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    元スレ京太郎「神代の守人」

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    101 = 42 :

    ウキッ

    102 = 1 :

    「早速だけど、京太郎君、どうやるか決まってる?」

    「やりかたによっては必要なものが変わる……」

    京太郎「八つ門で奴を祓おうと考えています。」

    小蒔父「八位門、あそこか……」

    京太郎「内容を簡単に言うと。」

    京太郎「八つ門の一つを開けておいて俺と奴が入ったら門を閉めてください。」

    京太郎「そのあと、各門の周りにお酒を撒いて札を貼ってください、そこからあとは俺がやります。」

    「そんなことしたら京太郎も一緒に閉じ込められる……」

    京太郎「ああ、そうだよ。」

    京太郎「そのあとは内側からもお札を貼って二重に結界を張る。」

    京太郎「それが須賀のやり方だ。」


    それだけ言うと周りが意味を察したのか、空気が少し変わった。

    103 = 79 :

    シズはアコチャーが貰っていくからこのスレには来ないよ

    104 = 46 :

    京太郎死んだら須賀家断絶じゃね?

    106 = 59 :

    しえ
    これは爺共を叩きのめさなアカン

    107 = 1 :

    小蒔父「…………」

    「……京太郎君、何か入用な物ってある?」

    「私たちはサポートしか出来ないけど……」

    京太郎「サポートだけで十分。」

    京太郎「巴さん、清めの酒とお札をお願いします。」

    「直ぐ用意するね。」

    京太郎「春には仕事用の剣を頼めるか?」

    「わかった。」

    小蒔父「私に出来る事はないかね?」

    京太郎「……では、女物の服……白無垢がいいか、それと玉串とかを用意してもらえますか。」

    小蒔父「何に使うかは知らないが揃えておこう。」


    これでいいのか、これでいいんだ。

    これからやる事に、皆に少しは巻き込まれて貰おう。

    どうせ貧乏くじ引かされたのは俺なんだ、少しわがまま言って皆に動いてもらっても罰は当たらないだろう。

    108 = 1 :

    春と巴さんが戻ってきた。

    どうやら明日までには用意できるらしい。


    小蒔「何をしてるんですか?」

    初美「あ、姫様、今の隣の部屋の会話を聞いているんですよー。」

    「初美ちゃん……なんでそんなことしてるの……」

    初美「えー、だって気になりませんかー?」

    初美「私たち"降ろす側"は"祓う側"のやってる事を知らないんですよー?」

    (そうだったわ、初美ちゃんや小蒔ちゃんは知らないのね。)

    (私は事前に聞かされていて知っていたけれど、この二人には聞かせない方がいいんじゃないかしら……)

    「ちょっと、盗み聞きなんて行儀が良くないわよ。」

    初美「ちょっとだけですよー。」

    初美「ほら、姫様も。」

    小蒔「じゃ、じゃあ、ちょっとだけ、ちょっとだけですよ……」

    「小蒔ちゃんまで……んもう!」

    109 = 74 :

    須賀家が断絶する前に子種を残しておこう(ゲス顔)

    110 :

    >>109
    おうおう大事やな(ゲス顔)

    111 = 46 :

    はるるとなら血が濃くなり、現六女仙の血も混じり最強に

    112 :

    もう咲さん孕んでるし(震え声)

    113 = 1 :

    小蒔父「言われた物は粗方揃ったみたいだね。」

    小蒔父「それで他になにかあるかい?」

    京太郎「……では、準備が整ったら姫様との婚礼の儀を執り行わさせてください。」

    小蒔「え!? えー!?」

    「しっ、小蒔ちゃん、静かに。」

    初美「バレちゃうですよー。」

    小蒔「ごめんなさい……」


    小蒔父「それで玉串や白無垢を用意させたのかね……」

    小蒔父「……だが、君の年では結婚は出来ないだろうに。」

    京太郎「ええ、ですから形だけで良いんです。」

    京太郎「少しでも作戦を成功する確率を上げるためにも。」

    114 = 1 :

    初美「どういうことですかー?」ボソボソ

    「……多分、神様の前で縁を取り持ってもらい、お酒を飲むことによって神様のお力添えをしてもらうつもりなのね。」

    「婚礼で使う玉串も神様の依代とされているのよ。」

    「お酒は神様との交流の手段でもあるわ、特にお神酒とかは神様の霊力が宿っているから。」

    初美「あー、そういうことですかー。」


    京太郎「そのあと姫様が着た白無垢を頂いてもいいですか?」

    小蒔父「白無垢なんて使って何をするつもりだね?」

    京太郎「相手を油断させやすくするためですよ。」


    おじさんとの話が終わったところで、一度向き直り、やや大きい声を出す。


    京太郎「と、言う事で良いですか? 姫様。」

    小蒔「ひゃい!?」

    初美「……どうやらバレてたみたいですよー。」

    「久しぶりだったから忘れてたわ……須賀家の人はこういうのには妙に鋭いのよね……」

    115 :

    さるよけには6.7分間隔投稿が好ましい

    116 = 13 :

    118 = 1 :

    3人がおずおずと部屋に入って来た。

    姫様が俺の顔とおじさんの顔を交互に見やり、口を開く。


    小蒔「あの、あの……本当にやるんですか……?」

    京太郎「形だけでいいので、付き合ってもらえませんか?」

    京太郎「俺が嫌なら仕方ないですけど。」

    小蒔「い、いえ、そういうことではないんですが……」

    小蒔父「小蒔、精々白無垢を着て三献の儀(三々九度のお酒)をするだけだ、付き合ってあげなさい。」

    小蒔「あ、は、はい、わかりました。」

    119 = 34 :

    しずよけ

    120 = 1 :

    おじさんが何かを思い出したように俺の傍にやってくると、軽く耳打ちした。


    小蒔父「……そうだ、もし、御歴々に復讐したいと思っても意味のないことだと思うよ。」

    京太郎「?……どういうことですか?」

    小蒔父「人が許されざる道を選んだときは勝手に自滅の道を選ぶものなのさ。」

    小蒔父「まぁその前に老い先短いのだからお迎えが来るだろうがね。」


    何となくおじさんも爺共の姿勢が嫌いなのはわかった。

    こっち側の人間という事がわかって少し嬉しい。

    121 = 46 :

    なにか手をうってあるのかな

    122 = 1 :

    そしていよいよ、神前で婚礼の儀をしたのだが、緊張していて、あまり覚えていない。

    それは小蒔ちゃんや斎主をやったおじさんも同じだったようだ。

    小蒔ちゃんは巫女だし、おじさんは神主だからこういうことは慣れているはずだろうに……

    俺の記憶にあるのは三々九度のお酒を飲んだくらいか……


    もうやる事はやった、これから根の国へ向かうカウントダウンが始まるだろう。

    逃げられないし、逃げる気もない。

    独り、昔懐かしい場所で気持ちを固めていたら、横から声を掛けられた。

    123 = 1 :

    「京太郎君、少し良いかしら。」

    京太郎「構いませんよ。」

    「……いつ、出るの?」


    刺さる視線と共に、短く、そう聞かれた。


    京太郎「お酒が抜けたら、着替えて八つ門へ向かいます。」

    「そう……」


    短く返され沈黙が続く。

    ふとお酒を飲んでいた小蒔ちゃんが気になった。

    124 = 74 :

    シズ避け

    126 = 59 :

    さてどうなる…?

    127 :

    八つ門(ロッカー)

    128 = 1 :

    京太郎「霞さん、お姫様はどうしていますか?」

    「小蒔ちゃんはお酒を飲んだせいか寝ているわ。」

    京太郎「そうですか。」

    京太郎「……それでは霞さん、さようなら。」

    「ええ、さようなら……」

    「……さようなら、か。」


    彼は覚悟していたのだろう、これが今生の別れになるかもしれないと。

    それが自分の、延いては須賀家の歴史が終わるとわかりながら、宿命を受け入れたのだ。

    129 = 13 :

    ほう

    130 = 1 :

    「京太郎君はおじ様と同じ道を辿るのよね……」

    小蒔「え……」

    「!?……小蒔ちゃん……?」

    小蒔「どういう……ことですか……?」

    小蒔「京太郎君が須賀のおじ様と同じ道を辿るって、どういうことですか……!?」

    「そ、それは……」

    小蒔「須賀のおじ様は数年前に川の氾濫に巻き込まれて亡くなったって……」

    小蒔「それでどうして……京太郎君も同じ道を……辿るんですか?」

    「…………」


    迂闊だった、聞かれてしまった。

    姫様にこのことが知れたらこうなる事がわかっていたのに……


    「わかったわ、簡単にだけど話すから聞いてね……」

    小蒔「はい……!」

    131 = 59 :

    いや話すんかい! そこはもうちょっと隠し通そうとしろよ!

    132 = 46 :

    霞さん諦め早いw

    133 = 32 :

    少しくらい誤魔化す努力をしろよ

    134 = 1 :

    もうそろそろ、支度をするとしよう。

    家から持ってきた鞄から、親父の仕事着を取り出す。

    下には純白の括り袴を穿き、上半身には白小袖を。

    更にその上から、動きやすいように多少作り変えられた浄衣を着る。

    そのあと朱色の指貫のグローブを着けて、用意してもらっていた数枚の御札と剣を携える。

    あとは白無垢を被れば準備完了だ。

    当の白無垢を取りに行く為、小蒔ちゃんの部屋を訪ねる事にした。

    135 = 57 :

    きっと霞さん聖母だから嘘つけないんだね、仕方ないね

    136 = 34 :

    138 = 1 :

    部屋の前で声を掛ける。

    少しの間のあと、小蒔ちゃんの声が返ってきた。

    何処か暗い声色。

    戸を開けると、何故か不機嫌な顔をした小蒔ちゃんと霞さんがいた。

    霞さんは俺の顔を見て立ち上がると、近くまで寄ってきて耳打ちした。


    「ごめんなさい、成り行きとはいえ、少し、小蒔ちゃんに貴方の事を話してしまったわ。」

    京太郎「……わかりました。」


    そう言ったあと霞さんは部屋を出て行った。

    139 = 6 :

    耳打ちする距離まで近づいたらまずおもちと接触するはず
    いいなぁ……

    140 = 1 :

    小蒔「霞ちゃんから聞きました、京太郎君、これから危険な所へ行くんですよね……」


    どうやら霞さんは小蒔ちゃんに全てを話した訳ではない様だ。

    単純に妖魔退治の類だと思ってくれているのだろう。

    小蒔ちゃんに咎められない事をほっとしていると小蒔ちゃんが続ける。


    小蒔「白無垢がいるんですよね?」

    京太郎「ええ、出来れば頂きたいのですが……」

    小蒔「そこで待っていてください。」

    小蒔「……はい。」


    小蒔ちゃんが俺に白無垢を着せてくれた。

    そして片手に何か持っていて、それを目の前に差し出してきた。

    142 = 1 :

    小蒔「これを、私だと思って持っていってください……」

    京太郎「これは、簪?」

    小蒔「これが京太郎君を護ってくれることを祈ってます。」

    京太郎「櫛の原型、髪に挿すことによって魔を払う、ですか。」

    京太郎「有り難く頂いていきます。」

    小蒔「必ず……生きて帰ってきてください……」

    京太郎「それは……」

    小蒔「約束です!」

    145 = 1 :

    そういって小蒔ちゃんは、俺の右手を無理矢理取って、小指を絡ませた。


    小蒔「ゆーびきーりげーんまーん、嘘吐いたーら針せんぼーん飲ーます、ゆびきった。」

    京太郎「死人には、針は飲めませんよ……」

    小蒔「京太郎君は死にません!」

    京太郎「でも、もし死んだら?」

    小蒔「そうしたら私が飲みます。」

    京太郎「そんなことしたら姫様が死んじゃいますよ。」

    小蒔「……そういう意味です。」

    京太郎「俄然、死ねなくなってきましたね……」

    小蒔「はい、だから生きて帰ってきてくださいね。」

    146 = 46 :

    剣は十握剣か

    147 = 1 :

    きっと小蒔ちゃんは察したんだろう、今回のがどれだけ危険なのかを。

    もし、祓い切れなかった時は須賀の人間がどうするか、そしてどうなるかを。

    最低で道連れ。

    最善で生還。

    これが目標になる。


    京太郎「それでは行って来ます。」

    小蒔「いってらっしゃい……」


    軽い別れを告げ、決戦場まで足を向ける。

    八つ門に辿り着くとそこには既に春と巴さんが待機をしていた。


    巴さんも春も何も言わない。

    これから起こることが、これから何をするのか大体想像が付いているからだ。

    声を掛けないでいるのは信頼の証と思って受け取った。

    八つ門の内、一門開いているところから入る。

    あとは待つだけだ。

    149 = 13 :

    さる

    150 = 1 :

    暫くするとなにやら音が聞こえてきた。

    川が流れてくるような地を這う音。

    傷を負ってか隻眼ではあるが、牛など軽く一飲みしそうな巨躯の大蛇が一門から入ってきた。

    その大蛇が語り掛けて来る。


    《白無垢を着て花嫁の真似事か?》

    《我に嫁入りとは殊勝な心掛けだな……》


    大蛇がそうせせら笑う様に言うと一門が閉められた。

    蛇は門のことなど意にも介さず続ける。


    《だがな、臭う……臭うぞ……》

    《どんなにその白装束で誤魔化しても臭う……》

    《忌まわしいあの男と同じ血の臭いが!》


    「なんだ、バレてたのか、小細工って案外通用しないものだな。」


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