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元スレ貴音「これが……恋患いでしょうか……」
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キュンキュンする
真美のは見逃してたから今読んで来たけどやっぱりキュンキュンした
真美のは見逃してたから今読んで来たけどやっぱりキュンキュンした
P「ああ。じゃ、会計してくるなー」ガタッ
貴音「あっ……それでは代金を……」ガサゴソ
P「いいって。飯くらい奢らせてくれよ。社会人だぞ?」
貴音「しかし……あなた様、特に金の貸し借りなどは、人の仲を悪しくする恐れがあり……」オロオロ
P「貴音は律儀だなあ。なら、今回だけ……な?」
貴音「……はい」コクッ
P「ありがとう。貴音」
貴音「……! そんな、むしろわたくしが礼を言うべきであり……」
P「こんな事でもさ、男って生き物は嬉しいもんなんだよ」
貴音「そうなのですか……?」
P「ああ。それじゃ、荷物まとめておいてな」タタタ
貴音「……………ぽっ」///
…………
……
貴音「あっ……それでは代金を……」ガサゴソ
P「いいって。飯くらい奢らせてくれよ。社会人だぞ?」
貴音「しかし……あなた様、特に金の貸し借りなどは、人の仲を悪しくする恐れがあり……」オロオロ
P「貴音は律儀だなあ。なら、今回だけ……な?」
貴音「……はい」コクッ
P「ありがとう。貴音」
貴音「……! そんな、むしろわたくしが礼を言うべきであり……」
P「こんな事でもさ、男って生き物は嬉しいもんなんだよ」
貴音「そうなのですか……?」
P「ああ。それじゃ、荷物まとめておいてな」タタタ
貴音「……………ぽっ」///
…………
……
15:10/雑貨屋「AROMA」
貴音「はて……、これは一体……?」ハテナ
P「えーと、これはアロマだな。ほら、部屋とかに置くんだ。リラックス効果もあるらしい」
貴音「……特に、女性に人気と書いてありますね……」
女性店員「何かお探しですかあ?」トテテ
P「ああ。そうですね、このアロマって……」
女性店員「…………」ペラペラ
P「…………」ペラペラ
貴音(なにやら楽しそうに会話をしています)
貴音(……プロデューサーはあのような女性が好みなのでしょうか?)シュン
貴音(…………)
貴音「はて……、これは一体……?」ハテナ
P「えーと、これはアロマだな。ほら、部屋とかに置くんだ。リラックス効果もあるらしい」
貴音「……特に、女性に人気と書いてありますね……」
女性店員「何かお探しですかあ?」トテテ
P「ああ。そうですね、このアロマって……」
女性店員「…………」ペラペラ
P「…………」ペラペラ
貴音(なにやら楽しそうに会話をしています)
貴音(……プロデューサーはあのような女性が好みなのでしょうか?)シュン
貴音(…………)
>>105
おいやめろ
おいやめろ
P「……貴音、たかね」
貴音「……! は、はい」ビクッ
P「せっかくだから、貴音にプレゼントするよ」
貴音「この『あろま』を、ですか?」
P「ああ。店員さんに一通りの説明と、おすすめのオイル教えてもらった」
貴音「はて……おいる、とは……?」
P「えーと、この中にある、綿みたいな、ガーゼみたいなヤツに、これを染み込ませるんだ」サッ
貴音「…………?」キョトン
P「まず、この『ライム』を4滴、次に、『ユーカリ・グロブルス』を2滴。んで、最後に『リツエアクベバ』を2滴だ」
貴音「…………?」ハテナ
P「……ちょっと待ってて。さっきの店員さんに手順を書いてもらってくる」タタタ
貴音「あ、あなた様……」
貴音(……いいのでしょうか。こんなに……)
貴音(とても、嬉しいことには相違ないのですが……)
貴音「…………」
貴音「きっと……良き香りを纏う女性になって欲しいとの、願いなのですね」キリッ
P「お待たせ。貴音、何か言った?」
貴音「い、いえ……何も」ドギマギ
P「そっか。それじゃ、映画館へ行こうか」
貴音「……ありがとうございます……あなた様っ」
カランカラン……。
…………
……
15:40/映画館
P「それで、なんていう映画なんだ?」
貴音「これなのですが……」ピラッ
P「ん……『穴掘り少女と王子様』?」
貴音「実は、萩原雪歩の薦めでして……」
P「なるほど……雪歩らしいな……。ジャンルは?」
貴音「一応、ラヴロマンスだと聞いています」
P「へえ。とりあえず、チケット買っちゃおうか」
貴音「はい……それでは、わたくしは、ぽっぷこーんを買って来ます」トテテ
P「わかったー」
―10分後―
貴音「お待たせいたしました……っ!?」ヨロッ
P「おっと。大丈夫か?」ガシッ
貴音「……! そ、その……すみません」カアア
P「はは。気をつけろよ? 春香じゃないんだから」
のワの「!?!?」ビクッ
貴音「そうですね……待たせてはいけないと、少しばかり焦ってしまいました」
P「まだ上映まで時間あるから平気だよ。えーと、ホール7は二階か……」キョロキョロ
貴音(肩を掴まれるだけで、こんなにも胸が高鳴るなんて……)ドギマギ
P「おーい、貴音。ボーっとするなよ~」
貴音「はっ! はい。それでは、中へ参りましょう」ドキドキ
…………
……
16:10/映画館
『ひと昔前、フランスのある田舎町で、少女がお婆さんと暮らしていました……』
『その少女は、ただひたすらに、穴を掘る事が趣味なのでした』
『お婆さんと、貧乏ながらも幸せな日々を過ごしていた少女に、ある出来事が起こります……』
『王都から、王子『マコリーヌ』が訪れたのです……。そして、少女――ユキポーヌは、一目で恋に落ちてしまい……』
『ひと昔前、フランスのある田舎町で、少女がお婆さんと暮らしていました……』
『その少女は、ただひたすらに、穴を掘る事が趣味なのでした』
『お婆さんと、貧乏ながらも幸せな日々を過ごしていた少女に、ある出来事が起こります……』
『王都から、王子『マコリーヌ』が訪れたのです……。そして、少女――ユキポーヌは、一目で恋に落ちてしまい……』
―2時間後―
ユキポーヌ「本当に……わたしでよろしいのですか……?」
マコリーヌ「自分を卑下するような事、言わないでおくれよ。ボクは君が良い。白く輝く、花のような君が好きなんだ……」
ユキポーヌ「ああ……。い、いけません……マコリーヌ様……」
マコリーヌ「この部屋の中では、ボクと君はただの男と女だよ……」
P(こ、この映画……濡れ場があったとは……ッ!)
P(女の子と観るのは、少し気まずいなあ)
P(た、貴音はどんな顔で観てるんだろう……?)チラリ
貴音「…………」メカクシ
P(ひ、必死で見ないようにしてる……! 何だか可愛いなあ)
貴音(こ、このような……。いけません……。他人の情事など、見ては……見ては……)チラチラ
貴音……(互いに好き合った男性と女性は、こうして愛を確かめ合うのですね……///)
貴音(わたくしにも、いつか訪れるのでしょうか……)
…………
……
ユキポーヌ「本当に……わたしでよろしいのですか……?」
マコリーヌ「自分を卑下するような事、言わないでおくれよ。ボクは君が良い。白く輝く、花のような君が好きなんだ……」
ユキポーヌ「ああ……。い、いけません……マコリーヌ様……」
マコリーヌ「この部屋の中では、ボクと君はただの男と女だよ……」
P(こ、この映画……濡れ場があったとは……ッ!)
P(女の子と観るのは、少し気まずいなあ)
P(た、貴音はどんな顔で観てるんだろう……?)チラリ
貴音「…………」メカクシ
P(ひ、必死で見ないようにしてる……! 何だか可愛いなあ)
貴音(こ、このような……。いけません……。他人の情事など、見ては……見ては……)チラチラ
貴音……(互いに好き合った男性と女性は、こうして愛を確かめ合うのですね……///)
貴音(わたくしにも、いつか訪れるのでしょうか……)
…………
……
18:40/映画館前
P「いやー、良い映画だったなあ」
貴音「まこと、涙なしでは語ることの出来ない傑作でありました……」
P「もう外も暗くなったなあ。まあ、秋だし仕方ないか」
貴音「そう、ですね……。まもなく、夜の帷が下りてきましょう……」
P「どうする? そろそろ帰るか?」
貴音「……あの、あなた様……」
P「ん?」
貴音「でーとの最後に、見せたい場所があるのです……」
P「おお。構わないぞ。どこなんだ?」
貴音「わたくしの、心の依り処とでも、言うべきでしょうか」
P「そっか……んじゃ、行こ」
貴音「はい……。少しだけ、歩きますがよろしいですか?」
…………
……
P「うって変わって、閑静なところだな」
貴音「ええ……。あと数分で着きますので……」
ブロロロロ……!!
女性の声「きゃあああっ!!!」ドカッ
貴音「……!?!?」ビクッ
P「……な、なんだ? 事故か!?」クルッ
貴音「いえ、あれは……ひったくりです!」キッ
P「あ、貴音! 待て!」
貴音「ええ……。あと数分で着きますので……」
ブロロロロ……!!
女性の声「きゃあああっ!!!」ドカッ
貴音「……!?!?」ビクッ
P「……な、なんだ? 事故か!?」クルッ
貴音「いえ、あれは……ひったくりです!」キッ
P「あ、貴音! 待て!」
女性のバッグを奪い取ったバイクの男は、速度を緩めようともせずに、わたくしの方へと向かって来ます。
前方20メートルほどの路肩では、女性が足首を押さえて、必死に何かを叫んでいるようでした。
つんざくようなバイクの咆哮を全身に浴びて、わたくしは思わず身震いをしてしまいます。
しかし、荒れ狂う猪がごとく猛進するバイクの進行を妨げようと、わたくしは道の真中に佇み、声を荒らげました。
貴音「待ちなさいっ! この不届き者!」バッ
P「た、貴音! 危ないッ!」
瞬間、大きな手によって、わたくしは抱き締められていました。
バイクの男が、勝鬨をあげるがごとく、高らかに笑いながら遠ざかって行きます。
貴音「……わ、わたくしは……」
P「貴音……! この、馬鹿」
貴音「……っ!」
肩口から、呻くような、搾り出すようなプロデューサーの声が聞こえて、ようやくわたくしは、我にかえりました。
P「良かった……。貴音が無事で……本当に」
まるで子供のように、何ども繰り返すプロデューサーの様子に、わたくしはひどく狼狽しました。
もう少しで取り返しのつかない事になって居たと思うと、身が竦みます。
貴音「わ、わたくしは……わ、たくし……」
同時に、涙が溢れてきました。死ぬかもしれなかった恐怖よりも、自分をこんなにも心配してくれる身近な存在に、ただ申し訳なく思ったのです。
バイクの男が、勝鬨をあげるがごとく、高らかに笑いながら遠ざかって行きます。
貴音「……わ、わたくしは……」
P「貴音……! この、馬鹿」
貴音「……っ!」
肩口から、呻くような、搾り出すようなプロデューサーの声が聞こえて、ようやくわたくしは、我にかえりました。
P「良かった……。貴音が無事で……本当に」
まるで子供のように、何ども繰り返すプロデューサーの様子に、わたくしはひどく狼狽しました。
もう少しで取り返しのつかない事になって居たと思うと、身が竦みます。
貴音「わ、わたくしは……わ、たくし……」
同時に、涙が溢れてきました。死ぬかもしれなかった恐怖よりも、自分をこんなにも心配してくれる身近な存在に、ただ申し訳なく思ったのです。
P「頼むから……。もう、こんな無理しないでくれ……」
貴音「はい……、はいっ」
P「……あ、ご、ごめんな貴音」サッ
貴音「い、いえ……」ドキドキ
プロデューサーが、慌ててわたくしの背後から離れます。
ほのかに温もりが残っているようで、少し気恥ずかしく思いながら、わたくしは改めて頭を下げました。
貴音「もう二度と……このような事はいたしません」
P「ああ、約束だぞ。貴音は765プロの大事なアイドルなんだからな」
貴音「はいっ……あのう、あなた様?」
P「なんだ……?」
貴音「手を……握っていてもらえませんか?」
P「……ああ」ギュッ
貴音「ありがとう、ございます……」ポッ
…………
……
貴音「はい……、はいっ」
P「……あ、ご、ごめんな貴音」サッ
貴音「い、いえ……」ドキドキ
プロデューサーが、慌ててわたくしの背後から離れます。
ほのかに温もりが残っているようで、少し気恥ずかしく思いながら、わたくしは改めて頭を下げました。
貴音「もう二度と……このような事はいたしません」
P「ああ、約束だぞ。貴音は765プロの大事なアイドルなんだからな」
貴音「はいっ……あのう、あなた様?」
P「なんだ……?」
貴音「手を……握っていてもらえませんか?」
P「……ああ」ギュッ
貴音「ありがとう、ございます……」ポッ
…………
……
19:10/秘密の公園
P「こう言っちゃなんだけど、あの人の怪我、大したこと無くて良かったな」
貴音「ええ。驚いて足首を捻っただけのようでした」
すっぽりとベールに覆われるように、暗くなった秋の夜。
この公園は今日も、月の光を受けて妖艶に輝いています。
P「被害届を出すように言っておいたけど……、犯人、捕まえるのは難しいだろうなあ」
貴音「……はい。顔は勿論の事、バイクのなんばーさえも、タオルか何かで隠しているようでした」
P「常習犯なのかもしれないな。まったく、物騒になったもんだよ」
貴音「まこと……。由々しきことです」
穏やかに髪をなびかせる風には、少々夏の名残を感じます。
辺りに人気は無く、わたくしたちの周りには、何種もの花が見守るように佇んでいました。
P「こう言っちゃなんだけど、あの人の怪我、大したこと無くて良かったな」
貴音「ええ。驚いて足首を捻っただけのようでした」
すっぽりとベールに覆われるように、暗くなった秋の夜。
この公園は今日も、月の光を受けて妖艶に輝いています。
P「被害届を出すように言っておいたけど……、犯人、捕まえるのは難しいだろうなあ」
貴音「……はい。顔は勿論の事、バイクのなんばーさえも、タオルか何かで隠しているようでした」
P「常習犯なのかもしれないな。まったく、物騒になったもんだよ」
貴音「まこと……。由々しきことです」
穏やかに髪をなびかせる風には、少々夏の名残を感じます。
辺りに人気は無く、わたくしたちの周りには、何種もの花が見守るように佇んでいました。
P「なあ、貴音」
貴音「はい……」
P「 そういえば、前に警察で一日署長を任されたことあったよな」
貴音「……ええ。仕事と言えども、良き経験であったと記憶しています」
P「はは。貴音は人一倍、正義感が強いのかな。立派だよ」
貴音「いえ……けして、尊敬されるような事ではありません」
P「世の中って、二極的な側面があるよな。善と悪。どっちの人間も同じくらい居てさ」
貴音「わたくしは……、自分に正直に生きていたいと思っているだけなのです」
P「それでもさ。皆が貴音みたいな人だったら、犯罪なんて起きないんじゃないか?」
貴音「……それでは、世界中の食糧がそのうちに底を突いてしまいます」
P「それもそうだなあ」ニヤッ
貴音「い、いまのは否定してくださいっ」ムム
P「ご、ごめんごめん。なあ、貴音」
貴音「はい……?」
P「どうして、いきなりデートがしたいなんて言ったんだ?」
貴音「……! そ、それは……」モジモジ
P「昨日はびっくりしたよ」
貴音「……あのう、今日は、楽しかったでしょうか?」
P「ああ。カラオケも、買い物も、映画も、全部が楽しかったよ」
貴音「それは……誘ったわたくしとしても、嬉しい限りです……」ドキドキ
P「そっか。なあ、この公園は貴音の何なんだ?」
貴音「お話をしていませんでしたね。この公園は……」
貴音「わたくしの、心の安らぐ場所なのです」
P「心が……?」
貴音「はい。現代の人間は、多くのしがらみに縛られ、無理やりに生かされているような節があります」
P「まあ、俺が言うのもなんだが、日本人は働き過ぎだよなあ」
貴音「やはり、休息は不可欠。特に、心を休めることは、仕事の成果にも直結するほどに重要なのです」
P「なるほどな。つまり、疲れた時とかに来るのか」
貴音「はい。後は……一人で物想いに耽るときなどに……」
P「へえ。そういう時は、どんなこと考えているんだ?」
貴音「……!? そ、それは……」
言えるはずがないのです。仕事で付き合いがある以上、より親密な関係を築けば、支障をきたすことになります。
……欲望に負けてはなりません。
貴音「わたくしの、心の安らぐ場所なのです」
P「心が……?」
貴音「はい。現代の人間は、多くのしがらみに縛られ、無理やりに生かされているような節があります」
P「まあ、俺が言うのもなんだが、日本人は働き過ぎだよなあ」
貴音「やはり、休息は不可欠。特に、心を休めることは、仕事の成果にも直結するほどに重要なのです」
P「なるほどな。つまり、疲れた時とかに来るのか」
貴音「はい。後は……一人で物想いに耽るときなどに……」
P「へえ。そういう時は、どんなこと考えているんだ?」
貴音「……!? そ、それは……」
言えるはずがないのです。仕事で付き合いがある以上、より親密な関係を築けば、支障をきたすことになります。
……欲望に負けてはなりません。
P「……貴音? 何でも言ってくれて、いいんだぞ?」
貴音「あ、あなた様……」
どくん、どくんと心臓が脈打つの音が漏れてしまいそうで、わたくしは頬が上気するのを感じました。
それこそ、指の先まで真っ赤に染まるほどに、身体が熱く火照っていました。
それに、わたくしを見つめるプロデューサーの瞳に吸い寄せられるようで、立つことさえ堪りません。
P「貴音? だ、大丈夫か? どこか具合が……」
貴音「す、すみません……!」ダキッ
P「た、貴音!?」オロオロ
ああ、わたくしは一体何をしているのでしょう。
自ら男性の胸に飛び込むなどと、以前のわたくしが見れば、破廉恥な、と叱咤するやもしれません。
それでも良いと、今は思います。こうしてプロデューサーの胸に身体を預けている間だけは……。
恋焦がれる女性で居られるのですから。
貴音「……何も言わずに、聞いていただけますか?」
P「……うん」
貴音「あ、あなた様……」
どくん、どくんと心臓が脈打つの音が漏れてしまいそうで、わたくしは頬が上気するのを感じました。
それこそ、指の先まで真っ赤に染まるほどに、身体が熱く火照っていました。
それに、わたくしを見つめるプロデューサーの瞳に吸い寄せられるようで、立つことさえ堪りません。
P「貴音? だ、大丈夫か? どこか具合が……」
貴音「す、すみません……!」ダキッ
P「た、貴音!?」オロオロ
ああ、わたくしは一体何をしているのでしょう。
自ら男性の胸に飛び込むなどと、以前のわたくしが見れば、破廉恥な、と叱咤するやもしれません。
それでも良いと、今は思います。こうしてプロデューサーの胸に身体を預けている間だけは……。
恋焦がれる女性で居られるのですから。
貴音「……何も言わずに、聞いていただけますか?」
P「……うん」
貴音「ずっと、あなた様のことを、お慕いしておりました」
貴音「気づかぬうちに、この気持ちは最早、わたくしの制御出来ぬものとなってしまいました」
貴音「この一時だけで良いのです。夢を……見させて下さい」
P「……貴音」
P「俺も、嬉しかったんだ」
貴音「……?」
P「貴音とデート出来てさ、嬉しかった。なんていうか、気恥ずかしいけどさ。こういうの」
貴音「あ、あ、あなた様……」
P「俺も、貴音の事、好きだよ」
____ r っ ________ _ __
| .__ | __| |__ |____ ,____| ,! / | l´ く`ヽ ___| ̄|__ r‐―― ̄└‐――┐
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| |_| | _| |_| |_| |_ | | | r┐ r┐ | | | / | | レ'´ / く`ヽ,__| |_| |_ !┘| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|‐┘
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| |_.| | / ヽ | | | |__| |__| | | | | | | | __ /`〉 / \ │ | |  ̄ ̄|
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 ̄ ̄ く_/ \ `フ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | |____丿く / <´ / `- 、_// ノ\ `ー―--┐
`´ `‐' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`‐'  ̄ ` `´ `ー' `ー───-′
貴音「~~~!!!」ポカポカ
P「な、なっ! い、痛いよ貴音!」
貴音「あ、あなた様は、卑怯ですっ!」ポカポカ
P「ど、どうして?」
貴音「そんな事……そんなことを言われてしまっては……」ウルウル
P「…………」
貴音「もう……許しません……」ググッ
少し、強く夜風が吹きました。
唇が触れ合った瞬間、なんとも形容しがたい、充足感、安堵感、寂寥感。
その他様々な感情が入り交じった何かが、胸の内で渦巻くようでした。
貴音「……こうして手を取り合っていると……。まるで舞踏会に招かれたようですね……」
P「月のワルツに合わせて踊ってみる?」
貴音「それも、良いですが……」
P「……貴音?」
たくさんの花が咲き誇る、秘密の公園。
色とりどりの花たちに、わたくしは身を委ねました。
すうっと鼻腔をくすぐる、懐かしいような香りに包まれて、わたくしは言葉を紡ぎます。
貴音「今のわたくしは……フラワーガールですよ、あなた様」
…………
……
20:00/らあめん屋「風花」
P「た、貴音……一体何杯食べるつもりだ……」
貴音「らあめんならば、幾らでも」ズルズル
P「ははは……。これじゃあ経費で落とせないな……」
貴音「なんとっ! 事務所のお金を遣うと言うのですか……。それならば、もう少しだけ……」
P「ちょ、ちょっと貴音~! 勘弁してくれ~!」
貴音『これが……恋煩いでしょうか……』―Flower Girl―
FIN
真美、やよい、美希に続いて、貴音さんのSSでしたー。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
貴音さんは口調がムズカシイですが、書いてて楽しかったです。
「次はこんなキャラの、こんなSSが読みたい」
などの意見をいただければ、検討します!
何か質問などありましたら、レスを下さい。
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