のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:126,446,691人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報
    VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。

    元スレ国王「名づけて……勇者ドッキリ大作戦!」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - バキ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    101 = 1 :

    ワアァァァァァッ!

    勇者(やった……! まさか優勝できるだなんて……!)

    「さっすが勇者様!」 「全試合、圧勝だ!」 「勇者様、おめでとう!」

    「やったぁ!」 「これなら魔王だって倒せるよ!」 「シビれちゃう~!」

    勇者「ありがとう、みんな!」



    大臣「陛下、ご覧下さい」

    大臣「あの勇者の嬉しそうな顔ときたら……自分の実力での優勝だと
       まるで疑っていませんな」

    国王「自分以外の兵士も、観客でさえも、グルだと知らずにな。
       クックック……」

    国王「真実に晒された時、あの顔がどう歪むか……実に興味深いぞ」

    大臣「えぇ……待ち遠しいですなぁ」

    102 = 1 :

    勇者「メイドさん、俺やったよ!」

    メイド「……あ、おめでとうございます」フイッ

    勇者「あれ、あんまり嬉しくない?」

    メイド「いえ、そんなことはありません! とても嬉しいです!」

    勇者「そう……」

    メイド「で、では失礼します」ダッ
       (ダメだ……もう勇者様のお顔をまともに見られない……!)

    勇者(どうしたんだろう……?)

    103 = 1 :

    喜びも束の間──勇者だけの世界では魔王軍の侵略が苛烈を極めていた。

    『○△王国全域、壊滅状態!』

    『×□市の住民の生首が晒される』

    『鬼畜! 逃げまどう人々を虐殺する魔族』

    勇者「ち、ちくしょう……!」ワナワナ

    勇者「魔王の暴虐はどんどんひどくなっていく……」

    勇者(でも……俺は人類最後の希望なんだ。
       魔王を絶対に倒せると判断してもらえるまで、動くわけにはいかない……!)

    勇者(くそぅ……俺はなんて無力なんだ!)グスッ

    メイド「勇者様……」

    104 :

    どうせ勇者が仕掛けていた逆ドッキリなんだろw
    ……なんだろ

    105 = 1 :

    国王「これが今日の勇者用の新聞か……どれどれ」ガサ…

    国王「プッ……こりゃすごい。記者もどんどん悪ノリしておるな」

    大臣「えぇ、慣れてきたからなのでしょうが、
       記事の内容がどんどんリアリティ溢れるものになっていますよ」

    国王「勇者の具合はどうだ?」

    大臣「メイドの報告によると、新聞を読むたび怒りに震えているとのことです」

    国王「もし魔王軍がこのとおりのヤツらだったら、
       あんな勇者が千人いたって歯が立つまいて」

    国王「まあ、まもなくだ。まもなくヤツは全てを知ることになる……。
       アッハッハッハッハ……!」

    106 = 16 :

    ついに

    107 :

    なんかいやな予感が

    109 = 1 :

    まもなく、勇者が城にやってきてから一年が経とうとしていた。

    勇者「聞いてくれ、メイドさん!」

    メイド「どうされましたか?」

    勇者「ついに国王様から、魔王討伐の旅の許可が出たんだ!
       出発は明後日だ!」

    勇者「やっと新聞記事に怒りを覚えながらも、
       ただ我慢するしかなかった日々から解放されるんだ!」

    メイド「えっ……」

    勇者「どうしたんだい?」

    メイド「いえ……その……」

    勇者「もしかして、俺のことを心配してくれているのかい?」

    メイド「はい……もちろんです」

    勇者「大丈夫、俺だって一年間みっちり特訓したんだ。絶対に負けない!」

    メイド「…………」

    110 = 1 :

    一方で国王たちは──

    国王「いよいよこの時が来たな……」

    大臣「えぇ、ついに来ましたな」

    国王「魔王討伐の旅出発式は、国中の人間を呼んで盛大に行うこととする。
       そして出発と同時に──」

    大臣「全てを明かす、と」

    国王「王国一の剣と魔法の使い手で、魔王を倒す切り札である勇者が、
       己が単なる平凡な木こりでしかないと悟った時──」

    国王「いったいどうなるのか……やはり想像すらできぬが、
       想像するだけで笑いが止まらん」

    大臣「私もすでにドキドキしていますよ。
       きっととてつもないことが起こるにちがいありません」

    111 :

    大臣がフラグ立てた

    112 :

    フラグ

    114 :

    大臣途中から笑ってないんだよな

    115 = 114 :

    しえん

    116 :

    兵士長「ついにこの時が来たか……」

    魔術師「はい」

    兵士長「ショックは大きいだろうな……」

    魔術師「大きいでしょうね。
        もし私が彼であれば、ショック死する自信すらありますよ」

    魔術師「ですが、せめてそうはならないよう、
        回復魔法の準備は万全にしておきましょう」

    兵士長「そうだな。出来は悪いが……彼はいい人間だよ」

    兵士長「彼にはなんの落ち度もないんだ。あるとすれば──」

    魔術師「え?」

    兵士長「いや、なんでもない」

    117 :

    118 :

    さるよけ

    119 = 116 :

    勇者「メイドさん」

    メイド「はい」

    勇者「一年間、本当にありがとう!
       俺みたいな田舎者が、この城でやって来れたのは全て君のおかげだ」

    勇者「なんていうか……君は俺にとってのオアシスだったんだ」

    勇者「あれほど熱望していた魔王討伐の旅、出発前日になっても
       こうして心静かにいられることも、きっと君のおかげなんだと思う」

    メイド(勇者様……!)

    メイド(明日は魔王討伐の始まりではないんです!
        明日は……あなたが勇者ではなくなる日なのです!)

    メイド「あ、あのっ……!」

    勇者「ん?」

    メイド「本当は──」

    120 = 116 :

    メイド(遅い……!)

    メイド(もうタイミングとしてはあまりにも遅すぎる……)

    メイド(激怒した勇者様にこの場で殺されてもおかしくない)

    メイド(でも、ここで話せなければ──)

    メイド(ここで話せなければ、私は本当に卑怯者だ!)

    メイド(今この時こそが、正真正銘ラストチャンス!)

    121 = 118 :

    メイドさんに④

    122 = 114 :

    メイドが自分酔いしてはりまんな

    123 :

    メイド「わたしの戦闘力は53万です」

    125 = 116 :

    メイド「本当はっ……!」ガタガタ

    メイド「ほ、本当は……!」ガタガタ

    勇者「待った」

    メイド「……え?」

    勇者「分かってる……俺は勇者には相応しくないっていいたいんだろう?」

    勇者「この期に及んで、未だにここでの生活は夢なんじゃないかって
       思う時があるよ」

    勇者「でも……なんかよく分からないけど、俺は選ばれてしまったんだ。
       そして、それに見合うだけの努力はしてきたつもりだ」

    勇者「せめて、君だけには勇者だと胸を張れるような戦いをしてみせるよ」

    126 :

    ゆうしゃああああああああーーーー(涙ドバーッ

    127 :

    勇者が純真すぎて辛い

    128 = 116 :

    メイド(いえない……!)

    メイド(私には……!)

    メイド(だって、勇者様は……勇者様は──!)

    メイド「勇者様っ!」

    勇者「!」ビクッ

    メイド「あなたは──」

    メイド「たとえこの先なにがあろうと、どんなことが起きようと、
        私にとっては絶対に勇者様ですっ!」

    メイド「それだけは覚えておいて下さい!」

    勇者「……ありがとう」

    129 = 114 :

    勇者様はニケより弱いのだろうか

    130 :

    >>129
    ニケは才能があったからな

    131 :

    >>126

    132 :

    今からでも王女の処女を奪えば逆転できる

    133 = 116 :

    翌日──

    城下町周辺には国中の人間が集まっていた。

    ザワザワ…… ガヤガヤ……

    もちろん、今回のドッキリについてはすでに全国的に通達がなされている。

    彼らの興味はただ一つ──真実を知った勇者がどうなるのか。

    「どうなると思う?」 「泣くんじゃね?」 「いやぁ呆然とするだろ」

    「キレそう」 「廃人になったりしてな」 「やべぇ、楽しみ~!」

    135 :

    ただし盗賊

    137 = 114 :

    勇者様は木こりの時からどれくらいつよくなったんだろ

    138 :

    全国レベルで晒し物はキツイな

    140 = 116 :

    国王「勇者よ……。名残惜しいが、ついに旅立ちの時が来た」

    国王「しかし、戦うのはおぬし一人ではない。
       我が国も、全力でおぬしのバックアップを行う。
       おぬしの背中には常に大勢の味方がいることを忘れないで欲しい」

    国王「どうか、魔王討伐を成し遂げてもらいたい……」

    勇者「ありがとうございます、国王様!」

    大臣「頼んだぞ、もはや魔王を倒せる人間は君だけなのだ」

    勇者「力の限り、使命を果たします!」

    兵士長「道中、達者でな」
    魔術師「あなたの無事を祈っていますよ」

    勇者「お二人とも、本当にありがとうございました!」

    メイド「ああっ……!」グスッ

    勇者「泣かないでくれ。必ず生きて帰ってくるから……」

    国王(ほう、あのメイドめ。迫真の演技だな、やりおるわ)

    141 = 114 :

    メイド昇進キタコレ

    143 :

    ああっ

    144 = 116 :

    集められた全国民が、勇者に声援を送る。

    「頑張れーっ!」 「絶対魔王を倒してくれよ~!」 「ファイトーッ!」

    「勇者様、ステキィ~!」 「命を大事にな!」 「アンタが人類の希望だ!」

    「負けるな!」 「無理はするなよ!」 「勇者様、バンザーイ!」

    勇者(王国中の期待が体に突き刺さってくるようだ……!)

    勇者「みんな……ありがとう!」

    勇者「じゃあ、行ってきます!」ザッ

    147 = 113 :

    遂にこの時が

    148 = 114 :

    せーーのーー

    149 :

    くるか

    150 = 116 :

    国王「おや……?」

    勇者「?」

    国王「どこへ行くんだね、青年君」

    勇者「え」
      (なぜ今になって、青年と呼ぶんだ……?)

    勇者「今から魔王討伐に──」

    国王「魔王? はて、いったいなんの話をしているんだね?」

    大臣「この青年は、なにをいっているのでしょうな?」

    勇者「え……?」

    国王「仮にいるとしても、なぜおぬしが討伐に行くのだ?
       普通、そういうことは兵隊がやるべきではないかね?」

    勇者「え、俺は勇者だから──」

    国王「勇者? 君がかね?」


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - バキ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について