元スレわたし「人類は衰退しましたが、妖精さんが爆発的に増殖したもよう」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
わたし「地球外生命体から見れば、この星の支配者は虫である、という説があります」
わたし「それは単純に、この星にもっとも多い種族が虫であるからというお話なのですが……」
わたし「では、いまや地球上に数百億と存在している現人類、妖精さんは地球外生命体にはどう映るのでしょうか?」
わたし「お菓子をあげるだけで、楽しいことをするだけで増殖する妖精さんの存在は、決して無視出来ない存在のはずです」
わたし「もっとも、妖精さんを認識することが出来るかどうかというのが最大の問題なのですが」
わたし「妖精さんの科学力は皆さんも知っての通り。我々旧人類、人間の常識をはるかに上回ります」
わたし「具体的には人間が数千年かけて起こした文明を数日で追いつくどころか追い抜いてしまうぐらい」
わたし「そんな彼らの大好物はお菓子と楽しいことで、爛熟しきった科学文明も飽きてしまえば即座にポイです」
わたし「故に真面目かつ積極的に業務に取り組む調停官としては、彼らに常にお菓子と楽しいことを提供し続けなければならないのです」
わたし「……ふう、そのはずがどうしてこんなことに」
3 = 1 :
祖父「見ろ、この見事に真っ赤なクスノキの里を」
わたし「なんですかこれ」
祖父「妖精種の人口がどんなもんかを調べた地図だ。特にクスノキの里は過去最高どころか、全世界最高の妖精密度だ」
わたし「……」
祖父「原因はなんだろうな?」
わたし「待ってくださいおじいさん。しかし退嬰的で衰退中の人間が調べたデータなど、アテにはなりませんよ」
祖父「退嬰的は余計だ。アテにならんにしても、適当に調べたわけじゃない。おまえも人間ならこのデータのありのままを受け容れろ」
わたし「受け容れがたい……」
4 = 1 :
祖父「ここまで数が増えては問題も多かろう。よって彼らには移住してもらおうと思ってな」
わたし「そんな素直に言う事聞いてくれますかねえ……」
祖父「甘い餌をちらつかせれば簡単だろう。おまえがお菓子を作れば彼らが寄ってくるようにな」
わたし「たいへんいやな予感がするのですが」
祖父「うむ。おまえが率先して彼らの移住を手伝え。単身赴任だ。もう場所は決まってある」
わたし「……うっ」
わたし(そこはかとなく漂う冒険のにおいに、思わず顔をしかめてしまいます。冗談じゃありません)
わたし「……確かに妖精さんは増えているようですが、実はこれが正しい数値なのかもしれません」
祖父「そうか。行ってこい」
わたし「このデータを調べた人が数え間違えたという可能性も否定出来ません。彼らを区別して数えるのは難儀ですから」
祖父「そうか。行ってこい」
わたし「うぐぐ……」
わたし(為すすべなしでした)
5 :
やろうと思えば世界征服だろうと何だろうとできちゃうくらい妖精さんに好かれるわたしちゃん
でもやる気ないから安心
6 = 1 :
妖精さん「おひっこしですかー」「わるくないかも」「しんてんちで、あらたなじぶんをみつけるです」
わたし「はいはい皆さん。点呼しますから整列してくださいね」
妖精さん「しかたないなー」
わたし(綺麗に一列に並んだ妖精さん。こういう時の連帯感は半端ないですね)
わたし「とぅーわな・おぅわ・てぬわ・あうわ・にまうわ……」
わたし「――10人ですね。これだけいればある程度の科学力はありますし、移住先でも無事に増えてくれるでしょう」
わたし(気分は引率の先生です。が、この単身赴任の期間は未定。それがひたすらに恐ろしい……)
妖精さん「しゅーじんなんばーとぅーわな、じゅんびできましたです?」
わたし「囚人って……そういう意味で点呼したわけじゃないですよ」
わたし(彼らの移住先について確認しておきましょうか……ええっと、場所は)
>>9
7 :
うわアンカ!
くっさ
8 :
ちょっと寒いところ
9 :
下北沢
10 :
とてもひとことではいいあらわせませぬがおかしたべたし
11 = 5 :
無人島に行かない場合か
12 = 1 :
わたし(どうやら指定された場所は都市遺跡のようです。こんな所で妖精さん増やして何しろと……)
わたし「ともかく出発しましょうか」
妖精さん「はーい」
わたし「……見事に廃墟ですね、これ」
わたし(かつては人間の文明があったそこも、雨風に曝されて数世紀。かつての繁栄は見る陰もありません)
妖精さん「なんかくらいなー」「てんしょんさがってきたかも」「あー」
わたし「……あれ。なんかあなたたち、数減ってません?」
妖精さん「そう?」「あんまりいしきしたことないですな」「まー、たいしたもんだいではないかと」
わたし「ゼロになるのだけは避けて下さいよ。わたし、食料なども現地調達しないとだめなんですから」
妖精さん「それはじつに、たのしげですな?」
わたし「ゲームや物語の中ではそうかもしれませんけどね」
わたし(これは現実なのです。妖精さんというファンタジーな存在がなければ、わたしなどは数日で餓死してしまうでしょう)
13 = 1 :
わたし「さてと。まずは拠点でも作りましょうか」
妖精さん「べーすのいちはだいじです」「てきじんちかくにせっちし、そっこうねらうのもありかと」
わたし「何の話してるのか分かりませんけど、安全な場所に設置しましょうね」
わたし(適当な廃墟に潜り込み、わたしは持ってきた荷物を広げます。その気になれば一週間ほどは持ちそうです)
わたし「この単身赴任がどれだけ長期化するのか分かりませんし、妖精さんには本当に期待して……ってあら」
妖精さん「きがつけば、ぼくしかいないよかん」
わたし「まさにそのとおりで……」
わたし(現場到着30分。10人いた妖精さんは1人になっていました。これはもう、だめかもしれぬ)
わたし「どうしてこんなに数が減るんでしょうか……ここ、妖精さんを増やすには不適切な場なんじゃあ」
14 = 1 :
わたし「何か心当たりはあります?」
わたし(目を逸らした隙に居なくなりそうなので、妖精さんを凝視しながら問いかけます)
妖精さん「さー?」
わたし「自分たちのことでしょ」
妖精さん「しいていうなら、ぼくらをたべるばくてりあとか」
わたし「怖すぎでしょうそれ……」
妖精さん「ちょうさちゅうとしか、いいようがありませんな」
わたし「してませんけどね、調査」
わたし(どこかではぐれたのかもしれません。その可能性はすこぶる低い気もしますが、とりあえず移動するとしましょう)
16 = 1 :
わたし「……うーん、この廃墟群はどうにも不気味ですね」
わたし(妖精さんのテンションが下がるのも納得です。が、こういうのみると彼らは普通、わくわくしそうなんですけどね)
妖精さん「あー……」
わたし「わわ、待って待って。あんまり無気力にならないでくださいよ。あなたが消えたら、わたしが困りますから」
妖精さん「いきるいみをみうしないそうです」
わたし「むしろ今まで生きる意味を持っていたんですか、あなた」
わたし(ともかくこれはまずいです。お菓子を取り出してハッピー成分を補充します)
妖精さん「いきかえりますな」
わたし「良かった……それじゃ、お仲間を探しにいきましょうか」
妖精さん「ぼくしかいませんが?」
わたし「はぐれちゃいましたからね、たぶん」
妖精さん「ぼくしかいませんが?」
わたし「……」
わたし(前途多難です)
17 = 1 :
わたし(その後もふらふらと彷徨い歩きましたが、人影は当然として妖精さんの影も見つかりませんでした)
わたし「疲れた……熱いシャワーを浴びて気持ちいいベッドで眠りたい……」
わたし「うそ、これ……」
わたし(ベースに戻ってきたわたしの目に映ったのは、荷物が消失した空虚な廃墟でした)
妖精さん「さばいばーですな?」
わたし「望んでそうなったわけじゃないですけどね……」
わたし(これはきっと建物を間違えたのだと周辺の建物も調査しますが、結論から言ってしまえば最初の建物こそがベースを設置した場所なのでした)
わたし「一日目にして食料ゼロ。道具も皆無ですか。この空腹と喉の渇きはどうすれば……」
わたし(これはまずい。多くのトラウマが脳裏に蘇ります)
妖精さん「てんしょんさがりますなー」
わたし「ま、まって……お菓子あげるから、いかないで……」
わたし(仕事もせずにギャンブルばかりする夫にお金を渡すような惨めさで、わたしは唯一の食料を妖精さんに提供するのでした)
19 = 8 :
文明レベルがよく分からんな
食料品店
21 :
元居住区っぽいところ
23 = 1 :
わたし「調査開始といきますか」
妖精さん「みつかってしまた」
わたし「妖精さん……ってあれ、何か服がえらくボロボロですよ」
妖精さん「げんじゅーみんですから……」
わたし「そうなんですか。お近付きの印にお菓子など……」
妖精さん「これはたまらんですばい」「みにしみますなー」
わたし「この妖精さんたちを大事にせねば……っと、原住民さん、飲料水のありかは知りませんか?」
妖精さん「ないです」
わたし「……」
妖精さん「じょーすいせつびが、ひつようかも?」
わたし「とりあえずベースに戻りましょうか。いちおう、水道らしきものはありましたから」
24 :
しむしてぃならぬわたしてぃです?
あるいはまごしてぃです?
25 = 1 :
わたし「わっ……この蛇口、かたい」
わたし(いくら力を込めども、蛇口はぴくりとも動きません)
わたし「くぅぅ……非力な女の子すぎて、蛇口をまわすことすらままならない」
妖精さん「なにをおっしゃっているのか……」
わたし(妖精さんが珍しく毒舌でした)
わたし「せいっ」ガコン
ドボッ……ゴボボボボゴォドゥルルルル……!
わたし「ひいいぃぃっ!」
わたし(蛇口をようやく捻られたと思ったら、スライムのような物体がドバドバとあふれ出てきます)
妖精さん「いんりょうすいにちかそうですな?」
わたし「……いやいや」
わたし(でも、飲めないことも……ない?)
>>28
26 :
これあのひとのすれ?
27 = 26 :
液体が実は妖精さん
28 = 21 :
せにはらはかえられないです
29 :
せくはらはやめられないです
30 = 26 :
かそってますな
31 :
じい「おまえ、人もあつめられんのか。」
ふじょし「そのままじゃ、ピコ手のままだぞ」
32 = 1 :
わたし「はっ……はぁ……この渇きはいかんともしがたい……」
わたし(怪しげに蠢くスライムを手に取り、唇を濡らすように這わせます。舌で舐めとった感じでは、ちょっと甘い)
わたし「いただきます」
わたし「……美味しい。なんかお腹の中で少し動いてますけど、むしろ調子が良いぐらいです」
妖精さん「じゃー、じょーすいせつびは?」
わたし「不要でしょうね。このスライムを繁殖させるなりして、水分確保は終了としましょうか」
妖精さん「さっそく、すらいみーのねどこをさくせい」「おつぎはあまいものがほしいですな?」
わたし「お菓子ね……わたしもあなた達にお菓子を提供したいんですけど、ここじゃ材料も得られませんから……」
33 = 1 :
わたし「はっ。もしかしたらあのスライムみたいな生物がまだいるかもしれません」
わたし(もちろん食用の。甘い生物がいればそれを材料にお菓子作りも出来るかもしれないです)
わたし「妖精さん、ここはお任せしま……ってあれ、増えてる」
妖精さん「さぎょうこうりつがきになったので、ふえてみました」
わたし「……そんな簡単な理由で増えられるの?」
妖精さん「さー?」「ぼくらきままですから」「ふえたいときにふえるかんじ」
わたし「まあ……いっか。じゃあ妖精さん、一人だけわたしについてきて、あとは作業の方をお願いします」
妖精さん「へい」「ごりょうかい」
わたし「寝床とかシャワーとか、ほしいものは色々あるんですよね。食料もそうですけど……何から調達しましょうかね」
>>36
34 = 26 :
しょくりょうですな
36 :
スライム風呂
37 = 31 :
ねどこです?
38 = 26 :
にくきえろあんかさいらい
39 = 24 :
きやがった……と思ったがこれだけならスライム繁殖所ともとれる
40 = 36 :
だってわたしちゃんがシャワー欲しいって言うから…
41 :
うすいほんです?
42 = 1 :
わたし「色々ありますけど、お風呂ですかね。髪が長いと手入れも大変ですし……」
妖精さん「よくそうのざいりょうがひつようですな?」
わたし「何がいるんですか? わたしが持てるものなら運びますよ」
妖精さん「あれとかよいかも」
わたし(妖精さんが指差したのは家具屋さんでした。意外とふつう……)
妖精さん「おたからのけはいがしますなー」
わたし「ベッドとかも調達出来るかもしれませんしね。行くだけいってみましょうか」
44 = 1 :
G「!?」サササァーッ
わたし「ひっ」
妖精さん「しょくりょうもげっととは、これがいっせきにちょうというやつです?」
わたし「いやいやいやいや……」
わたし(さすがにこれは食べられないでしょうに。さっきのスライムはまだ何とかなっても、これは完全にGですよ?)
妖精さん「ぼくがみるかぎりでは、あんぜんそーですが」
わたし「……」
①お腹が空いてるから食べてみる
②見なかったことにして食べない
>>48
45 :
今日のブレスオブファイアスレはここですか?だよう!
47 = 26 :
くえませぬな
48 :
わたし「そこまで言うなら、妖精さん食べてみて下さいよ」
49 = 24 :
>>48
外道や
安価なら2
50 = 26 :
これはこれでありでは?
みんなの評価 : ☆
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