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    元スレP「覚醒美希は可愛いなぁ」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - アイドルマスター + - 美希 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    101 = 1 :

    春香「ぅえええっ!?」

    千早(春香、さっきから驚いてばかりね)

    「やっぱり、ゲームやったんだ……」

    美希「みんなもやってみる?」

    伊織「あ、あんな物やるわけないでしょっ!」

    亜美「ミキミキがオタピーに侵食された……」

    伊織「アンタ分かってんの!?あんな物に影響されて、前のプロデューサーと同類よ!」

    104 = 1 :

    美希「そっか、プロデューサーといっしょなんだ……」

    伊織「そうよ!……って、なんで嬉しそうなのよっ!?」

    美希「あはっ☆ そんなことないの。プロデューサーと同じなんて、やだなー♪」ニッコリ

    三人「うぐっ……」

    伊織(なによアレ!すごく嬉しそうじゃないっ!)

    亜美(どういうことだってばよ?)

    (ボクに聞かれても分からないよ!)

    伊織「と、とにかく、これ以上妙なマネしないでよねっ!」

    亜美「(なんか、亜美達って悪役っぽくない?)」トコトコ

    伊織「(うっさいわね!)」スタスタ

    105 :

    これはいなくなって初めてその存在の大切さに気がつく例

    106 = 1 :


    数日後(ダンスレッスン)。

    トレーナー「美希ちゃん、もうどんなジャンルのダンスも完璧ね」

    美希「ありがとうなの」

    伊織「あーあ、でも、仕事が一つもないんじゃ意味がないわよねぇ~」

    「髪切っちゃうから、今までの仕事もなくなっちゃうんだよー」

    あずさ「美希ちゃん、ウィッグ着けてみない?」

    雪歩「げ、ゲームもやめれば、仕事もきますぅ!」

    亜美「そうだよ→、ミキミキ、オタクっぽいよ?」

    美希「みんな……」

    107 = 1 :

    美希「心配してくれて、ありがとうなの」

    全員「ぐっ……」

    あずさ「(めげないわね、美希ちゃん)」

    「(もっとキツく言った方が良いのかな)」

    雪歩「(こ、これ以上は無理だよぉ!)」

    亜美「(どうする、いおりん。正直、今のミキミキには、いろいろ勝てる気がしないんだけど)」

    伊織「(……だからでしょ。あんなに頑張ってるのに、評価されないなんて許さないんだから)」

    美希「ねぇねぇ、先生! ミキね、今度選材写真を新しくするの!」

    トレーナー「へぇー、それは楽しみね。できたら教えてね?」

    美希「うんっ!」

    108 :

    ピヨちゃんの功績がデカすぎる

    109 = 1 :

    事務所

    春香「ミキのお仕事、全部なくなっちゃったね……」

    千早「そうね、美希だけ担当プロデューサーも決まってないし」

    「う~、どうして律子は、ミキの担当をしてあげないんだ?」

    貴音「律子嬢にも、何か思うところがあるのでしょう」

    やよい「私達のプロデューサーはダメなんでしょうか?」

    真美「いやぁ、人数的にも無理っしょ」

    春香「そういえば、私達も美希と会ってないよね」

    千早「意図的にスケジュールをずらしているんじゃないかしら」

    110 = 1 :

    やよい「え、どうしてですか?」

    千早「多分、万が一にも私達の評価に影響が出ないようにという配慮だと思う」

    貴音「高木殿も、美希の活動自粛に当たって随分と憂慮されていましたからね」

    春香「そ、そんな………。小鳥さん、今のことについて何か知りませんか?」

     小鳥「(はい、はい、前に言われた通りです。なので、そろそろかと……)」

    「ダメさー、電話中だぞぉ」

    真美「もう!こんなときに、どこに電話掛けてるんだYO!」

    貴音「何にせよ。今、プロデューサーと律子嬢と高木殿が、美希について話し合っています」

    千早「それが終わるのを、待つしかないですね……」

    111 = 77 :

    紫煙

    112 = 1 :

    社長室。

    社長「星井君について、君達の率直な意見を聞きたい」

    赤羽根P「頑張っていると思います。今後、きっと結果もついて来るはずです」

    律子「……ですが、ネット上には良くない噂も出回っています」

    社長「ふむ」

    律子「このままだと、765プロ全体のイメージに関わるかもしれません」

    社長「律子君の意見について、君はどう考えるかね?」

    赤羽根P「……確かに、少々良くない噂も立っているようです。しかし!」

    社長「うむ、君の言いたいことは分かった。だが、現状、星井君を担当できる人材もいない」

    113 = 1 :

    コンコン、ガチャ。

    小鳥「失礼します。社長、お電話なんですが……」

    社長「む、分かった。君達、この話はまた後ほどしよう」

    赤羽根P「……わかりました、失礼します」

    律子「失礼します」

    社長「音無君、電話は誰からかね?」

    小鳥「……保留になってますので、よろしくお願いします」ペコリ

    社長「ん?音無君?」

    バタン。

    社長「もしもし、お電話かわりました……」

    115 = 1 :

    翌日。

    美希「おはようございますなの~」

    小鳥「美希ちゃんおはよう。来て直ぐで悪いんだけど、社長室に行ってくれる?」

    美希「え……?」

    小鳥「大事な話があるんだって」

    美希「あは……ミキ、お仕事もしてないし、クビになっちゃうのかな……」

    小鳥「大丈夫」

    美希「小鳥?」

    小鳥「大丈夫だから、いってらっしゃい?」

    美希「……うん」

    116 = 1 :

    コンコン。

    美希「えと……しつれいしますなの」

    社長「やぁ、朝からすまないね」

    美希「お話があるって聞いたの」

    社長「うむ、ずばり言おう。星井君に仕事の依頼が来た」

    美希「え……ほ、ほんと?」

    社長「うむ、どうやら他のプロダクションのプロデューサーが、星井君を推薦してくれたようだ」

    美希「ど、どうしてミキを?」

    社長「……なんでも、一ファンとしてだそうだ。嬉しいことじゃないか」

    美希「いち、ふぁん?」

    117 = 1 :

    社長「頑張れそうかね?」

    美希「…………」

    美希(ねぇ、プロデューサー。ミキにできるかな?)


    ――美希には才能がある。本気になれば、ゲームの覚醒美希みたいになれるんだ。

    ふふっ、でも、ミキはゲームの中のミキじゃないよ?

    ――やる前から否定してたら、できるもんもできないぞ?

    うん、本当にそうだね。

    ――頑張ってな美希。

    ミキ、がんばるよ。


    社長「もし、無理そうだと思うなら……」

    美希「ううん、やります……やらせてくださいなの!」

    119 = 1 :


    本番。

    スタッフ「765プロさん、スタンバイお願いしまーす」

    美希「はいなのっ!」

    赤羽根P「本当に大丈夫なのか? 二曲続けてこんなダンサブルな選曲で……」

    美希「うん、他の出演者さんは必ずスローな曲を入れてるから、その分アピールできるって思うな」

    赤羽根P「いや、そうじゃなくてだなぁ」

    美希「大丈夫なの、今の美希は『覚醒美希』だから、あはっ☆」

    スタッフ「765プロさん、本番お願いしまーす!」

    赤羽根P「よし、頑張って来い!」

    美希「うん、行ってくるの!」ダッ

    ――


    120 = 1 :


    ~数ヵ月後。


    『ベストビューティー・アワード』『ダイナマイト中学生・アワード』

    『IA大賞 - MVP』『シャイニングアイドル賞ビジュアル部門』

    『ジュエリーベストドレッサー賞』『女性が選ぶ、女の敵タレント№1』

    ……。

    赤羽根P「すごいな、プロデューサーの机がトロフィーで一杯だ」

    小鳥「美希ちゃんが『机の上トロフィーで一杯にするの!』って、頑張りましたから」

    赤羽根P「ははっ、本当にやってのけるところが美希らしいです」

    小鳥「うふふ」

    赤羽根P「……プロデューサーは、美希の才能を見抜いてたんですかね」

    小鳥「ええ、たぶん」

    121 = 1 :

    赤羽根P「じゃあ、美希や皆にゲームを勧めていたのも?」

    小鳥「うーん、どうでしょう? 本人は『ゲームでもやってヤル気出さないかな~』って言ってましたけど」

    赤羽根P「そ、そんな軽い気持ちだったんですか……」

    小鳥「ええ。でも、本当のところは本人にしか分からないですけどね」

    ガチャ。

    亜美「ただいまー」

    伊織「今やってる歌番組に美希が出てるでしょ!」

    あずさ「あらあら、伊織ちゃんたら」

    122 = 1 :

    千早「お疲れ様です」

    貴音「ただいま戻りました」

    春香「プロデューサーさん、お疲れ様です!」

    赤羽根P「お、皆帰ってきたな」

    「美希が出てる番組見るさー」

    やよい「うっうー!」

    雪歩「楽しみですぅ」

    「真美、テレビつけてよ」

    真美「おっけ→!」ポチ

     『みんなぁー!今日はたくさん楽しんで行ってほしいのー!!』

    124 = 1 :

    生放送歌番組(楽屋)。

    律子「うわぁ……大物アーティストばかりじゃない」ゴクリ…

    美希「あはっ、律子…さん、出演者リスト見て緊張してるの?」

    律子「あんたも少しは……って、美希ももう大物タレントか」

    美希「ふふっ、ミキが緊張を解してあげるの。ほれほれ~」ツンツン

    律子「んぁっ、ちょっ、どこ触って……んんっ!」ビクンッ

    美希「あははっ、やわらかいの~♪」

    コンコン。

    スタッフ『星井美希さん!ステージへの移動をお願いします!』

    美希「はぁい! じゃ、ミキ行ってくるね!」タッタッタッ

    126 :

    ダンサブルで不覚にも

    127 = 84 :

    支援は紳士のつとめ

    128 = 77 :

    猿か?

    130 = 51 :

    さるったか

    131 = 108 :

    寝れないだろうが…!

    132 = 61 :

    どーなった

    133 = 1 :

    ガチャ、バタン。

    律子「はぁ、はぁ、美希の奴……」

    律子(というか、軽くあしらわれちゃって、これじゃあどっちが……)

    テレビ

     『では続きまして、星井美希さん!特設ステージからでーす!』

     『みんなぁー!今日はたくさん楽しんで行ってほしいのー!!』


    律子「ハハ、すごい歓声……」

    律子(まったく、一人でここまでやられたら、こっちの立つ瀬がないじゃない)

    律子「……だから、あの子の担当だけはごめんなのよ」

    134 = 1 :

    ステージ。

    「みんなぁー!今日はたくさん楽しんで行ってほしいのー!!」

    轟く歓声、会場全体がうねり、まるで嵐の海のようだった。

    (ねぇ、プロデューサー。ミキは、あなたの目指した形に近づけてますか?)

    その問いに返答はない。記憶の中のプロデューサーはその答えを言っていない。

    (……ちょっとでも近づけてたら、嬉しいな)

    前に、プロデューサーの移籍先を突き止め手紙を送ったことがある。
    謝罪、お礼、近況、会いたいこと……色々なことを書き綴った。
    けれど、返ってきたのは企業としての事務的な返答だった。

    135 = 1 :


    『拝啓
     貴社、益々のご清栄のこととお喜び申し上げます。
     さて、貴社ご所属タレント様より頂戴しましたお手紙、
     当方としましても、大変光栄なお話ではございますが、
     やはり、所属を別にするタレントとプロデューサーが、
     業務外で会うことは、対外的な印象上、難しい事と存じます。
     ご要望に応えられず、誠に申し訳ございません。
     末筆ながら、貴社の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
     敬具』


    (あははっ、あのお返事はあんまりなの~)

    曲が始まり、客席も熱を上げていく。

    (プロデューサー、ごめんなさい。ありがとう。ミキは元気だよ。それと、会いたいです)

    伝えたい言葉を込めて、彼女は輝き続ける。

    彼が夢見たトップアイドルとして――。

    136 = 77 :

    紫煙

    138 = 1 :

    epilogue


    某プロダクション本社(プロデューサー執務室)

    大型のテレビ画面には、今やトップアイドルとなった元担当アイドルの姿があった。

     『みんなぁー!今日はたくさん楽しんで行ってほしいのー!!』

    「覚醒美希は可愛いなぁ」

    「何それ、前の彼女引きずってるみたいで、イタイよ?」

    と、現担当アイドルによる容赦ない言葉が飛んでくる。

    「ぐっ……ったく、可愛くないぞ」

    ちくりと反撃に出ると、冷めた瞳に睨め付けられてしまった。

    「い、いや、まぁ、ファンの前で可愛ければ良いんだけどさ……」

    しどろもどろの呟きは見事にスルーされ、人の隣で退屈そうにその長い髪を弄んでいる

    140 = 1 :

    「ところでさ」

    「何?」

    「なんか用かい?」

    この時間は、特になんの予定もなかったはずだ。

    「……今度のイベントの衣装、どうしようかと思って」

    「ああ、好きに決めていいぞ?」

    「………」ジトー

    「じょ、冗談だよ……うーん、そうだな~。あ、その制服で出てみるとか!」

    「……本気で言ってる?」

    「うん、なんか名案な気がしてきた。前々からその制服姿は可愛いと思ってたんだ」

    142 = 1 :

    「………」

    「あ、もちろん、嫌なら良いんだぞ? ファン会員向けのライブだし、自由に……」

    「これで出る」

    無愛想に呟いて、彼女は音もなく立ち上がり、足早にドアの方へ。

    「あのさ、プロデューサー。今度のライブも、ちゃんと横で見ててよね」

    「? あたりまえだろ?」

    「ん」

    背を向けたまま、小さく頷いて、彼女は部屋を出て行った。

    143 = 1 :

    閉めたドアに背中を預ける。
    頭を傾け、ドアに耳を寄せる格好になると、微かにあの人の声が聞こえてきた。

    『ほんと、立派になったよなぁ~』

    まるで、おじいちゃんみたいな物言い。
    正直、あの人にとって『星井美希』が何なのか、私には量りかねる。

    「当たり前か、自分のことだって分からないのに……」

    でも、あの人の目が。


    「今度のライブ、頑張ろう」


    自分だけに向いていないのは、なんだかすごく嫌だから。


    (前の子のことなんて、直ぐに忘れさせてあげるから)



    END

    147 = 77 :

    良い話しだった

    150 :



    なんだか切ない気持ちになった


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