元スレ国王「名づけて……勇者ドッキリ大作戦!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
101 = 1 :
ワアァァァァァッ!
勇者(やった……! まさか優勝できるだなんて……!)
「さっすが勇者様!」 「全試合、圧勝だ!」 「勇者様、おめでとう!」
「やったぁ!」 「これなら魔王だって倒せるよ!」 「シビれちゃう~!」
勇者「ありがとう、みんな!」
大臣「陛下、ご覧下さい」
大臣「あの勇者の嬉しそうな顔ときたら……自分の実力での優勝だと
まるで疑っていませんな」
国王「自分以外の兵士も、観客でさえも、グルだと知らずにな。
クックック……」
国王「真実に晒された時、あの顔がどう歪むか……実に興味深いぞ」
大臣「えぇ……待ち遠しいですなぁ」
102 = 1 :
勇者「メイドさん、俺やったよ!」
メイド「……あ、おめでとうございます」フイッ
勇者「あれ、あんまり嬉しくない?」
メイド「いえ、そんなことはありません! とても嬉しいです!」
勇者「そう……」
メイド「で、では失礼します」ダッ
(ダメだ……もう勇者様のお顔をまともに見られない……!)
勇者(どうしたんだろう……?)
103 = 1 :
喜びも束の間──勇者だけの世界では魔王軍の侵略が苛烈を極めていた。
『○△王国全域、壊滅状態!』
『×□市の住民の生首が晒される』
『鬼畜! 逃げまどう人々を虐殺する魔族』
勇者「ち、ちくしょう……!」ワナワナ
勇者「魔王の暴虐はどんどんひどくなっていく……」
勇者(でも……俺は人類最後の希望なんだ。
魔王を絶対に倒せると判断してもらえるまで、動くわけにはいかない……!)
勇者(くそぅ……俺はなんて無力なんだ!)グスッ
メイド「勇者様……」
104 :
どうせ勇者が仕掛けていた逆ドッキリなんだろw
……なんだろ
105 = 1 :
国王「これが今日の勇者用の新聞か……どれどれ」ガサ…
国王「プッ……こりゃすごい。記者もどんどん悪ノリしておるな」
大臣「えぇ、慣れてきたからなのでしょうが、
記事の内容がどんどんリアリティ溢れるものになっていますよ」
国王「勇者の具合はどうだ?」
大臣「メイドの報告によると、新聞を読むたび怒りに震えているとのことです」
国王「もし魔王軍がこのとおりのヤツらだったら、
あんな勇者が千人いたって歯が立つまいて」
国王「まあ、まもなくだ。まもなくヤツは全てを知ることになる……。
アッハッハッハッハ……!」
106 = 16 :
ついに
107 :
なんかいやな予感が
109 = 1 :
まもなく、勇者が城にやってきてから一年が経とうとしていた。
勇者「聞いてくれ、メイドさん!」
メイド「どうされましたか?」
勇者「ついに国王様から、魔王討伐の旅の許可が出たんだ!
出発は明後日だ!」
勇者「やっと新聞記事に怒りを覚えながらも、
ただ我慢するしかなかった日々から解放されるんだ!」
メイド「えっ……」
勇者「どうしたんだい?」
メイド「いえ……その……」
勇者「もしかして、俺のことを心配してくれているのかい?」
メイド「はい……もちろんです」
勇者「大丈夫、俺だって一年間みっちり特訓したんだ。絶対に負けない!」
メイド「…………」
110 = 1 :
一方で国王たちは──
国王「いよいよこの時が来たな……」
大臣「えぇ、ついに来ましたな」
国王「魔王討伐の旅出発式は、国中の人間を呼んで盛大に行うこととする。
そして出発と同時に──」
大臣「全てを明かす、と」
国王「王国一の剣と魔法の使い手で、魔王を倒す切り札である勇者が、
己が単なる平凡な木こりでしかないと悟った時──」
国王「いったいどうなるのか……やはり想像すらできぬが、
想像するだけで笑いが止まらん」
大臣「私もすでにドキドキしていますよ。
きっととてつもないことが起こるにちがいありません」
111 :
大臣がフラグ立てた
112 :
フラグ
114 :
大臣途中から笑ってないんだよな
115 = 114 :
しえん
116 :
兵士長「ついにこの時が来たか……」
魔術師「はい」
兵士長「ショックは大きいだろうな……」
魔術師「大きいでしょうね。
もし私が彼であれば、ショック死する自信すらありますよ」
魔術師「ですが、せめてそうはならないよう、
回復魔法の準備は万全にしておきましょう」
兵士長「そうだな。出来は悪いが……彼はいい人間だよ」
兵士長「彼にはなんの落ち度もないんだ。あるとすれば──」
魔術師「え?」
兵士長「いや、なんでもない」
117 :
ほ
118 :
さるよけ
119 = 116 :
勇者「メイドさん」
メイド「はい」
勇者「一年間、本当にありがとう!
俺みたいな田舎者が、この城でやって来れたのは全て君のおかげだ」
勇者「なんていうか……君は俺にとってのオアシスだったんだ」
勇者「あれほど熱望していた魔王討伐の旅、出発前日になっても
こうして心静かにいられることも、きっと君のおかげなんだと思う」
メイド(勇者様……!)
メイド(明日は魔王討伐の始まりではないんです!
明日は……あなたが勇者ではなくなる日なのです!)
メイド「あ、あのっ……!」
勇者「ん?」
メイド「本当は──」
120 = 116 :
メイド(遅い……!)
メイド(もうタイミングとしてはあまりにも遅すぎる……)
メイド(激怒した勇者様にこの場で殺されてもおかしくない)
メイド(でも、ここで話せなければ──)
メイド(ここで話せなければ、私は本当に卑怯者だ!)
メイド(今この時こそが、正真正銘ラストチャンス!)
121 = 118 :
メイドさんに④
122 = 114 :
メイドが自分酔いしてはりまんな
123 :
メイド「わたしの戦闘力は53万です」
125 = 116 :
メイド「本当はっ……!」ガタガタ
メイド「ほ、本当は……!」ガタガタ
勇者「待った」
メイド「……え?」
勇者「分かってる……俺は勇者には相応しくないっていいたいんだろう?」
勇者「この期に及んで、未だにここでの生活は夢なんじゃないかって
思う時があるよ」
勇者「でも……なんかよく分からないけど、俺は選ばれてしまったんだ。
そして、それに見合うだけの努力はしてきたつもりだ」
勇者「せめて、君だけには勇者だと胸を張れるような戦いをしてみせるよ」
126 :
ゆうしゃああああああああーーーー(涙ドバーッ
127 :
勇者が純真すぎて辛い
128 = 116 :
メイド(いえない……!)
メイド(私には……!)
メイド(だって、勇者様は……勇者様は──!)
メイド「勇者様っ!」
勇者「!」ビクッ
メイド「あなたは──」
メイド「たとえこの先なにがあろうと、どんなことが起きようと、
私にとっては絶対に勇者様ですっ!」
メイド「それだけは覚えておいて下さい!」
勇者「……ありがとう」
129 = 114 :
勇者様はニケより弱いのだろうか
130 :
>>129
ニケは才能があったからな
131 :
132 :
今からでも王女の処女を奪えば逆転できる
133 = 116 :
翌日──
城下町周辺には国中の人間が集まっていた。
ザワザワ…… ガヤガヤ……
もちろん、今回のドッキリについてはすでに全国的に通達がなされている。
彼らの興味はただ一つ──真実を知った勇者がどうなるのか。
「どうなると思う?」 「泣くんじゃね?」 「いやぁ呆然とするだろ」
「キレそう」 「廃人になったりしてな」 「やべぇ、楽しみ~!」
135 :
ただし盗賊
137 = 114 :
勇者様は木こりの時からどれくらいつよくなったんだろ
138 :
全国レベルで晒し物はキツイな
140 = 116 :
国王「勇者よ……。名残惜しいが、ついに旅立ちの時が来た」
国王「しかし、戦うのはおぬし一人ではない。
我が国も、全力でおぬしのバックアップを行う。
おぬしの背中には常に大勢の味方がいることを忘れないで欲しい」
国王「どうか、魔王討伐を成し遂げてもらいたい……」
勇者「ありがとうございます、国王様!」
大臣「頼んだぞ、もはや魔王を倒せる人間は君だけなのだ」
勇者「力の限り、使命を果たします!」
兵士長「道中、達者でな」
魔術師「あなたの無事を祈っていますよ」
勇者「お二人とも、本当にありがとうございました!」
メイド「ああっ……!」グスッ
勇者「泣かないでくれ。必ず生きて帰ってくるから……」
国王(ほう、あのメイドめ。迫真の演技だな、やりおるわ)
141 = 114 :
メイド昇進キタコレ
143 :
ああっ
144 = 116 :
集められた全国民が、勇者に声援を送る。
「頑張れーっ!」 「絶対魔王を倒してくれよ~!」 「ファイトーッ!」
「勇者様、ステキィ~!」 「命を大事にな!」 「アンタが人類の希望だ!」
「負けるな!」 「無理はするなよ!」 「勇者様、バンザーイ!」
勇者(王国中の期待が体に突き刺さってくるようだ……!)
勇者「みんな……ありがとう!」
勇者「じゃあ、行ってきます!」ザッ
147 = 113 :
遂にこの時が
148 = 114 :
せーーのーー
149 :
くるか
150 = 116 :
国王「おや……?」
勇者「?」
国王「どこへ行くんだね、青年君」
勇者「え」
(なぜ今になって、青年と呼ぶんだ……?)
勇者「今から魔王討伐に──」
国王「魔王? はて、いったいなんの話をしているんだね?」
大臣「この青年は、なにをいっているのでしょうな?」
勇者「え……?」
国王「仮にいるとしても、なぜおぬしが討伐に行くのだ?
普通、そういうことは兵隊がやるべきではないかね?」
勇者「え、俺は勇者だから──」
国王「勇者? 君がかね?」
みんなの評価 : ★
類似してるかもしれないスレッド
- カイジ「ゆけっ……!ブースターっ……!」 (124) - [44%] - 2013/3/14 20:00 ☆
- 御坂「これって……デートよね……」 (1001) - [42%] - 2010/2/5 3:30 ★★★×10
- 月火「お兄ちゃんを家から出さない作戦!」 (565) - [41%] - 2012/5/14 4:30 ★★
- 苗木「安価でプレゼント大作戦!」 (232) - [40%] - 2013/8/29 16:15 ★
- 櫻子「ああっ……ひまわりっ……!」 (134) - [40%] - 2012/9/29 7:30 ○
- 魔王「女ってことがバレちゃったよ!」 (125) - [40%] - 2012/7/24 1:45 ☆
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について