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元スレ奉太郎「神山市で殺人事件……?」
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A 一緒に帰る
奉太郎「……そうだな、念のため一緒に帰るか」
さすがの省エネ主義といっても、状況が状況だ。
この状況で一人で帰ってもらった、といったら後で伊原になんと言われるか分かった物じゃない。
奉太郎「家まで送って行こう」
える「折木さん、ありがとうございます! お言葉に甘えさせて頂きますね」
える「折木さんと一緒に下校……なんだか新鮮ですね!」
奉太郎「……ん」
奉太郎(顔が近い……)
奉太郎「……そうだな、念のため一緒に帰るか」
さすがの省エネ主義といっても、状況が状況だ。
この状況で一人で帰ってもらった、といったら後で伊原になんと言われるか分かった物じゃない。
奉太郎「家まで送って行こう」
える「折木さん、ありがとうございます! お言葉に甘えさせて頂きますね」
える「折木さんと一緒に下校……なんだか新鮮ですね!」
奉太郎「……ん」
奉太郎(顔が近い……)
~帰り道~ 里志/摩耶花
里志「にしてもさ」
里志「奉太郎も、随分と鈍感な奴だよね」
摩耶花「ほんとよ!」
摩耶花「ちーちゃんがあれだけアピールしているって言うのに……」
摩耶花「あー! 煩わしい!!」
相変わらず、摩耶花は奉太郎には敵意剥き出しの様だ。
ちょっとはなだめる僕の事も考えてほしい物だよ、全く!
里志「にしてもさ」
里志「奉太郎も、随分と鈍感な奴だよね」
摩耶花「ほんとよ!」
摩耶花「ちーちゃんがあれだけアピールしているって言うのに……」
摩耶花「あー! 煩わしい!!」
相変わらず、摩耶花は奉太郎には敵意剥き出しの様だ。
ちょっとはなだめる僕の事も考えてほしい物だよ、全く!
里志「まあまあ、落ち着いて摩耶花」
里志「奉太郎の態度を見る限り、相思相愛って感じじゃない?」
摩耶花「確かに……でもなんで折木みたいな奴にちーちゃんが……」
里志「そうかい? 僕はお似合いだと思うけどね」
里志「奉太郎も、ああ見えていい所もあるんだよ」
奉太郎のいい所……だらしない、すぐに湯当たりする、めんどくさがり。
あれ? これって全部悪いことじゃないか!
いい所、いい所、あ! 寝癖がすごいとかどうだろう?
里志「奉太郎の態度を見る限り、相思相愛って感じじゃない?」
摩耶花「確かに……でもなんで折木みたいな奴にちーちゃんが……」
里志「そうかい? 僕はお似合いだと思うけどね」
里志「奉太郎も、ああ見えていい所もあるんだよ」
奉太郎のいい所……だらしない、すぐに湯当たりする、めんどくさがり。
あれ? これって全部悪いことじゃないか!
いい所、いい所、あ! 寝癖がすごいとかどうだろう?
摩耶花「そんなもんかしらねぇ……」
里志「そんなもんさ、誰にでもいい所はあるってよく言うだろ?」
摩耶花「でもやっぱり納得いかない! くっつくなら早くくっつけばいいのよ!」
里志「あはは、それは僕たちにも言える事だね」
あえて地雷を踏む、そうやって僕は生きていくのさ!
摩耶花「それは、ふくちゃんがいつも誤魔化すからでしょ!」
里志「うんうん、元気が出たみたいでよかったよ」
摩耶花「またそうやって……」
摩耶花「でも、今度の日曜日は逃げたら許さないわよ!」
里志「そんなもんさ、誰にでもいい所はあるってよく言うだろ?」
摩耶花「でもやっぱり納得いかない! くっつくなら早くくっつけばいいのよ!」
里志「あはは、それは僕たちにも言える事だね」
あえて地雷を踏む、そうやって僕は生きていくのさ!
摩耶花「それは、ふくちゃんがいつも誤魔化すからでしょ!」
里志「うんうん、元気が出たみたいでよかったよ」
摩耶花「またそうやって……」
摩耶花「でも、今度の日曜日は逃げたら許さないわよ!」
>>62
脳内補完お願いします(囁き声)
里志「わ、分かってるって」
ま、まずい事を思い出させちゃったみたいだ。
地雷を踏むのにも慎重にしないとなぁ……
摩耶花「映画、楽しみにしてるんだからね……」
里志「悪かったって、今度は必ず行くよ」
摩耶花「うん……あ、そろそろ家が近いから-----
摩耶花の後ろの草陰が、少し動いた気がした。
次の瞬間それは……物陰から飛び出してきた。
あれは……!
里志「摩耶花っ! 危ない!」
脳内補完お願いします(囁き声)
里志「わ、分かってるって」
ま、まずい事を思い出させちゃったみたいだ。
地雷を踏むのにも慎重にしないとなぁ……
摩耶花「映画、楽しみにしてるんだからね……」
里志「悪かったって、今度は必ず行くよ」
摩耶花「うん……あ、そろそろ家が近いから-----
摩耶花の後ろの草陰が、少し動いた気がした。
次の瞬間それは……物陰から飛び出してきた。
あれは……!
里志「摩耶花っ! 危ない!」
~帰り道~ 奉太郎/える
える「折木さん、今日はありがとうございます」
千反田が改まって頭を下げる。
奉太郎「いや、別に……流石に一人で帰すわけにはいかんだろう」
える「ふふ、ありがとうございます!」
何をそんな嬉しそうに……やはりこいつはよくわからん。
等と考えていたら、千反田が口を開いた。
える「と、突然なのですが……」
える「折木さん、今日はありがとうございます」
千反田が改まって頭を下げる。
奉太郎「いや、別に……流石に一人で帰すわけにはいかんだろう」
える「ふふ、ありがとうございます!」
何をそんな嬉しそうに……やはりこいつはよくわからん。
等と考えていたら、千反田が口を開いた。
える「と、突然なのですが……」
奉太郎「ん? どうした」
える「……折木さんには、想い人などはいないのですか?」
奉太郎(本当に突然だな……)
奉太郎(しかも実に答え辛い)
奉太郎「うーん……」
奉太郎「残念ながら、今まで彼女ができたことすらないからな……」
奉太郎「人を好きになるって事も、よく分からん」
奉太郎「省エネ主義に反するしな」
うむ、答えは間違っていない。
我ながら見事な回答だ。
える「……折木さんには、想い人などはいないのですか?」
奉太郎(本当に突然だな……)
奉太郎(しかも実に答え辛い)
奉太郎「うーん……」
奉太郎「残念ながら、今まで彼女ができたことすらないからな……」
奉太郎「人を好きになるって事も、よく分からん」
奉太郎「省エネ主義に反するしな」
うむ、答えは間違っていない。
我ながら見事な回答だ。
える「そう……ですか……」
える「折木さん、らしいですね!」
奉太郎「でも」
奉太郎「もし彼女が出来たとしたら、省エネ主義も考え直す必要があるかもなぁ」
える「? というのは?」
奉太郎「自分に好意を寄せてくれる人間を、省エネしているので無理です。とは断れないだろ」
奉太郎「そんな冷たい人間では無い」
ナイス模範解答、意外とできるじゃないか、俺。
える「そう……ですか!」
える「これは例えば、ですけど」
える「折木さん、らしいですね!」
奉太郎「でも」
奉太郎「もし彼女が出来たとしたら、省エネ主義も考え直す必要があるかもなぁ」
える「? というのは?」
奉太郎「自分に好意を寄せてくれる人間を、省エネしているので無理です。とは断れないだろ」
奉太郎「そんな冷たい人間では無い」
ナイス模範解答、意外とできるじゃないか、俺。
える「そう……ですか!」
える「これは例えば、ですけど」
える「どの様な方でしたら、いいんですか?」
奉太郎「例えば……か」
次に出てきた言葉は、自分でも驚いた。
本当に自然に、その名前が出てしまっていた。
例えるなら、名前を呼ばれて、返事を返すような……そんな感じだ。
奉太郎「……千反田……とか?」
える「……え?」
千反田が大きい眼を更に見開いて、眼を丸くしてこっちを見てくる。
瞬間、俺は自分が何を言ったか理解し妙に恥ずかしくなった。
まあそれもそうだろう……言った相手が、本人なのだから。
奉太郎「例えば……か」
次に出てきた言葉は、自分でも驚いた。
本当に自然に、その名前が出てしまっていた。
例えるなら、名前を呼ばれて、返事を返すような……そんな感じだ。
奉太郎「……千反田……とか?」
える「……え?」
千反田が大きい眼を更に見開いて、眼を丸くしてこっちを見てくる。
瞬間、俺は自分が何を言ったか理解し妙に恥ずかしくなった。
まあそれもそうだろう……言った相手が、本人なのだから。
奉太郎「あ、いや、すまんなんでもない」
慌てて濁すも、時既に遅し。
える「お、おおお折木さん、そ、それって……」
奉太郎「な、なんでもない! 忘れてくれ……」
いかん、話を摩り替えなければ。
奉太郎「それより! 千反田は好きな人とかいるのか?」
無理矢理、話を千反田に持っていく。
こうでもしないと無駄なエネルギーを使いそうでたまったもんじゃない。
と言う事にしておこう。
える「わ、私の好きな人ですか……」
慌てて濁すも、時既に遅し。
える「お、おおお折木さん、そ、それって……」
奉太郎「な、なんでもない! 忘れてくれ……」
いかん、話を摩り替えなければ。
奉太郎「それより! 千反田は好きな人とかいるのか?」
無理矢理、話を千反田に持っていく。
こうでもしないと無駄なエネルギーを使いそうでたまったもんじゃない。
と言う事にしておこう。
える「わ、私の好きな人ですか……」
奉太郎「言ってみただけだ、居ないなら居ないでいい」
える「私にだって好きな人はいます!!」
奉太郎(これは意外だな……てっきり恋愛には無縁の奴かと思っていた)
奉太郎(ああ、それは俺の方だけか)
奉太郎「そうなのか、名前は?」
等と本日二度目の冗談を吐く。
意外と楽しいかもな、これ。
える「い、言えませんよ!」
千反田は顔を真っ赤にして、手を顔の前でぱたぱたと振りながら答えた。
奉太郎「冗談だ、そこまで失礼な奴ではないぞ。 俺は」
える「折木さん酷いです……本人の前で言える訳ないじゃないですか……」
える「私にだって好きな人はいます!!」
奉太郎(これは意外だな……てっきり恋愛には無縁の奴かと思っていた)
奉太郎(ああ、それは俺の方だけか)
奉太郎「そうなのか、名前は?」
等と本日二度目の冗談を吐く。
意外と楽しいかもな、これ。
える「い、言えませんよ!」
千反田は顔を真っ赤にして、手を顔の前でぱたぱたと振りながら答えた。
奉太郎「冗談だ、そこまで失礼な奴ではないぞ。 俺は」
える「折木さん酷いです……本人の前で言える訳ないじゃないですか……」
そうそう、本人の前で。
奉太郎「……え?」
自分でも、どこから声が出たのか分からない程に、変な声だったと思う。
それほど俺は驚いたのだ。
える「へ? どうかしました?」
俺の聞き間違いか? それとも千反田は自分がなんて言ったか分かっていないのか?
奉太郎「いや……本人の目の前でって……え?」
える「……」
少し、首を傾げ、考え込む様な顔をした。
そして数秒後。
える「な、なんでもないです!!」
更に顔を赤くし、千反田は顔を覆ってしまった。
奉太郎「……え?」
自分でも、どこから声が出たのか分からない程に、変な声だったと思う。
それほど俺は驚いたのだ。
える「へ? どうかしました?」
俺の聞き間違いか? それとも千反田は自分がなんて言ったか分かっていないのか?
奉太郎「いや……本人の目の前でって……え?」
える「……」
少し、首を傾げ、考え込む様な顔をした。
そして数秒後。
える「な、なんでもないです!!」
更に顔を赤くし、千反田は顔を覆ってしまった。
える「気にしないで……ください」
いつもの気になります! はどこへ行ったのか……零れる様に千反田は言った。
奉太郎「そ、そうか」
気まずい空気は苦手だし、効率も悪い。
どうにか話題を変えないと……
奉太郎「にしても、この神山で殺人事件とは」
奉太郎「物騒になったものだ」
える「そう……ですね……」
千反田も察したのか、話を合わせてくれる
いつもの気になります! はどこへ行ったのか……零れる様に千反田は言った。
奉太郎「そ、そうか」
気まずい空気は苦手だし、効率も悪い。
どうにか話題を変えないと……
奉太郎「にしても、この神山で殺人事件とは」
奉太郎「物騒になったものだ」
える「そう……ですね……」
千反田も察したのか、話を合わせてくれる
える「女性ばかり、しかも学生ばかり狙われるなんて……」
える「やっぱり、ちょっと怖いですよね」
確かに、怖くない訳がない。
ましてや千反田は学生だし、女だ。
俺も勿論、多少は怖かったりするのだが、千反田のそれとは比べるのも億劫になる。
奉太郎「まあ、昼に犯行が行われているみたいだし大丈夫だろう」
このくらいしか、千反田を元気付ける言葉が思い浮かばなかった。
える「そうですね! 後ろ向きではいけません!」
える「あ、お家が見えてきましたね」
える「やっぱり、ちょっと怖いですよね」
確かに、怖くない訳がない。
ましてや千反田は学生だし、女だ。
俺も勿論、多少は怖かったりするのだが、千反田のそれとは比べるのも億劫になる。
奉太郎「まあ、昼に犯行が行われているみたいだし大丈夫だろう」
このくらいしか、千反田を元気付ける言葉が思い浮かばなかった。
える「そうですね! 後ろ向きではいけません!」
える「あ、お家が見えてきましたね」
奉太郎(まだ大分距離があるというのに……ここからでもはっきりと見えるな)
える「あれ? 前から何か来ますね」
奉太郎「あれは……救急車か?」
える「何か……あったんですかね?」
奉太郎(まさかな……)
奉太郎(あっちは伊原の家の方角か? なんか嫌な予感がするな……)
奉太郎(さて、どうしたものか……)
A 救急車を追いかけてみる
B 無視する、私、気になりません!
>>90
える「あれ? 前から何か来ますね」
奉太郎「あれは……救急車か?」
える「何か……あったんですかね?」
奉太郎(まさかな……)
奉太郎(あっちは伊原の家の方角か? なんか嫌な予感がするな……)
奉太郎(さて、どうしたものか……)
A 救急車を追いかけてみる
B 無視する、私、気になりません!
>>90
A 救急車を追い掛けてみる
このままあれを無視しても、嫌な予感は収まりそうにない。
俺は幸い、今日は自転車で来ていた。
やはり、運はあるのかもしれない。
奉太郎「千反田、すまないが先に帰っていてくれないか」
える「折木さん、行くつもりですか? 私も行きます!」
奉太郎「ダメだ、救急車って事は何かあったんだろう。 しかもあっちは伊原の家の方角だ」
だが千反田は食い下がらない。
える「ダメです! 私も心配なんです!」
奉太郎「お前が心配なんだ!」
このままあれを無視しても、嫌な予感は収まりそうにない。
俺は幸い、今日は自転車で来ていた。
やはり、運はあるのかもしれない。
奉太郎「千反田、すまないが先に帰っていてくれないか」
える「折木さん、行くつもりですか? 私も行きます!」
奉太郎「ダメだ、救急車って事は何かあったんだろう。 しかもあっちは伊原の家の方角だ」
だが千反田は食い下がらない。
える「ダメです! 私も心配なんです!」
奉太郎「お前が心配なんだ!」
柄にも無く、大きな声で言ってしまった。
千反田はビクッと体を震わせると、俯きながら言った。
える「す、すいません! そうですよね……」
える「分かりました。 私は家に帰っているので、気をつけてくださいね。 折木さん」
奉太郎「すまん……後で必ず電話する、先に帰っていてくれ」
良かった、千反田は納得した様子だった……しぶしぶだが。
千反田と軽い挨拶を交わすと、自転車に乗り、救急車の向かった方角へ行く。
向かったと言っても、どこまでいくのかは分かった物ではない。
千反田はビクッと体を震わせると、俯きながら言った。
える「す、すいません! そうですよね……」
える「分かりました。 私は家に帰っているので、気をつけてくださいね。 折木さん」
奉太郎「すまん……後で必ず電話する、先に帰っていてくれ」
良かった、千反田は納得した様子だった……しぶしぶだが。
千反田と軽い挨拶を交わすと、自転車に乗り、救急車の向かった方角へ行く。
向かったと言っても、どこまでいくのかは分かった物ではない。
>>93
言葉足らずです。家に帰ったら、ということですね。
もし携帯を持っていたら、千反田と別れる前に電話していたと思います。
しかし、内心焦っていたのだろう。
意外にもすぐに、そこに着いた。
具体的に言うと、伊原の家から100m程の所だろうか、人だかりが出来ていたのでそこへ向かう。
嫌な予感は、未だに拭えない。
ここら辺にしては、結構な数の人が集まっていた。
それは、悪い予感をさらに強くするものでもあった。
人だかりの中央には、血。
そして、里志と摩耶花が居た。
瞬時に何が起きたのか理解できるほど、俺の頭は優れていない。
だが状況から察するに、二人の身に何かが起きたのは確かだった。
言葉足らずです。家に帰ったら、ということですね。
もし携帯を持っていたら、千反田と別れる前に電話していたと思います。
しかし、内心焦っていたのだろう。
意外にもすぐに、そこに着いた。
具体的に言うと、伊原の家から100m程の所だろうか、人だかりが出来ていたのでそこへ向かう。
嫌な予感は、未だに拭えない。
ここら辺にしては、結構な数の人が集まっていた。
それは、悪い予感をさらに強くするものでもあった。
人だかりの中央には、血。
そして、里志と摩耶花が居た。
瞬時に何が起きたのか理解できるほど、俺の頭は優れていない。
だが状況から察するに、二人の身に何かが起きたのは確かだった。
近づくと、状態は軽く見ただけだが判断できた。
そこまで重傷……意識を失ったりはしていない様だ。
奉太郎「里志! 伊原!」
二人とも俺に気付いたようだ。
摩耶花「折木……! あんたどうして!?」
奉太郎「帰り道の途中で救急車がこっちに来るのをみたんだ、怪我は……大丈夫か?」
摩耶花「わ、私は大丈夫だけど……ふくちゃんが……」
伊原の表情から、必死に涙を堪えているのを理解する。
奉太郎「里志が!?」
そこまで重傷……意識を失ったりはしていない様だ。
奉太郎「里志! 伊原!」
二人とも俺に気付いたようだ。
摩耶花「折木……! あんたどうして!?」
奉太郎「帰り道の途中で救急車がこっちに来るのをみたんだ、怪我は……大丈夫か?」
摩耶花「わ、私は大丈夫だけど……ふくちゃんが……」
伊原の表情から、必死に涙を堪えているのを理解する。
奉太郎「里志が!?」
まさか、本当にこんな身近に、犯罪があるなんて事は思いもしなかった。
少し気をつけよう、くらいの認識であった。
少なくとも、千反田と別れる前までは。
里志「いてて……おおげさだなぁ、摩耶花は」
と苦笑いしながら、里志が喋る。
里志「刺されたって言っても、掠った程度だよ」
奉太郎「そ、そうか……」
だがそれでも、かなりの出血があるのは明らかだった。
里志「それより奉太郎、千反田さんは?」
一緒に来てなかったのか? とでも言うように、里志は言う。
少し気をつけよう、くらいの認識であった。
少なくとも、千反田と別れる前までは。
里志「いてて……おおげさだなぁ、摩耶花は」
と苦笑いしながら、里志が喋る。
里志「刺されたって言っても、掠った程度だよ」
奉太郎「そ、そうか……」
だがそれでも、かなりの出血があるのは明らかだった。
里志「それより奉太郎、千反田さんは?」
一緒に来てなかったのか? とでも言うように、里志は言う。
奉太郎「ああ、あいつなら家の近くまで送って行って、俺は途中でこっちに向かったんだ」
すると里志は顔を歪ませ、声を荒げる。
里志「ということは、千反田さんが家に入るのを奉太郎は見ていないんだね!?」
何を突然、と思った。
だが次の言葉を聞いて、胸の中を嫌なざわめきが駆け巡る。
里志「あいつ……千反田さんを狙っているんだ!」
千反田を……?何故?
里志「最初は摩耶花を刺そうとしていた……だけど僕が飛び出して……」
里志「その後、あいつは言っていた……! お前は違うな、千反田はどこだ。 って……!」
里志の言っている事が、うまく解釈できなかった。
奉太郎「なんで、なんで千反田なんだ!?」
すると里志は顔を歪ませ、声を荒げる。
里志「ということは、千反田さんが家に入るのを奉太郎は見ていないんだね!?」
何を突然、と思った。
だが次の言葉を聞いて、胸の中を嫌なざわめきが駆け巡る。
里志「あいつ……千反田さんを狙っているんだ!」
千反田を……?何故?
里志「最初は摩耶花を刺そうとしていた……だけど僕が飛び出して……」
里志「その後、あいつは言っていた……! お前は違うな、千反田はどこだ。 って……!」
里志の言っている事が、うまく解釈できなかった。
奉太郎「なんで、なんで千反田なんだ!?」
里志「それを聞いたら、あいつは笑っていた……その後、摩耶花が叫び声をあげて、逃げていったんだけどね……」
何故だ? 何故千反田を……?
あいつとは恐らく連続殺人犯だ、恐らくではない、ここまできたらほぼ確定だろう。
そして6人目の生贄……達せられる。
あいつは何か目的を持っていた……?
俺には到底理解できない目的……?
そこまで考え、俺は乗ってきた自転車に再び跨っていた。
急いで、向かわなければ。
来るときよりも速度を上げ、先ほど別れた場所まで自転車を漕ぐ。
戻るときは、何倍もの時間を感じられた。
もしかすると……ここら辺で名のある奴を狙っていた……?
何故だ? 何故千反田を……?
あいつとは恐らく連続殺人犯だ、恐らくではない、ここまできたらほぼ確定だろう。
そして6人目の生贄……達せられる。
あいつは何か目的を持っていた……?
俺には到底理解できない目的……?
そこまで考え、俺は乗ってきた自転車に再び跨っていた。
急いで、向かわなければ。
来るときよりも速度を上げ、先ほど別れた場所まで自転車を漕ぐ。
戻るときは、何倍もの時間を感じられた。
もしかすると……ここら辺で名のある奴を狙っていた……?
だとすると何故、里志と間違えた……?
校門を出るときに、既に狙っていた……?
いくら考えても、今回は答えをだせそうになかった。
やがて、先ほどまで居た所に戻ってきた。
俺の視界に入ったのは、一人の少女。
既にこの時点で、おかしいことに気づいていたんだ。
だって、さっき別れた時からもう三十分は経っているんだ。
制服を着て、黒の長い髪。
そいつは地面に倒れていて。
血の池に身体を沈めていた。
校門を出るときに、既に狙っていた……?
いくら考えても、今回は答えをだせそうになかった。
やがて、先ほどまで居た所に戻ってきた。
俺の視界に入ったのは、一人の少女。
既にこの時点で、おかしいことに気づいていたんだ。
だって、さっき別れた時からもう三十分は経っているんだ。
制服を着て、黒の長い髪。
そいつは地面に倒れていて。
血の池に身体を沈めていた。
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