元スレ向日葵「わたくしの計画」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
向日葵「…………」ペラ
向日葵「はぁ……」
楓「お姉ちゃん、なに読んでるの?」
向日葵「あら楓……ほら」
楓「わぁ、けっこんしきの?」
向日葵「式場で売っている本だそうで……お母さんが貰ってきたんですわ」
楓「すごいの、このドレス」
向日葵「ええ、ほんとに……///」
楓「おねえちゃんも、こういうの着たいの?」
向日葵「えっ、私は……」
向日葵(着たいというより……)
2 :
向日葵(赤座さんに着せてみたいですわ)
3 = 1 :
~
向日葵「着せたいですわ。櫻子に!」
向日葵(櫻子のドレス姿……想像しただけでも胸に来ますわ! 目頭が熱くなりますわ!)
向日葵「といっても、まだ中学生ですしね……ドレスなんて望んで手に入るようなものでもありませんし」
向日葵「どうしようかしら…………はぁ」
向日葵(櫻子、あなたは)
向日葵(あなたも着てみたいと思ってるのでしょうか)
向日葵「……ドレスは女の子の夢ですわ。櫻子だってきっと私と同じ考えのはず!」
向日葵「もうこうなったら……」
向日葵「いっそ、自分で作ってしまえばいいんですわー!!」
4 :
ドレス作るのなんて無理だろjk
5 = 1 :
ーーーーーー
向日葵「まずはともかく情報を集めませんと。ドレスの作り方なんて全然わかりませんわ」
向日葵「というかドレスの作り方なんてどこで聞けるのか……」
向日葵「うぅ……こういうときに家にパソコンがあれば便利ですのにね」
向日葵「でも! そんなハイテクなものには頼りませんわ。 方法はいくらでもあるはず!」
向日葵「手始めに、図書館にでも行ってみましょうか」
6 :
櫻子ちゃんお誕生日おめでとう!
でもずぅっと12歳だよ!
7 = 4 :
サザエさん時空万歳!!
8 = 1 :
~
向日葵「えっと……結婚式、結婚式」
向日葵「服飾で見た方がいいのかしら。それとも……」
「あれ、向日葵ちゃん?」
向日葵「?」
あかり「あ、やっぱり向日葵ちゃんだ~」
向日葵「赤座さん。こんにちは」
あかり「なに探してるの?」
向日葵「えっ! えっと……」
向日葵(この計画は……むやみに他の人には教えない方がいいですわよね)
あかり「んーっと……編み物の本?」
向日葵「え、ええそうなんですわ。新しいものに挑戦しようと思いまして」
あかり「向日葵ちゃんこういうの上手だもんね~。前もちなつちゃんにマフラー教えてあげてたし」
向日葵(今度はマフラーどこの話じゃないですけど……)
9 = 1 :
あかり「頑張ってね? あかり、そろそろおうちに帰らなきゃだから、またね~」
向日葵「あ、はい。また……」
向日葵(……ふぅ、セーフですわ)
向日葵「それにしても、やっぱりドレスの作り方なんて本はなかなか無いですわね」
向日葵「洋裁のジャンル。恐らくこの辺りが一番近いものが得られるでしょう」
ペラ……
向日葵「う……やはりひとくちに洋裁と言っても種類が多いですわ」
向日葵「基本ベースを作って、そこにアクセサリやパーツを付けていく感じでも様にはなると思うんですけど……どうなのかしら」
向日葵「あっ、そういえばこの図書館はパソコンを借りられましたわね。ちょっとそっちでも調べてみようかしら」
10 = 1 :
~
向日葵「ウェディングドレス 作り方……っと」ッターン
向日葵「あ、あら? いっぱい出てくる……」
向日葵「…………」カチカチ
向日葵(なんだ……同じようなことを考える人って、やっぱりいますのね……)
向日葵「関連書籍もいっぱい出てますわ。もっと新しい図書館とかに行けば置いてるかしら」
向日葵「…………」
向日葵(なんでしょう……がんばろうと思ってたのに、急に俗物っぽくなってしまったというか)
向日葵(……ま、負けませんわ! 櫻子の姿を思い浮かべれば、なんのこれしき!)
向日葵「私はこんなものには屈しない……これよりもっとすごいのを作ってみせますわ!」
向日葵「俄然やる気が出て来ましたわ。 とりあえず今日の所は参考になりそうな本を全部借りて行きましょう」
12 :
健気すぎて泣ける
13 :
ふむ
14 = 1 :
~
楓「おねえちゃんおかえりなのー」
向日葵「ただいま楓。遅くなって申し訳ありません」
楓「荷物重そうなの。だいじょうぶ?」
向日葵「だ、大丈夫ですわ。私の愛の前にはこのくらい……」
楓「??」
向日葵「あ、ごめんなさいね。すぐご飯にしますから」
向日葵(早めにお風呂に入って、宿題もやって……忙しいですわね)
向日葵「一歩一歩、こつこつと頑張りましょう」
楓「お姉ちゃん、お風呂先でもいいよ?」
向日葵「えっ、そう?」
楓「あの……楓もまだだから」
向日葵「ふふ……じゃあいっしょに入りましょうか♪」
楓「わーいなの!」
15 = 11 :
しえんなの
16 = 1 :
~
向日葵(櫻子のタイトな身体に合うようにしたいですが……できれば大きくなった時にもまだ着れるようなのがいいですわね)
向日葵(アンダーレースとトップを別にすれば大丈夫でしょうか。……でもやり方がよくわかりませんわ)
向日葵(櫻子のイメージに合ったような……フリル、フレアー……ああイメージは膨らむのにどう作っていいかがわからない)
向日葵(ちょっと絵に描いてみ……いや、それはやめておきましょう)
向日葵(なんにしてもまずは材料かしら。……ホワイトレースとかってどのくらいするのかしら)
向日葵(安いとは思ってませんわ。でも少しでも良いものを……)
向日葵(櫻子には、少しでもいいものを……)
向日葵「zzz……」
18 = 1 :
楓「あっ、おねえちゃんが机で寝ちゃってるの……風邪引いちゃうの!」
楓「よいしょ、よいしょ……」ふぁさー
楓「これでおっけーなの!」
楓「おやすみなの、おねえちゃん」
向日葵「……くー……くー……」
19 :
さすが楓ちゃんや
20 = 1 :
ーーーーーー
向日葵「今日はどうしましょ……とりあえず生地を見に行ってみようかしら。相場がよくわかりませんし」
向日葵「あとはもうちょっと資料が欲しいですわ。昨日はよくわからないまま寝落ちしてしまいましたが……ドレスというものの仕組みをもっと勉強しておかないと、絶対途中でつまづきますわよね」
向日葵(というかそもそも私、本物のドレスを見たことがありませんでしたわ……)
向日葵「とりあえず、街に出てみましょうか」
楓「おねえちゃん、今日もお出かけ?」
向日葵「ええ。いってきますわね」
楓「どれすづくり?」
向日葵「!」
21 = 1 :
楓「あっ、あのね、昨日ちょっとおねえちゃんの読んでた本を見ちゃったの。あと、昨日けっこんしきの本読んでたから、だから……」
向日葵「ふふ……楓は凄いですわね」
向日葵「ひとつ、約束してくださいな」
楓「やくそく?」
向日葵「私がドレスを作ってること。これは私と楓だけの秘密にしましょう」
向日葵「櫻子に教えてはいけませんわ。できれば他の人にも」
楓「なんで?」
向日葵「えっと、それは……」
23 = 1 :
向日葵「び、びっくりさせたいからですわ」
楓「びっくり?」
向日葵「あらかじめわかっているよりも、急にプレゼントを貰ったりした方が喜びは大きいでしょう?」
楓「あっ、おねえちゃん、櫻子おねえちゃんにドレス作ってあげるんだ!」
向日葵(え!? そこには気がついてなかったの!?)
楓「わかったの! 誰にも言わないの!」
向日葵「……よ、よろしくおねがいしますわね」
25 = 1 :
~
向日葵(もうひとつ、櫻子にバカにされるかと思ったからですわ)
向日葵(普通に考えれば、ドレスを作るなんて大変なことですもんね……)
向日葵「でも、きちんと完成させたら、櫻子だって驚くはずですわ!」
「私がなんだって?」
向日葵「えっ……さ、櫻子!?」
櫻子「なにやってんの? どっか行くの?」
向日葵「えっと、ちょっとお使いに。街まで」
27 = 1 :
櫻子「ふーん……で、さっき私の名前呼んだのはなんだったの?」
向日葵「あらー? 私櫻子の名前なんて呼びましたっけ??」
櫻子「聞こえたよ。櫻子だってなんとかですわーって」
向日葵「き、聞き間違いじゃないかしら……『きくらげ買ってきますわ』って言いましたけど」
櫻子「おーそういうことか! きくらげおいしいよね!」
向日葵「そ、そうですわね……///」
櫻子「あっ、やば。ねーちゃんたちのアイス買ってきたのに溶けちゃうや。じゃあねー」
向日葵「ええ、また」
タッタッタッ……
向日葵(せ、セーフ……櫻子がおバカで助かりましたわ)
向日葵(さくらこ……きくらげ……思ったより似てませんし)クスクス
28 = 1 :
~
向日葵「繊維街に来て見ましたわ。いつも生地を買う時によくお世話になるんですけど……確かドレスに合うようなのがあったはず」
向日葵「あ、この毛糸かわいい……///」モフ
向日葵「あっ、この生地も……」
向日葵「い、いけませんわ! 早く目当てのものを探しませんと」
向日葵「えーっと……このあたりかしら」
向日葵「とにかく薄めで軽くないといけませんわね。肌触りも良くて……」
店員「何かお探しですか?」
向日葵「あっ、えっと……」
向日葵「その、ウェディングドレス用の生地を……」
店員「え、ウェディングドレス……??」
29 :
さるちゃんよけ
31 = 19 :
書くと似てる……のか?
32 = 1 :
向日葵「似たようなのでいいんですけど……ありますか?」
店員「あー今はちょっと置いてないかも……もっと大きな所とか、専門店に問い合わせたりしないと難しいかもしれませんね」
向日葵「そうですか……」
店員「ご自分でお作りになられるんですか? ウェディングドレス」
向日葵「ええ……ちょっと、頑張ってみようかと思いまして///」
店員「そうだ! カタログとかならあるんですけど、持って来ましょうか?」
向日葵「あっ、お願いします! とりあえず生地の相場が見たいので」
店員「少々お待ちくださいませ」
向日葵(……やっぱり、変わり者みたいに思われてるのかしら)
33 :
胸だけじゃなく野望もデカイ
34 = 1 :
~
店員「このあたりになりますかね」
向日葵「そうですね。良さそうなのがいっぱい……」ペラ
店員「ドレス生地って、やっぱり普通と違って特殊な加工がなされてるものですから、良いものは少々お値段が張るんですけど」
向日葵「わ! 高い……!」
店員「使う量も多いと思うんですよ。違う種類の生地を何枚も重ねて作ったりしますから……」
向日葵(うう……)
店員「でもここに載っているものは比較的安価な方なんです。やはり本場のものはほとんど外国製ですから……プロの方なんかはほとんど外国から調達するんです。新作の生地ともなると、ほんのちょっと使うだけでも数万円とか……」
向日葵「すごい……」
店員「オーガンジー、レース……色合い的にはやはり、ただの白よりもホワイトパールのようなものが好まれますね」ペラペラ
35 = 1 :
向日葵「あっ、安いのもあるんですね」
店員「そうですね、ですが……」
向日葵「実物を見てみないと、ってことですか?」
店員「生地は当たり外れが大きいですからね。本で読んで頼んではみたものの、写真より光沢が無かったり、思っていたデザインと違ったり、固かったり、耐久性に問題があったりと……なかなか思い通りにはいかないものです」
向日葵(ちょっと買うだけにしても数千円軽く飛ぶのはやはりキツいですわ……)
店員「レースモチーフ、レースリボン等もあるにはあるんですが、この本だと種類は少なくて……やはり専門家の方のカタログでないと、良いのを見つけるのは難しかったりします」
向日葵「…………」
38 = 1 :
店員「申し訳ありません。お力添えできなくて……」
向日葵「い、いえそんなことはありませんわ。とても勉強になりました」
店員「この本、よかったら一部どうですか? うちではそんなに使うことはありませんし、予備もあるので、お譲りできますよ?」
向日葵「本当ですか!? 是非……!」
店員「かしこまりました。少々お待ちください」
向日葵(とりあえず来てみてよかったですわ。収穫ですわね)
39 = 1 :
ーーーーーー
向日葵「資料探しに、大きな本屋さんに来てみましたわ」
向日葵「生地も大切ですが、構想を練らないと……生地がよくてもスタイルがダメだと意味ないですからね」
向日葵「えーっと、ファッション……あ、このあたりですわ」
向日葵「あ、これは昨日図書館で調べて見つけた本ですわね。えーと……」
~
向日葵「なるほど、ラインにもいろいろありますわね。櫻子にはどんなのが合うかしら……」
向日葵「あんまりしっとりしてるのじゃなくて、ふわっと広げてあげた方が可愛いと思いますわ」
向日葵「櫻子……」
つー……
向日葵(ひゃっ! 鼻血……///)
向日葵(ま、まずいですわ……本についてしまいました)
向日葵「この本は買いましょう……とりあえず血を止めませんと」タタタ
40 = 1 :
~
向日葵「ふう……櫻子のドレス姿は強烈ですわ」
向日葵「というか暑い中歩き回ったってのもあるかもしれませんわね……昨日も本を読みながら寝てしまいましたし……」
向日葵「まだ始まったばかりの計画なんだし、いきなり身体に悪いくらい頑張っても仕方ありませんわ」
向日葵「今日の所はこの本を買って帰りましょう。これは役に立ちそうですわ」
向日葵「あ……お菓子のレシピ本……」チラッ
向日葵「そうですわ。楓も応援してくれてますし、お礼をしないといけませんわね」
向日葵「家にあって困るものではありませんし、これも買っちゃいましょう」
向日葵「あら……? この本……」
向日葵「孤独のグルメ特集……ふふ、あの子が好きそうですわね」クスクス
向日葵(そうですわ。お菓子作ったら、櫻子にもプレゼントしないと)
41 = 11 :
しえん
42 = 1 :
ーーーーーー
楓「おねえちゃん、何つくってるの?」
向日葵「ふふ、もうすぐ面白いお菓子ができますわよ」
楓「わぁい、楽しみなの!」
向日葵(…………)せっせっ
向日葵(何かが足りない……ドレスを作り始めるきっかけ……)
向日葵「あっ、そうですわ!!」
向日葵(私まだ本物のドレスを見たことがないんでしたわ……)
向日葵(全部テレビや写真だけで……本物をこの目で確かめたことが……)
向日葵(……こうなったら、行ってみましょうか)グッ
向日葵「結婚式場へ!」
43 = 19 :
アクティブ向日葵!
44 :
だから孤独じゃねーだろ
46 = 1 :
~
ピンポーン
櫻子「おお、向日葵」ガチャッ
向日葵「櫻子、はいこれ」
櫻子「えっ、なにこれ!」
向日葵「新しくお菓子つくってみましたの。撫子さんたちの分も作って来ましたわ。どうぞ」
櫻子「わーいやったー! なにこれうまそう!」
向日葵「それで、あの……あなたの家のパソコンを貸してほしいんですけど」
櫻子「パソコン?」
向日葵「ええ、ちょっと調べたいことがありまして」
櫻子「別にいいよー。たぶん今ねーちゃんの部屋にあると思うけど」
向日葵「ちょっと撫子さんのお部屋いってきますわね」
櫻子「んーいいにおい♪」
48 = 1 :
~
コンコン
向日葵「撫子さん?」
撫子「おおひま子」
向日葵「ちゃっと調べたいことがありまして……パソコンを貸してもらえませんか?」
撫子「んー……また『おねえちゃん』って呼んでくれたら、貸してあげるよ」
向日葵「な、なんで!?///」
撫子「うそうそ、普通に貸してあげるよ。あんまりいやらしいもの見ちゃダメだからね」
向日葵「見ませんわよそんなの! まったく……///」
撫子「じゃ、私下にいるから」
パタン
49 = 1 :
向日葵(ま、まったく撫子さんは……)
向日葵「さっさと調べちゃいましょうか。式場の電話番号」
向日葵(さすがに見学くらいはさせてくれますわよね……? もし断られたらどうしましょうか)カチカチ
向日葵(屋外で式を挙げているとこなら、遠くからでも見られるはずですわ。……もっと近くから見たいけど)
向日葵(えーっと……あ、ここですわ。家からだと電車に乗らなきゃいけませんのね)
向日葵(メモメモ……)カキカキ
「……ゃん、……る……?」
向日葵「!?」
「……ぃょ……」
向日葵(だ、誰かそこにいますわ……櫻子かしら)
向日葵(はっ、履歴を消しておかないと)カチカチ
50 :
おもろいぞ
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