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元スレ姉「見ないで…」

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1 :

「どうしておまえは分からないんだ!?」

「分かってないのはそっちでしょ!?仕事、仕事、仕事って!」

「そんなに仕事が大事なの!?」

「当たり前だろ!!!」

「……」

「…」

3 :

元々直視できない

4 = 1 :

「!?」

「仕事しなくちゃ食べていけないんだ!お前だって分かってるだろ!」

「だからって家族のことをほったらかしにして良いっていうの!?」

「誰のおかげで生活出来てると思ってるんだ!!!」

5 = 1 :

「姉ちゃん…」

「見ちゃダメ」

「あっち行こ?」

「…」

6 = 1 :

「行きたくないの?」

「…」

「行こうよ……ね?」

「……うん」

7 :

オーフェンかと思った

8 = 2 :

そんな俺は腹筋かと思った

9 = 1 :

「だいたい、俺が働いてる間、おまえは家でなにしてるんだ!」

「ちゃんと子供たちの面倒みてるのか!?」

「見てるに決まってるでしょ!妙な言い掛かりはやめてよね!!!」

「それに、月に一度子供たちと顔合わすかどうかのあなたに
  言われたくない!!!」

10 = 1 :

「言わせておけば!!!」

「なによ、やる気!?」



父さんと母さんは、今日も喧嘩しています。

父さんは仕事が忙しくて、月に一度か二度しか帰ってこないのに
帰ってくるたびに喧嘩しています。

どうして、もっと仲良く出来ないんだろう?

子供ながらに、わたしはそう思わずにはいられません。

11 :

あざりぃぃぃぃぃぃぃぃ

12 = 1 :

「……」ギュ

「…」ヨシヨシ


そして、そんなお父さんとお母さんの喧嘩を見るたびに、
弟は怖がってしまいます。

無理もありません。

まだ弟は5歳ですし、お父さんやお母さんのあんな怖そうな顔を
見れば、怯えて当然です。

13 = 1 :

「だいしょうぶ。お姉ちゃんがついてるから…」

「…うん」ギュ


わたしは弟を膝に乗せ、ギュッと抱きしめます。
二人の喧嘩が終わるまで。

わたしたち姉弟は、毎回こうやって、目をつむり、耳を塞ぎ、
震えながら夜が終わるのをひたすら待ちます。

14 = 1 :

「姉ちゃん…」

「なに?」

「けんか、はやく終わるといいね」

「……そうだね」


こうやって自分たちの身だけ守ろうとするのは、いけないこと
かもしれませんが、わたしたちには他にどうすればいいのか分かりません。

とにかく、夜が明けるのを待つばかりです、

16 :

>>15
うるさい!怒りますよ!

18 = 1 :

夜。

ようやく、ケンカも終わったのか急に静かになりました。

「zzzzzz…」

弟も眠ったみたいです。

わたしは、あれからどうなったのか気になって、階段を降り、
お父さんとお母さんの寝室に向かいます。

19 = 1 :

「???」

けど、玄関には身支度を整えた母がいました。

「お母さん?どうしたの、そのかっこう」

「……ごめんなさい」

「どうしたの?なんで泣いてるの?」

「ごめんね…」

20 = 1 :

なにが何だか分かりません。

母は涙を流しながらわたしに謝るばかりです。

「じゃあね?」

「おかあさん、どこか行っちゃうの?」

「……ちょっと、そこまでね」

21 :

姉スレに ほのかにかほる NTRかな

22 :

>>10
なによ、やる気!?で、なんか笑ってしまった

23 :

ヨネさんちーす

24 :

よ姉さん
はやいね

25 = 1 :

「いつ帰ってくるの?」

「……」

「ちゃんと、帰ってくるんだよね?ね?」

「……」

普段なら素直に母を見送るわたしですが、夜中なのと、母の
ただならない雰囲気から、もう二度と帰ってこないんじゃないかと
不安に思い、母に何度も尋ねました。

26 = 1 :

けれど……


「帰ってくるわ。だからお留守番よろしくね?」


母はそれだけ言い残し、わたしの前から姿を消しました。


帰ってくる……。

でも、母はいつになったら帰ってくるつもりなんでしょう?

27 = 1 :

そう心の中で何度も自問自答を繰り返しながら、わたしはその夜を
過ごしました。


翌日。


「お姉ちゃん……お母さんは?」

「……」


母は、まだ帰って来ません。

28 = 1 :

「あの……お父さん」

「すまないが、これから仕事だ。留守番たのむぞ?」

「……うん」

「…」


父も会社に出かけました。

家にはわたしと弟、二人ぼっちです。

29 = 1 :

「お姉ちゃん…」

「……」


しかし、考えても仕方ありません。

わたしは小学校に行かなければいけませんし、弟も幼稚園に行かなくては
いけません。

こんなところでウジウジ悩んでも仕方ありません。


「とりあえず、幼稚園行く準備しよっか?」

「…うん」

30 :

よくドキュメント番組とかでも見るけど、動物を捨てることと同じことだよな...

31 = 1 :

弟の身支度を整えさせたわたしは、そのまま幼稚園まで弟の手を引いて
いきます。

幼稚園が小学校に行く途中で助かりました。

反対方向なら遅刻するところです。


「……」

「…」


幼稚園に向かう途中、弟は一言もしゃべりませんでした。

わたしもなにもしゃべりませんでした。

32 = 1 :

学校。


いつもと変わらず授業をうけ、いつもと変わらず給食食べて、
いつもと変わらない休み時間を友達と遊んで過ごしました。

弟はどうしてるかな?
弟もいつもどおりなのかな?

などと、弟の事が気がかりでしたが、わたしにはどうする事も出来ません。

とりあえず学校が終わったら、はやく迎えに行こうと思いました。

33 = 1 :

放課後。


やっと学校が終わりました。
こんなに授業が長く感じたのは初めてです。

友達の誘いを断って、わたしは弟の幼稚園に向かいます。

34 = 1 :

幼稚園。


園長「あら?」

「お姉ちゃん…」


弟は一人、園長先生と遊んでいました。


園長「ずいぶん遅かったわね。お母さんは?」

「母は……その……」


園長先生は怒っています。

当然かもしれません。
この時間、残ってる園児は弟だけなんですから。

35 = 1 :

「…ごめんなさい」

わたしは謝りました。

謝る以外、どうすればいいのか分かりません。

ただ、迷惑をかけたんだろうなという事だけは分かっているので、
謝らなくちゃいけないとは思いました。


園長「…はあ」


園長先生は溜息をつきます。

36 :

仕事と家庭どっちがだいじなの?
とかリアルで言われたから
家庭が大事じゃなきゃとっくにこんな仕事辞めてるわ
っつったら沈黙のあと、その台詞どっかにあるの?
とか言われた。
どうやら満点回答だったようだ

37 :

>>36
黙ってろ

38 = 1 :

園長「お母さんに何度かけても繋がらないし、家にも
   電話かけたんだけどねぇ…」

「……」

どうやら、お母さんはまだ家に帰っていないみたいです。

というより、連絡もつかないようです。

……あんまり、考えたくない。

39 :

>>36
最後にさるよけと書いてあれば完璧だったな

40 = 1 :

園長「この子に聞いても、『分からない』って言うばかりだし…」

「…」


弟は、黙ってうつむいています。

わたしもうつむいて黙りたいです。

……でも、わたしはお姉ちゃんだから、そんな事は出来ません。

41 :

>>36
それ良いな、こんどから使わせてもらう

43 = 1 :

「たいへんご迷惑をおかけしました。以後、こんな事がないよう……」


わたしは、テレビのドラマとかで良く見る知っているかぎりの謝罪を
園長先生にしました。

ドラマの台詞を自分が使うなんて思ってもみませんでした。


そして……


園長「はぁ……じゃあお母さんにも宜しくね?」

「はい…」


なんとか許してもらい、弟の手を引いて家に戻りました。

44 = 1 :

帰宅。


「……ただいま」

「…ただいま」


お母さんはまだ帰っていません。

わたしは持っていた鍵で、ロックを外します。

家に帰ったのにお母さんがいないというのは、不思議な感じです。

胸がざわざわしていて落ち着きません。

45 = 24 :

小学生と幼稚園児の二人暮らしとかハードル高杉だろ

47 = 1 :

「ねぇ、お姉ちゃん…」

「どうしたの?」

「お母さんは?」


弟もお母さんがいないことに落ち着かないのかソワソワしています。

48 = 1 :

「お母さんは……ちょっとお出掛けしてるの」

「おでかけ?」

「うん」

「いつ帰ってくるの?」

「それは……」

49 = 1 :

それは、わたしにも分かりません。


「すぐに帰ってくるよ…」

「ほんと?」

「うん、きっと……」


わたしは弟にそう言って、ギュッと手を握りしめました。

お母さん、はやく帰ってきて。

50 = 1 :

それから、何年経ったでしょう。

わたしと弟は、大きくなりました。

いまや弟は中学生になり、わたしより身長も高くなっています。


……お母さんは、まだ帰って来ません。

そして、お父さんは……。


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