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元スレ恒子「すこやんと宮永照ってどっちが強いの?」
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すこやん(一手進む……誰よりも早く……ただ進むは戻る……鳴きを入れるという行為は自分のツモを一手遅らせる行為)
トシ(通ったか)
黒子 打 1索(小鍛治の現物)
トシ「ロン」
トシ(鳴いて速度で勝る……が、脇から和了って小鍛治のダブリーを凌ぐ以外、防ぐ手がないとは……削れるのはリー棒分だけか)
トシ(しかし、黒子からあたり牌が飛び出さないことには、止める事は出来ない……それでも小鍛治にツモらせないためには鳴き続けるしかない)
トシ(ただどう足掻いてもツモられる事がある……私の点は……削られていく)
すこやん(トシさんのスピードはほぼ私と同等……いや、鳴いて進める分、一手早いよね……
でも、トシさんは一巡私のツモを遅らせることしか出来ない。さらに、ツモる事が出来ないから、私の点数を削ることすら出来ない
彼女の点棒が尽きるのも時間の問題)
トシ(……そう思ってるんだろ?小娘がッ! せいぜいダブリーに頼ってな……次に私の親が回ってきた時……百式の零をお見舞いしてやるぜ)
でも、トシさんは一巡私のツモを遅らせることしか出来ない。さらに、ツモる事が出来ないから、私の点数を削ることすら出来ない
彼女の点棒が尽きるのも時間の問題)
トシ(……そう思ってるんだろ?小娘がッ! せいぜいダブリーに頼ってな……次に私の親が回ってきた時……百式の零をお見舞いしてやるぜ)
南3局
トシ「来たねぇ……ダブルリーチ」
すこやん(……トシさんが一手先に……トップ・ギアってわけですか)
すこやん(私もダブルリーチかけられるけど……少々、この牌、きな臭い)
すこやん(でも、逃げるわけにはいかないっ)
すこやん(一度、逃げたら、人は楽な方へ、楽な方へ……殉じよう 生まれた時から手にあったこの能力に)
すこやん「私も……ダブルリーチ」
トシ「悪いねぇ 一発 跳満さ 12000」
すこやん(この形は……10年前の赤土選手の……)
トシ「来たねぇ……ダブルリーチ」
すこやん(……トシさんが一手先に……トップ・ギアってわけですか)
すこやん(私もダブルリーチかけられるけど……少々、この牌、きな臭い)
すこやん(でも、逃げるわけにはいかないっ)
すこやん(一度、逃げたら、人は楽な方へ、楽な方へ……殉じよう 生まれた時から手にあったこの能力に)
すこやん「私も……ダブルリーチ」
トシ「悪いねぇ 一発 跳満さ 12000」
すこやん(この形は……10年前の赤土選手の……)
南4局 親 熊倉トシ
トシ 5200点 すこやん 77000点
トシ「覚えているのかい?」
すこやん「はい。まさか、私がダブルリーチ一発に打ち込むなんて、その時思っていませんでした」
トシ「今は……わかってて振り込んだ…違うかね?」
すこやん「……そうかもしれません」
トシ「7万差あれば、楽勝……か。ホッホッホッ 私もナメられたもんだ 私の半分も生きていないガキに」
この時同席した黒子 後に語る
熊倉トシの顔 鬼の形相と化し 対面の小鍛治健夜を睨む
これが生涯最後 その覚悟で配牌を取る熊倉の手に一切の迷いはなく
雷を伴って外で降りだした雨は一向に止む気配なし
東東東北北北南南南白白白
トシ(まだお前が支配していると思っているんだろ!?
あ……?小鍛治健夜……テメェの命脈ここに尽きたぜ……
天和四暗刻単騎字一色小四喜の親の5倍役満……子の払いは80000ッ……後は残り2枚……西を揃えておしまいだッ……
テメェのツモは二度と来ねェ)
すこやん「」
トシが牌を倒し 眩い光が小鍛治を包んだ
トシ「はぁ……はぁ……はぁ……」
すこやん「素晴らしい一撃でした……私から役満を……それもダブル以上を和了った人は……初めてだよ」
トシ「……足りなかったねぇ……まさか……ツモったのかイーピン2枚……」ガクン
トシ(悪いねぇ……みんな……まだ……もうちょっとだけ……あなた達の側に……いたかった)
――岩手――
エイスリン「ナガレボシ キレイ」
シロ「……」
エイスリン「シロ?ドシテナク?」
シロ「……どこか遠くで……大きな悲しみが生まれた……気がする」
すこやん「残りの字牌は全て私の手の中です……あの異様なまでの殺気……緊急回避で大三元と小四喜……字一色までも止める必要があると感じました」
すこやん「命を代償に……やはり私を脅かす勝負の後は……涙が止まらなくなる」
勝者 小鍛治健夜 熊倉トシ再起不能により決着
恒子「すこやん!」
すこやん「私は大丈夫……熊倉さんは病院に運ばれたけど……私は何も失っていない」
咏(本物のモンスターだねぃ……熊倉さんで腕一本取れないなら……止められる人間がいないのも道理……全くの代償なしで、あれだけの雀力なんだ……)
戒能「もう中止にしましょう。高校生が勝てる可能性はゼロです」
咏(でも可能性はあるんだよねぃ……もし宮永照が命を代償にすれば……その勝負に小鍛治さんが価値を見出すならば……
小鍛治さんもきっとその勝負に命を……少なくとも二度と麻雀を打てなくなる代償を張って…)
咏(トシさんの覚悟……いま、小鍛治健夜は燃えている……万が一にでも女子高生に負けることがあれば……
それは、トシさんの魂への侮辱ッ!私にはわっかんねーけど、小鍛治は全てを捨ててでも勝ちに来ると思うよ)
すこやん「でも涙が止まらないんだよ……そしてまだ……もし、彼女たちがそれでも卓につき続けるなら……私は全身全霊を持って彼女たちに勝たなくちゃいけない」
4回戦 姫松高校3年 末原恭子
末原「小鍛治プロ……善野さんの事は覚えていますか?」
すこやん「うん」
末原「あンたは、あンたに全てを賭して向かってくる相手と戦う時……どんな気分なんですか?」
すこやん「……逃げていたのかもしれない……私は臆病だから……何も失わないように勝つことだけを考えて……それで一度負けた」
末原「それは善野さんや熊倉さん……無念に散った無数の挑戦者への侮辱じゃありませんか?」
すこやん「……今はもう……もし、あなたが私に全てを賭ける価値を見出すのであれば……私も全てを投げ出す覚悟で打つよ」
末原「私はこの半荘が終わった時…‥もしあンたの後塵を拝する事があるんなら……死を選びます」
すこやん「……」
恒子「……もう……見てられないよ……」
咏「いいや。あんたには最後まで見届ける義務がある。目を背けちゃいけないねぃ」
末原「……はぁ、はぁ……(ダメや……命を賭けとんのに……6巡目まで持たせるのが精一杯なんて……)」
末原(まだ一度も……和了れとらん)
すこやん「リーチ」
末原(またダブル……一発ツモだけは防げる……しかし……もう無理や……気が……もたへんわ……)
末原(東3局でこれかい……親を止められん……もう……)
洋榎「恭子!」
末原(あかん……幻覚まで……)
すこやん「ツモ 4000は4200オール」
洋榎「あんた、よう頑張ったで。でもな、まだ負けとらん。きっついこというかもしれへんけど
命を捨てるっちゅう覚悟を決めたからには
諦めたらアカンで
綺麗に死にたいとか甘えてるんちゃう?
命を捨てる行為は……もっと泥臭くて醜いもんなんや」
末原(そうか 甘えとったな
死を選んだ身 怖いものなんてあらへん)
すこやん「まだ……続けるの?」
末原「ああ まだ諦めとらん……善野さんに土産、まだ用意しとらんからな」
人、別れるとき木々は泣く。
人、振り返るとき森は啼く。
「あの人は、ただ前だけを向いいました。振り向きもせず、泣くこともなくただ終わりなき先だけを見据えて――」
「でも、私には涙が見えました。悔いなき闘牌が出来たと」
小鍛治健夜、39歳と11ヶ月の夏
宮永照、17歳と9ヶ月のの夏
人、振り返るとき森は啼く。
「あの人は、ただ前だけを向いいました。振り向きもせず、泣くこともなくただ終わりなき先だけを見据えて――」
「でも、私には涙が見えました。悔いなき闘牌が出来たと」
小鍛治健夜、39歳と11ヶ月の夏
宮永照、17歳と9ヶ月のの夏
この東三局三本場が、末原恭子の最後の麻雀
帰る場所を捨てて戦うからには 手ぶらで死ぬわけにはいかん
末原恭子の覚悟
ダブルリーチをかけようとした小鍛治健夜 今日はじめて手が止まる
熊倉トシを相手にしたような 異様な殺気
末原恭子の底が見えない
しかし小鍛治健夜 逡巡後、己に殉じる
生まれてこの方信じてきた自分の絶対的な雀力に身を委ねる
末原「ロンや……タンピン三色……8000は8900 人和あればなぁ……生涯初の役満やった ウチに相応しい地味ィな最後……」
生放送収録中に死人が出るとか、麻雀協会が許しても
局側がノーセンキューだろ
局側がノーセンキューだろ
恒子「小鍛治プロ、今日はじめて女子高生に振り込みです……あれ……小鍛治プロの様子がおかしい……」
戒能「あの子…………」
赤坂(命を犠牲にするほどの能力やもん すえはらちゃん ようやった!)
すこやん「あれ……おかしいな……真っ暗だよ……何も見えない……」
末原「善野さん……今行きます……あなたの元へ……まだ生きてたかった……悔しいなぁ……短くって……でも……楽しかった」
すこやん「か、返せ……私の光…‥返して……」
勝者 小鍛治健夜 末原恭子再起不能により決着
戒能「あの子…………」
赤坂(命を犠牲にするほどの能力やもん すえはらちゃん ようやった!)
すこやん「あれ……おかしいな……真っ暗だよ……何も見えない……」
末原「善野さん……今行きます……あなたの元へ……まだ生きてたかった……悔しいなぁ……短くって……でも……楽しかった」
すこやん「か、返せ……私の光…‥返して……」
勝者 小鍛治健夜 末原恭子再起不能により決着
恒子「すこやん!すこやん!目ェ、目ェ、見えないの!?」
すこやん「うん……おそらくもう二度と……」
咏(いくら小鍛治プロでも、命を賭す二人との連戦はこたえるか……そして最後の一人……勝敗はわっかんなくなってきたねぇ)
恒子「ドクターストップ!この試合、中止ぃ~中止ぃ~」
すこやん「こーこちゃん!だめ……それだけはだめ。もしここで中止にするなら……私は一生あなたを恨む」
照「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
なんとなく、剣心の過去編で刺客が次々と剣心の五感を奪っていくのを思い出した
最終戦
照「私ははじめ……あなたが相手だと知った時、勝負をする気はなかった」
照「でも、みんなが教えてくれた」
照「ここで負けたら、私はもう二度と前へ進めない」
照「たった一度。生涯一度、絶対に負けてはいけない戦いがあるということを知った」
照「ただ単に負けたくない ただ勝ちたいだけ それは私のエゴかな?咲」
照「咲と仲直りできなくても、家族が二度と揃うことがなくてもいい。私はあなたに勝ちたい だから」
――もうこれで終わってもいい
――だから ありったけを
照「私ははじめ……あなたが相手だと知った時、勝負をする気はなかった」
照「でも、みんなが教えてくれた」
照「ここで負けたら、私はもう二度と前へ進めない」
照「たった一度。生涯一度、絶対に負けてはいけない戦いがあるということを知った」
照「ただ単に負けたくない ただ勝ちたいだけ それは私のエゴかな?咲」
照「咲と仲直りできなくても、家族が二度と揃うことがなくてもいい。私はあなたに勝ちたい だから」
――もうこれで終わってもいい
――だから ありったけを
>>190
鳩山婦人連れてきて蘇生させよう
鳩山婦人連れてきて蘇生させよう
宮永照が、己の輝かしい未来と帰るべき場所を代償に手にしたオーラは
小鍛治健夜が今まで見たオーラのどれよりも美しく
そして暗い闇を携えたオーラだった
すこやん(目を潰されて……捨て牌も見えない……出和了りが完全に封じられたハンデ……)
すこやん(さらに、全盛期の私をも上回る程のオーラ……当然だよね)
すこやん(宮永照という日本の宝、世界の至宝が、その将来を投げ打ってこの半荘に全てを注ぐ)
すこやん(勝てないなぁ……負ける……負けた事はある……本気じゃなかった……私だって何かを犠牲にすればって思ってた)
すこやん(でも覚悟が足りなかった)
すこやん(そう。私が倒した敵は私にも教えてくれた)
すこやん(何を犠牲にしてでも勝たなくちゃならない勝負があるということを)
すこやん(そう。私だって……もう……ここで終わっていい)
人類史上最高雀力とうたわれる小鍛治健夜が生涯最後の相手に選んだのは
まだ名もない少女だった
果てしない麻雀の可能性。それを完成させた小鍛治健夜と、さらにその奥の可能性に賭ける宮永照の戦いは
卓上で無数の応酬となって繰り広げられた
牌の重なり合わせ現象を支配する小鍛治健夜は、それを実質封じる対等な相手と初めて麻雀をした
ダブリーも、役満もない。ただ純粋に、偶然のみに身を委ね……
勝負はどちらに転んでもおかしくはなかった。
互いの技量・器 どちらも最高にまで高まり 後は運だけが支配していた
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