元スレ真美「真美、双子だし……」
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101 = 10 :
「休憩終わりでーす!スタンバイしてくださーい!!」
再びスタジオにスタッフの声が響く
何も言わず、何も言えず、言いたくて、もどかしい気持ちになった
……そんな気持ちをごまかすように真美は何も言わず足早にステージに向かった
102 :
やってもうたなPェ…
103 = 10 :
「お疲れ様でしたー!」
少し収録は伸びてしまったものの仕事は無事終わった
真美は軽く辺りを見回した
兄ちゃんの姿は見えない
「兄ちゃんならはるるんと次の仕事場に行ったよ?」
真美が誰を探しているのか分かったのか、亜美は真美にそう言った
104 = 10 :
幸か不幸か兄ちゃんはスタジオから去っていた
……はるるんが早速願い事を使ったのかな?
兄ちゃんはいったいどんな気持ちで次の仕事現場に向かったのだろうか……
そんなことを考えつつ真美はスタジオを後にした
105 = 42 :
P...
106 :
双子出しとかえろい
108 = 99 :
ええよ
109 = 10 :
吹きすさぶ冷たい風が頬を貫く
真美は亜美と横一列になって冬の街を歩いていた
「寒いね→、真美」
亜美は白い息を吐きながら呟いた
……さっきのこと、亜美が知ったらどう思うんだろうか
そんなことを思いながら真美は我ながらそっけなく相槌を打った
「……そだね」
「……真美なんかさっきからおかしくない?」
………遂に亜美に指摘された
110 = 10 :
言い逃れようにも言い訳が思いつかなかったし
言い逃れするくらいなら……という思いが頭をよぎった
「実はさ→」
……気づいたら真美は口を開いてしまっていた
「…休憩のときにね→。……兄ちゃんに目隠しして私は亜美でしょうか真美でしょうか→って聞いたの」
亜美は真美の顔をまじまじと見つめて話を聞いている
「……そしたら兄ちゃん、真美のこと亜美と間違えてさ→。……真美、兄ちゃん信じてたのに」
そんな亜美と目も合わせようとせず真美は軽く俯きながら続けた
111 = 10 :
「うわ→。兄ちゃんサイテ→だね」
亜美は淡々と呟いた
思いの外ケロッとしている
そんな亜美の様子を見て
真美の思いも知らずに……という言葉が浮かんできたが我慢した
「でもさ→」
亜美は鉛色の雲で覆われていてで星や月なんてろくに見えない夜空を見上げ言った
「それって兄ちゃんが亜美か真美、どちらを選べって言われたら……」
「亜美を選ぶってことじゃない?」
112 :
心臓に悪いぜ
113 = 10 :
「え?」
真美は思わず亜美の顔を見た
亜美は無表情で空を見上げていた
いつものような無邪気な笑顔はそこにはない
真美の視線を気にせず亜美は続けた
「だってさ、竜宮小町に選ばれたのも亜美だよ?」
「傍から亜美も真美も違いなんてそんなにないはずだよ?」
「わざわざ双子のアイドルを引き離すなんてデメリットなはずだよ?」
「亜美より真美の方がお姉ちゃんなんだよ?」
「……だけど亜美は選ばれた」
「………今も昔も、亜美が選ばれてきた」
「これって真美より亜美が優秀ってことじゃない?」
116 :
117 = 10 :
亜美の言葉を聞きながら以外にも冷静に働いている自分の頭に驚いた
亜美は真美が気にしていたことをすべて言った
流石双子、という所だろうか
でも一つだけ真美の想像と違う点があった
……亜美は子供
………真美と亜美を比べれば真美の方が大人だと思っていた
……しかしそれは違った
………亜美も真美も知らぬ間に大人になっていたのだ
118 = 10 :
まぁ驚くほどのことでもないか……
双子だし……
「……いつからそう思ってたの?」
真美は純粋な疑問を亜美にぶつけた
「ん→……。竜宮小町に入ったころからかな」
亜美の答えは真美の想像を再び覆した
亜美は真美よりずっと早く……
……大人になっていたのだ
119 :
じゃあ真美は俺が大人にしてあげるね
120 :
真美ィィィィィ!!!俺だ!!結婚しよう!!
121 = 10 :
じゃあ亜美はずっと真美のことを……?
そんな考えが浮かぶとさっきの冷静な思考は吹き飛び怒りが思考を支配した
「じゃあずっと亜美は真美のことを……見下してたの?」
「言い方は悪いけど……。まぁ負ける気はしなかったよ」
……亜美が肯定したことで真美の怒りはさらに加速した
真美はいつか追いついてみせるって思ってたのに………!
「竜宮小町に選ばれたのはりっちゃんが総合的に見てバランスがいいって思っただけで
それが真美より亜美が優れていることの証明にはならないでしょ!?」
真美は立ち止まって亜美に向かって声を張り上げた
「そかな→。りっちゃんのことだから出来るだけ優秀な方選ぶと思うけどな→」
そんな真美とは対照的に亜美は冷静に答えた
……真美の顔を見ようともしない
122 = 119 :
こりゃもう真美は引退して俺と幸せな家庭を築くしかないな!
123 = 10 :
「じゃあ具体的にドコが優れてるってわけ!?」
真美は立ち止まろうとしない亜美の腕を掴み言った
「ん→、例えば性格……とか?真美って亜美に比べると少し暗いよね→」
……暗い?
………確かに真美は亜美に比べると大人しくて落ち着いているって言われたことはある
でも、それが優れてる点?
……いや、でも性格以外に真美と亜美にどれほどの違いがあるだろうか
「それにさ→」
思いを巡らす真美を無視して亜美は続けた
124 = 10 :
「兄ちゃんも真美だったらもし間違ってても良いかな→って思って亜美って言ったんじゃないの?」
真美が一番気にしていたことを亜美は指摘した
「兄ちゃんがそんなこと思うわけ……!」
「でも確立二分の一だし→、運任せだったらそういう決め方もアリじゃない?」
「っく……!」
真美は何も言えなくなり泣きながら駆け出した
背後で亜美が何か言ったのが聞こえたが気にせず走り続けた
亜美の考えも
兄ちゃんが真美と亜美を間違えたことも
真美より亜美が優れているかもしれないという事実も
そして何より亜美に追いついてみせると考えていた過去の自分
すべてが悲しかった
125 = 46 :
越えちゃいけないライン、考えろよ
126 = 10 :
泣きながら風を切った
涙で濡れた頬がとても冷たかった
服の袖で涙を拭ったがすぐまた目から涙が零れてきた
次第に力が抜けていく脚で地面を蹴りながら真美は765プロの事務所を目指した
なんて言ってくれるかは分からない
でも、兄ちゃんの声が聞きたかった
……もう帰ってしまったんじゃないか
そんな考えが一瞬よぎり再び脚に力が入った
……どれだけ走っただろうか
時間がなくても車をとばせば遅刻ギリギリにたどり着ける距離にあった仕事場が幸いし思いの外早く事務所にたどり着いた
外から事務所の窓を見上げる
765の文字が浮かび上がっているのが見えた
明かりはまだ灯っていた
127 = 42 :
見たくないけど気になら支援
128 = 10 :
真美はビルの扉を開け階段を一気に駆け上った
そして事務所の扉の前で立ち止まった
事務所の灯りが灯っていたとしても兄ちゃんがまだ事務所に残っているとは限らない
ふとそんな考えが頭をよぎったが真美はそんな考えを振り払うように事務所の扉を開けた
事務所の奥へ進む
そこにはあのときと同じようにノートパソコンに向かう兄ちゃんがいた
129 :
>>126
全然名言っぽくない
130 = 10 :
真美の気配を感じ兄ちゃんは顔を上げた
そして兄ちゃんの顔は一瞬にして凍りついた
「め、目が赤いぞ?……泣いてるのか?」
兄ちゃんは立ち上がりながら確認するように言った
そんな兄ちゃんを見ていると様々な感情がこみ上げてきて乾きかかっていた頬を再び涙が湿らせた
「兄ちゃん……!」
思わず真美は泣きながら兄ちゃんの胸元に飛び込んだ
「ま、真美……。……ごめんな、俺のせいだよ……な?」
兄ちゃんの言葉に対し兄ちゃんの胸の中で真美は泣きじゃくりながら首を振った
「ち、違うのか?何があったんだ?」
兄ちゃんは若干ほっとした様子で言った
……その問いに答えるのには真美が落ち着くのを待たなければならなかった
131 :
俺、アイマス途中までしか見てないんだけどあの双子こんな感じのシーンあるの?
ちょっと興味沸くんですけど
132 = 10 :
「……落ち着いたか?」
しばらく経って兄ちゃんはやさしく真美に尋ねた
真美は黙って頷いた
「……何があったか話せるか?」
再び真美は頷いた
……でも
「……そのまえに一つだけいい?」
「どうしてあの時亜美って言ったの………?」
133 = 102 :
面白いから黙って書いたほうがいいと思う
荒れる原因になるから…
134 :
追いついた。 私怨
135 = 10 :
真美の言葉を聞き兄ちゃんは再びさっきの不穏な表情に戻った
……が、次の瞬間には意を決した顔になる
兄ちゃんは軽く俯きながら言った
「………声だけじゃ分からなかったんだ。……だから先に名前が出た亜美を選んだんだ」
……!
………あのときの真美の思いつきに兄ちゃんが引っかかったってこと?
真美は兄ちゃんが亜美を選んだ本当の理由を知り安堵の溜め息をついた
「……もしかして泣いてるのは亜美が関係してるのか?」
察しのいい兄ちゃんは真美に尋ねた
「……うん」
真美はぽつりぽつりと先ほどあったことを話し始めた
「………亜美にね、兄ちゃんが真美の声を聞いて亜美って答えたことを話したら」
「……それは真美より亜美の方が優秀だから兄ちゃんが亜美を選んだんだって」
「……亜美の方が優秀だから竜宮小町に選ばれたんだって」
「……亜美がそんなことを?」
兄ちゃんは神妙な面持ちをして言った
「……ねぇ兄ちゃん」
真美はさらに言葉を紡いだ
「兄ちゃんは真美と亜美どっちを選ぶの……?」
136 = 134 :
俺地雷踏みすぎ
137 = 10 :
数秒の沈黙が二人の間に流れた
兄ちゃんは迷っているのだろうか……?
それとも何か別の理由で……?
真美がそんなことを考えていると
兄ちゃんは先ほどの表情を崩さぬまま言った
「……実はその質問をされるの一回目じゃないんだ」
「……え?」
「……兄ちゃんそれどういうこと?」
真美は兄ちゃんを問いただした
兄ちゃんは苦々しく呟き始めた
「……実は竜宮小町が結成されてすぐ後に亜美に同じ質問をされたんだ」
「俺はプロデュースするんなら、って意味で亜美はそんなこと言ったんだと思ってさ」
「律子がバランスを考えて亜美を竜宮小町に選んだんだから、俺は『真美を選ぶ』……って言ったんだ」
……!
……だから亜美は?
138 = 10 :
「……亜美はずっとそのこと気にしてたのかもな」
「………だから真美に強く当たってしまったんだと思う」
話し終わった後も兄ちゃんは俯いたままだった
亜美のことも気になるけど……
……真美はまだ肝心なことを話してもらってない
「………じゃあ、そういうのなしだったら真美と亜美どっち選ぶの?」
真美は兄ちゃんに再び尋ねた
140 :
いいよいいよー
141 = 54 :
いいね
142 = 10 :
「ま、真美それは……」
「兄ちゃん、実は亜美の真意に気づいてたんじゃないの?」
兄ちゃんが何か言いかけたところで真美はそれを遮るように言った
「……でもそんなこと言ったら面倒なことになるからプロデューサーの立場を利用したんじゃない?」
……兄ちゃんは何も言い返せなかった
確かに兄ちゃんは真美や亜美のことを傷つけないようにと思ってそう言ったのかもしれない
……でも結果的に兄ちゃんの言葉は誤解を招き亜美は傷ついた
……そのせいで真美も傷ついた
……兄ちゃんの本当の気持ちを聞いたらまたどちらかが傷つくかもしれない
………でも
「………真美は兄ちゃんの本当の気持ち知りたい」
143 = 131 :
真美ちゃん可愛いぞ
144 = 10 :
「……ほんと、真美って鋭いよなぁ」
兄ちゃんは苦笑いしながら顔を上げた
「……分かった。それが亜美と真美のためになるなら話すよ」
「………俺がどちらを選ぶか」
そう言った兄ちゃんの顔からは先ほどの苦笑いは一瞬のうちに消えていた
真美はゴクリと生唾を飲み込んだ
事務所の中は特別暑いわけでもないのに体の心が熱くなり
口が渇いていくのが分かった
心臓の鼓動が頭の中に響く
兄ちゃんの一挙一動に目を配る
……兄ちゃんが真美と亜美どちらを選ぶのか分かる
そう思うと体が火照って仕方がなかった
兄ちゃんはゆっくりと口を開き、言った
「俺は……」
「………真美を選ぶよ」
145 :
うわあああああああ
146 = 10 :
祈るような気持ちで事務所の床を見つめていた真美は思わず顔を上げた
兄ちゃんはまた先程と違う表情
……恥ずかしそうな表情で少し照れながら横を向いていた
そのような表情が兄ちゃんの言葉は嘘ではないことを物語っていた
「……兄ちゃん!」
真美は思わず兄ちゃんに抱きついた
「うわ、よ、よせ!」
そう言いつつも兄ちゃんは抵抗しようとしなかった
真美は兄ちゃんの胸に顔をうずめながら尋ねた
「……どうして真美を選んでくれたの?」
「……ほら、今日だって真美は俺のこと助けてくれただろ?」
頭上で兄ちゃんの声が聞こえる
どのような表情かは窺い知れない
「それで、頼りになるかと思ったらやっぱりヤンチャでさ……」
「でもふとした時に一瞬だけまじめ…って言うか悩んでる顔してる真美を見たんだ」
「最初は気のせいかと思ってたけどだんだんそんな表情する回数がふえってってる気がしてきたんだよ」
「……それが最近で一番の悩みだったよ」
……兄ちゃんの悩みって真美についてだったんだね→
147 = 10 :
「そんな真美を見てたら力になってやりたい…って思いが日に日に強くなっていったんだ」
「でも真美はいつもどおり振舞おうとしてるからどうしたらいいかわからなくてさ……」
「それで気づいたら亜美より……いや、誰よりも特別な存在になってた…って感じかな」
真美は顔を上げ兄ちゃんの顔を見た
兄ちゃんは照れ笑いしながらこちらを見返した
そしてゆっくりと口を開いた
「……真美も兄ちゃんが大好きだよ」
148 = 10 :
「……でも真美兄ちゃんが真美と亜美間違えたことまだ許してないから」
真美は再び顔を兄ちゃんの胸にうずめ敢えて表情が分らないようにして言った
「ゆ、許してくれよ……。……な、何でも言うこと聞くからさ」
……兄ちゃん、真美が伝授した言葉ばっちり使ってるし
「じゃあさ……」
再び顔を上げ兄ちゃんの顔に近づける
真美は兄ちゃんが真美と亜美どちらを選ぶか聞いたとき以上に緊張しながら言った
「兄ちゃんなりの"お詫び"……してほしいな」
―――
――
―
149 :
亜実が見てるフラグ・・・
150 = 10 :
―――どれくらい時間が経っただろうか
…いや、時間なんてそれほど経っていないかもしれない
……ただこの時間、空間が真美にとって堪らなく愛しかった
頭の中でそんな柄にもないロマンチック→な言葉を並べながら
真美は兄ちゃんと見つめ合っていた
しかし突如、事務所の扉が勢い良く開かれる音が沈黙を破った
真美が思わず振り向くとそこには……
亜美がいた
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