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元スレほむら「あれから1000年経った」

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~~~
100年前には街の光で輝いていた夜も、今は月明かりだけが頼りの暗いものになった。
二人は廃ビルの屋上で焚き火に当たりながらウサギの肉に食らいついていた。
まどか「その魔獣っていうの?ほむらちゃんはそれとずっと戦ってるの?」
ほむら「ええ、それが魔法少女に課された使命よ」
まどか「魔法少女?」
ほむら(テレビアニメもない時代に魔法少女なんて言っても伝わらないわよね)
ほむら(だってこの呼び方は、少女たちを騙すためにキュウべぇが付けた仮面だもの)
ほむら「悪と戦う人のことよ。戦士、兵士と言ったら分かるかしら?」
まどか「へぇ~戦士かぁ~、かっこいいなぁ!」
ほむら「そんなにいいものじゃないわ」
まどか「ええ~、かっこいいよ~。悪と戦う戦士暁美ほむら!って、なんかこう燃え上がれ~って感じでさ!」
また暁美ほむらの心に針が突き刺さった。
否応なく蘇る遠い昔の思い出。
暁美ほむらが鹿目まどか――ここにいるまどかではない『本当』のまどかに出会った日のことだ。
ほむら「名前負け……してます」ボソッ
まどか「え?今なんて?」
ほむら「……」
ほむら「なんでもないわ。それよりまどか」
ほむら「もし魔法少女に憧れを抱いているとしても、安易な気持ちでなりたいだなんて思わないことよ」
まどか「え……ほむらちゃん顔が怖いよ……」
思わず口に出してしまった。
1000年前に繰り返した1ヶ月の間に何度も発したそのセリフ。
今となってはそんな忠告をしても意味がない。
魔獣が見えるということは、このまどかにも才能があるのだろう。
しかしここにはもう契約を迫るキュウべぇはいない。
まどか「すごいなぁ、ほむらちゃんはずっと一人で戦ってきたんだ」
ほむら「一人じゃないわ」
いつだってまどかがそばにいてくれる。
そのことすら忘れようとしたことも何度もあった。
しかしどうしても無理だった。
まどかこそ心の拠り所であり、生きる希望だ。
まどかはいつだって見守っていてくれる。
しかし同じ学校に通っていた頃のように見て、触れることはできない。感じることができない!
暁美ほむらにとってはたまらなく苦しいことだった。
まどか「ほむらちゃん……?」
ほむら「……なにかしら?」
まどか「どうしたのボーっとして……またお友達のこと思い出してたの?」
まどか「悲しそうな顔をしてたよ」
鹿目まどかは心配そうに暁美ほむらの顔を覗きこんだ。
まどかを思い出しているときの自分はそんな顔をしていたのか。
世界で一番好きな人のことを考えているのに、どうして――
ほむら「なんでもないわ。大丈夫よ」
まどか「でも……ほむらちゃん、泣いてる……」
まど神様はとっくに地球に飽きて、どこか遠くの星に遊びに行ってるよ
さてどう持っていくか
1000年生き残れるほむほむのメンタルすごい
1000年生き残れるほむほむのメンタルすごい
ほむら「え……?」ポロポロ
ほむら「あれ?変ね……」ポタポタ
――どうしてこんなに胸が痛いの?
ほむら「どうして……なんで……悲しくなるはずなんてないのに!」ジュルジュル
ほむら「まどかっ……まどかぁ!!」ダキッ
まどか「ひゃあ!」
ほむら「まどかぁ!会いたいよぉ!あなたに会いたい!」
ほむら「あなたさえいてくれればそれでいいのに!」
ほむら「私、それ以外にはなんにもいらないのにぃ!」
まどか「……」
鹿目まどかはただ黙って暁美ほむらを受け止めた。
決壊したダムのように、その夜の涙は止まらなかった。
~~~
その夜は鹿目まどかの寝床で、二人毛布に包まって寝た。
夜遅くまで泣いていたため、早朝鹿目まどかに起こされたときは、まぶたが重くて仕方がなかった。
まどか「ほむらちゃん起きて!」
ほむら「……」ボー
まどか「ほら早く!」
ほむら「なんなの、こんなに早く……」
まどか「見せたいものがあるんだ!」
そう言って鹿目まどかに立たされた場所は、寝床のすぐ横にある縦長の窓だった。
窓の外には骨組みしか残っていない廃墟ビルが真ん中に見えていた。
まだ太陽が昇っていない夜明け前の藍空に、鉄筋のシルエットが浮かび上がっている。
ほむら「ここから何か見えるのかしら?」
まどか「ほら、目を離しちゃだめだよ」
鹿目まどかは体をかがめて暁美ほむらと窓の間に潜り込んだ。
丁度人間の頭ほどしか幅がない狭い窓を二人で覗くには、その体勢しかなかった。
ほむら「……」
空がだんだんと明るくなる。
太陽が現れたのは廃墟ビルの丁度反対側だった。
まどか「ほら、太陽がビルの中を昇っていくよ」
太陽が縦横に組まれた鉄筋の向こう側を上っていく。
鉄筋の網目を通過した太陽光はいくつもの光の柱となって、舞い上がる砂埃をキラキラと照らした。
太陽の位置が少しずつ上がり、砂が風に翻弄されるたびに、まるで自らの意思を持った竜のように光が踊った。
ほむら「……綺麗」
無意識のうちに言葉が出ていた。
まどか「あのビルって昔の人たちが作ったんでしょ?」
まどか「すごいなぁ、こんなに綺麗な光景を昔の人も見てたのかなぁ……」
まどか「私ね、この景色が好きでここに住んでるんだ」
まどか「私が大好きなこの場所、ほむらちゃんが悪いネズミから守ってくれたんだよ」
ほむら「……」
ほむら「私は何も守れてなんかいない……」
まどか「え?」
数々の犯罪、災害、戦争――何一つ暁美ほむらが食い止められたものはなかった。
あの子が守ろうとした人々も、町も、指の間をすり抜ける砂のように崩れ去ってしまった。
暁美ほむらはそっと窓のそばを離れた。
まどか「ほむらちゃん?」
ほむら「ちょっと長居しすぎたみたい。私はもう行くわ」
寝る前に外しておいたリボンを頭に結びつける。
まったりとしていて愛に満ち溢れているいいSSだと私は思います。
まどか「そのリボン……」
ほむら「何?」
まどか「最初から思ってたけど、とっても素敵な色だね。そんな色初めて見た」
ほむら「あなたも付けてみる?結構似合うかもしれないわよ」
まどか「わ、わ、私はいいよぉ。全然似合わないもん!」
ほむら「そうかしらね」
ほむら「昨日は色々とありがとう。お陰で心が休まったわ」
まどか「良かった。テヘヘ」
まどか「……」
まどか「また行っちゃうんだ……」
お願いだからそんな悲しそうな顔をしないで
ほむら「大丈夫よ」
まどか「え?」
ほむら「またあいつらに襲われたら、大声で私を呼びなさい」
ほむら「いつでも飛んでいくわ、まどか」
まどか「……うん!」パァ!
~~~
ビルの下層階は地面に埋もれているため、暁美ほむらは5階の窓から外に出た。
ビルを離れてふと振り返ると、あの窓から鹿目まどかが手を振っていた。
まどか「ほむらちゃーん!またねー!」
ほむら(次に会う約束なんてしていないのに)
ほむら(あの子ったらまた魔獣に襲われる気かしら?)
ほむら「フフッ」クスッ
暁美ほむらは控えめに手を振り返した。
それを見た鹿目まどかは、さらに大きく手を振った。
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