元スレイリヤ「キリツグ、かたぐるまっ!」切嗣「ああ、分かったよ」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
アインツベルン城 中庭
イリヤ「わーい!たかい、たかーい!!」キャッキャッ
切嗣「しっかり掴まっておくんだよ、イリヤ?」
イリヤ「うん!!」ギュゥゥ
切嗣「こらこら。前が見えない」
イリヤ「いけー!キリツグガーZ!!」
切嗣「ははは。よーし、発進だ」
イリヤ「いけいけー!!いっちゃえー!!」
セイバー「……」
セイバー「アイリスフィール」
アイリ「どうしたの?」
セイバー「かたぐるまをしてください」
アイリ「……無理無理」
2 = 1 :
セイバー「やはり」
アイリ「分かってて聞いたの?」
セイバー「いえ、あるいはと思ったのですが」
アイリ「そんなの無理よ。キリツグに頼んでみたら?」
セイバー「しかし、やってくれるでしょうか?」
アイリ「私から頼んでみましょうか?」
セイバー「お願いします」
アイリ「キリツグー、ちょっとー」トコトコ
切嗣「ん?どうしたんだい?」
イリヤ「あ、お母様。やっほー」
アイリ「あのね、セイバーが肩車をしてほしいって言ってるんだけど」
切嗣「どうして?」
アイリ「さぁ?」
3 = 1 :
アイリ「セイバー」トコトコ
セイバー「どうでした?」
アイリ「理由がないとダメだって」
セイバー「理由ですか……」
アイリ「どうして肩車をしてほしいの?」
セイバー「王になる前の話です……」
アイリ「長くなる?」
セイバー「いえ」
アイリ「じゃあ、どうぞ」
セイバー「私にも肩車をしてくれる人がいたのです。童心が擡げたといいますか」
アイリ「ホームシックなのね?」
セイバー「そういうことではありませんが」
アイリ「じゃ、伝えてくるわ」トコトコ
セイバー「お願いします」
5 :
期待してもいいんだよな
6 = 1 :
アイリ「キリツグー」トコトコ
切嗣「なんだった?」
アイリ「童心に戻りたいって」
切嗣「そんな理由じゃ無理だ」
アイリ「でも……」
切嗣「断っておいてくれ」
アイリ「あ、キリツグ」
イリヤ「つぎの目的地へ、いそげ!!キリツグガーZ!!」
切嗣「よし」
アイリ「……」
セイバー「アイリスフィール……?」トテトテ
アイリ「セイバー……。ごめんなさい」
セイバー「いえ。分かっていたことですから」
アイリ「セイバー……」
7 :
続けたまえ
8 = 1 :
アイリ(普段、滅多なことじゃこんなこと言わないのに。よっぽど、肩車してほしいのね……)
セイバー「……はぁ……」
アイリ「……セイバー!!」
セイバー「はい?」
アイリ「さぁ!!乗って!!」
セイバー「アイリスフィール?!」
アイリ「私だって、一児の母よ!!強いの!!」
セイバー「しかし、アイリスフィールでは危険が……!!」
アイリ「大丈夫よ、セイバー。私を信じて」
セイバー「アイリスフィール……」
アイリ「早く。アイリガーロボは待ってくれないわよ」
セイバー「私のために……」ウルウル
セイバー「―――では、失礼します」
アイリ「ふっ……!!」ググッ
セイバー「おぉ!!高いです!!」
9 :
セイバー(甲冑装着)
10 :
アイリ△
11 :
良スレの予感
12 = 1 :
セイバー「私の騎乗スキルをもってすれば、アイリガーロボなど簡単に乗りこなせます!!」
アイリ「うっ……ぐぉ……!!」ヨロヨロ
セイバー「さー!!行くのです!!アイリガーロボ!!彼の聖地、アヴァロンへ!!」キャッキャッ
アイリ「きっ……ぁ……!!」ヨロヨロ
セイバー「アイリガーロボ!!全速前進!!」ペチペチ
アイリ「あ゛……!!」ヨロヨロ
セイバー「やはり高いというのはいいことです。視野が広がる!!」
アイリ「も……ぉ……だ……め―――」バタッ
セイバー「おぉ!?―――アイリスフィール!!」
アイリ「はぁ……はぁ……」
セイバー「だ、だいじょうぶですか!!アイリスフィール!!」オロオロ
アイリ「ご、ごめんなさい……セイバー……私では……あな、たの願い……を……」
セイバー「アイリスフィール!!しっかりしてください!!」
アイリ「ご、めん……ね……」
セイバー「アイリスフィール!!」
13 :
はやく はやく
14 = 1 :
寝室
イリヤ「お母様……」ウルウル
アイリ「大丈夫よ……イリヤ。そんな顔しないで」
イリヤ「お母様……」
切嗣「アイリ……僕は……」
アイリ「キリツグ、セイバーを責めないで。私が全部悪いの」
切嗣「だけど……」
アイリ「キリツグ……お願い……。一度でいい。10秒でもいいから、セイバーを肩車してあげて」
切嗣「……」
アイリ「おねがい……」
切嗣「少し、考えるよ」
アイリ「うん……」
切嗣(アイリのことだ。僕が肩車をしなかったら、また自分でセイバーを担ごうとするだろう……)
切嗣(仕方ないか……)
15 :
まいやさんにやってもらえよ
16 :
じいさんがいるじゃん
17 :
セイバーが甲冑を着込む姿が見えるぞ!
18 :
士郎「セイバーは女の子なんだから、お姫様だっこじゃなきゃダメだ!」
19 = 1 :
廊下
切嗣(とはいえ、セイバーの体重がよくわからい)
切嗣(華奢な体とはいえ、アイリが無残な姿になるぐらいだ。大人が支えるには厳しいのかもしれない)
切嗣(セイバーの体重はどれぐらいなんだ……?)
舞弥「……」スタスタ
切嗣「ん?舞弥?」
舞弥「どうも。どうかされましたか?」
切嗣「その手に持っているのは?」
舞弥「握るだけで体重と体脂肪率が分かる機械です。通販で注文し、本日届きました」
切嗣「……」
舞弥「……あの、私の体重は……」ゴニョゴニョ
切嗣「貸してくれ」
舞弥「え?はい、構いませんが」
切嗣「助かる」
20 = 1 :
切嗣(これをセイバーに握らせれば、体重がわかる)
切嗣(あまりにも度が過ぎていれば事情を話して、諦めてもらうか)
セイバー「……」ポヤ~
切嗣(いた。暇そうだな)
切嗣(よし……)スタスタ
セイバー「……ん?」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「キリツグ、どうしたのですか?」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「……むぅ。もういいです。無視にはなれました」
切嗣(しまった……。今更、口を利くなんて……無理だ……)
切嗣(なんて声をかければ……)
切嗣(くっ……。ここにきて、自分の行いに後悔するとは……)
切嗣「……」チラッ
セイバー「……」ポヤ~
22 = 11 :
俺「チラッ」
23 = 1 :
切嗣(冷静になれ。相手は自分のサーヴァントだ。なんとでもなる)
切嗣「……よし」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「……ん?」
切嗣(目が合った……)
セイバー「キリツグ?何か用ですか?」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「なんですか……もぅ……」
切嗣(僕はどうして通り過ぎてしまうんだ……!!)
切嗣(セイバー、体重を調べさせてくれ。これだけなのに!!)
切嗣「……」チラッ
セイバー「……ふぅ……」
切嗣(どうしたら……。舞弥に頼んでみるか……?)
切嗣(だが……大した理由でもないのに、舞弥に頼むのは……恥ずかしいな……)
24 :
これは結局どこへ向かうのか
肩車でだけは終わらさんぞ…!
25 = 1 :
自室
切嗣(このままでは埒があかないな)
切嗣「……」
切嗣「そうだ。手紙だ」
切嗣(紙に書き、伝えればいいだけじゃないか)
切嗣「えっと……確か……」ゴソゴソ
切嗣「よし……」
切嗣「えっと……なんて書こうか……」
切嗣(セイバーへ。君の体が知りたいので、部屋まで来てください)
切嗣「……こんなものだろう」
切嗣(あとはこの紙を舞弥に託せば……)
切嗣(意外と簡単だったな)
27 :
脂肪フラグ
28 = 1 :
廊下
セイバー「肩車……」
舞弥「セイバー」
セイバー「はい?なんでしょうか?」
舞弥「切嗣からです」スッ
セイバー「え?なんですか、これは?」
舞弥「手紙でしょう。伝えたいことが書かれているみたいです」
セイバー「……?」ペラッ
舞弥「……」ソーッ
セイバーへ。君の体が知りたいので、部屋まで来てください。 切嗣
セイバー「体……?」
舞弥「……!?!?」
セイバー「どうしたのですか?」
舞弥「あ、あの……それ……は……!!」
セイバー「体……?体重でも知りたいのでしょうか?」
29 :
セイバーの馬鹿か直感が珍しく良い方向に働いた
30 :
セイバーよくわかるな
31 :
セイバーどんだけ肩車に執着してるんだよw
32 = 1 :
舞弥「そんなわけないでしょう!!」
セイバー「え?」
舞弥「い、いいですか?」ヒソヒソ
セイバー「はい、なんでしょうか?」
舞弥「切嗣は恐らく……貴女を側室にしようとしているのです」
セイバー「しかし、キリツグにはアイリスフィールが」
舞弥「きっと、マダムを裏切るための予行練習でしょう」
セイバー「なんですか、それは?」
舞弥「私ではその役を担えなった……」
セイバー「とりあえずキリツグに会いにいけば―――」
舞弥「ちょっと、まってください」ガシッ
セイバー「なんですか?」
舞弥「切嗣の愛人になる覚悟があるのですか?」
セイバー「キリツグはずっと私を無視していたのですよ?好意など欠片も持ち合わせていないはずです」
33 = 9 :
手紙を盗み見る機械のような女舞弥
34 = 1 :
舞弥「貴女は何もわかっていない!!」
セイバー「おぉ……」
舞弥「いいですか?男性とは本当に好きな人の前では素直になれないものなのです」
セイバー「……」
舞弥「話したくても、話せない。見詰め合うだけで、言葉が喉に詰まってしまうものなのです」
セイバー「そうですか」
舞弥「貴女もそういう経験あるでしょう?」
セイバー「ありません」
舞弥「と、ともかく、良く考えたほうがいいでしょうね」
セイバー「確かにキリツグが私を側室に招こうとしているのなら、これは由々しき事態かもしれませんね」
舞弥「良く考えましょう。すぐに答えを出していい問題ではありません」
セイバー「分かりました。この聖杯戦争の行方を担う事態かもしれませんね」
舞弥「ええ。一歩間違えば内部崩壊してしまうかもしれません」
セイバー「むぅ……」
35 = 30 :
舞弥はほんと使えない子だな
36 :
なんてめんどくさい奴らなんだ
37 = 27 :
そんなにセイバーを愛人にしたいのか
38 = 1 :
セイバー「肩車……側室……」ポヤ~
切嗣(いた……。様子を見に来てみれば、まだ窓辺で佇んでいたのか)ソーッ
切嗣(手紙、読んでいないのか?)
セイバー「……」ペラッ
切嗣(いや、持っているな)
セイバー(私に気がある……?あのキリツグが……?)
セイバー「……」
セイバー(ならば、私の答えは……)
セイバー「……」カキカキ
切嗣(何か書いているな……なんだろう……?)
セイバー「よし」
切嗣(まずい、こっちにくる)ササッ
セイバー(この手紙をキリツグに……)トテトテ
39 :
舞弥さん…
40 = 5 :
>>35
言峰来たとき必死に戦ってただろ!
41 :
ほんとはセイバーとキリツグって
とっても仲良しなんじゃないかな
42 :
この前金剣書いていた人かな
43 = 1 :
切嗣の自室
トントン
切嗣「……」
セイバー『キリツグ?私です』
切嗣(きたか……!!)ガタッ
切嗣(よし。この体重計を……)
セイバー『手紙を書きました。扉の隙間から渡します。一読してもらえますか?』
切嗣「え……?」
セイバー『それでは』
切嗣「……手紙だと?」
切嗣「……」ペラッ
切つぐへ。貴方の想いは大変嬉しく思いますが、お断りさせていただきます。 セイバーより。
切嗣「……」
切嗣(そんな……!!これでは、アイリとの約束が……!!なんとかしないと……!!)
44 = 31 :
切嗣ってコミュ障だよね
モテるけど
45 = 41 :
つぐ がかわいすぎワロタ
46 :
切嗣ってセイバーが本気で嫌いでセイバーも本気で嫌悪してなかったか
47 = 1 :
廊下
セイバー「肩車……はぁ……」
舞弥「セイバー、あの件は?」
セイバー「お断りさせていただきました」
舞弥「え……?」
セイバー「私はサーヴァント。いつか消える身。キリツグは本妻と愛人を失うことになります」
舞弥「それは……」
セイバー「それにアイリスフィールを裏切るのだけは、嫌ですから」
舞弥「しかし、切嗣を裏切ることに」
セイバー「私はマスターを裏切るつもりなどありません。この度の不敬は、我が剣をもって償わせていただきます」
舞弥「そうですか……」
セイバー「……」
舞弥「それでは」
セイバー「はい」
セイバー「はぁ……肩車……アイリスフィール……もう一度、してくれないでしょうか……」
49 = 1 :
アイリの部屋
アイリ「ん……?」
アイリ「ふわぁ……良く寝た」
イリヤ「すぅ……すぅ……」
アイリ「ふふ……」
トントン
アイリ「はい?」
セイバー「アイリスフィール?お体は……?」ガチャ
アイリ「もう大丈夫よ。心配かけてごめんなさい」
セイバー「いえ。元はといえば私の……」
アイリ「いいえ。違うわ」
セイバー「アイリスフィール……」
アイリ「セイバー……」
セイバー「……あの、もう一度肩車していただけませんか?」
アイリ「……ごめんなさい。もうギックリ腰にはなりたいないの」
50 = 41 :
ギックリ腰になったのか
みんなの評価 : ★
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