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    元スレ一夏「俺が殺し屋に・・・?」 男「・・・・そうだ」

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    51 = 1 :

    「俺は今から誰をなぜ殺す?」

    男は回答を用意していたかのように、流暢に答える。

    「俺はある筋・・・警察から依頼を受けている。」

    「警察にはできない汚れ仕事をして、報酬を貰っている。」

    「そして奴は麻薬組織のNo.2。かなりの大物だ。」

    「一気に麻薬ルートを掃除できるかもしれん。そんなところだ。」


    殺す理由は明白。警察からの依頼・正義の鉄槌。
    俺の右腕の腕輪。この男の存在。なぜ俺が殺し屋に・・・・?

    スコープを覗き込み、風向きを確認。600m。今の俺なら余裕の距離。

    恐らくあのホテルマンのバッジを打ち抜くことだってできる。

    52 = 1 :

    ドアに鍵を差込み、今・・・鍵を回して施錠を解除した。

    そしてドアノブに手を伸ばし掴んで、回した・・・・・・・引っ張れるのか?

    閉じられたドアは鍵が開いてドアノブまで周っている。

    後は引くだけ、それだけだが。そこから先は別世界だ。

    恐らく、ドス黒い部屋だろう・・・・・。


    そんな俺を見透かして奴は言う。

    54 = 1 :

    「俺も初めはそうだった・・・・・。」

    「いくら警察の依頼とは言え、相手は人だ。殺すなんてできやしない。そう思った。」

    「・・・・・・さらに理由が必要なようだな。もしも殺さなければ、こっちが殺されるとしたらどうする?」

    「殺すか、殺されるか。俺は今お前の生存本能に聞いている。」


    「・・・お前が撃たなければ俺は腕輪のナノマシンを使う。」


    そうだ、俺は常に生きるか死ぬかの瀬戸際だったんだ・・・・。

    死にたくない、生きたい、こんなところで死んでたまるか!

    55 = 1 :

    俺はスコープから目を離し、奴の顔をみて言った。

    「・・・・わかった。殺す。」

    「いい返事だ・・・・・。」


    寝そべった俺の体をさらに冷やすコンクリートの床。
    『もう冷やされるのは、間に合ってるよ。』と俺は床に言い聞かせた。

    数分が経った。
    俺は風向きからダイヤルをねじりスコープの調整を何度も行う。
    ビル風というのは厄介なものだ。

    「来たぞ。」

    「あぁ、分かってる。」

    「ホテルの入り口でボーイに鍵を渡すために、運転席から出てくる。ホテルの屋根があるが射角的には問題ないはずだ。」

    「・・・黒のセダンか。」

    俺の口調は自分でも分かるほどさっきとは違っていた。

    56 = 1 :

    俺の頭の中でドアが開いた。もう既にドス黒い部屋の中にいる。そしてドアが閉じようとしている・・・・。


    「一発で仕留めろ。一発目が当たっても外れても逃げる。」

    「・・・・黒いスーツの、禿げた50代の男だ。今、右手を上げた。」

    「わかってる。」

    俺は標準を奴の頭蓋骨に向ける。死の十字架。世界がスローモーションになる。
    奴は笑いながら、右手を下ろし・・・・・・・ホテルの入り口の方向へ傾こうとする・・・・・・・・・。

    俺は右手人差し指に全神経を集中させ、トリガーをギリギリまで絞り込む。

    「・・・・今だ。」

    「・・・・・」

    ドォン!

    「・・・命中確認。対象の死亡を確認!逃げるぞ!」

    ドアの閉まる音が頭の中で鳴り響く・・・・・・そこに広がるのは暗闇だけ・・・・・。

    57 = 1 :

    大急ぎでバッグに銃を詰め込み、足の付くものが無いか確認してMPVまで突っ走る。

    後は車で逃げるだけだ。


    運転は奴自らが申し出た。

    気付いたときには、俺の両手が震えていた・・・。

    殺してしまった・・・・。ただそれだけのことだ。あいつは死んでもいいような奴だったんだ。
    だって警察でさえ手を焼いていたんだろ?それに俺が殺されるかもしれなかったんだ。


    俺は思いつく限りの言い訳を頭の中で何度も何度も念じる。

    助手席のシートに倒れこみ、天井を見つめながら・・・・・。

    58 = 1 :

    家に帰るがニュースにはなっていない・・・・・。
    次の日も、次の日も・・・・・。

    やはり、警察が手を焼くわけだ。報道規制が引かれているレベルということか。

    その日から俺はニュースを毎晩見るようになる・・・・・。

    その後も、一週間に1回から2回のペースで、平日も殺しに借り出される。




    真っ黒な上下のスーツに身を包み、サングラスをする。

    路地裏での待ち伏せ。

    ボディーガードを3人相手にしての近接戦闘でも俺はかすり傷一つ付けられることなく殺せる。
    ハンドガンにはサブレッサーを付け、ナイフを振り回し、殺し屋というよりは暗殺者のような日々を過ごす。

    59 = 8 :

    パクリでもいいから完走頼む

    60 = 1 :

    「今日の標的はここだ。少し手強いぞ。」

    「・・・・・・」

    標的は財務省の事務次官。

    下見をする。200坪ほどのでかい和風の家。壁の高さは3m程。
    遠くのビルから内部を偵察する。木々に覆われ中が見えないからだ。

    「2時間後の午後8時に対象が帰ってくる。」

    男は時計に目をやりながら俺に、『作戦時刻』を伝える。

    「狙撃か?」

    俺は男に問いかける。この距離なら殺せる。

    「いや、直接突入して殺す。俺がバックアップ、お前が先鋒だ。」

    「わかった。」

    61 = 1 :

    俺は殺しの用意を始める・・・・。いつも使っているベレッタの異変に気付く。
    スライドにひび。俺は舌打ちして、新しいベレッタを取り出しサブレッサーを付ける・・・・。

    時間になる。俺達は入り口から見て右手の外壁で待ち伏せする。

    対象は車ごと庭に入ってきた。確かにこれでは狙撃はできない。

    「先に行け、トラップに気をつけろ。」

    俺は縄をつたい壁を登る。簡易的なトラップだ。赤外線とワイヤー。

    俺は木に直接飛び移り、後から登ってきた奴に目配せで伝える。

    監視カメラの目を逃れ、建物に張り付く。屋内には人の気配・・・・3人・・・・・4人。

    口調と靴音から人数を割り出す。
    ボディーガードが3人と対象。そう結論付ける。

    62 = 1 :

    二手に別れ、40mほど向こうから男が俺に目配せする。

    『先鋒はお前だ』ということだ。

    俺は一気に障子を蹴り倒し、室内に侵入する。

    一瞬にして右手にいる1人の男の頭部に2発撃ち込む。

    左手に居る男が3人。うち1人が対象。
    しかしボディーガードの反撃が始まる。サブマシンガンの連射音。

    俺はコンクリートと思われる壁に隠れ、嵐が止むのを待つ。

    街のど真ん中で始まった銃撃戦。今の日本には不釣合い。ド派手過ぎる。

    男が俺の顔を見る。わざとサブレッサーを外したベレッタでボディーガードを80mほどの距離から狙撃する。

    ベレッタの有効射程を越えての狙撃。1名射殺。その音に気付いた残り1人と対象が一瞬男の方を向いてしまう。
    男が目配せするのを振り向きざまに一瞥し、俺は一気に2人に向けて3発ずつ撃ちこむ。

    死亡を確認する時間は無い。対象に走り寄り、顔に残弾を全て打ち込み脳を破壊し尽す。

    63 = 1 :

    後は逃げるだけだ。遠くでパトカーの音。もう何をしても問題ない。

    マガジンを取替え、監視カメラを片っ端から撃ち抜きながら最短ルートを走り抜ける。
    外壁を飛び越え、路駐させていたSUVに乗り込んで逃げる・・・。


    寮に帰り、なんとなくニュースを見る。今回の件も情報統制されているのか・・・・。
    そしてニュースが終盤に入る。最近ニュースを見始めた俺にとっては初めて知った報道内容。

    ISの登場後に風潮していた男性蔑視に対する、民間人の抗議活動が世界中で頻発。
    アメリカでは暴動が発生しているらしい。

    IS学園側の立場の人間としてはあまり良い気はしない。

    気付けば学園内でも噂になっていた。
    親の意向で、帰郷・帰国する者が数名出始めているからだ。

    64 = 1 :

    ラウラ「おい、嫁。最近疲れているぞ。目が死んでいる。」

    夜、俺の部屋に来たラウラが俺に突然話しかける。

    俺は別に疲れてなどいない。ただ絶望しているだけだ。
    前と同じように振舞うため、演技をする。

    「そうか?じゃあラウラ、久しぶりに寝技でもするか?ははははは」

    ラウラ「ほぉ、嫁から言い出すとは、なっ!!」

    俺は飛び掛ってくるラウラを反射的にラウラをかわし、ベッドに叩きつけてしまった。

    ラウラは驚いている。


    俺はこの行動を恨んだ。

    ラウラ「ふっ、腕を上げたな!」

    徹底的にラウラのおもちゃにされてしまった。
    逃げようと思えば逃げられたが、好き放題させてやった。

    65 = 1 :

    次の日の夜、また殺しだ。
    もう何人殺しただろうか。最近、頻度が上がっている。

    「行くぞ。」たったったったった・・・・・

    「あぁ・・・・・・・・・」たったったった・・・・

    パシュッ パシュッ パシュッ・・・・・・


    帰りの車の中で、奴が言う。

    「大分慣れてきているな。目が据わっているぞ。」

    「まぁな・・・・・・・・」

    セダンを運転しながら俺は軽く受け答えをする。
    冷徹、冷酷、非道・・・・・今の俺はそういう存在になっている。

    感情を殺さなければ心が死んでしまう。

    66 = 1 :

    しかし、IS学園に居る間は心が休まる。

    「酢豚作ったんだけど、食べる?」

    昼休み、鈴が無邪気に酢豚を俺に勧める。
    相変わらず美味そうだ。

    「おう、もらおうか。」

    「・・・・なんか、あんた最近やたらと素直ね。」

    「そうか?」もぐもぐ
    「うん、美味い美味い!」

    「ま、まぁ・・・・・良いんだけどさ・・・ほら、もっと食べなさいよ・・・・・///」

    67 = 1 :

    俺の表の顔はどっちなんだろうか。

    学園生活を送っている顔は既に裏の顔だ。

    IS学園を隠れ蓑にしている殺し屋。


    鈴の顔をじっと見ながらそんなことを考えてしまう。

    心が泣きそうになっている。考えるのを止めなければ・・・。

    「な、なによ!じっと人の顔みて、なんかおかしいわけ?!」

    「いや、なんでも無いよ。ほら、お前も食えよ。あーんしろ、あーん」

    「う、うん・・・・・あーん・・・・・///」もぐもぐ

    68 = 1 :

    部屋に戻る。筋トレは欠かさない。
    水を飲みながらニュースを見る。世界中でISの存在に対する暴動が起こり始めている。

    アメリカでは軍が遂に導入された。警察内部の者からもISに対する暴動が発生し、機能が麻痺したらしい。

    動きが早すぎる。ついこの前までは警察は統制されていた・・・・。
    それが遂に軍まで投入・・・・?

    日本ではまだ警察が押さえ込んでいる状態だ。それに、まだ暴動までには至っていない。

    すると突然奴から連絡が入る。

    『2ヶ月後、ロシアに行く。旅行バッグを買うなり、準備をしておけ。』

    奴らしくない、少しイライラした口調。
    そして、それだけを言って電話は切られた。
    俺の回答を事前に知っているからだ。

    「わかった。」の一言だけなのだから・・・・・。

    2ヶ月後には学校を辞めることになるかもしれないな・・・。

    69 = 1 :

    殺し、学校、筋トレ、ニュース

    この4つが俺の今の人生だ。ニュースについては、奴から「みておけ」という指示があったためだが・・・。

    ・・・・・2ヶ月経った。俺は偽造パスポートを使い「吾妻 玲二」として、奴は「梧桐 大輔」という偽名を使った。

    そしてモスクワ行きの便に乗る・・・・。

    ロシアはまだ暴動は発生していない数少ない国だ。

    機内でニュースを聞く。何気ないニュース。時折はさまれるIS関連の暴動情報。

    そして、どれくらいたった頃からだろうか、隣に座っていた、『奴』がポツリと言う。

    「米軍が落ちた」

    何を言っているんだ?
    遂2ヶ月前に投入されたばかりじゃ・・・・たった2ヶ月でそんな・・・・・。

    それにこいつはなぜそんなことが分かるんだ・・・・ん?

    70 = 1 :

    臨時ニュースが入る。また暴動か?

    『臨時ニュースです。米軍内部にて大規模なクーデターが発生した模様。』

    『陸・海・空の各大統領以下の最高指揮権者と幹部全員が首謀者の模様。』

    クーデター・・・・・?

    米軍が落ちる・・・・・・?

    このままでは世界最強の国家がISそのものに対して宣戦布告をするのは時間の問題だ。

    『それに呼応するように、全世界の駐留米軍が反ISとして活動を開始すると予想されます』

    世界中の米軍基地の名前が読み上げられる・・・・。

    『日本・・・・沖縄、佐世保、岩国、横須賀、厚木、横田、三沢』

    ・・・・・・しかし、まだ反ISとしてクーデターを起こしたのはアメリカ本土の軍だけだ。

    71 = 1 :

    国内だけとは言え、アメリカ軍が落ちたとなれば大統領はどうなる?

    軍がクーデターを起こした。アメリカ大統領は、実質米軍の最高指揮官という色が強い。

    このまま進めば、軍の最高権限者が新しく就任し、そのままアメリカ大統領になる・・・・・。

    アメリカ全土が米軍に落ちる。

    そうなれば世界中の米軍が・・・・・。


    3時間が過ぎた頃だろうか、ニュースに速報が入る。

    アメリカ大統領が退任。軍トップが実質大統領になり・・・・・。

    そして次の瞬間、俺は耳を疑った。


    『米軍の発表によると、アラスカ近海で篠ノ之束博士が殺害されました』

    72 = 1 :

    篠ノ之束博士を移動ラボごと魚雷と空爆で破壊した・・・・・・って・・・・・・・・・。


    もしかして軍上層部は事前に束さんの情報を知っていて、世論が動く機会を狙っていた?

    あまりにも展開が早すぎる。そして用意が周到すぎる・・・・。

    さらに2時間後・・・・。

    『世界中の米軍が反ISとして活動を開始。』

    『イギリス、ドイツ、中国、イタリア、フランス・・・・各国の軍内部でもクーデターが発生・・・・。』

    『在日米軍は一斉に日本の制圧に乗り出しています。自衛隊と衝突している模様』


    『米軍が各国のIS施設に空爆を開始しました。』

    73 = 1 :

    10分、15分置きにどんどんと新しい情報が耳に飛び込んでくる・・・・そして・・・・・。

    『米軍がコアの詳細データを解析完了。ネットワークを介し、全ISの機能を停止させた模様』

    コアの詳細データがこんなに早く解析できるものか!!

    これも事前に知っていたんだ・・・・・・・・そしてこのタイミングでの発動、か。

    世界最強の武装、ISが終わった。

    恐らく迎撃に出ていたIS企業の部隊は行動不可能、そのタイミングでの空爆・・・・。

    束さんも死んだ。終わりだ・・・・・。

    IS学園は!学園はどうなる!!

    「気を落とすな。まだ大丈夫だ。」

    74 = 1 :

    こいつ、全部知っていたな・・・・・・・!

    このことが起こることを知っていて俺をこの飛行機に乗せた!


    ロシアには米軍基地が無い!

    IS研究企業も無い!!

    そして旧ソ連時代からの反米感情の根強さ・・・・。

    絶対に後で問い詰めてやる・・・・。

    75 = 1 :

    モスクワ 夜

    「移動する。この車に乗れ。」

    空港の駐車場に車?こいつ、どこまで用意周到なんだ・・・・?

    しかも最近止めたばかりだ。バッテリーも上がってない。

    「聞きたいことが山ほどあるんだろう?」

    「ここから車で5時間は走る。好きなだけ考えておけ、後で全部答えてやる。」

    「・・・・・・・・」


    ガソリンスタンド

    奴はポリタンク5つ分もガソリンを買い込んで車に積み込んでいる。もうすぐ着くというのに・・・・。

    俺は何もしない。気力も湧かない・・・・・。

    76 = 1 :

    「食うか?」

    俺に向かってサンドイッチを差し出す男。

    とても食欲の湧く状態じゃない。

    俺は硬く口を閉じる。


    『何もかもお見通し』という口調と行動が更に俺をイラつかせる。

    奴は俺の席のダッシュボードにあるドリンクホルダーに、
    コーヒーを置いて無言で車を出した。

    77 = 1 :

    すると奴が突然車を止める。

    周りは林の中。雪だらけ。何も無い。

    「降りろ。」

    奴は、このロシアの冷たい空気に感化されたかのように冷たい声で言う。
    俺は車を降りた。奴は降りない。

    どうやら車を隠しに行った様だ。

    「こっちだ。」

    雪と土を掻き分けると、そこにはマンホールのようなものがあった。ハンドルの様なものが付いている。
    男はそのハンドルをまるで、墓に入るかのような横顔を見せながら回す。

    キリキリキリキリ・・・・・

    という音を立て、ハンドルが回る。

    中は、古い防空壕を改造したのだろうか・・・・土を掘って作った物だ。

    78 = 1 :

    奴が電灯をつける。どうやら自家発電のようだ。
    さっきのポリタンクは発電用の灯油だったのか?

    広さは教室の半分程。

    そして、かなり手が加えられている。

    そこら中に重火器の類、弾丸。バズーカのようなものまで・・・。
    通信機らしき機材、テレビ。

    1畳ほどの机と、向かい合うように置かれた2つの椅子。


    「座れ。」

    おれはゆっくりと椅子に向かう。
    その間に奴は色々な機材のスイッチを入れて回る。

    テレビが付く。衛星放送だろうか、日本語だ。

    79 = 1 :

    『・・・・繰り返します。IS学園が空爆され米軍が占領しました。』

    『自衛隊内部においてもクーデターが発生。繰り返します・・・』

    俺は一気に気力を失った。学園の仲間達、千冬姉・・・・無事なんだろうか・・・・・・。

    イライラが募る。矛先を向ける相手が奴しかいない。

    すると奴は、俺の向かいの席に座り、ひじを突いて俺の顔を見定めるように見てくる。

    相変わらずテレビからは悲惨な話題しか聞こえてこない。

    ここはそんな騒ぎなどとは無縁の世界。
    まさにここは『墓の中』。俺達は死んだ人間のような、傍観者の様な存在なのだろうか・・・。

    「さぁ、質問を聞くぞ。なんでも答えてやる。」

    なんだこいつは。なぜこんな状況でそんなに冷静でいられる・・・・・?

    80 = 1 :

    それにこの違和感・・・・こいつ、何か開き直っていやがる!!

    「その通りだ。開き直っている。」

    ・・・・なぜ俺の考えていることがわかる?こいつエスパーか?

    「エスパーじゃないし、心を読むこともできない。」

    「いいから、質問しろ。回答は全部用意してある。」

    男は立て続けに少し含み笑いをしながら言う。
    まるで赤子の相手をする母親のように。


    「あんたは・・・・誰だ?」

    「俺は・・・・・お前だよ、織斑一夏。」

    「は・・・・・・・?」

    81 = 1 :

    「本当におもしろいな。俺とまったく同じ反応をする。」

    「同じ反応・・・・・?」

    「俺も昔、『織斑一夏』としてまったく同じ理由でここに連れてこられた。」

    「あ、あんたが・・・・・俺?」

    「・・・・タイムマシンは知ってるか?」

    「・・・・・あんた、まさか未来の俺か!?」

    「その通りだ。そしてもうすぐ俺は死ぬ。そういう筋書きだ。」

    「俺が今のお前の歳の頃にも、まったく同じことをさせられ、言われ、行動した。」

    「全ては、この戦争を回避するためだった。」

    「回避する?この騒動をか?」

    83 = 1 :

    「そうだ。未来を変える。反IS運動が起きないような未来を作りたい。」

    「その想いが、俺の前の織斑一夏、そしてその前の織斑一夏、その前の前の前の・・・・・」

    「ずっとこれを繰り返してきた『らしい』。俺も前の織斑一夏からそう聞いた。今お前に話してるようにな。」

    「い、一体何回繰り返しているんだ・・・・・?」

    「分からない。万か億か兆か・・・・・だが、最低でも1回はニアミスがあったんだ。」

    「どういう意味だ?」

    「さっき、篠ノ之博士は死んだ、そうニュースではやっていたな?」

    「あぁ、そうだ・・・・」

    「しかし、篠ノ之博士が死ななかった世界、時間とでも言うか。それがあった。
    移動ラボで逃げ続ける篠ノ之博士に接触した、ある織斑一夏は、篠ノ之博士と行動を共にした。そしてタイムマシンができた。」

    そういうと、奴は俺に資料を見せた。

    84 :

    今ごろIS学園は昨日のリョナSSみたいな惨状になっているのだろうか
    胸熱

    85 = 1 :

    「今回の騒動で死ななかった篠ノ之博士が、40歳代のときに描いた設計図だそうだ。」

    「この世界では既に死亡しているからな、もう生み出されようが無いものだ。」

    「そしてこれが、そのタイムマシンだ。」

    男は俺の腕につけた、ナノマシン注入用の輪を指差す。

    「こ、これは・・・・・・・ナノマシンの・・・・・・・・・」

    「悪いな、ありゃ全部嘘だ。お前に生き残ってもらうためのブラフだ。」

    「ここからが本題だ。お前に殺人術を教えた理由は今後のお前の為にある。これからお前は潜伏しろ。」

    「詳細はコレを見ろ。これまで受け継がれてきた膨大な情報だ。」

    そういうと男は、SDカードと紙数枚を取り出した。

    「な、なんだこれは・・・・・・」

    87 :

    映画化希望

    88 = 1 :

    「今まで、未来を変えようと必死に足掻いた『未来の織斑一夏』が残した・・・。

    「そうだな、日記のようなものだ。俺達の先輩が残してくれた。」

    「SDの中にまだ大量に入っている。この紙はその一部だ。」

    「見ろ、色んなルートを片っ端から潰して、IS反対運動を食い止めようとしている。」

    「×がついているだろう?そのルートはダメだったってことだ。俺もつい2ヶ月前に×をつけた。そして最後の砦、ココに来た・・・・。」

    「あと、このカードを持っていけ。暗証番号は8091だ。篠ノ之博士の口座から既に全額移した口座だ。足はつかない」

    「あんたの軍資金はそこから・・・・・」

    「その通りだ。そして俺が警察からの仕事を請け負っていたというのも、嘘だ。」

    「あれは未来、反IS体制派に寝返った人間だから殺して回った。」

    「先代の真似事だがな。俺なりにアレンジを加えた。だが戦争は止まらなかった・・・・。」

    「お前の知らないところでも俺は大勢殺している。恐らくお前もそうなるだろう。」

    「だが忘れるな?これを今まで受け継いできた俺達の想いを。」

    「箒が元気に暮らしている未来を夢見て死んでいった先輩達を。」

    「いつかの車の中での話か・・・・」

    89 = 1 :

    「そうだ。俺はお前の年のころに、お前と同じように箒を失った。」

    「まぁ、この世界じゃもしかしたら生きているかもしれないが。その辺の確認はお前がやることだ。」

    「さて・・・・・・予定ではあと2時間ほどで要人殺害の容疑でここに特殊部隊が踏み込んでくる。他に質問は?」

    「どうして逃げない?」

    「そんなこと、先輩達が何回もやってすぐ死んでるからだ。」

    「一番存命できる方法を俺は今採っているまでだ。アレンジは咥えたぞ?俺だって死にたくないからな。」

    「そして、その紙のココに×印をつけるのがお前の初めての仕事だ。」

    『ロシア潜伏後、対物地雷10個・自動対物ミサイル3基・自動追尾型マシンガン小銃5機による最後の戦闘』

    「俺はあんたが死んだことをここに書くわけか・・・・。」

    「そうだ。物分りがいいな、さすが俺だ。」

    「タイムマシンは?いつ使う?」

    90 = 1 :

    「お前が、絶対絶命になったら使え。緊急脱出装置ってところだ。」

    「使い方は簡単だ。そのつなぎ目から外せばいい。」

    「そして過去の自分にそのリングをはめこむんだ。俺と同じようにして、な。それまでは死ぬなよ?」

    「タイムマシンの起動コードを教える。コードは、俺達が始めて出会った日付、『20100904』だ。」

    「絶対間違えるなよ?どうなるかわからんからな。」

    「ほとんどの質問には答えられたはずだ。まだ何かあるか?最新の織斑一夏君?」

    「ない・・・・・・。」

    「ショックなのは分かるが、これからお前は死ぬほど辛い目に遭う。」

    「偽造パスポートの手配をしておいた、ここへ来るときに使った車でナビに設定した場所へ行け。」

    「背の低い年寄りの爺がいる。もう話は通してある。全部任せろ。信用できる奴だ。俺のときもそうだった。」

    91 = 1 :

    「そして、まず日本へ帰れ。そして落ち着いたら、後は自由にしろ。」

    「わかった・・・・・。」

    「さて・・・・・あと30分ほどか。そろそろ逃げろ。」

    「ほれ、これが日本までのルートだ。コレに従えば絶対お前は安全だ。」

    「もしも未来が変わってしまって、ルート通りに行かないなら、タイムマシンで逃げるのもありだがな。」

    「ありがとうな・・・・色々世話になったよ・・・・・・・。」

    「気にするな。俺が先輩にしてもらったことをお前にしたまでだ。」

    「俺への礼は次の織斑一夏に向けてやってくれ。それが俺の望みだ。じゃあな。」

    バタンッ

    「さぁて・・・・・足止めするか・・・・・。」

    92 :

    しえん

    93 = 33 :

    シリアスな流れだな

    94 = 1 :

    「車はここか、えーっと・・・・『ナビ通りに行け』っと。」ブルルゥウウウン・・・・ブォーン・・・・・・・

    ズドドッドドドッドドド・・・・!!


    「始まったか。遠くで銃声が聞こえる・・・・。」

    「ありがとう・・・・ありがとう・・・・・。未来を変えてみせるよ・・・・・・。」


    その後、俺は奴の手配通りに話が進むのに驚愕する。ルート通りだ。

    すぐ整形手術が始まる・・・・・。一週間後、俺の顔は別人になっていた。

    そして、医者はすぐに俺の証明写真を撮影、偽造パスポートと逃亡犯の完成だ。



    伊達眼鏡を渡される・・・・・見覚えのある細長い眼鏡だ・・・・・。

    95 = 1 :

    米軍の勢いは止らない。

    5年後、コアの解析を完了していた米軍は、
    アメリカの兵器会社でついにある製造ラインを組み上げた。


    コアの内部を一部変更し、男性でも起動させられる新型ISの大量生産ライン・・・・・。

    俺は日本へ戻り、IS学園関係者の足取りを追う。

    過去のルートをいくつか調べ、成功したものを片っ端から当たる。

    誰も足取りが追えない・・・・俺は諦め、世界各地にアジトを作る。

    束さんの口座から引き落とした金が物をいった。



    それから3年後、遂にアメリカ合衆国は全世界に宣戦布告をする。
    第3次世界大戦の勃発だ。

    96 = 1 :

    アメリカは長距離爆撃機からISを大量に投入、
    全世界の核発射施設を全て爆破、占拠。


    そこを拠点に各国を占領していく・・・・・・。


    2週間、たった2週間で世界がアメリカに落ちた。


    そんなアメリカに反米組織がゲリラ活動を行うが、国連もEUも無い世界。正義は無い。

    アメリカは反米ゲリラ組織を「テロ組織」と世界に呼称し、虐殺して周った・・・。

    97 :

    ターミネーター思い出した

    98 = 1 :

    10年後 エジプト

    俺は携行ロケットランチャー・・・FIM-92を連射していた・・・。

    ドムンッ!カチャカチャ、ガチンッ・・・・ドムンッ!

    「くそっ!!」

    砂漠用の迷彩色に塗装されたISが3機、左右にブーストをかけながらこっちに突っ込んでくる。
    それを先鋒に歩兵2個小隊を展開させてくる米軍特殊部隊。

    FIM-92の弾が遂に切れる・・・・。
    ある程度ISへ有効な武器であったのだが・・・。

    ドドドドドッドドドッドドドッ・・・・

    6機配備していたCIWS・・・自動追尾型ガトリングガンの弾も尽き始める・・・。

    99 = 1 :

    「なんでもかんでも軍事転用してんじゃねーぞ!」

    ガチンッ!ドドドドドドドドドドドッ・・・・・・!!

    俺はロシア製のKORD重機関銃を掃射する。

    ISを3機にして勝てるわけが無い・・・・悪あがきだ。

    ここが最後のアジトだ。もう後が無い・・・。


    俺は右腕に白く輝く・・・希望という輪に目をやる。

    奴の顔が思い浮かぶ・・・・。

    100 :

    つまんね
    まんま勇午じゃん


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