私的良スレ書庫
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元スレ玄「I am アホチャー!」
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穏乃「だから憧。私も憧と……」
憧「……」
穏乃「憧?」
憧「ごめっ……」
憧「なんか……、しゃべると……、泣きそうでさ……」
穏乃「ええー。泣くことぐらい今さら気にしなくていいじゃん」
穏乃「だって憧の泣き顔なんて小さい頃から何度も――」
憧「もぉー……」
憧「それでも変な顔見られんのは……、嫌なのよ……」
憧「女心わかってよ……、バカぁ……」
穏乃「えへへ、ごめんごめん」
憧「……」
穏乃「憧?」
憧「ごめっ……」
憧「なんか……、しゃべると……、泣きそうでさ……」
穏乃「ええー。泣くことぐらい今さら気にしなくていいじゃん」
穏乃「だって憧の泣き顔なんて小さい頃から何度も――」
憧「もぉー……」
憧「それでも変な顔見られんのは……、嫌なのよ……」
憧「女心わかってよ……、バカぁ……」
穏乃「えへへ、ごめんごめん」
穏乃「それじゃ憧! 私の胸に飛び込んでこい!」
憧「え……?」
穏乃「ほら。そうすれば顔を隠して泣けるでしょ?」
憧「……うん。じゃあ飛び込む」
穏乃「おうともー。よいしょ、と」
憧「あー……、うー……」
憧「シズの胸はあったかいや……」
穏乃「そうかな? 自分じゃよくわかんないな」
穏乃「それにあったかいのは憧の方こそだよ」
穏乃「憧を抱き締めるとこんなにあったかいんだってはじめて気付いた」
玄(よかったね憧ちゃん)
玄(……そうだ!)
玄(いいこと思い付いた!)
憧「え……?」
穏乃「ほら。そうすれば顔を隠して泣けるでしょ?」
憧「……うん。じゃあ飛び込む」
穏乃「おうともー。よいしょ、と」
憧「あー……、うー……」
憧「シズの胸はあったかいや……」
穏乃「そうかな? 自分じゃよくわかんないな」
穏乃「それにあったかいのは憧の方こそだよ」
穏乃「憧を抱き締めるとこんなにあったかいんだってはじめて気付いた」
玄(よかったね憧ちゃん)
玄(……そうだ!)
玄(いいこと思い付いた!)
憧「うりうりうり」
穏乃「ちょっ、止めろって!」
憧「やめてあげなーい」
穏乃「あはは! 胸に頭ぐりぐりされるとくすぐったいって!」
憧「ふふ……」
玄(うーん。うーん)
玄(ここらへんかな?)
穏乃「ちょっ、止めろって!」
憧「やめてあげなーい」
穏乃「あはは! 胸に頭ぐりぐりされるとくすぐったいって!」
憧「ふふ……」
玄(うーん。うーん)
玄(ここらへんかな?)
憧(シズの腕の中。近くて遠かったこの場所)
憧(あたしやっと、やっと、たどり着けたんだね)
憧(感じる熱がたまらなく嬉しいよ……)
憧(シズ大好き)
憧(……それと、ありがとう玄)
憧「ねえシズ。今からキス……」
じー、がしゃ! じー、がしゃ!
ぱしゃっぱしゃっぱしゃっ!
玄「わわっ!? 携帯電話のカメラが暴走した!?」
憧「」
穏乃「」
憧(あたしやっと、やっと、たどり着けたんだね)
憧(感じる熱がたまらなく嬉しいよ……)
憧(シズ大好き)
憧(……それと、ありがとう玄)
憧「ねえシズ。今からキス……」
じー、がしゃ! じー、がしゃ!
ぱしゃっぱしゃっぱしゃっ!
玄「わわっ!? 携帯電話のカメラが暴走した!?」
憧「」
穏乃「」
穏乃「玄さん!? いつからそこに!?」
玄「え、えへへ……。二人のメモリアルを記念撮影しようかと……」
憧「くーろー!?」
玄「わー! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
憧(もうっ……、いろいろと台無しだよ)
憧(でも、ま……。いっか)
憧「ねっ、シズ!」
玄「え、えへへ……。二人のメモリアルを記念撮影しようかと……」
憧「くーろー!?」
玄「わー! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
憧(もうっ……、いろいろと台無しだよ)
憧(でも、ま……。いっか)
憧「ねっ、シズ!」
 ̄ ̄ ̄ ̄
玄「マハリー玄なんとかヤンバラヤンヤンヤン」
玄「おもちーの国ーからやーってきた」
玄「ちょっと知的な女の子」
玄「クロチャー、クロチャー」
玄(今の時代情勢を鑑みるに、魔法使いサリーよりおもち使いクロチャーの方がヒットしそうな予感!)
玄(なんて考えてるうちにお家に到着ー!)
玄(今日はいろいろあったなぁ……)
玄「ただいま、おねーちゃん!」
宥「玄ちゃ~ん、おかえりなさ~い」
玄「もー。おねーちゃんまたコタツムリ」
玄「マハリー玄なんとかヤンバラヤンヤンヤン」
玄「おもちーの国ーからやーってきた」
玄「ちょっと知的な女の子」
玄「クロチャー、クロチャー」
玄(今の時代情勢を鑑みるに、魔法使いサリーよりおもち使いクロチャーの方がヒットしそうな予感!)
玄(なんて考えてるうちにお家に到着ー!)
玄(今日はいろいろあったなぁ……)
玄「ただいま、おねーちゃん!」
宥「玄ちゃ~ん、おかえりなさ~い」
玄「もー。おねーちゃんまたコタツムリ」
玄「ねえねえおねーちゃん!」
宥「うん?」
玄「私、出掛ける前とどこか変わったと思わない?」
宥「んん?」
玄「ほらー。少し頼れるオーラが出てるとか、大人っぽくなったとか……」
宥「……ふふっ」
宥「こっちにおいで、玄ちゃん」
玄「もー、質問に答えてよおねーちゃん」
宥「いいから。おいで」
玄「はーい」
宥「うん?」
玄「私、出掛ける前とどこか変わったと思わない?」
宥「んん?」
玄「ほらー。少し頼れるオーラが出てるとか、大人っぽくなったとか……」
宥「……ふふっ」
宥「こっちにおいで、玄ちゃん」
玄「もー、質問に答えてよおねーちゃん」
宥「いいから。おいで」
玄「はーい」
玄「よいしょ……」
宥「ぎゅーっ」
玄「わ!?」
宥「玄ちゃんつかまえた」
玄「つかまった……」
宥「こんなに冷えちゃって。外は寒かったでしょ」
玄「平気だよ!」
宥「玄ちゃんは凄いねぇ。私は、やっぱり冬のお外は苦手かな……」
宥「私にできなくて玄ちゃんにはできること、これで1つ見つかったね」
玄「あ……」
宥「玄ちゃん。玄ちゃんはきっと、自分で思ってるよりもずっと頑張れる子なんだと思うよ?」
宥「ぎゅーっ」
玄「わ!?」
宥「玄ちゃんつかまえた」
玄「つかまった……」
宥「こんなに冷えちゃって。外は寒かったでしょ」
玄「平気だよ!」
宥「玄ちゃんは凄いねぇ。私は、やっぱり冬のお外は苦手かな……」
宥「私にできなくて玄ちゃんにはできること、これで1つ見つかったね」
玄「あ……」
宥「玄ちゃん。玄ちゃんはきっと、自分で思ってるよりもずっと頑張れる子なんだと思うよ?」
宥「だから……、無理して変わろうとしちゃ、ダメ」
宥「急に背伸びすることなんてないんだよ」
玄「……」
宥「ほんわかしてるのは、玄ちゃんのいいところだから……」
宥「玄ちゃんは本当は凄く頑張れる子だって、おねーちゃんも皆もわかってるんだから……」
宥「別人みたいになろうとする必要なんてないんだよ?」
玄「でもぉ……、私、アホチャーとかバカチャーとか言われて……」
宥「そんなあったかくない言葉真に受けちゃダメ」
宥「玄ちゃんは今のままでも十分、私の宝物なんだから」
玄「……おねーちゃあん!」
宥「よしよし」
宥「急に背伸びすることなんてないんだよ」
玄「……」
宥「ほんわかしてるのは、玄ちゃんのいいところだから……」
宥「玄ちゃんは本当は凄く頑張れる子だって、おねーちゃんも皆もわかってるんだから……」
宥「別人みたいになろうとする必要なんてないんだよ?」
玄「でもぉ……、私、アホチャーとかバカチャーとか言われて……」
宥「そんなあったかくない言葉真に受けちゃダメ」
宥「玄ちゃんは今のままでも十分、私の宝物なんだから」
玄「……おねーちゃあん!」
宥「よしよし」
玄「ねえおねーちゃん」
宥「うん?」
玄「おねーちゃん大好き!」
宥「私も、玄ちゃんが大好きだよ。いつも玄ちゃんに助けられてる」
玄「本当……?」
宥「うん。本当だよ」
玄「私もおねーちゃんに助けられてる……」
宥「それなら私達、いい姉妹だね」
玄「うん!」
宥「うん?」
玄「おねーちゃん大好き!」
宥「私も、玄ちゃんが大好きだよ。いつも玄ちゃんに助けられてる」
玄「本当……?」
宥「うん。本当だよ」
玄「私もおねーちゃんに助けられてる……」
宥「それなら私達、いい姉妹だね」
玄「うん!」
 ̄ ̄ ̄ ̄
えぴろーぐ
隙間風にほの揺らぐロウソクの灯りのように。
ぷかぷか気紛れに満ち引くインターネットの潮なんかよりも。
大切で大切な大切を以前の私は見失っていたような気がします。
「そんでシズったらね、あたしに向かって大胆にも……」
「ちょっ!? その話はやめろよあこー!」
憧ちゃんと穏乃ちゃんは、前よりもっともっと仲良くなりました。
時々仲良すぎるぐらいです。
えぴろーぐ
隙間風にほの揺らぐロウソクの灯りのように。
ぷかぷか気紛れに満ち引くインターネットの潮なんかよりも。
大切で大切な大切を以前の私は見失っていたような気がします。
「そんでシズったらね、あたしに向かって大胆にも……」
「ちょっ!? その話はやめろよあこー!」
憧ちゃんと穏乃ちゃんは、前よりもっともっと仲良くなりました。
時々仲良すぎるぐらいです。
「いけるねこれ!」
「は、ハルちゃんがそう言うなら、お店で出してみよっかな……」
灼ちゃんはおもちのお雑煮をお店で出すことにしたようで、よく赤土先生に味見をお願いしています。
「玄ちゃ~ん」
「なーに、おねーちゃん」
大好きな姉が私を呼ぶ声。
インターネットに惑わされて、無理に自分を変えようとした私は、やっぱり評判通りのおバカだった。
だって、もっと大切な声が私の周りにはあったこと、気付けてなかったんだから。
「は、ハルちゃんがそう言うなら、お店で出してみよっかな……」
灼ちゃんはおもちのお雑煮をお店で出すことにしたようで、よく赤土先生に味見をお願いしています。
「玄ちゃ~ん」
「なーに、おねーちゃん」
大好きな姉が私を呼ぶ声。
インターネットに惑わされて、無理に自分を変えようとした私は、やっぱり評判通りのおバカだった。
だって、もっと大切な声が私の周りにはあったこと、気付けてなかったんだから。
「玄ちゃんあったか~い」
「えへへ。おねーちゃんもあったかい!」
だから私は自戒と、誇りを込めて、胸を張りながらこう言います。
私はアホチャー。
英語で言うと、「I am アホチャー」。
でも、だからどうした。
私はそれでいいんだ、と。
北風の強いある日。
6つの影が、冬の阿知賀にあたたかく伸びていました。
おわり
「えへへ。おねーちゃんもあったかい!」
だから私は自戒と、誇りを込めて、胸を張りながらこう言います。
私はアホチャー。
英語で言うと、「I am アホチャー」。
でも、だからどうした。
私はそれでいいんだ、と。
北風の強いある日。
6つの影が、冬の阿知賀にあたたかく伸びていました。
おわり
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