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    元スレ男「仔犬? 捨て犬か……」

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    152 = 1 :


    ――――――――――

    「ご主人、ご飯もういらないです。」

    「どうした? 腹減ってないのか?」

    「なんだかだるいのです。食欲もありません。」

    「無理に食えとは言わんが……食べないと元気も出ないぞ?」

    「半分くらいは食べました。」

    「じゃあ、皿はそのままにしとけ。残りは食う気になったときに食え、な?」

    「あい……」

    154 :

    かわいい

    かわいい

    155 = 1 :


    「カッ……コハァ! おぷ、おろろろ――」

    「おい!? 大丈夫か?」

    「ごめんなさい……床を汚してしまいました。」

    「そんな事はいい。どこか痛いとか、苦しいとかないか?」

    「大丈夫です、もう一回食べます。すぐに綺麗にします。」

    「お前はもう休め。片付けは俺がやるから。」

    「でも……」

    「ご主人様の言う事を聞きなさい。」

    「あい。」

    156 = 1 :


    ――――――――――

    「小梅? 調子はどうだ? 辛いならお医者さん連れてくぞ?」

    「もう大丈夫です。なんともないです。」

    「ホントに大丈夫か? 我慢なんかするなよ?」

    「お腹が空きました。昨日の残りを食べてもいいですか?」

    「ん、ああ。足りなかったら言えよ。」

    「今日のご飯は今日のご飯でまた食べるのでいいです。」

    「そうか。小梅は偉いな。」

    「小梅は偉い子です。だから、なでなでしてもらえるのです。」

    「ちゃっかりしてんな。」

    157 = 59 :

    鬱の気配

    158 = 1 :


    ――――――――――

    そうです小梅は偉い子です

    そんなに賢くないけど偉い子なんです

    だからきっと神様がごほうびをくれたのですね

    ご主人様はびっくりするでしょうか?

    でも、ご主人はきっとその後に小梅を褒めてくれます

    もうおねーさんにご主人様をとられる心配もないのです

    内緒にしていた方がいいのでしょうか

    やっぱり言いましょう

    ご主人様に早く喜んでもらいたいですから

    160 = 144 :

    >>847
    嘘乙

    161 :

    お、おう

    163 :

    164 = 1 :


    ――――――――――

    「ご主人様、小梅のお腹を見てください。」

    「どうしたんだ急に?」

    「小梅のお腹はぽっかぽかですよ。」

    「そうだな……ん? お前、少し太ったか?」

    「えへへ……ご主人様は男の子と女の子、どっちがたくさん欲しいですか?」

    「なに?」

    「小梅は半々がいいと思っています。」

    「お前……一体どうして?」

    「きっと、みんなご主人に似て物知りな子供達ですよ。」

    「俺の子だって言うのか?」

    165 = 154 :

    えっ

    166 :

    小梅からただようヤンデレ臭

    167 :

    ああはい

    170 :


    「小梅が良い子にしてたから、神様が手伝ってくれたのです。」

    「そんなバカな……」

    「ご主人は嬉しくないのですか?」

    「いや、信じられな――」

    「信じられないくらい感激ですか!?」

    「まいったなこりゃ……」

    「小梅は頑張って元気な赤ちゃんを産みます。」

    「産むって、お前……」

    「だからご主人も小梅を大切にしてくださいね。」

    「ああ……そうだな。」

    171 :

    男はど変態なの?

    172 = 170 :


    ――――――――――

    「やれやれ、面倒なことになっているな。」

    「俺は何もしてないぞ?」

    「はて、どうだかな?」

    「確かに俺は初恋がモーキー・フラグルってくらい生粋のケモナーだが、分別はある!」

    「冗談だ。それに人間と犬だ、コトに及んだとて結実しまい。」

    「及んでねえし!」

    「なにか、他に考えられるのは……?」

    「他って言っても、発情期間中は特にしっかり他との接触は避けていたしな。」

    「そうだな。接触は無かった。それは私も保証しよう。」

    173 = 170 :


    「おかしなこともあるもんだな。まあ、他人事じゃないんだが……」

    「まさか本当に神からの賜り物だと?」

    「んなワケあるか。そもそも俺は無神論者だ。」

    「それはあまり関係が無いように思うがね。」

    「明日病院に連れていく。」

    「連れていってどうする? 処分すると言うのか?」

    「馬鹿言え! もし本当に身籠ってるなら、まとめて面倒を見てやるよ。」

    「こ奴は本当に果報者だな。こんな素晴らしいご主人様が居るのだから。」

    174 = 170 :


    ――――――――――

    「偽妊娠ですね。」

    「じゃあ、本当に妊娠しているわけではないんですね?」

    「人間で言えば想像妊娠みたいなものです。」

    「原因って、なんなんですか?」

    「いえ、犬にはよくあることですよ。もちろん個体差もありますが。」

    「どうすればいいんでしょう?」

    「非発情期に入ってしばらく経てば自然と収まります。」

    「繰り返すようであれば、避妊手術で回避はできますが……」

    「……経過を見ようと思います。」

    178 = 170 :


    「ご主人様? さっき、お医者さんと何を話してたんですか?」

    「ん、赤ちゃんが健康かどうかを話してた。」

    「小梅の赤ちゃん達はきっと元気ですよ。」

    「うん、そうだな。」

    「赤ちゃんを産んで、ちゃんと育てて、小梅はもっともっと偉い子になります。」

    「これ以上偉くなったら、どう褒めていいのか分かんないぞ?」

    「いいんです! ご主人が一緒にいてくれたら小梅は嬉しいです。」

    179 :

    犬も想像妊娠するのか…

    180 = 170 :


    ――――――――――

    「ご主人、おちちが張ってきました……」

    「みたいだな……痛くないか?」

    「ちょっと痛いです。でも、なんだか嬉しいのです。」

    「辛かったら言うんだぞ?」

    「はうー……床が冷たくて気持ちいいです。」

    「あのさ、子供のことなんだけどな……」

    「あい! はやくおっぱい飲ませてあげたいですね!」

    「……あ、うん。」

    182 = 170 :


    ――――――――――

    「浮かない顔だな。」

    「本当のことを言った方がいいのはわかってるんだけどな。」

    「なまじ疎通ができるが故の苦悩か。」

    「俺はどうしたらいいと思う?」

    「私は主人に意見するほど、不作法ではないつもりだ。」

    「参考にするだけだ。」

    「正直なところ、どうするのが正しいの見当もつかぬよ。」

    「落胆するのは目に見えてる。それが早いか遅いかの差だ。」

    「告げれば今すぐに、黙っていれば自ら気付いて傷付く。か?」

    184 :

    いいなあこれ

    185 = 170 :


    「先代の飼い犬の時はどう対処したのだ?」

    「紅梅号は蓄膿やってな。子宮取っちまったからこんなことは起きなかった。」

    「それに、お前や小梅みたいに会話できてたわけでもない。」

    「飼い主の子を孕むなど厚かましいにも程がある。と、一蹴してみては?」

    「そんなことできるわけないだろう。」

    「仮にも私の主人なのだから、もっと毅然としていて欲しいものだ。」

    「情けない主人ですまんね。」

    「まあ、そちらの方が親しみが持てるのだがな。」

    「はぁ、決めあぐねてるのは黙ってるのと一緒だよな……」

    186 = 171 :

    もう本当に作っちゃえよ

    187 :

    わふ

    188 = 170 :


    「ところでだ、乳が張って苦しいのは私も同じなわけだ。」

    「身体は共用だもんな。何か冷やすもの持って来てやろうか?」

    「もっと良い対処を思い付いたのだが……」

    「何だ?」

    「簡単な事だ。吸ってみてはくれないか?」

    「馬鹿言うんじゃねえよ。」

    「私はいたって真面目だ。」

    「情けない主人かもしれないが、分別も節度もあるぞ。」

    「よこしまな気持ちからではないよ。私も母親というものを体験してみたいのだ。」

    「まあ、それが主人の意に反することなら諦めるとしよう。」

    「…………」

    190 = 170 :


    ――――――――――

    「ご主人! 助けてください! 助けて!」

    「どうした? どこか痛いのか?」

    「赤ちゃんが! 子供たちが消えてしまいます!」

    「落ち付け。」

    「小梅のお腹、どんどんしぼんできてます!」

    「大丈夫、大丈夫だから。」

    「ご主人様! 赤ちゃんを助けてください!」

    「おいで、抱っこしてやる。」

    「……はい。」

    191 :

    本当に妊娠させる手も

    192 = 170 :


    「落ち着いた?」

    「ご主人……もう大丈夫です。」

    「今日はずっとこうしていようか。」

    「小梅はダメな犬ですね。きっとバチが当たったんです。」

    「そんなことないよ。」

    「ご主人を一人占めしようとして、悪い子だから神様が怒ったんです。」

    「違うよ。神様なんていないんだ。」

    「でも……」

    「小梅はご主人様と神様、どっちを信じる?」

    「それは……ご主人です。」

    「そのご主人様が居ないって言ってるのに、それが信じられないの?」

    「はう……」

    194 = 170 :


    「小梅。」

    「はい?」

    「ヨシヨシ……」

    「だめです。小梅はなでなでしてもらう資格なんてないんです。」

    「俺がしてあげたいと思ってるの! ご主人様に逆らっちゃダメ。」

    「ふ、ふわぃ……」

    「ヨシヨシ。」

    「はうぅ……うっ、うっ……」

    195 = 170 :


    ――――――――――

    私はもともと祭祀者が願望を叶える手助けする者

    まあ、この犬はとても祭祀者とは言えないのだが……

    とは言え、私がこれに憑いているのも事実

    犬でもない、人でもない、生き物ですらない私だが

    こんな私にも妹ができた

    犬として主人に仕えることもできた

    仮初めとはいえ、母の気持ちを味わうこともできた

    久方ぶりにとても晴れ晴れとした気分だ

    196 :

    やったのかよww

    197 = 169 :

    最後の支援
    寝る

    198 = 170 :


    本来は祭祀者の利益のため

    対価として他者に不利益をもたらすものであるのだが

    困ったことに今回は該当する相手というものが居ない

    まあ、不利益なら自分が被れば良いだけの話だ

    飢えと恨みの煮こごりのような私の魂では

    大した対価にはならないかもしれない

    だが、姉として妹にはできる限りのことをしてやりたい

    実体があれば涙を舐めて拭うこともしてやれただろうに

    なんとも不便なものだ

    199 :

    ふむ

    200 = 170 :


    私のご主人は神など居ないと言った

    おそらくは全知全能のそれを指して言ったのだと思う

    そういう意味では私も居ないと思っている

    しかし、神と名のつくものならここに居るのだ

    名が付くだけで全知全能には比ぶるべくもないが

    小さな嘘をまことにすり替えるくらいはお手の物

    ご主人様の驚く顔を見れぬのは残念だが

    それは貸しということにしておくか


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