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    元スレP「真美が、俺にキスをねだってくる……」

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    タグ : - アイドルマスター + - ロリコン + - 真美 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    151 = 2 :


    怒られたことで少々気まずくなってしまったのか、夕食をふたりで食べている間、真美はずっと静かだった。

    俺が冷蔵庫に入れられていたゴージャスなんとかプリンを2個続けておいしくいただいているときも、
    真美は何やらもの欲しそうな顔をしていたが、「あ、あぁ~……」とぼそぼそしているだけで特に何も言ってこなかった。
    おや、これはなかなかどうしてうまいもんだ……例の悲しい事件の犯人の気持ちも、今ならわからないでもなかった。


    「きょ、今日は泊まるもん」


    真美がようやく人の言葉を取り戻したのは、俺がシャワーでも浴びようかと思ってよっこいしょういちっと立ち上がったときだった。
    家に帰らされるのかと思ったのかもしれない。

    正直に言って俺も真美は今日泊まるものだと思っていたので、ふたりの意見は一致していることになる。
    そっか、じゃあ特に何も言わないでも大丈夫だろうな。
    そう思った俺は黙って浴室に入っていった。

    152 = 2 :


    シャワーを浴びてひとまずすっきりすると、真美はとても神妙な顔つきになって再びフローリングの上で正座していた。

    あれあれ? なんだ、どうして泣きそうになっているんだ?
    と俺は思ったが、とりあえず彼女の様子を黙って見ることにした。


    「に……兄ちゃん……。ま……まだ怒ってる? ごめん、ね……」


    そう言うと、真美は今度こそしくしくと静かに泣き始めてしまった。
    俺はとても驚いてしまい、慌てて真美の近くに駆け寄る。


    「おい、どうした! 何があったんだ!」

    「に、兄ちゃんに嫌われたぁあ゛~~!!」


    また何かおかしなことを言っている。真美を嫌いになるわけないだろう!


    「う……えぐっ……ほ、ほんとう?」

    153 = 2 :


    「だって、兄ちゃん、ずっと真美のこと無視してるから……」


    俺が真美のことを嫌いになるなんて、天地がひっくり返ったって、千早の胸が大きくなったってありえない。
    そう言って俺は未だに正座を続ける真美のことを強く抱きしめてから、随分久しぶりに……キスをした。


    「すまんすまん、ちょっと意地悪しすぎたよ……ごめんな、真美」

    「ぅあ……。……んむ……。……こ、こんなんで許されるかと思ったら、大間違いなんだから」


    本当の本当に、嫌われたかと思ったんだからっ! と真美はぷんすこしている。じゃあどうしたら許してくれるんだ?


    「も、もういっかぃ……んんっ!?」


    言い終わる前に、俺はもう一度真美の唇を塞ぐ。
    長くて深いキスを終えると、真美の顔はまるで熟れたトマトのように真っ赤になっていた。
    息も少し荒くなり、髪も乱れ、とても扇情的だ。


    「……えへへ、だいすき~」

    ……。

    154 = 127 :

    とてもいいんだが
    ちょいちょい72をいじるのはやめたまえ

    155 = 2 :


    真美の機嫌も治ったところで、俺と彼女はふたりで並んでソファに座り話をしていた。


    「兄ちゃん、なんだか、すっきりしたね」

    「まあ、今風呂入ってきたばかりだからな……」

    「そういうんじゃなくて! ん~、どう言ったらいいのかなぁ。ツキ物? が落ちたっていうか」


    憑き物、か。確かにそうかもしれない……ここのところ休む間もなく働いていたからな。
    ほぼ2日間丸々眠ったことが、真美にそう印象付けさせているのだろう。


    「あと喋り方とかもさ……なんだか、前の兄ちゃんみたい」

    「そ、それになんだか、いつもより積極的だし……」


    それに関しては原因がわかりきっている。禁欲の時間が長いほど、男は積極的になり女を求めるのだよ。
    もちろんこんなこと真美には言わないが。

    156 :

    猿よけ

    157 = 2 :


    「ね、ねえ兄ちゃん。ちょっと気になるんだけど……その、ズボンがさ」


    しまった、と思ったときにはもう遅い。こんなこと何度目だろうか……。
    ボクはここにいる! と自己主張を続ける下半身は、俺の秘めたる熱くたぎる気持ちを何よりも雄弁に語っていた。
    仮に言葉にしなかったとしても、俺の意思とは関係ないものなのだ。
    先ほども言及したように近頃はひとりでする機会もなかったからこうなっているだけで、決して俺がロリコンだからというわけではない。

    しかし、いつもなら見ても見ないフリをしてくれるのに、一体どうしたんだ。


    「……ねえ、兄ちゃんさえよければ、真美は……」

    158 :

    ちーちゃんに恨みでもあるのか

    159 = 2 :


    「あほか……」

    「で、でもでも!」


    そう言って、真美は俺に抱きついてくる。やめろよ……。


    「抱きつくのはいつものことじゃん……兄ちゃん、兄ちゃんのここ、なんだか」

    「やめろって」

    「は、張っちゃってさ、苦しそう、だよ……。真美、兄ちゃんのためなら……」


    そう言うと、真美は俺の下半身に手を伸ばしてきた。

    160 = 128 :

    パンツ脱いだ

    161 = 2 :


    「っ!!」


    ばしっ! と、思っていたよりも強い力で、真美のことを振り払ってしまった。やってしまった……。
    突然のことに、真美はひどく動揺しているようだ。俺は慌てて真美の体を抱き起こしてやる。


    「? ……!? う…うぅ……う……うぇええ゛えん!!」


    また、真美は泣き出してしまった。泣かせてしまったことに対して申し訳ないという気持ちはあったが、


    (一体、本当にどうしたんだ、こんなに、こんなに情緒不安定な子じゃなかっただろう!?)


    という思いがあったのも確かだった。

    考えてみれば今日は、最初から……いくら鍵を持っていたとしたって、チャイムも無しにいきなり入ってくるか?
    俺が留守にしている間、勝手に部屋に入ったりするか?
    こいつは真美だぞ、美希じゃないんだ!

    どこか……いつもとは違う、様子がおかしい。

    162 = 2 :


    「ま、まみね……兄ちゃんのこと、だいすきなんだよぉおお……」

    「ああ、わかってる……ありがとうな」

    「わがってない! ぜんっぜん! わかって……ない゛もん……ずびびっ」


    真美が何を言わんとしているのか、俺にはまだよくわからなった。
    しかし次の瞬間、俺は頭をがつんと叩かれたような衝撃を受けることになる。



    「に……にい゛ちゃんが……」

    「ううん、ちがう! にいちゃん“も”!! ……し、しんじゃうかと、思ったんだからぁあ!!」

    「!!」



    俺は……なんて馬鹿だったんだろう。

    163 :

    さるよけ

    164 :

    ぴよぴよ

    165 :

    ぴよぴよ

    166 :

    真美はいい子

    167 = 2 :


    泣き続ける真美に対し、ひたすら抱きしめてやることしか俺にはできなかった。
    しばらくすると、彼女の感情の高ぶりは少しずつ収まってきたようで、ぽつぽつと話し始める。


    「兄ちゃん、ずっとずっと、無理してた」


    真美が言うには、こうだ。
    俺はここのところ、ずっと切羽詰った顔で無理して働いていた。
    その大半は双子ユニットに関する仕事であったため、真美は自分のせいで俺がしんどくなっていると思ったらしい。
    しかしながら真美にはそれを止められず、ただ俺が持ってきた仕事を上手にこなすことしかできなかったのだという。


    「言ってくれればよかったのに……」


    何か思うことがあったなら、どんな小さいことでも“ほうれんそう”。俺が常にアイドルたちに言っていることだ。

    168 = 164 :

    ぴよぴよ

    169 = 165 :

    ぴよぴよ

    170 = 2 :


    「そんなことしても……きっと兄ちゃんは、そんなことないぞーって言って聞いてくれなかったよ。
     兄ちゃん、自分のことにはてんで鈍感なんだから」


    ……たしかに俺自身、きっとそうしていたと思う。実際倒れるまで自分の体はまだまだ大丈夫と思っていたからな。
    アイドルに心配をかけさせるなど、あってはならないと思っていたのに。
    何度も同じようなことを繰り返す、未熟すぎる自分に腹が立ってしまう。


    「兄ちゃんが倒れたって聞いたとき、真美がどんな気持ちでいたかわかる?」

    「…………」


    俺は黙ってしまった。きっと、今の俺は真美のことを何もわかっていない。

    171 = 165 :

    ぴよぴよ

    173 = 2 :


    「兄ちゃんは、さっきも言ったけどさ。真美のこと、なんもわかってないんだよ……」

    「……そうかもしれない。すまない、真美……」


    俺はなんだか、とても悲しい気持ちになってしまう。これは最近、ずっと考えていたことでもある。
    俺は真美のことを……本当に、何も理解してやれていないのだ。

    真美はきっといつか、こんな、俺に見切りをつけて……


    「ってちょ!? 兄ちゃん、なんで泣いてんの!?」

    「え?」


    気が付けば涙が流れていた。
    真美を泣かせ、悲しい気持ちにさせたこの俺が、涙を流している。わけがわからなかった。

    174 = 2 :


    「は……はは。すまん、あれ……とまらないな……ご、ごめんな」


    涙はなかなか止まらなかった。俺はなんで泣いているんだろう? 涙が出る直前に、何を考えた?


    「う……うそ。真美、兄ちゃんを……それで、兄ちゃんは……。な、泣かせるつもりなんて、なかったのに……嘘。や、やだ」

    「あ……ああ……ごめぇえん……泣かせてごめんね、兄ちゃあん……!!」


    そして結局、真美の方まで泣き出してしまう。
    なぜ謝られているのかわからなかったが、真美が涙を流している。

    その事実だけで、さらに多くの涙が俺の目から溢れ出してきた。

    176 = 2 :

    ――――――――――――
    ――――――
    ―――


    何時間、そのままでいたんだろう。
    日付も変わろうかとしているとき、ようやく俺たちは落ち着きを取り戻した。
    涙と鼻水で顔はぐしゃぐしゃだ。

    そのときすでにお互いに、何度ごめんねを繰り返したかわからなくなっていた。
    それが何に対する謝罪なのか、とっくにその意味合いは失われてしまっていた。



    「真美。俺たちには、いろんなことをちゃんと話すことが必要なんだと、思う」

    「……そうだね」

    177 = 163 :

    さるよけ

    178 :

    ここまででどれくらいなんだろうか
    やっと半分くらい?

    179 = 2 :


    「……お前がこうやって俺のそばにいてくれるから、俺は俺でいられるんだ。
     だから俺は、真美の考えていることをもっと知りたい。真美には、俺の思いを知ってもらいたい」

    「……うん」



    「それじゃあ、まずは真美から……」


    そして真美は話し始めた。
    あの日から、今日まで。真美がどんな気持ちで、どんな思いで過ごしてきたのか。

    彼女は誰を想い、誰のために泣くのか。

    180 = 163 :

    さるよけ

    181 = 2 :

    ごはんタイム! 書き溜め半分は切った!

    次から視点が一時的にP→真美になります。
    口調とかもうおかしすぎてやばいので受け付けなかったら……ごめんね!

    182 = 158 :

    まだ半分とかかなりのボリュームだな

    183 :

    とりあえず保守すればいいんだな?

    186 = 127 :

    あー真美可愛い

    187 = 8 :

    まんだー?

    188 = 26 :

    ピヨちゃんは鳥類に転生しました。

    189 = 183 :

    ほひゅ

    190 = 123 :

    ほっほっほ

    191 = 2 :


    ――――――――――――
    ――――――
    ―――

    いつからだろ、こんな気持ちを抱くようになっちゃったのは。
    いつからだろ、兄ちゃんのことを……こんなに好きになっちゃったのは。

    でもま、実は“いつから”なんてそんなことはどーでもいいんだけどね。
    初めてのちゅーが、なんだか想像してたよりもあんまりロマンチックなものじゃなかったように、真美にとって“最初”というものは、
    スバらしく理想通りになるもんじゃないんだって、最近はちょっとあきらめ気味なんだよ。


    「…………本当に、すまん」


    ってうそうそジョーダン! そんな顔しないでよ兄ちゃん!



    ……でも、この“最初”だけは、はっきりと覚えていなきゃいけない。
    忘れちゃいけない。

    真美の、後悔のはじまり。

    193 = 2 :


    「最初に言っとくね」

    「真美は、あのとき――ピヨちゃんのお葬式のとき、兄ちゃんとキスしたこと、ずっと後悔してたんだ」


    真美がそう言うと、兄ちゃんは真美が思っていたよりずっと大きく驚いちゃったみたいで、
    悲しい気持ちを隠そうともせずにまた謝ってきた。


    「……すまない。こんな俺のために、これまで嫌々ながら付き合ってくれていたんだな」


    今日何度目かわからない、兄ちゃんのごめんね。
    ……って勘違いしないでー! きっと兄ちゃんが思っているような“後悔”じゃないから!
    鈍感にもほどがあるっしょ! ……って思ったけど、いまのは真美にも原因あるかも。

    真美は、誰かにちゃんと気持ちを伝えるのがめっちゃ苦手なんだ。
    いつもはどーしてもちょっとふざけた感じになっちゃうし、シリアスモードだとなんだか、うっう゛ー!!! ってなる。

    194 = 2 :


    「あのときの兄ちゃんはほんときつそうだった。
     悲しむこともできないし、受け入れることもできないし、うまく涙を流せないでいたよね」


    真美はそんな兄ちゃんのことを見ていられなくて、自分でも上手に泣けないでいたにもかかわらず、
    兄ちゃんの力になれたらなーって思ったんだ。
    でもそれは今思うと、兄ちゃんにとって、余計なお世話だったんだよ。


    「余計なお世話なんてことはない! ……俺はあのとき、本当に救われたんだ」


    そう言ってくれると真美の心も少しは軽くなるってもんだよ。……けど、キスという方法は間違いだったんだと思うんだ。
    キスってのはなんか……いろんなことを変えるきっかけにしては、強すぎた。


    「真美もほんとはあそこまでする勇気はなかったんだけど、なーんでしちゃったんだろうねー……あはは」

    195 :

    さるよけ

    197 = 2 :


    兄ちゃんのことが好き、ってのはもうずっとずーっと前からあったんだ。
    兄ちゃんが誰か他の女の子と話していると、それがたとえ亜美でも、胸が張り裂けそうになったの。
    最初はこれがなんなのかいまいちよくわかんなかったけど……ピヨちゃんが教えてくれたんだ。


      ――真美ちゃん、それはきっと、プロデューサーさんのことが好きになっちゃったのよ。
         真美ちゃんはいま、初めての恋をしているの。


    そっか、これが恋かー! って、真美はなんだかうきうきしちゃってた。
    兄ちゃんと手を繋いだり、ぎゅーってしてもらったり、キスをしてもらったり……。
    こんなことを想像すると、今まで苦しかっただけの胸の痛みが嘘みたいに、とってもあったかいものになったんだ。


    「まあそれでもその時はなかなか素直になれなくて、ついつい兄ちゃんのことを避けてしまう真美くんなのであった!」


    あはは! ……はぁ~……。

    198 = 192 :

    よけよけ

    199 = 8 :

    かわいいなぁ

    200 = 2 :


    「でも、ま……」


    それからはとにかくずっと兄ちゃんのことばっか見てた。避けながらもね!
    兄ちゃんと話すたびに、嬉しくなったり悲しくなったりしてたんだ。

    でもでも、そのときにはもう兄ちゃんとピヨちゃんは恋人同士だったんだよね。
    真美はまだまだ子供だからよくわかんないけど、ピヨちゃんはどうしてそれを――この気持ちの正体を、真美に教えてくれたのかな。
    真美がピヨちゃんの立場だったらそんなこと黙ってるのに。

    とにもかくにも、今思うと真美はずいぶんピエロだったよねー……ピヨちゃんの悪女! なんてね。


    それでそのうち、おや? って思ったんだ。何がって~?
    んっふっふ、それは兄ちゃんとピヨちゃんの不穏な空気にだYO!


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