私的良スレ書庫
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元スレ照「はなせばわかる」
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照「和、私が咲を連れてかえる。その事務所の場所、教えて欲しい」
和「私もついていきます」
照「警告を受けた和が顔を見せたら間違いなくこの話は終わる」
和「一人じゃ危ないですっ」
照「一人でつっこんでったやつが吐いていい台詞じゃないよ」
和「それはそうですけど……」
照「心配しないで、」
和「……」
照「……それに私にも姉としての責任があるんだ」
◇◆◇◆◇◆
ぼごっ
和『んぐっ、誰かたすけて!』
『黙らせろ』
和『んーっ、』
ぼごっ
和『――きさん!、たす』
ずっ
和『……あっ、……』
ずっ ずっ ずっ
和『おぇっ、』
びちゃびちゃ
『Vaffanculo!』
ぼごっ
『そこまで。もういいよ』
ピッ
ぼごっ
和『んぐっ、誰かたすけて!』
『黙らせろ』
和『んーっ、』
ぼごっ
和『――きさん!、たす』
ずっ
和『……あっ、……』
ずっ ずっ ずっ
和『おぇっ、』
びちゃびちゃ
『Vaffanculo!』
ぼごっ
『そこまで。もういいよ』
ピッ
十月二十二日 午後八時
戒能「……」
健夜「……、ふーん。少なくとも食事中に見るものじゃないかな」
はやり「君の教え子がやらかしてくれたわけだけど、感想はそれだけ?」
健夜「久しぶりに食事に誘われたと思ったら、こういうのを見せたかったんだ。はやりちゃんて悪趣味だね」
はやり「……今、はやり、すごーいむかついてんの☆ もっとマシな意見を聞きたいな」
健夜「お互いが提示した条件を飲んでの結果でしょ?私は当事者じゃないし、はいひどいですね、ぐらいしか言うことないんだけど」
はやり「へー、でも元々の原因はすこやんにあると思うんだけどな」
健夜「原因か。ま、それは否定できないかな」
はやり「この落とし前、どうつける☆?」
健夜「私の腕とか? でもそんなのいらないか。そもそもあげるつもりもないけど」
はやり「宮永咲の身柄」
健夜「それは無理」
はやり「なんで☆?」
健夜「あの子はもう私が制御できない領域にいる」
はやり「あの、外人連中、もしかしてすこやんの私兵じゃなかったの?」
健夜「正真正銘、咲ちゃんの私物だよ。この五年間、いろいろあったからねー」
はやり「聞かせて欲しいな」
健夜「嫌だと言ったら?」
はやり「実力行使で、」
健夜「なるほど、わざわざ一部屋借りたわけはそういうこと」
はやり「……ふ、」
ピタッ
戒能「暴力はおやめください」
はやり「――やっぱり良子ちゃんもそっち側だったんだ☆」
戒能「私は、」
はやり「一瞬でラチェットナイフを首筋に。それ、カタギの技術じゃないよね。先生は誰? それとも自己流?」スッ
パシン ヒョイッ
戒能「!!」
はやり「はい、ナイフ没収~☆。まだまだ甘いね。会話に乗せられちゃって。それにね、」
はやり「殺意が篭ってないんだよ。そんなんじゃ脅しにならない」
健夜「しょうがないな、まぁ、減るもんじゃないしね」
はやり「最初からそうしなよ」
健夜「五年前、咲ちゃんが消えた理由、あれは私のせいなんだけど、」
健夜「元はといえば、咲ちゃんが私との約束を破ったせいかな」
はやり「……それで?」
健夜「白糸台の淡ちゃん、彼女もなかなか素質の持ち主でね。彼女も開発してあげようと思ってたんだ」
健夜「それをね、咲ちゃんたらさ、『半壊程度ね』っていう約束無視して完全に壊しちゃったの。だから、」
はやり「大星淡を? 彼女もあなたのおもちゃ候補だったの?」
健夜「そうだよ。壊して強くして私の相手をしてもらう。それだけ」
はやり「……っ」
健夜「続けていいかな?……それでね、私は咲ちゃんに罰を与えたの」
はやり「罰?」
健夜「拉致して、イタリアに連れてってそれで知り合いのヤクザさんに預けたんだ」
はやり「あんたねぇ、それ完全に犯罪なんだけど」
健夜「落ち着きなよ。こっからが面白いのに」
健夜「あっちも賭け麻雀が盛んだったりする。ということは代打ちなんてのもあるわけ」
健夜「あの子が負けたら、何をされてもいいっていう条件で代打ち契約。まぁ条件を結んだのは私なわけだけど」
健夜「身寄りもお金もない咲ちゃんはそこで生き残るには、勝ち続けねばならない」
はやり「……」
健夜「最初はずうっと泣いてたよ、『お姉ちゃんお姉ちゃん』って。淡ちゃん壊しといてどの面下げてんのかって感じ」
健夜「だけど負けたらどうなるかわからない。選択肢は一つだけ。あっちにはスナッフビデオっていう文化があるし」
健夜「それ見せて『もしかしたらね』なんて言ったら大泣きしちゃってさ。あの日は大変だったなー」
はやり「こんの下衆が……!」ガシ
戒能「はやりさん!」
はやり「ガキャあだまっちょれ! さとも、おめーはきゃん話きーち平気でおんのか」
戒能「……それは、私だって」
健夜「122人」
はやり「あ?」
健夜「咲ちゃんと戦って廃人になった人の数。あの年で私兵持つなんて普通じゃないよね――」
健夜「すごいんだよ。咲ちゃんあっちで無敵でさ、全部の勝負に勝っちゃったの」
健夜「だから結構な地位もらってるんじゃないかな。といっても裏の世界だけど」
はやり「そんなに嬉しいか」
健夜「え?」
はやり「他人の人生めちゃくちゃにすることがそんなに嬉しいか」
健夜「私はね、もう昔みたいに麻雀だけやってるんじゃ楽しめないんだよ」
健夜「『吸血鬼』はさ、人の命が糧になるの。気に入ってるんだよ、昔の通り名」
はやり「あんたを楽しませるために、周りの人間は生きてるんじゃない」
健夜「娯楽は必要だよ。それがどんな形であれ、ね」
健夜「……そろそろ手、離してもらえる? 私をどうしようが事態は何も好転しないよ?」
健夜「むしろ、ここで原村さんが手を引けば全てが収まる。原村さんは賭けに負けて処女を奪われ、咲ちゃんは現状維持。それでいいじゃん」
健夜「傷穴広げる前に、さっさと元の世界に帰れば?」
はやり「……」ストン
健夜「キレたら相手の首袖掴むクセ直したほうがいいよ」
はやり「すこやん、本当に変わった」
健夜「人間は常に変わってるよ、良くも悪くも。だから咲ちゃんだって、可能性の一つの終着点がこれだっただけ」
はやり「そんなの言い訳だよ」
健夜「ま、とにかく責任は私にも存在するでしょう。だからといって何をしようってわけじゃないけど」
はやり「協力して」
健夜「何を?」
はやり「宮永咲を元の世界に返す。これだけ」
健夜「さっきも言ったけど、私はどうすることもできない。国内でさえ私の力では手が出せない」
健夜「私にできることなんかないよ。そもそも、あったとしても協力するとは限らないし、……そこに私を満足させるようなイベントがあれば話は変わるけど」
健夜「……中華おいしかったよ。じゃあね」
はやり「満足させれば協力するのか」
健夜「かもね。でも期待してないから」
はやり「……」
戒能「……」
はやり「……」
戒能「……」
はやり「……いかないの?」
戒能「私はもう、彼女の犬ではないので」
はやり「だったらあいつの顔を殴らせてよ……!」
戒能「ここに来たのはあなたの身を守るためです。小鍛治プロに誘われたというのは建前ですから」
はやり「なによそれ」
戒能「小鍛治プロ、あの性格からしてなにかしらの報復は考えていたでしょう……。以前のあなたはもっと冷静でした。今日はいくらなんでも、」
はやり「安い挑発に乗りすぎたっていいたいの?――自分のチームの子がレイプされて素面でいられるほど私は強くない」
戒能「そう、ですね。失礼しました。今の失言は忘れてください」
戒能「……私は咲さんに望みすぎました」
戒能「彼女の実力なら力の使役は楽でしょう。だから私も愛宕さんもGOサインを出したのです」
戒能「大星さんへの恨みは予想以上に強かったようで、まさか二年間も本意を隠されたまま麻雀を教えることになるとは……」
はやり「それ以前に宮永咲を開発していたことさえ知らなかったよ。ただの師弟程度だと思ってた。すこやん、もうやらないって言ったのに」
戒能「私で味を占めたんだと思います。ドイツの脳医学研究所で子供相手に人体実験もしてました」
はやり「麻雀するために?馬鹿らしくない?」
戒能「およそ、施設の目的は第三世代兵装実現のためのESP開発でしょう。小鍛治プロは7年間の咲さん成長レポートや私のデータやら、あとは彼女自身の財力でしょうか、ひたすら取引していたそうです」
はやり「ひどい相互関係ね。戦争と遊び相手が同列じゃあ、私らの倫理感とは相容れないわ」
戒能「東欧諸国の、ソ連崩壊前の研究者たちの残党ですから、それほど資料には困らなかったようです。実験台もほとんど旧ソのモルダビアから調達していました」
はやり「……、そういえば良子ちゃん、この情報どこで拾ったの? すこやんのことだから飼い犬にも漏らすはずないんだけど」
戒能「その前に一つ、今回の咲さんが来日するまで異常なほど情報が絞られていたこと、気付いてました?」
はやり「照ちゃんと和ちゃんがプロの片手間と言えど、死に物狂いで探してたのに一向にしっぽ掴めなかったからね。おかしいとは思ってた」
戒能「イタリアンマフィアは統制社会を形成し、日本の暴力団に比べると情報規制が厳しく秘密主義なのはご存知ですね」
はやり「そっか。だから手も足もでなかったんだ」
戒能「ですが、髪の毛一本残さない神隠しは、こちらに対して攻勢的な隠蔽工作がなければ不可能です」
戒能「……竹井久、という女性を知っていますか?」
はやり「うん、七年前、清澄が初めて全国出場したときの部長さんでしょう? 和ちゃんの先輩だから知ってるよ」
戒能「彼女が原村さん達への情報かく乱の主犯であり、私への情報提供者です」
◇◆◇◆◇◆
<うん、『交通料』は渡してあるから、……そうそう、いつも通りにID申告だけすれば中までは見られない>
<……ほんとこれだからイタリア人は……。欲しいもの買ってあげるからって伝えて>
<『おーいお茶』……そんなのでいいの? わかったよ。関税ひっかからない程度にいっぱい買っとく>
久「こんばんわ。まるでお母さんみたいね」
<ごめん、もう人来たから、――うん、気をつけて>ピッ
久「もういいの?」
「ええ。お久しぶりです。竹井先輩」
久「私はあんまり久しぶりって気はしないわ」
「そうですか。……そうですよね、あれだけ嗅ぎまわってれば」アハハ
久「それにしても髪伸びたわね。お姉ちゃんそっくりよ――咲」
咲「やめてくださいよ。私にはもう、姉はいませんから」
久「今日はずっと暇?」
咲「日が変わるまでに戻ることができれば」
久「例の事務所?」
咲「あそこは既に売り払いました。タダ同然で不動産に押し付けましたよ」
久「……和、止められなかったわ。ごめんなさい」
咲「……」
久「……今日はそれを、」
咲「清澄、行きませんか?」
久「こんな時間に? たぶん後輩は帰ってるわよ」
咲「いや、流石に部に顔は出せませんよ。一応行方不明者ですし。ただ見て回るだけです」
清澄高校
咲「やっぱり日本のタクシーはいいですね。便利で接客態度も良好」
久「ミラノは……、人柄は悪くはないんだけど、ぼってくるのよねー」
咲「先輩もやられました? 日本人だって言うと急に態度変わりますよね」
久「頭にきて、自分はICPOだってフランス語でまくしたてたら無料にしてくれたわ。咲もこれ使うといいわよ」
咲「私、英語とイタリア語しか喋れないですよ」
久「それでも十分じゃない。私は職業上必要なだけだしね」
咲「アメリカの私立探偵……でしたっけ? 正直その経歴も怪しいんですけど」
久「謎が多い女は魅力的でしょ? やっぱりというか、私のことも調べられているのね」
咲「うちは敵が多いですから。いつボスのこめかみにライフル弾が突き抜けていくかわかりませんし」
久「ふーん。マフィアって大変なのね」
とりあえず前の話から一通り読んでみたら、最初の方は比較的ギャグが入って明るいじゃないか
ど、どどどうしてこうなった・・・
ど、どどどうしてこうなった・・・
>>1は戻ってこれないのか?
髪が変色してイタリアに行ってヤクザの仲間入りとかジョルノみたい
>>142
髪の色はアカギだけどな
髪の色はアカギだけどな
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