぱりっ!!?!?!?!?)

    ほむら「……………」

    織莉子「……………」

    お互いに、沈黙する。

    ほむら(まさか織莉子がまどかの事を好いているとは……。これが世に言う『殺し愛』なのかしら)

    織莉子(ど、どうしよう……こうなったら、暁美ほむらを押しのけてでも鹿目まどかの所へ行くべき……?いえ、でも……)

    78 = 1 :

    ほむら「……ひとつだけ、確認してもいいかしら?」

    織莉子「は、はいっ!?なんでしょうかっ!?」

    ほむら「あなたは……本気、なのね?」

    織莉子(ど、どういう意味での『本気』なの、それは!?やっぱり、そういった意味合いでの『本気』よね!?)

    織莉子「………えぇ。わたしは本気です。止めるのなら、お好きに」

    織莉子(もうどうにでもな~れ♪)

    その問いに答える形で、織莉子は諦めた。

    押し通るのも無理だし、どうすることも出来ない。

    なら後は、正直に答えて大局に身を任せる他ないと判断したのだった。

    80 = 1 :

    ほむら「………そう。あなたのその気持ちが本気であるのなら、わたしがどうこう言う資格はないわね」

    織莉子「……えっ」

    ほむら「頑張ってきなさい、織莉子。……わたしも、応援させてもらうから」

    それだけ言い残し、ほむらは来た道を引き返す。

    ワルプルギスの夜との戦いにおいても、美国織莉子の力は大きかった。

    そんな彼女が、まどかを好きだとわかったのだ。

    自分が邪魔をしていい資格など、ない。

    そうほむらは判断したのだった。

    織莉子「え、ええっと………」

    歩き去るほむらの後ろ姿を見送りながら、織莉子は呆気に取られてしまっていた。

    81 = 24 :

    なんと

    82 = 1 :

    織莉子「ほ、ほむらさんっ!!」

    思わず、織莉子はほむらを呼び止める。

    その呼び止めに応じ、ほむらは歩みを止めた。

    織莉子「本当に、いいのですか!?だってあなたは、今までずっと……!」

    まどかの事を守るために、頑張って来たのではないのか。

    その言葉が、出てこなかった。

    ほむら「………いいの。あなたの本気は、きっとわたしなんかよりずっと強いと思うから」

    大きい声では無かったが、その言葉は織莉子の耳に何よりも強く響き渡った。

    織莉子「ほむらさんっ……!」

    85 = 1 :

    ほむら「ただしっ!!」

    織莉子「!」

    ほむら「真正面からぶつかりなさいよ、織莉子!あの子は優しいから、きっとちゃんとした返事をしてくれるはずよ!!」

    織莉子「………ほむらさん……!」

    ほむら「わたしから言えるのはそれだけ!頑張りなさい、織莉子!!」

    織莉子「………ありがとう、ほむらさん!わたし、頑張るから!」

    ほむらは振り返らず。

    片手をあげて、そのまま立ち去って行った。

    88 = 1 :

    織莉子(ほむらさんから、勇気をもらった!)

    気を取り直し、織莉子はまどかの家を目指す。

    織莉子(これは、絶対に失敗出来ないわ!)

    意気揚々と、どこか嬉しさすら醸し出していた。

    織莉子(キリカがいないから不安だなんて、甘えたことは言っていられない!)

    この角を曲がって、100mも歩けば鹿目家だ。

    織莉子(絶対に、救世を成し遂げなければ!)

    そうしてとうとう、織莉子はまどかの家に辿りついた。

    織莉子「……スゥ……ハァ……」

    何度か、深呼吸を繰り返す。

    そして、意を決して呼び鈴を押した。

    ガチャリと、インターホンが音を立てる。

    90 = 1 :

    織莉子「あ、あのっ!」

    『ろちらさまれすかー?』

    気の抜けそうな声が聞こえて来る。

    織莉子「え、あ……」

    『もしもしー?』

    織莉子「あ、あの!まどかさんはいらっしゃいますでしょうか!?」

    『ねーちゃ?ねーちゃー!』

    『た、タツヤ!取っちゃダメって何回も言ってるのに!』

    『おきゃくさまらよー!ねーちゃいるかーっていってる』

    『わたしに?はい、代わりました』

    織莉子「か、鹿目まどかさん?わたしです、美国織莉子」

    『織莉子さん?ちょっと待っててください、今玄関まで行きますから』

    インターホンを置く音が響き、時間差でドアの向こうから駆ける足音が聞こえて来る。

    91 = 7 :

    インターホンはガチャリなんて音しないよな(小声)

    93 = 1 :

    ガチャリ、とドアが開き、まどかが顔を出す。

    まどか「こんにちは、織莉子さん」

    織莉子「え、ええ、こんにちはまどかさん」

    まどか「……一人ですか?珍しいですね」

    織莉子「ええ……実は……」

    言って、織莉子は今の今まで両手で持っていたものをまどかに差し出した。

    織莉子「これを、貴女に」

    まどか「………えっ」

    織莉子「こ、これが、わたしの気持ちです!」

    ズズイ、と更に差し出す。

    94 = 1 :

    まどか(え?えっ?えぇ?えぇぇぇえええぇぇぇっ??)

    織莉子「………」

    まどか「え、あ、え、えと、その、あの、ええっと……あー……と」

    物凄くまじめな顔をした織莉子を正面に見据え、まどかはしどろもどろする。

    顔も真っ赤だった。

    まどか(ま、まさか、人生初の本気バレンタインチョコが女の子からなんて……)

    織莉子「……受け取って、くれませんか?」

    まどか「わ、わたしは、その……えと、あの、ゴメンナサイっ!!」

    咄嗟に、まどかは謝ってしまう。

    95 = 1 :

    織莉子「!」

    まどか「わ、わたし、織莉子さんの事は、嫌いじゃないですけど……お、織莉子さんには、キリカちゃんがいるじゃないですか!わ、わたしは、えと、だから、その~……織莉子さんの気持ちには、答えられない、ですっ!」

    そこまで一気にまくしたてると、まどかは恥ずかしさのあまりドアを閉め切ってしまった。

    織莉子「…………………」

    その場には、頭を下げて大きな包みを差し出している織莉子が取り残されるのみだった。

    断られるとは思っていなかった。

    これが、本当の意味での『想定外』なのだろうか。

    どこか冷静な頭で、そんなことを考えてしまう織莉子だった。

    97 = 7 :

    しどろもどろまどまど

    98 = 1 :

    ~~~

    織莉子「……まさか、あの鹿目まどかが断るなんて……」

    帰路に着いた織莉子が、そんな言葉を呟く。

    織莉子はそれが未だに信じられなかった。

    織莉子「完璧な作戦……パーフェクトだと思ったのだけれど……」

    まさかこの期に及んで、『一服盛る作戦が失敗したから直接殺った』などとほむらに報告するわけにもいかず。

    次はどんな作戦でまどかを狙おうか、暁美ほむらにはどのような言い訳をしようか、などと考えていた。

    99 :

    うわ、久しぶりにまどかSS見た

    まどかのSSってくぅ~wのせいで一気に廃れたよな

    100 = 1 :

    織莉子「……そう言えば、キリカ……」

    今朝、美国の家を飛び出したきり、会っていない自らのパートナーのことを思い出す。

    冷静に考えたら、あれはまずかったかもしれない。

    いや、冷静に考えずとも、小さな方を本命とするのは無理があったと気付けたはずだった。

    織莉子「……まぁ、いいわ。今日、帰ってきたら話す事にしましょう」

    今は、自分も少なからず落ち込んでいる。

    家に帰り、お茶でも飲みながら、次はどうするか考える事にしよう。

    織莉子は、そう結論を出したのだった。


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