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元スレ吸血鬼「アナタの血をいただくわ」格闘家「なんだと!?」
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吸血鬼の脳裏に、ハンターたちの言葉がよぎる。
『あの格闘家もとんだバケモノに惚れられたもんだな! こりゃ傑作だ!』
『吸血鬼を助けても、いつかあなたは餌にされるのがオチですよ!?』
吸血鬼「──ダメなのよ……!」
吸血鬼「アナタの血を飲んだ時……アタシ、あまりの美味しさに気が狂いそうだった。
少しタガが外れただけで、全部飲んでしまいそうだった!」
吸血鬼「こんなんじゃ、いつかアタシはアナタを殺してしまう!」
格闘家「よかった……美味かったのか」
吸血鬼「え?」
格闘家「これでも俺は、なんとなく自分の血に自信があったからな。
“血なんてみんな同じ味”っていわれた時は正直ショックだったんだ」
『あの格闘家もとんだバケモノに惚れられたもんだな! こりゃ傑作だ!』
『吸血鬼を助けても、いつかあなたは餌にされるのがオチですよ!?』
吸血鬼「──ダメなのよ……!」
吸血鬼「アナタの血を飲んだ時……アタシ、あまりの美味しさに気が狂いそうだった。
少しタガが外れただけで、全部飲んでしまいそうだった!」
吸血鬼「こんなんじゃ、いつかアタシはアナタを殺してしまう!」
格闘家「よかった……美味かったのか」
吸血鬼「え?」
格闘家「これでも俺は、なんとなく自分の血に自信があったからな。
“血なんてみんな同じ味”っていわれた時は正直ショックだったんだ」
格闘家「吸え」
格闘家「大丈夫……俺だって死にたくはない。
もし君が俺の血を全部奪いに来たら、返り討ちは無理だろうが、
なんとか逃げ切ってみせる。約束する」
格闘家「俺は君を助けたんだ。一回くらいいうことを聞いてくれよ」
吸血鬼「強引なんだから……」
吸血鬼「…………」カプッ
吸血鬼「…………」チュルッ
吸血鬼「…………」ゴクゴク
吸血鬼「──っふぅ」
格闘家「回復したか?」
吸血鬼「えぇ、ありがとう」
格闘家「よし、俺も頭に血が上ってたからちょうどよくなった。会場に戻ろう!」
格闘家「大丈夫……俺だって死にたくはない。
もし君が俺の血を全部奪いに来たら、返り討ちは無理だろうが、
なんとか逃げ切ってみせる。約束する」
格闘家「俺は君を助けたんだ。一回くらいいうことを聞いてくれよ」
吸血鬼「強引なんだから……」
吸血鬼「…………」カプッ
吸血鬼「…………」チュルッ
吸血鬼「…………」ゴクゴク
吸血鬼「──っふぅ」
格闘家「回復したか?」
吸血鬼「えぇ、ありがとう」
格闘家「よし、俺も頭に血が上ってたからちょうどよくなった。会場に戻ろう!」
吸血鬼(ちがう……)
吸血鬼(前とはちがう……)
吸血鬼(前はこの人の熱すぎる血が私の中で暴れ回ったけど……)
吸血鬼(今度は……優しく全身を撫でてもらってるような感触だわ。
私、この人に抱擁されている……)
吸血鬼(とても優しくて、温かい血……)
吸血鬼(ありがとう……格闘家さん)
吸血鬼(試合、頑張ってね)
吸血鬼(でもアタシは……結果を知っているの。アナタは──)
吸血鬼(前とはちがう……)
吸血鬼(前はこの人の熱すぎる血が私の中で暴れ回ったけど……)
吸血鬼(今度は……優しく全身を撫でてもらってるような感触だわ。
私、この人に抱擁されている……)
吸血鬼(とても優しくて、温かい血……)
吸血鬼(ありがとう……格闘家さん)
吸血鬼(試合、頑張ってね)
吸血鬼(でもアタシは……結果を知っているの。アナタは──)
試合会場──
チャンプ「来たか」
格闘家「待っててくれて、ありがとう」
チャンプの予告通り、格闘家は30分で戻ってきた。
会場のテンションは、試合中断によってかえって高まっていた。
ワアァァァァァ……!
実況『さぁ、挑戦者である格闘家、トラブルを解決してきたのでしょうか!?
前代未聞の試合中断を経て、いよいよ試合再開ですっ!』
「やったれー!」 「待たせやがって!」 「つまんない試合すんなよー!」
観客の声援にも力が入っている。
チャンプ「来たか」
格闘家「待っててくれて、ありがとう」
チャンプの予告通り、格闘家は30分で戻ってきた。
会場のテンションは、試合中断によってかえって高まっていた。
ワアァァァァァ……!
実況『さぁ、挑戦者である格闘家、トラブルを解決してきたのでしょうか!?
前代未聞の試合中断を経て、いよいよ試合再開ですっ!』
「やったれー!」 「待たせやがって!」 「つまんない試合すんなよー!」
観客の声援にも力が入っている。
カァンッ!
ゴングが鳴る。先ほどとは見違えるような動きで、格闘家が攻める。
左右の拳でのラッシュで防御を上げさせ、ローキック。
動きが止まったチャンプに、アッパーカットが炸裂した。
ガゴォッ!
実況『格闘家の強烈なアッパーが決まったぁっ!』
ワアァァァァァ……!
ゴングが鳴る。先ほどとは見違えるような動きで、格闘家が攻める。
左右の拳でのラッシュで防御を上げさせ、ローキック。
動きが止まったチャンプに、アッパーカットが炸裂した。
ガゴォッ!
実況『格闘家の強烈なアッパーが決まったぁっ!』
ワアァァァァァ……!
だが、さすがはチャンプである。
すぐに態勢を立て直し、幾人もの猛者を倒してきた重い打撃を振るう。
ズドンッ! ドゴォッ! ドカンッ!
実況『チャンプも負けてはいなーいっ! 象でも倒せそうな猛ラッシュだっ!』
防御に徹する格闘家。
が、重い打撃の間隙を突いて、的確に反撃を与えていく。
観客が息を飲むような、一進一退の攻防が続く。
まったくの互角。
実況『お互いに激しく打ち合いながらも、有効打を許しませんっ!
リングの上で、まるで将棋のような読み合いが展開されているっ!』
これは判定決着になる──誰もが思った。
すぐに態勢を立て直し、幾人もの猛者を倒してきた重い打撃を振るう。
ズドンッ! ドゴォッ! ドカンッ!
実況『チャンプも負けてはいなーいっ! 象でも倒せそうな猛ラッシュだっ!』
防御に徹する格闘家。
が、重い打撃の間隙を突いて、的確に反撃を与えていく。
観客が息を飲むような、一進一退の攻防が続く。
まったくの互角。
実況『お互いに激しく打ち合いながらも、有効打を許しませんっ!
リングの上で、まるで将棋のような読み合いが展開されているっ!』
これは判定決着になる──誰もが思った。
しかし、試合が動く。
チャンプが勝負に出たのだ。
蹴りのフェイントから、全身を駆動させての右ストレート。
だが、格闘家はこれをかわし、同じく渾身の右ストレートでカウンターを決めた。
バキィッ!
チャンプ「ぐぉ……っ!」
顔面へクリーンヒット。チャンプが勢いよく前のめりに倒れた。
カウントを数えるまでもなく、審判が試合を止めた。
カンカンカンカンカンカン……
ワアァァァァァ……!
会場が沸く。この瞬間、格闘家が新しい世界チャンピオンに決定した──
実況『チャンピオンの不敗神話がついに破れましたァッ!
──と同時に、新チャンピオンの誕生だァーッ!』
しかし、この勝利を信じられない者が、この会場に二人いた。
吸血鬼(ウソ……どうして……!?)
格闘家(なんでだ……)
試合は大盛り上がりの末、幕を閉じた。
チャンプが勝負に出たのだ。
蹴りのフェイントから、全身を駆動させての右ストレート。
だが、格闘家はこれをかわし、同じく渾身の右ストレートでカウンターを決めた。
バキィッ!
チャンプ「ぐぉ……っ!」
顔面へクリーンヒット。チャンプが勢いよく前のめりに倒れた。
カウントを数えるまでもなく、審判が試合を止めた。
カンカンカンカンカンカン……
ワアァァァァァ……!
会場が沸く。この瞬間、格闘家が新しい世界チャンピオンに決定した──
実況『チャンピオンの不敗神話がついに破れましたァッ!
──と同時に、新チャンピオンの誕生だァーッ!』
しかし、この勝利を信じられない者が、この会場に二人いた。
吸血鬼(ウソ……どうして……!?)
格闘家(なんでだ……)
試合は大盛り上がりの末、幕を閉じた。
チャンピオンの控え室──
敗れたチャンプは一人、後片付けをしていた。
コンコン
チャンプ「どうぞ」
ガチャッ
チャンプ「……君か」
格闘家「……アンタ」
格闘家「なんで、わざと負けた?」
敗れたチャンプは一人、後片付けをしていた。
コンコン
チャンプ「どうぞ」
ガチャッ
チャンプ「……君か」
格闘家「……アンタ」
格闘家「なんで、わざと負けた?」
チャンプ「わざと……とは、どういうことだ?」
格闘家「奇しくもアンタがいったことだ。拳で語らうと分かることがある」
格闘家「試合中断前は、気持ちが焦っていて分からなかったが、
再開後はすぐに分かった」
格闘家「アンタ──吸血鬼だろ」
チャンプ「……よく、気づいたものだ」
格闘家「最近、吸血鬼と交流があってね。そうでなきゃ絶対気づかなかっただろう」
格闘家「奇しくもアンタがいったことだ。拳で語らうと分かることがある」
格闘家「試合中断前は、気持ちが焦っていて分からなかったが、
再開後はすぐに分かった」
格闘家「アンタ──吸血鬼だろ」
チャンプ「……よく、気づいたものだ」
格闘家「最近、吸血鬼と交流があってね。そうでなきゃ絶対気づかなかっただろう」
格闘家「アンタの異常な強さ……不敗神話もこれで説明がつく。
アンタが試合中、いつも険しい顔をしていたのは、
手加減が大変だったからだろう?」
格闘家「指一本でヒトを殺せるようなヤツが、
相手を殺さないように、なおかつ格闘しているようにするのは、
とんでもない難作業だったろうからな」
チャンプ「……ヒトに混ざった私を、責めるか?」
格闘家「いいや。アンタにはアンタの事情があるんだろう」
格闘家「ただし、アンタなら俺なんかいつでも倒せたハズだ」
格闘家「お情けでもらったチャンピオンベルトなんてまっぴらだ。
アンタの答え次第では、すぐに返上させてもらう」
アンタが試合中、いつも険しい顔をしていたのは、
手加減が大変だったからだろう?」
格闘家「指一本でヒトを殺せるようなヤツが、
相手を殺さないように、なおかつ格闘しているようにするのは、
とんでもない難作業だったろうからな」
チャンプ「……ヒトに混ざった私を、責めるか?」
格闘家「いいや。アンタにはアンタの事情があるんだろう」
格闘家「ただし、アンタなら俺なんかいつでも倒せたハズだ」
格闘家「お情けでもらったチャンピオンベルトなんてまっぴらだ。
アンタの答え次第では、すぐに返上させてもらう」
チャンプ「……我々吸血鬼は常に人間のハンターに追われている。
ハンターの目を紛らわすのに、もっともいいのが人に紛れることだ」
格闘家(……ハンター、か)
チャンプ「私は格闘家として生きることを選んだ。
まさかヤツらも、闇に生きるべき吸血鬼が光に照らされたリングの上で
活躍しているとは夢にも思わないだろうからな」
チャンプ「身分を偽証し、強さを見せつけ……瞬く間に世界一となった」
チャンプ「しかし、もう疲れたのだ……。
君の言うとおり、人間と戦うのは非常に繊細な作業だ。
私はこの試合を最後に、再び闇に消えることに決めていた」
格闘家「……ただ消えるだけなら、別に俺に負ける必要はなかったはずだ。
なぜ俺に勝ちを譲った!?」
格闘家「俺が先に出会った吸血鬼は、人間(おれ)と吸血鬼(アンタら)の差を
きちんと思い知らせてくれた。だが、俺はむしろそれがありがたかった」
格闘家「アンタのやったことは……ただの侮辱だ!」
ハンターの目を紛らわすのに、もっともいいのが人に紛れることだ」
格闘家(……ハンター、か)
チャンプ「私は格闘家として生きることを選んだ。
まさかヤツらも、闇に生きるべき吸血鬼が光に照らされたリングの上で
活躍しているとは夢にも思わないだろうからな」
チャンプ「身分を偽証し、強さを見せつけ……瞬く間に世界一となった」
チャンプ「しかし、もう疲れたのだ……。
君の言うとおり、人間と戦うのは非常に繊細な作業だ。
私はこの試合を最後に、再び闇に消えることに決めていた」
格闘家「……ただ消えるだけなら、別に俺に負ける必要はなかったはずだ。
なぜ俺に勝ちを譲った!?」
格闘家「俺が先に出会った吸血鬼は、人間(おれ)と吸血鬼(アンタら)の差を
きちんと思い知らせてくれた。だが、俺はむしろそれがありがたかった」
格闘家「アンタのやったことは……ただの侮辱だ!」
チャンプ「たしかに……私は勝って姿を消すこともできた」
チャンプ「最後の試合で君に勝ちを譲ったのは……せめてもの礼だ」
格闘家「礼?」
チャンプ「同族を助けてくれた……君に対する、な」
格闘家「…………!」
チャンプ「私は会場内に私とは別に、吸血鬼がいることを察知していた。
その同族がハンターたちに捕まり、どの方角に連れ去られたかまでな」
格闘家(王者としての勘じゃなかったのか……少しショック)
チャンプ「最後の試合で君に勝ちを譲ったのは……せめてもの礼だ」
格闘家「礼?」
チャンプ「同族を助けてくれた……君に対する、な」
格闘家「…………!」
チャンプ「私は会場内に私とは別に、吸血鬼がいることを察知していた。
その同族がハンターたちに捕まり、どの方角に連れ去られたかまでな」
格闘家(王者としての勘じゃなかったのか……少しショック)
チャンプ「吸血鬼同士がひと固まりになることはご法度……。
同族が私を見に会場に来るなど、絶対にありえない。
だから、あの吸血鬼は君と縁がある者だとすぐに分かった」
格闘家「そうか……。だからアンタは俺に仲間を助けさせるために……
試合を中断させたのか……」
チャンプ「私では、ハンターには絶対勝てないからな」
格闘家「……安心してくれ。ちゃんとアンタの仲間は助けた。
二度と近づかないよう脅しもつけといた。多分……大丈夫だ」
同族が私を見に会場に来るなど、絶対にありえない。
だから、あの吸血鬼は君と縁がある者だとすぐに分かった」
格闘家「そうか……。だからアンタは俺に仲間を助けさせるために……
試合を中断させたのか……」
チャンプ「私では、ハンターには絶対勝てないからな」
格闘家「……安心してくれ。ちゃんとアンタの仲間は助けた。
二度と近づかないよう脅しもつけといた。多分……大丈夫だ」
吸血鬼はずっとレミリアで再生されてる
チャンピオンはリカルド・マルチネス 格闘かは知らん
チャンピオンはリカルド・マルチネス 格闘かは知らん
チャンプ「そうか……やはり君に託して正解だったようだ」
格闘家「…………」
チャンプ「あとは君の心ひとつだ。チャンピオンの座を、返上したくばすればいい」
チャンプ「君の実力であれば、空位になったチャンピオンの座を
すぐモノにできるだろうしな」
格闘家「俺は……」
うつむく格闘家。
チャンプ「最後に一言だけ」
チャンプ「妹を助けてくれて……ありがとう」
格闘家「!」
格闘家が顔を上げると、チャンピオンは部屋から姿を消していた。
格闘家(チャンプ……)
格闘家「…………」
チャンプ「あとは君の心ひとつだ。チャンピオンの座を、返上したくばすればいい」
チャンプ「君の実力であれば、空位になったチャンピオンの座を
すぐモノにできるだろうしな」
格闘家「俺は……」
うつむく格闘家。
チャンプ「最後に一言だけ」
チャンプ「妹を助けてくれて……ありがとう」
格闘家「!」
格闘家が顔を上げると、チャンピオンは部屋から姿を消していた。
格闘家(チャンプ……)
その後、格闘家は吸血鬼のところに向かった。
格闘家「……やぁ」
吸血鬼「おめでとう、新チャンピオン」
格闘家「……ありがとう」
格闘家「君も知っていたんだろう? チャンプの正体を──」
吸血鬼「…………」
吸血鬼「えぇ、ビデオを見て一目で分かったわ。兄さんだって。
だから正直……アナタは勝てないと思っていた」
格闘家「だろうな。多分、君の兄さんは君よりも強いんだろうから」
格闘家「……やぁ」
吸血鬼「おめでとう、新チャンピオン」
格闘家「……ありがとう」
格闘家「君も知っていたんだろう? チャンプの正体を──」
吸血鬼「…………」
吸血鬼「えぇ、ビデオを見て一目で分かったわ。兄さんだって。
だから正直……アナタは勝てないと思っていた」
格闘家「だろうな。多分、君の兄さんは君よりも強いんだろうから」
格闘家「譲られた勝利、はっきりいって気持ちがいいものとはいえない」
格闘家「だがきっと、俺は彼に託されたんだろう」
格闘家「だから、俺は世界チャンピオンとして生きていく」
格闘家「……だから……」
格闘家「約束通り……君にも、手伝って欲しい……」
吸血鬼は笑った。
吸血鬼「クスクス……いいわよ。いつまでとは約束できないけど……。
これから忙しくなりそうね」
格闘家「……ああ!」
格闘家「だがきっと、俺は彼に託されたんだろう」
格闘家「だから、俺は世界チャンピオンとして生きていく」
格闘家「……だから……」
格闘家「約束通り……君にも、手伝って欲しい……」
吸血鬼は笑った。
吸血鬼「クスクス……いいわよ。いつまでとは約束できないけど……。
これから忙しくなりそうね」
格闘家「……ああ!」
三ヶ月後──
世界チャンピオンとなる道を選んだ格闘家。
彼の格闘道場は大勢の門下生でにぎわっていた。
世界チャンピオンの名声に加え、世界最強という地位におごらぬ格闘家の謙虚な態度や
指導の上手さもあり、道場の評判は上々だった。
「えいっ!」 「やぁっ!」 「とぉっ!」
格闘家「もっと声を大きく!」
「せやぁっ!」 「ていっ!」 「はあぁっ!」
世界チャンピオンとなる道を選んだ格闘家。
彼の格闘道場は大勢の門下生でにぎわっていた。
世界チャンピオンの名声に加え、世界最強という地位におごらぬ格闘家の謙虚な態度や
指導の上手さもあり、道場の評判は上々だった。
「えいっ!」 「やぁっ!」 「とぉっ!」
格闘家「もっと声を大きく!」
「せやぁっ!」 「ていっ!」 「はあぁっ!」
格闘家(やれやれ、指導やら経営やらで大忙しだ)
格闘家(有名になるってのも、考えものだな。
かといって、まだ人を雇えるような段階じゃないし……)
格闘家(……彼女がいてくれて助かるよ、ホント)チラッ
この道場が人気になった理由はもう一つあった。
道場主をサポートしている、美人のパートナーがいるからだ。
門下生(ここは練習は厳しいけど、的確に欠点を指摘してくれるから、
やりがいがあるな……)ハァハァ
吸血鬼「……疲れたでしょ、はいトマトジュース」
門下生「(嬉しいけど、なぜトマトジュース……?)あ、ありがとうございますっ!」
格闘家(有名になるってのも、考えものだな。
かといって、まだ人を雇えるような段階じゃないし……)
格闘家(……彼女がいてくれて助かるよ、ホント)チラッ
この道場が人気になった理由はもう一つあった。
道場主をサポートしている、美人のパートナーがいるからだ。
門下生(ここは練習は厳しいけど、的確に欠点を指摘してくれるから、
やりがいがあるな……)ハァハァ
吸血鬼「……疲れたでしょ、はいトマトジュース」
門下生「(嬉しいけど、なぜトマトジュース……?)あ、ありがとうございますっ!」
だが、人々は知らない。
夜中に密かに二人きりで行われている鍛錬を──
ドカァンッ!
格闘家「く、くそっ……やはり勝てない……!」
吸血鬼「クスクス……でも今のはけっこういいセンいってたわよ」
格闘家「本当か!?」
吸血鬼「ウソよ。熱い攻撃だったけど、痛くもかゆくもなかったわ」
格闘家「ようし、もう一回だ!
君と戦うのは、どんな修業よりも修業になるからな!」
吸血鬼「……今夜は疲れちゃったから、もう一回だけよ」
格闘家「じゃあラストだ! 勝負っ!」
世界チャンピオンのパートナーは、世界チャンピオンよりも強いということを──
~おわり~
夜中に密かに二人きりで行われている鍛錬を──
ドカァンッ!
格闘家「く、くそっ……やはり勝てない……!」
吸血鬼「クスクス……でも今のはけっこういいセンいってたわよ」
格闘家「本当か!?」
吸血鬼「ウソよ。熱い攻撃だったけど、痛くもかゆくもなかったわ」
格闘家「ようし、もう一回だ!
君と戦うのは、どんな修業よりも修業になるからな!」
吸血鬼「……今夜は疲れちゃったから、もう一回だけよ」
格闘家「じゃあラストだ! 勝負っ!」
世界チャンピオンのパートナーは、世界チャンピオンよりも強いということを──
~おわり~
>>1
は中々の天才
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