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    元スレ岡部「ただいま」紅莉栖「おかえり」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - steins;gate + - オカクリ + - クリスティーナ + - シリアス + - 岡部 + - 神スレ + - 紅莉栖 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    珍しく実家に帰り、1日を過ごす。

    翌日、昼過ぎにラボに向かう電車中で、俺のリーディングシュタイナーが発動した。

    「世界線が……変わっただと?」

    秋葉原駅で降りた俺は、全力でラボに向かって走る。

    2 = 1 :

    ~ラボ~

    バンッ!

    岡部「ダル!助手!」

    シ~ン……

    岡部「ん?なんだ?誰も居ないのか?しかし、鍵を掛け無いとは不用心な」

    ガチャ

    紅莉栖「あっ……はろー」

    助手の顔をみて一安心する。

    世界線は変わったが、助手はラボメンであった。

    何が変わったのか?俺はそれを調べなければならない。

    4 = 1 :

    岡部「クリスティーナよ、今来たのか?」

    紅莉栖「ううん。ちょっとそこまで」

    岡部「出掛けるなら鍵を掛けないと不用心だぞ」

    紅莉栖「うん……ごめん」

    岡部「今後は気を付けろ」

    紅莉栖「はーい」

    岡部(やけに素直だな……)

    5 :

    期待しちゃう

    6 = 1 :

    岡部「それよりも助手よ」

    紅莉栖「何?」

    岡部「お前、レンジ動かしたか?」

    紅莉栖「ううん……使ってない」

    岡部「そ、そうか」

    よくよく考えれば、世界線が変わってしまったから、レンジを動かしたかどうかという質問は意味を持たない。

    バカな質問だと気付いた俺はこめかみを押さえ俯く。

    紅莉栖「ん?大丈夫?」

    考え込む俺を覗きこむように助手が話しかける。

    岡部「ああ……今日も暑いな」

    俺は照れ隠しをする。

    紅莉栖「そうね。はいこれ。暑いし水分補給は大事よ」

    岡部(ドクペ……助手が自ら冷蔵庫から取り出しただと?)

    7 = 1 :

    紅莉栖「ん?どうしたの?」

    岡部「あ、いや……なんでもない」

    プシュ,ゴクゴク

    岡部(この世界線の紅莉栖は素直なのか?それよりも何故発動したか、その方が問題だ)

    岡部「助手、他のラボメンは来ていないのか?」

    紅莉栖「他のラボメン?さぁ知らない」

    岡部「そうか……」

    8 = 1 :

    ~数時間後~


    結局、この日、他のラボメンは誰もこなかった。

    助手はラボ備え付けのPCで何か書きこんでいる。

    一段落ついたのだろう、時計を見、次に俺を見る。

    紅莉栖「今日も楽しかった!さて、私はこれで帰るね」

    岡部「ああ、またな」

    紅莉栖「ぐっば~い」

    岡部(さて、俺も飯でも食うか)

    ピロン

    岡部「ん?助手からのメールか」

    【今日も一日乙ですた。冷蔵庫に夜食を入れてあるので食べて】

    岡部「な、何だと!」

    俺は冷蔵庫を一瞥する。

    そして慎重に、まるで爆弾を処理するように冷蔵庫を開ける。

    そこには……

    9 :

    こんな助手は助手じゃない

    10 = 1 :

    明らかに手作りと思われるサンドウィッチがラップに包まれていた。

    岡部「ゴクリ……これは何の罠だ!」

    どんな世界線でも、助手の料理は酷いものだった。

    まゆりと助手の料理は、いや料理と呼んで良いのだろうか?

    兵器―――大量殺戮兵器と言うべきだな。

    この状況、奴が練りに練った計略である事は間違いないだろう。

    ラボメン全員が居ない状況を作り、そして俺に毒入りサンドウィッチを食わせる算段。

    のたうちまわる俺を見て、「ザマァ!岡部!」と言うのだろう。

    誰がそんな手に引っ掛かるか!

    俺はこっそりサンドウィッチをゴミ箱にリリースし、翌日バレない様にコンビニのゴミ箱に投下し、そこで飯を調達した。

    (良い子のみんなは真似しないように!コンビニで家庭ごみを捨てるのはマナー違反だ!)

    11 = 1 :

    ~翌日~

    紅莉栖「はろ~」

    岡部「は、早いな」

    紅莉栖「そう?夏休みだしね」

    岡部「そ、そうか……え?夏休み?」

    紅莉栖「何言ってるの?昨日もその前の日も夏休みじゃない?」

    岡部「まぁ俺はそうだが、お前は……」

    紅莉栖「私も夏休みに決まってるじゃない」

    岡部「待て待て!助手、お前の名前は?仕事は?所属は?」

    紅莉栖「牧瀬紅莉栖18歳、職業は女子高生、所属は菖蒲院女子学園3年」

    岡部「へ?それだけ?」

    紅莉栖「未来ガジェット研究所 会員ナンバー002 役職は助手 これでいい?」

    岡部「おお……え?」

    紅莉栖「何?」

    12 :

    口調はまるで違うから脳内再生率低いな
    てか中鉢にちゃんと挨拶したのか岡部は

    13 :

    仮眠取るから保守頼む

    14 = 1 :

    岡部「まてまて!ヴィクトル・コンドリア大学脳科学研究所所属研究員という肩書は?」

    紅莉栖「クスッ 何それ?私はただの女子高生、なんで研究員なのよ、今日の倫太郎、面白い事言うわね」

    岡部「り?りんたろう……誰だそれ?」

    紅莉栖「あーはは!まさか自分の名前忘れたとか言うの?倫太郎。ううん、岡部所長」

    岡部「し、所長?」

    紅莉栖「何言ってるんですか?」

    岡部「そ、それは誰がつけたのだ?」

    紅莉栖「自分で言ったじゃないですか!『研究所の長は所長と呼ばれるべきである!』って」

    岡部「……そうか(なんだ?この世界線は?)」

    15 = 1 :

    紅莉栖「それはそうと、朝ご飯食べた?」

    岡部「ま、まだだ」

    紅莉栖「そう、良かった。実家からリンゴジュース送ってきたから、パン食がいいかなと思って」

    紅莉栖は紙袋からランチボックスを取り出す。

    紅莉栖「はい、どうぞ」

    岡部「こ、これは?」

    紅莉栖「倫太郎の好きなケバブサンド」

    岡部「ケバブ……」

    紅莉栖「昨日帰ってからパン生地も自分で焼いてみた」

    岡部「……」

    紅莉栖「どうしたの?」

    岡部「いや、別に……」

    俺は差しだされたケバブを手に取り、そっと口元に近付ける。

    きっとこの世の物とは思えない臭いがする筈。

    16 = 1 :

    が……予想の遥か斜め上を行く、良い香りがした。

    鼻腔の奥がくすぐられ、脳が刺激を受けたのであろう、そこから発せられた信号が胃を動かす。

    ぐぅ~

    岡部「は、腹の虫が……」

    紅莉栖「余程お腹がすいていたのね。昨日のサンドウィッチじゃ足りなかった?」

    岡部「あ、いや……とりあえず戴く」

    俺は覚悟を決めケバブにかぶりつく。

    岡部「あ……うまい!」

    この時、昨日捨てたサンドウィッチについて少しの罪悪感が生まれた。

    紅莉栖「よかった!いつも倫太郎が食べているお店の味を研究したの」

    岡部「そ、そうか……」

    ハッキリ言って、店で買うケバブなぞ足元にも及ばない、それぐらい美味い。

    しかし、助手がマッドシェフである設定はどこに行った!?

    17 :

    ドクター中鉢からリンゴジュースとか…
    ねぇよ

    18 :

    >>17
    母ちゃんだろ

    19 = 1 :

    紅莉栖「まだお代りあるから遠慮しないでね」

    岡部「あ、ああ……うぐっ!」

    紅莉栖「大丈夫?はい、リンゴジュース飲んで。慌てて食べなくても誰も取らないんだから、ね?」

    岡部「す、すまん」

    紅莉栖「えへへ。慌てん坊よね、倫太郎は」

    岡部「ところで助手。お前はいつから俺を倫太郎と呼ぶ。俺は鳳凰院凶真と呼べと言わなかったか?」

    紅莉栖「鳳凰院凶真?何それ?あ!新しいアニキャラ?そうでしょ?」

    岡部「お前、本気で言ってるか?」

    紅莉栖「ん?はい?ええ、マジだけど」

    岡部(なんだこの違和感……今まで経験してきた世界と明らかに違う。それよりも俺は何かを見落としている様な……)

    20 = 1 :

    紅莉栖「ねぇ、ご飯終わったら出掛けない?」

    岡部「この暑い中、どこへ行くというのだ?」

    紅莉栖「ふふ、内緒」

    結局、助手が持ってきたケバブは完璧だった。

    本来ならドクペの筈が、リンゴジュースとマッチする味わい。

    恐るべし、助手。

    しかし、俺は何かを見落としている。

    なんだ?

    22 = 18 :

    あ、母ちゃんアメリカにいるんだっけ?

    23 = 1 :

    ~秋葉原~

    紅莉栖「ここ」

    岡部「ここは……メイクイーン+ニャン2ではないか?」

    紅莉栖「そ。倫太郎、来た事ある?」

    岡部「まぁ……」

    チリンチリン

    メイド「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様」

    紅莉栖「禁煙席お願いします」

    メイド「かしこまりました」

    岡部「良く来るのか?」

    紅莉栖「ん~、学校が有る時は休日だけかな?」

    岡部「そうか……」

    24 = 17 :

    >>22
    そだよ

    25 :

    まっちょしぃ「……」

    26 = 1 :

    フェイリス「あ!クーニャン!」

    紅莉栖「フェイリス!元気してたー?」

    フェイリス「フェイリスは365日、24時間元気ニャ!」

    紅莉栖「何!という事は4年に一度、2月29日にくたばるのだな!」

    フェイリス「むむむ、クーニャン何故その秘密を!それだけは知られてはイケない秘密だったのにニャ」

    紅莉栖「安心するがいい、その時は私が守ってやろう、我がラボの所長の開発した秘密兵器があるからな、ふはは!」

    岡部(なんだこいつら?揃いも揃って厨二か?)

    フェイリス「それは安心したニャ!ところで、もしかしたらこの方が……」

    紅莉栖「そ。うちの所長の岡部倫太郎」

    フェイリス「初めまして、倫太郎さん。フェイリスだニャン。いつもクーニャンにはお世話になってるニャン」

    岡部「ああ……宜しく」

    岡部(俺とフェイリスは面識がない……だと?)

    27 :

    オカリン「こんなの助手じゃない!」

    28 = 1 :

    フェイリス「ご注文は何にするニャン?」

    紅莉栖「私はダージリンのアイスをミルクで」

    岡部「お、俺は……アイスコーヒーで」

    フェイリス「分かったニャン」

    岡部「なぁ、助手。あのフェイリスって子は友達か?」

    紅莉栖「まぁ友達かな?正確には友達の友達みたいな」

    岡部「友達?それはもしかして、まゆりか?」

    紅莉栖「ん?誰それ?」

    岡部「ここでバイトしていただろ?知らないか?」

    紅莉栖「そんな子いた?」

    メイド「お待たせしました。ダージリンティとアイスコーヒーです」

    紅莉栖「ありがとう。あ、私がティーね」

    岡部「クリスだけに、クリスティーネってか?」

    紅莉栖「ぎゃはは!今日の倫太郎面白い!」

    岡部(何故、こんなベタなギャグで笑うのだ?逆に俺が恥ずかしいだろ……)

    29 = 1 :

    メイド「楽しいご主人様ですわ」

    ふと、そのメイドの声に反応し、助手に向けていた視線を声の主に向ける。

    岡部「萌郁!桐生萌郁ではないか!」

    萌郁「え?あの……その」

    岡部「お前、なんでこんな所でバイトしてるんだよ」

    つい立ち上った俺は萌郁の腕を掴む。

    萌郁「あの……止めてください」

    萌郁は今にも泣きそうな顔で下を向く。

    紅莉栖「あれ?所長と萌えちゃん知りあいなの?」

    萌郁「いえ……初対面です」

    紅莉栖「え?なのに、なんで萌えちゃんの本名知ってるの?ああ!さては噂の萌えちゃんストーカーって倫太郎?!」

    そんな助手の叫びにも似た声に他の客が反応する。

    岡部「ば、バカをいえ!俺の知人にそっくりだっただけだ!」

    紅莉栖「そっくりな上に名前まで同じって?そんな訳あるか!そんな訳あるか!大事な事だから2回言いました!」

    30 = 1 :

    岡部「本当だ。その俺の知っている萌郁はもっと暗くて寡黙で……おまけに眼鏡」

    紅莉栖「だからって、いきなり腕を掴むのはどうかと思われ」

    岡部「あっ……すまん」

    ちょっとした騒ぎになってしまった。

    カウンターの奥からフェイリスが飛んできた。

    フェイリス「ご主人さま、当カフェではメイドへのタッチは禁止しております」

    岡部「す、すまない。知人に余りにも似ていたので……」

    フェイリス「以後、ご注意ください」

    さっきまでの猫娘だったフェイリスは完全に仕事人の顔に変わっていた。

    紅莉栖「もう、恥かかさないでよ」

    岡部「すまん……」

    岡部(この世界はかなり今までの世界とかけ離れている。色々と行動は慎んだ方がいいような……)

    そんな事を考えていると、背後から誰かが俺の肩を叩いた。

    振り向くと……

    31 :

    書き溜めてるとこ悪いが岡部も紅莉栖も口調違いすぎて脳内再生率低すぎ
    やり直せ

    32 = 9 :

    ダルはどうなってるんだ…
    バイト戦士は社長にでもなってそうだけど

    33 = 1 :

    ダル「よう、橋田じゃん」

    岡部(助かった!この世界、皆いるぞ!)

    岡部「だ、ダル!」

    ダル「お前、大学にも来ないでこんなところで何やってるん?」

    岡部「あ……まぁ色々とな」

    ダル「くだらねぇ研究サークルも良いけど、そんな調子じゃ進級出来なくね?」

    岡部「くだらないだと?それに、出席ならお前も変わらんだろ?」

    ダル「はぁ?何言ってんの?僕は前期無欠席だお?」

    岡部「そ、そうだった……かな?」

    ダル「それより、お前さっき何したん?萌えちゃんの腕、鷲掴みにしたんじゃね?」

    岡部「それがどうかしたか?ダル?」

    ダル「お前さぁ、今の時点でこのカフェの客、全部敵に回したんだお」

    岡部「はぁ?」

    ダル「帰れよ!もうココにくんな!」

    岡部「ダル、落ちついてくれ……」

    34 = 9 :

    >>31
    岡部はともかく紅莉栖は世界線が違うからいいんじゃね?

    35 :

    そもそも鈴羽はこんな状況でこっちにこないだろ…

    36 = 31 :

    >>33
    橋田じゃん…?

    37 = 1 :

    が、もう時は既に遅し。

    ダルがトリガーとなり、店内は『帰れコール』が鳴り響く。

    岡部「あああ……」

    紅莉栖「倫太郎、出ましょう」

    結局、アイスコーヒーには口も付けず、代金だけ払って店を出た。

    紅莉栖「もう、何やってんの!」

    岡部「すまん」

    紅莉栖「あのさ、萌えちゃんは私の友達なのよ?どうしてくれるの!恥かいたじゃない」

    岡部「え?そうなのか」

    紅莉栖「そうよ」

    岡部「すまない……」

    38 = 17 :

    >>34
    岡部が絶望的にキャラ違うな

    39 = 1 :

    >>36
    すまん、そこミス
    訂正よろしく><

    ダル「よう、岡部じゃん」

    ごめんね

    40 :

    太眉はどこだ

    41 = 1 :

    紅莉栖「今日の倫太郎、物凄く変!熱でもあるんじゃない?」

    そういうと助手は俺の額に自分の額を合せる。

    岡部「な、な、なにを……」

    紅莉栖「熱は無い。もしかして気でも触れた?」

    岡部「断じてそれは無い!」

    紅莉栖「そう、信用する。でもね、こういうお店であんな行為はご法度だからね」

    岡部「ああ……わかった」

    紅莉栖「今日は疲れたし、ラボに戻りましょう」

    俺は助手に手を引かれつつ、うな垂れラボまでの道を歩く。

    それはこの世界線の余りにも大きな違いに不安を覚えたからであった。

    42 = 9 :

    まだフゥーハハハ!がでてないな…

    43 = 1 :

    ~ラボ~

    紅莉栖「暑かったぁ」

    岡部「そうだな」

    紅莉栖「お茶飲みそこなったし」

    岡部「すまん……」

    紅莉栖「ところで、本当に萌えちゃんと同姓同名でそっくりな人と知り合いなの?」

    岡部「ん?ああ、多分……」

    紅莉栖「多分?」

    岡部「昨日までと何から何まで全部違う」

    紅莉栖「え?……倫太郎……もしかして……」

    岡部「助手!」

    紅莉栖「倫太郎も厨二患者だったとは!これは大発見!ワロス」

    岡部「えぇ……」

    紅莉栖「もしかして昨日までの俺と今日の俺は違う!とか?」

    岡部「そうなんだ!思い出したかクリスティーナ!」

    44 = 1 :

    紅莉栖「プッ!倫太郎、ノリ良過ぎwww」

    岡部「え?」

    紅莉栖「そんな訳あるか!」

    岡部「マジなんだ!信じてくれ」

    紅莉栖「はいはい、厨二厨二。これでいい?まぁ私も人の事言えない厨二だけどさぁ」

    岡部「はい?」

    紅莉栖「自他共に認める厨二でねらーでしょ?」

    岡部「……」

    紅莉栖「べ、別に私に合わせて無理しなくていいんだからね!」

    岡部「……」

    紅莉栖「まぁ、萌えちゃんには私から謝っておくから気にしないで」

    岡部「すまん……」

    45 = 1 :

    紅莉栖「さてと、今日はどうするの?」

    岡部「ん?何をだ?」

    紅莉栖「帰るの?泊まるの?」

    岡部「ああ。一応泊まろうかと思ってる」

    紅莉栖「そっか。なら晩ごはん作ってあげる。あいるびーばーっく!」

    そう言うと、助手はラボから出て行ってしまった。


    「何が何だか。こんな世界線、精神衛生上良くない。とっとと過去にDメールを送って世界線を移動しよう」

    「しかし、誰がどんなメールを打って、こんな世界に来てしまったのか?」

    「まぁ、いい。とりあえず後で打ち消しが可能なメールを送ってみるか」

    俺はラボの奥へと進む。

    46 = 1 :

    しかし、すぐに愕然とする。

    「ない。電話レンジ(仮)がない!どういう事だ!おい」

    振り向いたが、勿論ラボには誰も居ない。

    ここで昼間の違和感がついに消える。

    『未来ガジェット研究所 会員ナンバー002 役職は助手 これでいい?』

    助手はそう言った。

    間違いなく。

    所長の俺が001、助手が002、だれもまゆりを知らなくて、ダルは大学こそ同じだがラボメンではない。

    「という事は……この世界に電話レンジ(仮)は存在しない」

    それはどういう事か?

    俺は考え込む。

    47 = 1 :

    「はっ!デッドエンドだと!?」

    そう、袋小路だった。

    過去にアプローチ出来ない、すなわち何も改変出来ない。

    それどころか48時間のやり直しすら出来ない。

    待て、慌てるな。

    必ずどこかに何かの方法がある。

    「そうだ!奴がキーマンだ!奴を探せば何とかなる!」

    踏ん反りかえりながら俺は高笑いをし、自分を安心させる。

    *フゥーハハ(略)

    48 :

    ルカ子・・・・・・

    49 = 1 :

    ガチャ

    紅莉栖「暑かった~」

    岡部「ご、御苦労……」

    俺はとっさに腰に当てていた腕を降ろす

    紅莉栖「ん?どしたの?」

    岡部「え?いや軽く体操を」

    紅莉栖「ふーん……」

    岡部「あはは、ははは」

    紅莉栖「ねぇ、それより今夜の晩ごはんだけど」

    岡部「ん?」

    紅莉栖「じゃーん!うどん買ってきた。稲庭うどんが安かったの」

    岡部「うどん?」

    紅莉栖「嫌いだっけ?」

    岡部「いや、嫌いではないが」

    紅莉栖「だよね」

    50 = 1 :

    岡部「助手は好きなのか?」

    紅莉栖「そりゃ好きに決まってるじゃない。四国なら讃岐、東北なら稲庭で決まりよ」

    岡部「お前は、その、函館一番が好きとか?」

    紅莉栖「函館一番?あれってインスタントじゃない。あんなの食べない」

    岡部「そ、そうか」

    紅莉栖「直ぐに作るからそこで座って待ってて」

    岡部「そう言えば、助手の田舎は青森だったな」

    紅莉栖「え?」

    岡部「昨日、実家からリンゴジュース送ってきたと……」

    紅莉栖「あのさぁ……リンゴジュースで青森って安直でしょ常考」

    岡部「そうか?」

    紅莉栖「まぁいいけど。この話、友達の前でしないでよ?分かった?」

    ネギを切っていた紅莉栖が包丁を持ったまま振り向き、吐き捨てる様に言った。

    その顔には笑顔一つなく、これは脅しでも何でもなく、完全な最終通告だと俺は悟った。


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