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元スレ小鳩「あれからもう10ヶ月かぁ………」

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-会社 オフィス-
小鳩「ふぅー」
カチャカチャ、カチャカチャ
小鳩「(………最近、仕事おもしろくないなぁ………疲れるばっかりで………前と変わらないはずなのに………)」
カチャカチャ、カチャカチャ
小鳩「(なんでだろう………)」
カチャカチャ、カチャカチャ
小鳩「ふぅー」
カチャカチャ、カチャカチャ
小鳩「(………最近、仕事おもしろくないなぁ………疲れるばっかりで………前と変わらないはずなのに………)」
カチャカチャ、カチャカチャ
小鳩「(なんでだろう………)」
カチャカチャ、カチャカチャ
小鳩「(………やっぱり………あんちゃんと離れたから………)」
カチャカチャ、カチャ………
小鳩「………はぁー」
ダッタッタッタッタッタ
マリア「おっす小鳩ぉ!」ドン
小鳩「おわぁあ!?」ガタン
マリア「あははは、ビックリしたかぁ?」
小鳩「なんだマリアか………」
マリア「ぼけーっとしてたからなぁ、勢いつけて脅かしちゃったよ」
小鳩「もぉー、なんでこっちの部に来てんの、あんた下の階で受付でしょ」
マリア「だってなぁー、ずっと座ってるのもさぁー」
小鳩「理科さんに見つかったらどうすんの………」
マリア「大丈夫だって、あの人どうせ社長室からは出てこないんだから、引きこもりなんだからなぁ、あははは」
小鳩「あんたねぇ………」ヒョイ
マリア「………?………何?」
小鳩「あれ」ヒョイ、ヒョイ
マリア「………え?」クルッ
理科「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!」
マリア「うわぁあ!な、何で!?」
小鳩「あ、あたし知らないっと………」
理科「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!」
マリア「あわわわわわわ」ガクガク
理科「………保険をかけておいて正解でしたよ………いつかこうなるんじゃないかと思って………マリアちゃんのところだけ監視しておいたんです………」
マリア「そ、そんな、ズルい………」
理科「マリアちゃん!仕事サボって何やってんですか!」
マリア「えっと………その………小鳩がちゃんと仕事してるかなぁーと思いまして………偵察に………」汗ダラダラ
小鳩「(………してるってば)」
理科「小鳩ちゃんはマリアちゃんより数年もここに勤めてるんですよ!なんでマリアちゃんがそんな心配出来るんですか!」
マリア「えっと………その………」
理科「いくら隣人部の仲だったとはいえ、入社したてのマリアちゃんに任せられるのは今はこれくらいなんです!しっかり仕事してくれないと………!」
マリア「あの………小鳩が最近元気なかったから………それで………」
理科「あっ」
小鳩「………」
理科「………そうですね」
小鳩「………理科さん、マリアの思うツボですよ」
マリア「うっ」
理科「分かってますよ………でも理科も思ってたんです、小鳩ちゃん最近元気ないなって………」
小鳩「別に………そんなことは………」
理科「でもマリアちゃん!」ギロリ
マリア「ひっ!」
理科「仕事をサボったことは許しません、理科の部屋まで来てもらいますよ、説教してやるんだから」ガシッ
マリア「うわぁぁぁん!小鳩ぉ!助けてぇ!」ズルズルズル
小鳩「言わんこっちゃないんだから………」
理科「………小鳩ちゃん」
小鳩「は、はい」
理科「今日、仕事の後どうです?久しぶりに付き合いませんか?」
小鳩「え………」
理科「このところ仕事ばっかりで大変だったでしょう?たまには愚痴でも聞かせてください」
小鳩「でも………」
理科「社長命令です」
小鳩「………わかりました」
理科「じゃあ夕方に、あとでメールします」
マリア「小鳩ぉ!助けろぉ!うわぁぁぁん!」ズルズルズル
バタン
小鳩「はぁ………」
-居酒屋-
ワイワイ、ガヤガヤ
マリア「うぅ………酷い目にあった………」
小鳩「あのねぇ、マリアはコネで入ったんだから、会社の入り口でサボられたんじゃ理科さんの面目丸潰れでしょ………」
マリア「だってさぁ、ホントに暇だったんだよ、1階はわたし1人だし………受付使う人全然いないし………」
小鳩「受付でゲームしながらポテチ食べてる人間に、誰も案内頼もうなんて思わないって」
マリア「結局全部没収されたし………」
小鳩「当たり前でしょ」
マリア「うぅ、小鳩まで………」
小鳩「はぁ、これじゃあシスターやってた頃と変わらないなぁ………」
マリア「い、いや!これでも変わったんだぞ!」
小鳩「………例えば?」
マリア「インスタントばっかりの生活じゃなくなった!」
小鳩「昼ご飯、カップラーメンだったじゃん………」
マリア「か、家事は自分でするようになった………」
小鳩「部屋汚いじゃん………あとあの匂いどうにかならないの?」
マリア「………立派な社会人になった」
小鳩「さっきまで社長に説教されてたのに?」
マリア「うぅ………」
小鳩「だらしないなぁ」
マリア「…………」
小鳩「しっかりしてよ、もう大人なんだから」
マリア「………………小鳩だって」ボソッ
小鳩「え?」
マリア「小鳩だって………馬鹿やってた頃あったじゃん………」
小鳩「………なに?」
マリア「隣人部の頃」
小鳩「うっ!」
マリア「ニヤリ」
小鳩「あ、あれは若さ故の過ちというか………」
マリア「くっくっく………我が名はレイシス・ヴィ・フェリスティ・スメラギ………」
小鳩「ちょ!やめ………!」
マリア「おや?頼んだはずの供物がまだ届いておらんな………ここの店員は一体何をやっておるのだ………」
小鳩「ま、マリア!お願いだからぁ!」
マリア「くっくっく………いいだろう………我を愚弄したら最後どうなるか………この夜の帝王の名を以てその体に………!」
小鳩「やめろって言っちょろーが!」パァン!
マリア「おごぉ!」
ガラガラガラ
理科「すいません、お待たせしましたぁ」
小鳩「もぉー、遅いですよー」
理科「思ったより会議が長引いてしまって………ってマリアちゃんどうしたんですかその顔?理科、殴りましたっけ?」
マリア「いや、ちょっと小鳩に………」ヒリヒリ
小鳩「ジロッ」
マリア「あ、いや、何でもないです………」
理科「そうですか………あ、すいませーん、ビールと焼き鳥くださーい」
店員「はいよー」
ワイワイ、ガヤガヤ
理科「しかし女だけで居酒屋ってのもアレですねぇ」
小鳩「理科さんが誘ったんじゃないですか」
理科「そーなんですけどね、あははは」
マリア「そうだぞ!社長だったらもっと良いとこ連れてけ!」
理科「あ゙?」ギロリ
マリア「あ、あはは、何でもないです………え、枝豆おいしいなぁ、モグモグ」
理科「ところで2人とも、1人暮らしにはもう慣れましたか?」
小鳩「えっと………」
マリア「ぜーんぜん、料理とかワケわかんないし、掃除とかも面倒くさいし」
理科「マリアちゃん、シスターやってた頃と変わらないじゃないですか」
マリア「うう………理科にも言われた………」
理科「小鳩ちゃんは?」
小鳩「私は家事は出来るので、なんとか………」
マリア「むー」
理科「寂しかったりしないんですか?」
小鳩「そ、それは………」
理科「ん?」
小鳩「その……少し……」
理科「ずっと小鷹先輩と暮らしてきたんですもんね、寂しくて当然ですよ」
小鳩「………」
マリア「そうか?わたしもババアと離れたけど全然寂しくないぞ?むしろ嬉しいぞ?」
理科「あっちはきっと寂しがってますよ………」
マリア「そうかなぁ?」
小鳩「………あんちゃん………元気かなぁ」
理科「元気に決まってますよ、なんたって新婚さんなんですから」
マリア「あのお兄ちゃんがなぁー」
小鳩「………」
理科「理科たちもすっかり大人ですよねぇ………」
小鳩「………グスン………あんちゃん………」
マリア「あはは、泣くなって」
小鳩「………ぅぅ………グスン」
理科「ささ、もっと飲みましょう」
マリア「おー!」
小鳩「………うん」
ワイワイ、ガヤガヤ
-小鷹宅-
星奈「………えへへ」
ピコピコ、ピコピコ
星奈「も、森島先輩………こんなところで………」
ピコピコ、ピコピコ
星奈「ひ、膝の裏!?………こ、これは………じゅるり………」
ピコピコ、ピコピコ
ガチャン
小鷹「ふぅー、ただいまー」
星奈「え………あ、しまった!」
小鷹「帰ったぞー………星奈?」
星奈「あ、あははは………お、お帰りー」
小鷹「………」
星奈「き、今日もお疲れ様!」汗ダラダラ
小鷹「おい………それって………」
星奈「あ、あはは………」
小鷹「………」
星奈「お、お風呂にするぅ?ご飯にするぅ?それともア・タ・シ?」
小鷹「………」
星奈「………こ、小鷹?」
小鷹「ゲ………」
星奈「ゲ?」
小鷹「ゲーム卒業出来てねぇじゃんかよぉお!」
星奈「ゔわぁぁぁぁぁぁん!ごめんなさぁぁぁぁぁぁい!」
-食卓-
小鷹「第1回、家族会議を行います」
星奈「………はい」
小鷹「議題はこれです」ドーン
星奈「ぅぅ………」
小鷹「なんと押し入れいっぱいに隠してありました」
星奈「ご、ごめんなさい………」
小鷹「お前なぁ………ギャルゲーとかもうやめるって言ってくれたじゃないかよ」
星奈「………はい」
小鷹「俺、あの時お前のことホントにスゴイやつだって思ったんだぞ?俺の為に自分からやめるって言ったんだから………」
星奈「はい………言いました………」
小鷹「というわけで全部捨てます」ヨッコラセ
星奈「ちょ!ちょっと待ってぇ!」ガシッ
小鷹「だってなぁ」
星奈「ご、ご飯作るの忘れたのは謝るから!お願いします!どうかそれだけはぁ!」
小鷹「家事全部すっぽかしてるだろーが!」
星奈「ゔわああああああん!ホントにお願いだからぁぁぁ!小鷹ぁぁぁぁぁぁ!」
小鷹「あのなぁー」
星奈「い、家出るわよ!?泣くわよ!?パパ怒るわよ!?」
小鷹「あぁ、天馬さんにも言っておくか………」
星奈「それもやめでよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
-喫茶幸村-
小鷹「………ということがあったんだ」
夜空「ズズズ」
コトッ
夜空「………」
小鷹「………」
夜空「………馬鹿かあいつは」
小鷹「だよなぁ」
小鷹「困ってんだよ、結局その日は許したんだけどな、同じような事がそれから何度かあってさぁ」
夜空「ならいっそ全部捨ててやるのが一番なんじゃないか?」
小鷹「俺もそう思ったんだけど、流石に可哀想でな………」
夜空「時間制限を設けるとかは?」
小鷹「あー、ダメだった、1度試したんだけど、あいつ我慢できずに俺が帰ってくるまでずっとやってたみたいでさぁ」
夜空「小学生かあいつは………」
小鷹「その方がまだいいんだけどな………」
夜空「で、あいつ今なにしてるんだ?今日は連れて来なかったのか?」
小鷹「平日に溜まった分の家事をやらせてるよ、1週間もサボってたからなぁ」
夜空「ホントに子供みたいだな」
小鷹「でもそういうとこ、嫌いになれないんだけどな………」
夜空「………そうだな」
小鷹「そういえば、本はどうなったんだ?」
夜空「え?」
小鷹「ほら、なんか本を書いてるとか言ってたじゃんか」
夜空「ああ………初めてのことだからな、今少し練ってるところだ」
小鷹「へぇー、どういうのなんだ?教えてくれよ」
夜空「だ、ダメだ!恥ずかしい………」
小鷹「そ、そうか………」
夜空「出来るまでは誰にも見せたくないから………」
小鷹「でもいつかは読んで見たいなぁ、夜空の書いた本………」
夜空「うぅ………なんだか照れるな………」
小鷹「完成したら見せてくれよ、ダメか?」
夜空「そうだなぁ………じゃあ特別に読者第一号にしてやろう」
小鷹「ホントか?」
夜空「ああ、ただいつになるか分からないぞ?本当に出来るかも分からないし………」
小鷹「いやいいって、ゆっくり作りなよ、俺も気長に待つからさ」
テクテクテク
幸村「姉御………わたくしも姉御の書いた本を読んでみたいです………」
夜空「え、幸村も?」
小鷹「ああ、いいじゃないか、これで読者第二号だ」
夜空「お、おい………ホントに期待し過ぎないでくれ………何だか急に書くのが怖くなってきた………」
小鷹「期待しようぜ、な、幸村」
幸村「はい………読める日を心から楽しみにしております………」
夜空「ほ、ホントにやめろってばぁ!」
小鷹「あははは」
-小鳩宅-
ガチャン
小鳩「ただいま………」
シーン
小鳩「はぁー………」
TV『日本!日本!わぁぁぁぁぁぁ!』
小鳩「………」ピッ
TV『じゃーぱねっと♪じゃーぱねっと♪』
小鳩「………」ピッ
TV『今日行われた裸祭りでは多くの参加者が………』
小鳩「………」ピッ
TV『なんと松子デラックス1000人分に相当するケーキが………』
小鳩「はぁ………」
-会社 受付-
ガヤガヤ、ザワザワ
マリア「ふわぁあ~」ムニャムニャ
社員a「おはようございまーす」
マリア「はいおはよー」
社員b「マリアさん、おはよー」
マリア「はいおはよー」
社員c「おはようございまぁぁぁぁぁぁす!」
マリア「はいおはよー、お前うるさいよー」
テクテクテク
マリア「ん?」
小鳩「テクテクテク………」
マリア「………………」
小鳩「テクテクテク………」
マリア「………………」
小鳩「テクテクテク………」
マリア「………は?」
理科「え、小鳩ちゃんが?」
マリア「うん、パジャマで出社してた」
理科「そ、それはなんというか………かわいいというか………」
マリア「最近特に疲れてるみたいだなぁ、何だか元気もないし」
理科「確かにこの前見たときも、何だかぼーっとしてたような………」
マリア「なぁー、やっぱりお兄ちゃんが原因じゃないのか?」
理科「まぁ、恐らくは多分………」
マリア「どうにかなんないかなぁ」
理科「そうですねぇ………」
-会社 オフィス-
理科「小鳩ちゃん」
小鳩「あ、理科さん………」
理科「(あ、まだパジャマなんだ………かわいい………)」
小鳩「すいません………スーツ忘れちゃって………」
理科「そんな格好じゃ他の社員に示しがつきませんよ」
小鳩「そうですよね………すいません、1度家に戻ります………」
理科「いえ、大丈夫ですよ、ちょっと理科の部屋まで来てください」
小鳩「あ………はい」
-社長室-
理科「えーっと、これだと合うかな?」ガサゴソ
小鳩「………」
理科「はい小鳩ちゃん、これ着てください」バッ
小鳩「ホントにすいません、スーツをお借りするなんて………」
理科「いえこれくらいはいいんですよ、ただ小鳩ちゃんと少し話したいと思ってたから………ちょっと掛けてくれますか?」
小鳩「………はい」
理科「紅茶です」カチャン
小鳩「どうも………」
理科「最近、なんだか調子が良くないって聞きましたよ?」
小鳩「なんだか疲れてるみたいで………今日のも多分そうなんじゃないかと………」
理科「1人暮らしは………やっぱり辛いですか?」
小鳩「そんなことは………」
理科「小鳩ちゃん、本心を言ってください、社長命令です」
小鳩「………辛いです」
理科「ですよね」
小鳩「家に帰っても誰もいないのは………スゴく………寂しいです………」
理科「ふむぅ」
小鳩「でも、社会人なんだから堪えなきゃいけないことだと思って………マリアだってそうだし………」
理科「小鳩ちゃんの場合、家に誰もいないというより、小鷹先輩がいないという方が大きいんじゃないですか?」
小鳩「ぅぅ………」
理科「やっぱり寂しいですよね」
小鳩「………グスン」
理科「まったく………仕方ないですねぇ」
小鳩「え?」
理科「チャララララララ、どこでもドア~(似てない)」ペラリ
小鳩「………」
理科「………」
小鳩「………あの」
理科「ごめんなさい」
小鳩「………これは?」
理科「ご、ゴホン!特別に休暇を差し上げます、小鳩ちゃんは良く働いてくれているし………この封筒にはその手続きと、それから向こうまでの切符やら何やらが入ってます」
小鳩「向こうって………何ですか?」
理科「なにって………決まってるじゃないですか」
小鳩「………?」
理科「小鷹先輩のところですよ」
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