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    元スレ京太郎「クリスマスなのに何の予定もない」

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    1 :

    ジングルベール、ジングルベール……

    京太郎「はぁ……世間じゃクリスマスだってのに俺は何してんだろ」

    京太郎「咲はお姉さんに会いに東京、和は家の都合、優希は連絡がつかなくて、部長は忙しくなるとか言って行方をくらまし、染谷先輩は雀荘の手伝い……」

    京太郎「一方俺は親孝行しようと温泉旅行をプレゼントしたはいいが、もう金がないからカピと一緒に家でおとなしく留守番……1人で遊べるくらいにはもうちょっとバイトするべきだったか」

    京太郎「はぁ……最近独り言とため息増えたなあ……虚しい」トボトボ

    京太郎「うわっ、また雪降ってきやがった! 早く帰らねぇとヤバい!」タッタッタッ

    3 = 1 :

    --須賀家--

    京太郎「ただいまー」

    京太郎母「あっ、おかえり京太郎。 それじゃあ私は出るから後はお願いね」

    京太郎「了解、まあ親父とデート楽しんできなよ」

    京太郎母「ありがとう。 あっ、そうそう、お客さんが来てるわよ?」

    京太郎「客?」

    京太郎母「えぇ、リビングでくつろいでもらってるわ。 ふふっ、京太郎も隅に置けないんだから」

    京太郎「は?」

    京太郎母「それじゃあ行ってきます……頑張ってね」

    京太郎「あ、うん、いってらっしゃい……おい、なんだ、今の生温かい目は」

    5 = 1 :

    京太郎「客ねぇ、いったい誰が……」ガチャッ











    優希「外は雪が降ってるなー……ううっ、見てるだけで寒そうだじぇ」

    カピ「キュー」

    優希「おぉ、カピ! 私を暖めてくれるなんてお前はいいやつだじぇ!」ギュッ

    カピ「キュー、キュー!」スリスリ

    優希「あはは、くすぐったいじぇ、カピ!」


    京太郎「」

    9 :

    お!京タコゥー!

    10 = 1 :

    優希「ふう~……こたつとカピであったか~いだじぇ……おっ、おかえり京太郎。 みかんを取ってくれー」

    京太郎「自分でとれよ……つーかさ」ムキムキ

    優希「ん?」アーン

    京太郎「なにしに来たんだ、お前」ヒョイ

    優希「京太郎が1人寂しそうだったから遊びに来てやったのだ! お前のお母さんが快く通してくれたじぇ!」モグモグ……アーン

    京太郎「あの嫌に生温かった視線はそのせいか……お前、予定とかないの?」ヒョイ

    優希「ない! 親も帰ってこないから家じゃ1人だしな!」モグモグ

    京太郎「なんだよ、1人で寂しいのはお前の方なんじゃねぇか」パクッ

    優希「うっさい! 京太郎も同じじゃないかー!」

    京太郎「……それもそうだな」モグモグ

    11 :

    タコスは清澄唯一の良心

    12 = 1 :

    優希「およ? いつもなら突っかかってくるのに今日はやけに素直だな?」

    京太郎「いくらカピがいるからっつっても、なんとなく寂しいのは事実だから否定しようがねーし。 全く俺も早く彼女でも作りてーよ……」

    優希「わかるわかる、私も早く予定が1人タコス屋巡り以外で埋まるような日々を過ごしたいじぇ」

    京太郎「へぇ、タコス娘のお前がそんな事言うとは思わなかったな」

    優希「私だってこれでも乙女なんだぞ! 早く【1人でタコス屋巡り】から【恋人とタコス屋巡り】にランクアップさせたいんだじぇ!」

    京太郎「前言撤回、やっぱりお前はタコス娘だわ」

    優希「なぬっ!?」

    14 :

    カピバラの毛はけっこう硬いので、
    抱きしめると、でかいタワシ抱いてる感じ、これマメな

    15 = 1 :

    優希「そういえばなんで京太郎はそんなところに立ったままなんだ?」

    京太郎「どっかの誰かがいたせいで固まってたんだよ……」

    優希「私が落ち着かないから早くこたつに入れ! 特別に許可しよう!」

    京太郎「ここは俺の家だからお前に許可される筋合いはないっつーの!」ゴソゴソ

    京太郎「ふう……生き返るぜ。 やっぱり冬はこたつだよなー」

    優希「全くだじぇ……」

    京太郎「ほら、カピ。 お前もこっちこいこい」

    カピ「キュー……」ゴロゴロ

    京太郎「お前はかわいいなあ」

    カピ「キュー♪」

    優希「……」ジー

    16 = 1 :

    京太郎「よしよし」

    優希「京太郎!」

    京太郎「ん、どうした……って、おわっ」

    優希「んふふー」

    京太郎「いや、お前なんで人の膝の上に座ってんの? 空いてんだからそのまま向かい側でもいいじゃないか」

    優希「なんとなく?」

    京太郎「意味分からん」

    優希「いいじゃないか! この美少女たる優希ちゃんとここまでくっつけるなんて名誉な事なんだぞ!」

    京太郎「美少女ねぇ……」ジー

    優希「な、なんだかいやらしい視線を感じるじぇ……これはまさか純潔の危機か!?」

    17 = 1 :

    京太郎「はっ、誰がお前をそんな目で見るか。 胸をせめて部長レベルにしてから出直してくるんだな」

    優希「もう照れちゃ嫌だじぇ、あ・な・た! 優しくしてくれるなら私だって考えなくもないぞー?」

    京太郎「照れてねーから」

    優希「むっか~! さっきから失礼な奴だ! 私はまだチャンスがあるんだからな!」

    京太郎「そりゃお姉さん見る限り諦めるしかない咲に比べりゃましだろうけどよ……」

    18 :

    咲京はよく分からんけど京タコは良いと思う

    19 :

    優希かわいい

    20 = 1 :

    --東京・宮永家--

    「くしゅん!」

    「咲、風邪でもひいたの? 暖房強くしようか?」

    「ううん大丈夫……たぶん京ちゃん辺りがまた私の胸の事とかをバカにしてるんだよ」ペターン

    「……」チラッ↓

    「ううっ、気にしてるのに京ちゃんめ……帰ったら麻雀でトバしてやるんだから……」

    「……」ペターン

    「お姉ちゃん、どうしたの? 下なんか見て固まっちゃって……」

    「咲……その京ちゃんとやらと麻雀する時には私も行く」

    「う、うん、別にいいけど」

    「…………」ゴッタオス

    21 :

    テルー……

    22 = 1 :

    京太郎「!!?!?」ゾクゾクッ!!

    優希「ど、どうしたんだ京太郎! すごい震えてるじぇ!?」

    京太郎「な、なんか悪寒が……」

    優希「だ、大丈夫なのか?」

    京太郎「大丈夫、大丈夫だ……そ、そんな事より続きだけどお前もチャンスは期待できないだろ。 この前副会長がお前に変な視線送ってたし」

    優希「嫌な事を思い出させるな、このバカ犬!」

    京太郎「誰が犬だ!」

    優希「ふん、もう怒った! 私のおっぱいがのどちゃん以上になっても、京太郎にだけは触らせてやらないじょ!」

    京太郎「おいおい、夢を見るだけなら自由だけどな……あんまり無茶な夢は恥ずかしいだけだぞ?」

    優希「うるさいうるさいうるさーい!!」

    24 = 1 :

    京太郎「おーい優希?」

    優希「ふんだ、京太郎なんか知らないじぇ」ツーン

    京太郎「拗ねちまったよ……どうしたもんかね」

    優希「京太郎のバカ、私だって好きでこんなちんちくりんに産まれたわけじゃ……」ブツブツ

    京太郎「あー……そういやさ」

    優希「?」

    京太郎「この前行った旅行の写真出来てるけど見るか?」

    優希「おぉ! 出来たのか、もちろん見るじぇ!」

    京太郎「そうか。 えーっと……どこに置いたかなっと」ゴソゴソ

    京太郎(機嫌、少しは良くなったか?)

    25 = 1 :

    優希「でも最初はビックリしたじぇ。 まさか京太郎から旅行に誘われるなんて」

    京太郎「せっかく福引きで当たった旅行券だしなー。 親父達は都合つかないから俺に行けって言うし、咲達は予定が合わなかったからお前しか行ける相手いなかったし……あったあった、ほら」

    優希「どれどれ……うむ、よく撮れてるじぇ!」

    京太郎「現像してビックリしたんだからな? 知らない間に人の寝顔なんて撮りやがって」

    優希「あんな間抜けな顔撮らない方が失礼だからな!」

    京太郎「まあ、俺もお前が転んで雪まみれの写真撮ったからおあいこか」

    優希「おい待て! 今の聞き捨てならない発言はどういう意味だ!」

    京太郎「そのままの意味に決まってんだろ? ほれ、他にもお前のだらしない寝顔もしっかりと……」

    優希「ななな……何を撮ってるんだ、このバカー!」

    京太郎「咲達が見たら爆笑間違いなしだよなー。 あぁ、ちなみにお前が撮った俺の寝顔とかは処分済みだから。 俺のカメラで撮ったらこうなることくらいわかるだろうに、麻雀みたいに詰めが甘いよなー」

    27 :

    なんだこいつらイチャつきやがって

    28 = 1 :

    優希「ぐぬぬぬ……だったら私も切り札を使うじょ!」スクッ

    京太郎「おい、急に立つなよ……切り札?」

    優希「んっふっふ……じゃーん! 京太郎のあられもない姿を収めた写真だじぇ!」

    京太郎「…………は!?」ガタッ!

    優希「あの時カメラを持ってきたのはお前だからな、そのカメラで恥ずかしい写真を撮っても弱みを握れないのは想定済みだ! だから本命は携帯のカメラで撮ってたんだじぇ!」

    京太郎「てめ、ちょっ、それ渡せこら!」

    優希「やなこった! 渡してほしければ捕まえてみろ!」ダッ!

    京太郎「このやろ!」ダッ!

    29 = 13 :

    なんか幸せそうだな

    30 :

    捕まえた拍子に転けてあっ…てなるパターンだな

    31 = 1 :

    優希「あはははは! 遅いじぇ、京太郎! お前は麻雀でも現実でも速さが足りないじぇ!」ガチャッ!

    京太郎「言いやがったな! 雑用で鍛えた脚力なめんなよ! ていうか人の部屋勝手に入るな!」

    優希「ここが京太郎の部屋か! ベッドの下辺りにお前の秘密がありそうだじぇ!」

    京太郎「させるか、こんちくしょう!」ガシッ!

    優希「きゃっ、そんな乱暴にしちゃ嫌だじぇ、ダ・ー・リ・ン!」

    京太郎「誰がダーリンだ! いいから渡せっつーの!」グイッ

    優希「わわわ!? 急に引っ張たら危な……うわっ!」ドサッ!

    京太郎「やっと捕まえたぞ! さぁ、さっさと写真を渡しやがれ!」

    優希「ううっ、さすがに乱暴、過ぎ……」

    京太郎「はあ……はあ……」

    優希「……」

    優希(なんだじぇ、この状況?)

    32 = 14 :

    というか、高校生二人で泊まりがけで旅行とか、
    フラグがへし折れて雪崩が起きるぞ・・・

    33 = 1 :

    京太郎「はあ……はあ……」

    優希(私は今京太郎のベッドに倒れてて、目の前には、私に覆い被さって息を荒くしてる京太郎がいて)

    京太郎「ったく……手こずらせやがって」

    優希(顔とかすごく、近くて、ちょっと距離を詰めればきっと……)

    京太郎「……ん? おい、優希どうかしたのか?」

    優希「……え?」

    京太郎「いや、だってお前顔赤いぞ?」

    優希「……!」

    優希(本当だ……私、今顔がスッゴく熱いじぇ……)

    優希「ぁ、う……///」

    京太郎「……優希? さすがに何か言ってくれないと反応に困るんだが……」

    京太郎(なんでこいつこんなに顔赤くしてモジモジしてんだよ……あれ? よく考えたら、これってまるで俺が優希を押し倒してるみたいじゃねぇか? いや、でも前に同じような事あった時はこんな……)

    34 :

    そのまま行くんだ京ちゃん

    35 :

    京タコは清澄の癒し

    37 = 1 :

    優希「あ、えっと京太郎……///」

    優希(声が、出ない……前みたいに軽口が言えないじょ……私、どうしたら)

    京太郎「えっ」

    京太郎(優希の奴、震えてる? 暖房効いてて寒くはないはすだろ? じゃあ、なんで……まさか、嘘だろ?)

    優希「京太郎……?」

    優希(なんか言ってほしいじぇ……でないと私……私は)

    京太郎「優希……」

    京太郎(考えたらこいつ、それなりに整った顔してるんだよな。 体型とか目つむればけっこうかわいい……)

    京太郎(いや、待て待て俺! 何を血迷った事考えてんだよ、だってあの優希だぞ! 色気より食い気なこいつにそんな、どぎまぎするとかそんな、オカルト……)

    優希「ん……///」スッ

    優希(もう、どうにでもなれ。 だって私は、私は京太郎が……ここに、来たのだって本当は……)

    38 :

    京タコ支援

    39 :

    40 = 4 :

    京タコはすばらですね

    41 = 1 :

    京太郎「!」

    京太郎(おい、どうして目をつむるんだよ? どうして震えてる手で俺の手首掴むんだよ? そんな風にされたらいくら、俺でも……)

    優希「~~~~///」プルプル

    優希(心臓がバクバク言って死んじゃいそうだじぇ……でも、それでも私は覚悟を決めたじぇ……!)

    京太郎「……」クイッ

    京太郎(いいのか? いいんだよな? 優希にこんな事して、本当にいいんだよな?)

    優希「!」

    優希(京太郎……あ、あはは……やった、私の気持ちが届いたんだ! 嬉しい、嬉しい、嬉しい!!)

    京太郎「……」スー……

    京太郎(もう止められねぇよ、だってこいつが、こんなかわいい子がキス受け入れてくれるんだぞ? 止まれるわけ……)

    43 = 1 :

    優希「好きだじぇ、京太郎……」

    44 = 39 :

    清々しいくらいの説明口調

    45 :

    えんだああああああああああああああああああ

    46 = 36 :

    スピードワゴンさんの足元にも及ばない

    47 = 1 :

    京太郎「っ!?」

    京太郎(好き? 優希が俺を好き? ああ、そりゃキスを受け入れてくれるんだからそうだよな)

    京太郎(……じゃあ俺は? 俺は優希が好きなのか? 優希が好きだからキスしようとしてんのか?)
    京太郎(……違、う)

    京太郎(俺は、優希が受け入れてくれるから、キスしようとしてる……俺がしたいからじゃなくて、悪い言い方したら据え膳くらいの気持ちで……)

    京太郎(そんな、軽い気持ちでキスする気か? こんなに緊張で震えて、俺に応えようとしてる優希に対してそんな軽いキスをするのか?)

    京太郎(---出来るわけ、ねぇよ)


    京太郎「……」バッ!!

    優希「え……」

    京太郎「……悪い。 ちょっと、トイレ行ってくる」

    優希「京太郎!?」

    パタン……

    優希「……」

    優希「………」

    優希「…………京太郎の、バカ」グスッ

    48 :

    タコスがかわいそう

    49 = 30 :

    50 = 1 :

    京太郎「……」バシャバシャ

    京太郎(……俺はたぶん、あのままいってたら取り返しのつかない事をやらかしてた)

    京太郎(似たようなシチュエーションがなかったわけじゃない。 だけどそういう時は決まってどっちかが軽口叩いて空気を変えてた)

    京太郎「ああ、くそ……早くとれろよ、この顔の熱……」ジャー…

    京太郎(だから俺は、あんな優希を知らなかった。 いつも馬鹿やって、タコスをねだってきて、変な風に俺をからかう優希しか知らなかった)

    京太郎(優希があんなにかわいい女の子だって事を、知らなかった)

    京太郎「違うか……知ろうともしてなかったんだ俺は……」


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