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    元スレ杏子「……なんだよ」タツヤ「ティヘぇ♪」

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    みんなの評価 : ★★
    タグ : - 佐倉杏子 + - 志筑仁美 + - 魔法少女まどか☆マギカ + - 鹿目タツヤ + - 鹿目知久 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    102 = 99 :

    ほむら「私もタツヤくんをここまで連れてきただけで大した事はしていませんから」

    知久「その制服は見滝原中学かい?家の娘もなんだよ。2年の鹿目まどかって知ってるかな」

    杏子(あれ?あたしもどっかで聞いた名前だぞ。誰だっけ…)

    ほむら「はい。鹿目さんとはクラスメートです」

    知久「おぉ!それはすごい偶然じゃないか!」

    ほむら「ですがこの事はその…鹿目さんには内緒に…」

    知久「どうしてだい?」

    ほむら「それはその…放課後に繁華街をふらついてる様な子だと思われたら…」

    知久「はは。まどかはそんな事気にしないよ。でも、うん。そういうことなら黙っておこう」

    ほむら「ありがとうございます」ぺこ

    知久「お礼を言わなきゃならないのは僕のほうさ。こんな遅くまでうちの子に付き添ってくれて…」

    103 = 100 :

    タツヤ「パパみてぇ!ふぉーぜ!」

    知久「どうしたんだいそれ?」

    タツヤ「ちょんまげがくれたの」

    ほむら「!?」

    杏子(おいおい!それお前が自分でとったんだろ!)

    知久「まさかまたお姉ちゃんに我侭言ったんじゃ…」

    杏子「ち、ちがうよ!別に欲しくなかったけど暇つぶしで取れたのが邪魔だったからくれてやったんだ」

    ほむら「!?」

    知久「本当かい…?なんだか色々とすまなかったね」

    ほむら(どういうつもり…?お金を出したのは私で、取ったのはタツヤくんよね?
    なにもしていないあなたがどうして自分の手柄にしているのかしら(#^ω^))

    杏子(しかたないだろ!金出してやったなんて言ったら気に病むんだよこのおっさん)

    104 = 101 :

    ほむほむ

    106 = 100 :

    知久「なにかお礼でもと思うんだけど…」

    ほむら「いえ…もう遅いので私はこれで」

    知久「そうだよね。もしよければ日を改めてでもいいんだけど」

    ほむら「本当にお構いなく。それでは失礼します」ぺこ


    知久「君はどうかな?やっぱりお家の人が心配されるよね」

    杏子「さぁね。でもそいつと関わるとろくなことにならないから私も帰るよ」

    知久「何度もすまないね。とても感謝してる」

    タツヤ「ええーつ!いっちゃうのやだぁ!もっといっしょがいい!」

    107 = 100 :

    知久「こらっ、タツヤが勝手にはぐれちゃうからお姉ちゃん帰るの遅くなっちゃったんだぞ。
    これからは絶対黙っていなくなっちゃいけないよ。今日はたまたま優しいお姉ちゃんたちが助けてくれたけど
    世の中には怖い人もいるんだから。もし一人でいるときにそんな人に捕まったら2度とパパたちに会えなくなっちゃうんだよ?」

    タツヤ「うん…」

    知久「とにかく、今日みたいなことは2度としちゃダメだ。みんなが心配するんだから。もうしないって約束できるかい?」

    タツヤ「…はぁい」

    杏子「……」

    知久「よし、遅くなったね。お家帰ろうか」

    杏子「…よくねえだろ」

    知久「え?」

    108 = 100 :

    杏子「タツヤ」

    タツヤ「ふぇ?」

    杏子「……」じろっ

    タツヤ「ティヘぇ♪」


    ごつん!


    タツヤ「ふぇ…」

    知久「あ…」

    タツヤ「うぅ…えええええん!びえええん!いだぁい!わああああん!」

    杏子「いいか、誘拐されたり事故にあったらそれよりもっと痛くて怖い目にあうんだ」

    タツヤ「あああああん!ちょんまげがたたいたぁ!」

    109 = 100 :

    杏子「なぁ」

    知久「あ…えっ…?」

    杏子「こんな歳の子供に“言って聞かせる”なんてそもそも無理なんだよ。
    本当にこいつの為を想うなら、どうしても従わせなきゃいけないことは殴ってでもわからせないとさ。
    痛かった思い出なら、子供の記憶にもはっきり残る。痛みからなら学習できるんだよ」

    知久「あぁ…そう、だよね」

    タツヤ「わあああああん!うわああああん!」

    杏子「とはいえ嫌な役回りだよね…相手の為に、なんて言って動いたところで…」

    タツヤ「ひぐっ…ちょんまげきらいっ!あっちいって!わああああん!」

    杏子「ほら、今度こそ本当に嫌われた」

    知久「ご、ごめん…」

    杏子「……」

    杏子「帰るわ」

    110 = 101 :

    あんあん……

    111 :

    川越シェフスレかと思ったわ

    112 :

    ティへえ

    ワロタ

    113 = 100 :

    杏子「……」とぼとぼ

    杏子(そうさ…人のためなんて言ったところで、結局最後はこんなもんなんだ…)

    杏子(べっ、別にぜんぜんさみしいとかじゃねえけどなっ!)

    杏子「……はぁ」とぼとぼ


    河川敷の橋の下、そこにひっそりと張られたテントが杏子のもっぱらのねぐらである


    杏子「あぁ~もうくそっ!ヘコんでんじゃねーぞあたし!」ばたん

    杏子「……」

    杏子「さっさと寝よ…」ごそごそ


    杏子「すー…すー…」←天使の寝息

    114 :

    かわいいなあんあん

    115 :

    あんあんマジ天使

    117 = 100 :

    杏子「ん…あれ…ここ…」

    杏子「なんか…見覚えある部屋だな…」

    ???「あら、起きたのね。ちょうど紅茶がはいったところよ」

    杏子「マミ…さん…? そっか…ここ…」

    マミ「あらあら、さん付けに戻してくれるの?いい子ね」

    杏子「はは…もう全然いい子じゃなくなっちゃったよ。マミさんと別れてからあたし、たくさん悪い事して…いろんな人傷つけて…」

    マミ「…いいえ。佐倉さんはとってもいい子よ。昔となにもかわらないわ」

    杏子「よしてくれよ…それよりマミさんこそこんな所に居ていいの?」

    マミ「あら、どういう事?ここは私のお家なのだけど」

    杏子「いやそれはそうだけどさ、だってマミさんは…」

    マミ「私は?」

    杏子「まぁいいや…大した問題じゃない気がしてきた」

    マミ「くすくす…なぁにそれ。おかしな子ねぇ」

    118 = 101 :

    まみまみ?

    119 = 100 :

    杏子「それで、どうしてあたしはここにいるんだい?」

    マミ「私があなたを呼んだのよ。佐倉さんは私のところに忘れ物をしていったから」

    杏子「忘れもの?」

    マミ「とても大切なものなのよ?」

    マミ「あの別れの日…あなたが“いらない、見たくもない”って捨てていったものなのだけど…
    でも、佐倉さんならきっといつかまたこれと向き合える強さを持ってくれる…そう思ってとっておいたの」

    杏子「……?」

    杏子「そんな…まさかそれ…」


    マミの手の平には淡く暖かな光の塊が輝いている…

    120 = 100 :

    マミ「今がその時だと思うの。佐倉さん」

    杏子「いや…いやだっ!」

    杏子「なんで…!なんでそんなものまだあんたが持ってるんだ!そんなものがあるから…!」

    マミ「佐倉さん…!」

    杏子「“それ”のせいで…あたしは間違ったんだ…!“それ”のせいで…みんな死んじまったんだ…!」

    マミ「違うわ!」

    杏子「違うもんか!」ばんっ

    杏子「それを捨てたから…あたしまでは壊れずにすんだんだ…あたしは…あたしは…!」

    マミ「……」

    121 = 100 :

    杏子「うえっく…えぐ…ううっ…」

    マミ(涙……)

    杏子「…さま……るし…さい……」

    マミ「……?」

    それはもうマミに向けられた言葉ではなかった。掠れた鼻声で、杏子は祈りの言葉をしきりに呟いているのだった。

    杏子「天におられる私達の父よ…この責め苦が愚かな私への裁きなのはわかっています…ですが」

    杏子「どうしてあなたは私の家族を連れて行ってしまわれたのでしょう…
    罪人の私を苦しめるために罪なきものから命を取り上げることが正しい裁きなのですか。
    どうして私に彼らを殺させたのですか。私が罪人ならどうして戦いの中で死なせていただけなかったのですか。
    私は地獄の業火にも焼かれましょう…ですからこんな残酷なことはお止めになって彼らに命を返してあげてください。
    そして…ささやかでいい、あなたの慈愛を傍で感じられるくらいの…日々の糧を与えてあげてやってくださいませんか。
    あなたがいずれこの世界の闇を払い、すべての苦しみを終わらせてくださる救いの主と信じ、祈りをささげます…」

    マミ「佐倉さん……」

    杏子「そうじゃないと…あたしのせいでみんな救われないまま死んじゃったなんて…あたし…こんなの…」

    杏子「こんなのもうやだよぉ!」

    122 :

    なに?

    123 = 100 :

    マミ「あなたはそうやって繰り返し自分を責めてきたのね……」

    杏子「うううっ…お父さん…お母さん…モモぉ…ごめん…ごめんね……っ」

    マミ「……つらいわね」

    杏子「うえぇ…ひぐっ…」

    マミ「誰かの為に生きたり、戦うのって…とても恐くてつらいことよね。だって間違う事が許されないんですもの…」

    杏子「うっ…ううっ…」

    マミ「でも、お願いだからこれを嫌いにならないであげて。これはあなたの信じた希望。あなたが求めた祈り。あなたが起こした奇跡…
    だからこんなにも柔らかで…とてもあたたかい…」

    マミ「あなたはいま変わろうとしている。大切なものを取り戻そうとしているのよ。かつての自分の祈りを嘘にしてしまわないために…」

    杏子「……」

    マミ「素敵な王子様が現れたせいかしらね」

    杏子「はは…マミさんまで勘弁してよ…それにあいつにはもう嫌われちまったよ」

    マミ「あら、一度拒絶されたぐらいで諦めちゃダメよ。今は女の子が積極的でも許される時代なのだから」

    124 = 100 :

    マミ「ねえ佐倉さん、これだけは忘れないで。あなたは私にはない強い心を持った女の子。
    強い心の持ち主はね、その分たくさんの世の中の痛みを引き受けてしまうものなの。
    あなたはきっとまだたくさん傷つかないといけない。あなたは生きているんですもの。
    そうやって傷ついて、傷ついて、それでも誰かの痛みを引き受けてまた傷ついて…戦いつづける」

    杏子「なんだよそれ…そんなの辛いばっかりで…バカみたいじゃん…」

    マミ「そうね。だからそういう子には最後に特別のご褒美があるの」

    杏子「……なに?」


    マミ「ハッピーエンド、よ♪」

    杏子「……」

    杏子「ふふっ」

    杏子「知ってた?あたしマミさんのそういうとこ、すっごい好きなんだよ」

    マミ「あら♪嬉しいわ」

    125 = 101 :

    まみまみあんあん!

    126 = 100 :

    杏子「ねえマミさん…」

    マミ「なにかしら」


    杏子「助けてあげられなくて、ごめんなさい」

    マミ「……」

    マミ「私は幸せ者ね。短い人生でも私のことをここまで思ってくれる仲間に恵まれて」

    杏子「あたしもすぐにこっちの仲間入りするだろうからさ、そうすりゃまた一緒にいられるよ」

    マミ「ダメよ。次にあなたがここに来るのは皺くちゃのおばあちゃんになってから!」

    杏子「はは…マミさんだけ若いままなのはズルイなぁ」

    マミ「ふふ…」

    杏子「…また会えてよかったよ。喧嘩別れみたいになっちゃったこと、ずっと後悔してたんだ」

    マミ「私もよ佐倉さん…頑張ってね。あなたなら…きっと自分を取り戻せるから」

    杏子「どうかな。あたしはもう…どうしようもなくなっちまったけど…」

    杏子「ずっと気にかけてくれてて、嬉しかった」

    マミ「…なにも心配はいらないわ。あなたの周りにこれからたくさんの絆が生まれようとしている」

    マミ「あなたはもうひとりぼっちじゃないから…その人達のために戦えるわ…」

    127 :

    タツヤ「セックスしてくれないとママに言いつけるです~」

    128 = 100 :

    杏子「マミ…さん…」ポロポロ



    チュンチュン

    杏子「う…うぅ~ん…」

    杏子「さみぃ…朝か…」ぶるっ

    杏子「あ、あれ…?」頬がぬれている事に気付く

    杏子「……雨漏り?」

    129 = 100 :

    水辺の公園


    杏子「ぼりぼり」

    ぼんやりコンビニお菓子をほおばる、そんな昼下がり

    キュウべえ「暁美ほむらが接触してきたそうだね」

    杏子「…ときどきあんたは人工衛星かなんかであたしらを監視してんじゃないかと思う」

    キュウべえ「イレギュラーのこと、少しは掴めたかい?」

    杏子「はぐっ…ああ、UFOキャッチャーが絶望的に下手なのはわかった」

    キュウべえ「……」

    杏子「まぁ口止めはされてないから教えてやってもいいけどさ…とりあえず食うかい?」

    キュウべえ「…僕のことを愛玩動物みたいに勘違いして物を食べさてくる子も多いけど
    君はそういうタイプじゃないだろう?」

    杏子「そういう可愛くないこと言うならやんない」ぱくっ

    杏子「昨日ちょっと嫌なことがあったのに、目が覚めたらなんか知んないけど気分がよくてね」

    キュウべえ「へぇ。それはよかったね」

    130 = 122 :

    夢か

    131 = 101 :

    きゅっぷいきゅっぷい

    132 = 100 :

    杏子「……」

    杏子「あいつは見滝原をあたしに明け渡してくれるんだと」

    キュウべえ「ふぅん。まぁ僕の直感だと彼女はテリトリーに固執する気はなさそうだからね」

    杏子「例の新顔の始末も自分がつける。だから変わりに手を貸せと言ってきた」

    キュウべえ「何をだい?」

    杏子「…2週間後、この町にワルプルギスの夜が来るんだとさ」

    キュウべえ「…確かにそう言ったのかい?」

    杏子「あんたは知らなかったのか?」

    キュウべえ「2週間先のことなんて知るはずないじゃないか。暁美ほむらこそどうしてそんなことが分かるんだい?」

    133 = 100 :

    杏子「ん…それなんだけどさ」ばりぼり

    杏子「契約時の祈りによっては未来予知の魔法が使えるようになる奴もいるそうじゃないか」

    キュウべえ「過去に預言者と呼ばれた女性のなかには僕たちと契約していた者も少なくないね」

    杏子「あいつ、あたしが気付かないうちに死角に回り込んできた。あたしの動きを読まれてたんだ。
    あんたはド忘れしてるみたいだけど、たぶんあいつは予知能力使いの魔法少女で間違いないと思う」

    キュウべえ「……」

    杏子「予知能力相手にことを構えるのは正直やっかいだと思ってたからね。ちょうどいいハナシだったよ。
    まぁあたしはここをなわばりに出来ればそれでいいし、そのためならあいつに協力もしてやるつもりだけどさ」

    キュウべえ「…君とはそこそこ付き合いが長いから忠告しておくけど、暁美ほむらは危険だよ」

    杏子「そうかな?“あんたにとって”危険なだけなんじゃねーの?」

    キュウべえ「……」

    杏子「そんなに悪い奴じゃなさそうだぜ?あいつ」

    キュウべえ「…杏子、君すこし性格が丸くなったんじゃないかい?」

    杏子「はぁ?そんなわけねーだろ。なに言って…」

    杏子「やばっ!?」フードを被って顔を隠す

    134 = 101 :

    きゅっぷいきゅっぷい

    135 :

    あんあんかわいい

    136 :

    >>87
    ほむら「あむあむ…しょっぱい///」
    >>97
    再び刑務所
    に見えて吹いた

    二人とも幼稚園児のちんぽで恥ずかしがるとか天使すなあ

    137 = 100 :

    キュウべえ「…なにしてるんだい?」

    杏子「いま歩いてくる奴らに気付かれたくないんだよ…!」こそこそ


    タツヤ「きゃっきゃw」

    知久「にこにこ」


    キュウべえ(なんだ。まどかの弟と父親じゃないか)

    杏子「……」こそこそ

    キュウべえ「……」

    キュウべえ「…それじゃあ僕はこれで」ひょい

    キュウべえ「おっと」からん

    杏子「!?」

    偶然かわざとか、ベンチから飛び降りぎわキュウべえがつまづいた杏子の缶ジュースが
    ちょうど近づいてきたタツヤたちの前へ転がっていく

    138 = 100 :

    タツヤ「あぁ~っ」ころころころ

    タツヤ「タッくんがひろってあげるぅ」ぱしっ

    杏子(おいおいおい…勘弁してくれよ…)

    タツヤ「はいっ♪」すっ

    杏子「あ…ありがとう…」うつむいたまま受け取る

    タツヤ「ティヘぇ♪」

    知久(あれ?あの子…)

    タツヤ「あっ!」

    杏子「!?」びくっ

    タツヤ「それうんまい棒だぁ」

    杏子「あ…?ああ…ほ、ほら」

    タツヤ「くれるの?」

    杏子「うん…それやr…あげるからどっかいけ…じゃない…あ、あちらであそんでらっしゃい…ぼ、ぼうや…」

    139 = 100 :

    タツヤ「ん~?」じぃ~っ

    杏子(そんな見てくんなよぉ…あたしだって分かったら気まずいことに…)

    タツヤ「えいっ」フードをめくってしまう

    杏子「!?」

    タツヤ「あっ…」

    杏子「うぅ…」


    タツヤ「」

    タツヤ「あははは!ちょんまげがいたずらしたぁ♪」

    杏子「へ?」

    タツヤ「タッくんぜんぜんわかんなかったぁ♪」ぎゅう

    杏子「は…?お、おい…」たじたじ

    タツヤ「~♪」すりすり

    140 = 101 :

    たつたつあんあん!

    141 = 100 :

    知久「そんなものだよ。子供の言う“嫌い”なんて」

    杏子「……」

    知久「昨日だってあの後タツヤは君の話ばかりしてたんだよ?」

    タツヤ「ちょんまげすきぃ~♪」すりすり

    杏子「は…はは…なんだよそれ…」

    杏子(あたしだけあんなにヘコんでバカみたいじゃん…)

    142 = 135 :

    たつあんたつあん

    143 :

    タツヤ=マミさんなんだよな?

    144 = 100 :

    タツヤ「ねぇみてみてぇ!いちばんうえまでのぼれたよぉ」

    遊具で遊ぶタツヤを杏子と知久がベンチに座って眺めている

    知久「すごいじゃないか!降りる時も落ちないように気をつけるんだよ」

    杏子「……ふっ」


    知久「…昨日はタツヤを叱ってくれてありがとうね」

    杏子「え…?いや、そんな…あたしこそ偉そうなこと言っちゃって…
    他人ん家の子供を親の見てる前で殴るなんてどうかしてるよな」

    知久「ううん、いいんだ。だって本当は僕がああやって叱らなくちゃいけないのに、それが出来ないんだからね。僕は…」

    杏子「出来ないって…なんでさ」

    知久「なんていうのかな…僕は専業主夫なんてものをやってる。別にその事を後悔したり引け目に感じてるわけじゃない。
    ただ…世間一般の父親っていうものは、働いてお給料を貰ってそれで家族を養ってる。大黒柱ってやつだね。
    なんだかんだ言っても父親の威厳っていうのはそういう事で保たれるんだと思うんだ」

    杏子「……」

    145 = 136 :

    ほむらちゃんにさわってもらったおちんちんはビッグになるぞぉー
    やったねたっくん!

    146 = 100 :

    知久「その点僕はそういった事は奥さんに全部やってもらっている。
    そうなるとね、子供に対してどうやって威厳を示せばいいのかわからなくなるんだよ。
    所詮男の自信なんてものは、どうしても仕事に裏付けられるのかもしれない。
    社会問題に取り上げられてもまだ過労死する人が後を絶たないのは、本人たちもどこかで働く自分を必要としてるからだと思うんだ。
    主夫業っていうのは確かに家庭の支えにはなるかもしれない。けど、家族を守っているって実感は味わえないんだ。
    時々その実感をどうしようもなく欲する自分がいたりして。つまらない事だと思うよね…でも、やっぱり僕も男なんだなぁって…」

    杏子「……」

    知久「あの子の姉はね、親バカに聞こえるかもしれないけど全く手の掛からない良い子だったんだ。
    僕が言う事は素直に聞いてくれたし、困らされた記憶もほとんどない」

    杏子「あたしとは大違いだな」

    知久「そんなことはないと思うけど…ただその代わりあの子はまわりに気を遣いすぎる子になってしまった。
    まわりだけじゃない、僕たち家族にすら心配をかけまいと一人で問題を抱え込んでしまうところがある。
    優しい子と言えば聞こえはいいけど、それは時に痛々しく感じるほどなんだ。
    そうさせてしまった原因は、きっと父親として至らなかった僕にあるんだと思う。
    今も…表向きは明るく振舞っているけど何か大きな悩みを抱えてるみたいで…
    もし僕がもう少し頼りがいのある父親だったら彼女も悩みを打ち明けてくれたんじゃないかって」

    147 = 100 :

    杏子「……タツヤをちゃんと叱れないのはどうしてかって話じゃなかったっけ?」

    知久「あ、ああ…そうだね。つまり僕は子育てを通して自分が成長することが出来ていないんだ。
    そりゃあまどかだって我侭を言うこともあったさ。でもどうしても聞き分けないときは叱るのは奥さんの役目だった。
    いや、憎まれ役を奥さんに押し付けていた。僕は我が子に厳しくある事をずっと避けていたんだ。
    親としての威厳が不足しているって自覚があったから、子供だって僕なんかに偉そうに言われたくないんじゃないかって気後れしちゃってね。
    だからタツヤみたいに良くも悪くも子供らしい子供に対して言うべきときに強く言うことができないんだ。
    それで僕も君みたいにびしっと言えたらなんて…はは、すまないね。こんな話されても困っちゃうよね」

    杏子「……まったくだよ。いい迷惑だ」

    杏子「そんな泣き言、娘くらいの歳のあたしにこぼすなんて情けなさの極みだな。
    それを聞かされてあたしにどうしろっていうんだい?そんなことはない。あんたはいい父親ですって言えばいいのか?
    今の話だけ聞いてどうこう意見できるほどあたしはあんたの事なんてよく知らないし、知ろうとも思わない」

    知久「うん…そうだよね。はぁ…なに言ってるんだろう僕は…自分が情けなくなる…」

    148 = 100 :

    杏子「ただ、さ…」

    杏子「あたしの家はね、食うにも困ってた時期があったんだ」

    知久「そう…だったのか」

    杏子「同情とかはやめてくれよ?今はもう…そんな心配はないんだし…そんなつもりで話してるんじゃない」

    知久「すまない…」

    杏子「親父もよくあたしらに謝ってた。ひもじい思いをさせるのは私のせいだ。自分が不甲斐ないって…
    それでも自分だけは暗い顔しないようにって無理して笑ってたよ」

    杏子「だけどあたしは親父を尊敬してた。だってさ、小さな子にとって親ってのはそれだけでもう尊敬の対象なんだ。
    なんの根拠もなく親父をすごい人なんだって思ってた。実際うちの親父はすごい人なんだけどさ
    そのすごさが理解できない子供の頃から、あたしは無条件に親父のこと尊敬してたんだ。
    だから、大人が勝手に張ってる意地なんて案外空回りしてるのかもしれないよ。
    子供からしてみればなにやってるのかわかんねーはずだもん。
    それでも威厳とやらが必要なら、強気に出る理由は“お前は俺が生んでやったんだ”で十分じゃん。
    勝手に思いつめてるのってかなりバカみたいだよ」

    知久「はは…結局励ましてくれるんだね。優しいよ君は」

    杏子「励ましてるんじゃねーよ。もういい大人なんだからしっかりしてくれって呆れてんの。
    あんまりくよくよしてるとよくねーもんに憑りつかれる、なんて話もきくよ」

    知久「そうだね…うん。子供達の為にもしっかりしなきゃ」

    150 :

    なんか読みにくい


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