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元スレ男「幼なじみが冷たい」
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いつからか、幼なじみが俺に対して冷たくなっていた。
幼なじみ「あらおはよう、偶然とはいえ朝からあなたの顔を見なくちゃならないなんて、今日は不幸だわ」
男「……おめー俺がいつもこのくらいの時間に登校すること知ってんだろ」
幼なじみ「なんで私があなたの登校時間なんて知らなくちゃいけないのよ、気持ち悪い。明日も、朝からあなたの顔見て一日の気分をどん底にしたくないから、あなた明日からもっと早くか遅く登校しなさい」
男「これ以上遅くしたら遅刻するぜ」
幼なじみ「すれば?それが嫌ならもっと早く登校すればいいじゃない」
言いながら、幼なじみは手元の小さな腕時計を見た。
幼なじみ「もうこんな時間、あなたに会ったせいで私の登校時間にゆとりがなくなったわ。私は行くけど、あなたは私から直径二メートル以内には入らないでね、ウザイから」
男「なら早くいけよ」
幼なじみ「ああ行くわよ。これ以上あなたと顔会わせていると体調が悪くなりそうだわ」
最後まで悪態をつくと、俺が直径二メートル以内に入る隙もなく走って行ってしまった。
昔はもっと俺になついていたはずなのに……。
とぼとぼと一人で登校した。
昼休み
学食に行くとまた幼なじみに会った。
幼なじみ「二人なんですが相席いいですか?」
男「どうぞ」
幼なじみ「そうですか、友ちゃん、ここ相席いいって」
あいつは友達と来ていた。かくいう俺もクラスの男友達と来ていたので、四人用のテーブルは空きが二席分あったのだ。
幼なじみ「ありがとうござ……って、あんただったの、うわ最悪」
男「この混み合ってる学食の中、二席分提供してやったのに、最悪はねーだろ」
こんな糞な幼馴染みは話しかけられてもシカトすればいいと思います。
幼なじみ「はいはいありがとう。あっ、友ちゃんはこっち座って、こんな奴と向かい合わせになると食欲失せちゃうわよ」
俺はどんだけなんだ。
男友達も苦笑いしてるし。
幼なじみ「学食にはいないと思ったのに、本当に不幸だわ。楽しいランチタイムがあなたのせいで最後の晩餐のような気分よ」
男「こっちだって飯食ってるときに悪態つけられたらたまんねえよ」
幼なじみ「そもそもあなた、いつもはおばさんがお弁当でしょ?どうして学食なんか利用してるのよ」
男「別にどうでもいいだろ」
幼なじみ「へぇ、そういうこと言うの。まあ別に私はあなたのことなんて知りたくもないからいいんだけど」
男「ていうかよお前、なんで学食に行くだけなのに俺が居るか居ないかを一々考えるんだよ」
幼なじみ「なに?私があなたを意識してるとかくだらないこと考えてるの?本当にバカ、あなただって不審者にはできるだけ会いたくないと警戒するでしょ、それと同じ」
パキッと小気味いい音を立てて割り箸を割る幼なじみ。彼女の前には俺と同じ定食が置いてある。
幼なじみ「あなたと同じなんて本当に最悪」
……こいつは黙って飯も食えないのか。
幼なじみ「いただきます」
悪態は堂々としてるのに、なんでそういう挨拶は小さい声なんだ。
幼なじみ「……何?」
男「別に」
幼なじみ「もしかして、あれ?女の人の食事する姿に欲情する人なの、あんた。気持ち悪」
男「黙って飯も食えないのかよ」
幼なじみ「ふん、ごめんなさいね。黙って飯も食えない女で……ちょっと友ちゃん、なに笑ってるのよ。え?『仲いいね』?何言ってるのよ、私がこんな奴とどこが仲良くしてるっていうの」
男「そうだぞ友ちゃん、コイツはいつの間にか顔を合わせれば暴言を吐くような生意気になっちゃって」
幼なじみ「あなたに生意気とか言われたくないわ、あと気安く友ちゃんとか言わないでくれる、気色悪い。あのね友ちゃん、コイツはただの幼馴染みであって……え?『先輩なんだから礼儀正しくしないとだめだよ』って……」
男「おーおー言ってやれ言ってやれ、ほら、お前も友ちゃん見習え、俺の方が先輩なんだから敬え」
幼なじみ「うるさい、一年早く生まれたくらいでいい気になるんじゃないわよ。友ちゃんも、コイツは先輩である前にコイツなの、コイツは気持ちの悪い変態、変態に礼儀なんていらないのよ」
男「……なあ、俺って変態か? おい、優しい目で肩に手を置くんじゃねぇ、何が『お前も大変だな』だよ、わかったような顔もするなムカつく」
幼なじみ「もういいわよ、あなたと食べてると食が進まなくていつまでも学食に居ることになっちゃいそう。早く食べて教室帰りましょう友ちゃん」
そう言うと、定食のご飯をかき込み始める幼なじみ。
男「そんなに急いで食わなくてもいいぞ」
幼なじみ「黙りなさい元凶」
男「俺たち食い終わったから、教室戻るわ。急いで食ったら本当に気分悪くなるぞ」
立ち上がりイスを直すと、俺と男友達は自分たちの食べた食器を乗せた盆を持ち、そのテーブルを離れた。
幼なじみ「……ふん」
と気に入らない風に鼻を鳴らす幼なじみの声が聞こえた。
昔はもっと素直だったのに。
放課後
幼なじみ「全日程通してあなたに会うことになるとは、今日は本当に運のない日だわ。なんで帰る時間まで同じなのかしら」
男「俺が帰ろうとしたらお前が昇降口から出てきたんだろ」
幼なじみ「あなたの姿が見えた瞬間、ギョッとするという言葉の意味を再認識させられたわ」
男「お前、俺見た瞬間『うひゃあ』っつったもんな。まさかあんな驚き方されるとは思わなかった」
幼なじみ「あなただって、さあ帰ろうと外に出た瞬間に殺人鬼と目があったらあれぐらい驚くでしょう。まさか、私もいるはずのないものが居るとは思わなかったのよ」
男「俺は殺人鬼か……」
幼なじみ「例えよ例え。いくら殺人鬼でもあなたと同等に扱うのはかわいそうよ」
殺人鬼以下か。
>>20
実体験をもとに書いているなら是非ともはぜて頂きたい
実体験をもとに書いているなら是非ともはぜて頂きたい
男「そもそも、なんでお前がこんな時間に帰るんだよ」
幼なじみ「なによ。私が悪いって言うの?私がいつ帰ってもあなたに迷惑はかけないでしょ。むしろ、あなたが私と同じ時間に帰るということが私に迷惑をかけているわ」
男「別に何もしてねーだろーが」
幼なじみ「してるわよ。今もなお私と会話していることで私のテンションは著しく下がる一方なのよ。私が帰るまであなたは学校にいればいいじゃない」
男「無茶言うな、今日俺の家誰もいねぇんだから早く帰らなくちゃいけねーんだよ」
歩き出しながら、俺は幼なじみにそう言う。すると、少しだが、幼なじみが大人しくなった気がした。
幼なじみ「……ふん、私も迷惑だけど、おばさんには迷惑はかけたくないわ。しょうがないから、私と一緒に帰ってもいいわよ」
男「朝、直径二メートルは離れろとか言ってたじゃねぇか」
幼なじみ「あなたのおばさんに免じて、おおまけにまけて半径一メートルでいいわよ。ただ、もし私の体触れたりしたら悲鳴上げるからね」
男「俺は嫌いだけど俺の母さんは好きなのか」
幼なじみ「……」
俺の言葉には答えず、無言で、あいつは俺の後ろを歩いていた。俺からきちんと一メートルほど離れて。
夕方
コンビニ
幼なじみ「いらっしゃいませー……って、うわ最低」
男「あれ、お前ここでバイトしてるのか」
行きつけの近所のコンビニに幼なじみがバイトしていた。
幼なじみ「お客様、店員のプライベートに関わる質問はしないでいただきますか。正直、ウザったいです。訴えますよ」
男「店員の態度最悪だな」
幼なじみ「最悪の客に最悪の接客をすることはおかしいことでしょうか。私なりにあなたにふさわしい接客態度で挑ませてもらったのですが。あと仕事中に話しかけないでくれませんか」
男「へいへい」
雑誌コーナーに足を向けながら生返事を返す。
別に知らない仲じゃないんだから話しかけてもいいんじゃないか?
幼なじみ「お客様、雑誌の立ち読みはご遠慮していただけませんか」
男「しねーよ。雑誌くらい買って読むわ」
幼なじみ「あなたのようなお客様の手垢の付いた雑誌なんて他のお客様にお売りすることなんてできませんから、陳列した雑誌類には触れないでいただけませんか。ていうか、早く帰ってくれませんか、私の気分が悪いです」
男「接客以前の問題だな」
幼なじみ「別にほしい物があるならレジにお持ち下さればお会計いたしますが、今店員が私一人なのであまり進んでお客様の接客はしたくないと思っています」
男「お前の思ってること言うなよ」
コイツから話しかけてきてるじゃねぇか。
まあ、いま俺以外に他の客も居ないみたいだし、コイツも暇なんだろう。
幼なじみ「成人雑誌コーナーには目も向けないで下さい。お客様に売り物を視姦されたら売れるものも売れなくなってしまいます」
男「俺は何者なんだ」
幼なじみ「?……失礼ですが、変態以外の何とお思いでしょう?」
まあ雑誌を視姦するのは変態だろうな。
俺は複雑な思いでカップめん売場へと移動する。
男「なんかパッとしたのが無いんだよな」
幼なじみ「パッとしていないあなたのようなお客様がカップ麺に『パッとしていない』というような発言をするのは、あなたよりパッとしているカップ麺に失礼かと」
男「てめーが一番失礼だわ」
幼なじみ「あなたがその棚全部のカップ麺を買ってくれたらちゃんと接客してあげるわ。ま、そんな財力はあなたには無いとわかってるんだけどね」
男「せめて店員の言葉づかいをしろよ」
幼なじみ「失礼しました。なんだかあなたのような最低なお客様には敬語を使うことすらバカバカしくなってきたもので」
コイツ……。
男「まあいい、気を取り直してカップ麺を選ぶか」
幼なじみ「お客様に上から目線で『選ぶ』という行為をされるカップ麺たちが哀れでなりません。本当はお客様の存在価値よりカップ麺の存在価値の方が上だというのに」
男「いやいや、俺とカップ麺だったら存在価値は俺の方が上だろ。相手は無機物だぞ」
罵倒と言うより構ってちゃんの感じしかしないな
男はあんまり嫌悪感なさそうだし
男はあんまり嫌悪感なさそうだし
ていうか俺こんな幼馴染居たら泣いて喜ぶわ
罵倒とか四六時中言われても快感にしかならん
罵倒とか四六時中言われても快感にしかならん
幼なじみ「じゃあ、カップ麺が消えるのとお客様が消えるの、どちらがショックが大きいのでしょうか。お客様が消えても悲しむのは数人の人間、しかしカップ麺が消えると日本全体、いえ世界全体の人間が悲しむのですよ。どちらが存在価値が上か、明確でしょう」
男「……」
「はい論破」みたいな顔しやがって。
カップ麺を買う気が失せ、俺は他の棚へと移動することにした。
………
「お客様が消えるのと清涼ドリンクが消えるのどちらが(ry」
………
「お客様が消えるのとお菓子が(ry」
………
「お客様が消えるのと(ry」
………
幼なじみ「結局、レジに持ってきたのはお弁当とお茶だけですか。あれだけ悩んで店内をうろうろしたくせにこれだけしか買わないなんて、ほぼ冷やかしに近い行為だということを自覚していますか?」
男「うるせえ、お前がいちいち水を差してきたからだろ」
幼なじみ「いえ、お客様が自分の存在価値を見誤っていたものですから、私は忠告して差し上げたのですが、まさか厚意でした行いがお節介だと真正面から言われるとは、驚きです」
男「お前驚いてねぇだろ」
話しながらピッ、ピッ、と手際よくバーコードを読みとっていく。と、幼なじみがこちらを向いた。
幼なじみ「……ねぇ、なんでお弁当なんて買うのかしら。そろそろお夕飯の時間でしょ?」
違うだろうけど
レジから大声で言ってるつもりで見たらワロタ
でも2メートルルールが適用されてればあるか?
レジから大声で言ってるつもりで見たらワロタ
でも2メートルルールが適用されてればあるか?
男「だから、今日うちに誰もいないんだって」
幼なじみ「?……あなたのような穀潰しのためにおじさんもおばさんも両働きなんでしょ。おばさんのパート帰るの遅いの?」
男「いや。つーか、お前そのひねくれた言い方どうにかならないのか」
幼なじみ「あなたにしかこんな直接的に言わないわよ。しかも全て真実だしね。それで、パートじゃないとしたらどうして?」
男「いや、な。たまには休みも必要だろ。だから二人で明後日まで旅行に行ってもらってるんだ」
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