元スレ御坂「どうせあんたの気持ちも一方通行なんでしょうね」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
151 = 136 :
上条「顔赤いな、暑いのか?」
一方通行「だ、大丈夫だ、モウマンタイモウマンタイ」
上条「……? 座る形になるけど、向かい合わせってのはどうだ?」
一方通行「お、おぅ……」
上条「…………」
一方通行「…………」ジー
上条(恐ぇえええええええええ)
一方通行(こ、こんなに近くに……)
153 = 136 :
上条「ああっ、ダメだダメ! 来い一方通行!」
一方通行「はァ……ッ!?」
一方通行(両手を広げて、さも飛び込んで来いと……いや、俺は何を考えるンだ?
ンなわけねェ――)
上条「だからこっちに来い」グイッ
一方通行(ぐっ……何が起こりやggggggggggg)
上条「これで妥協しよう……あっ、上条さんはそっちの趣味はまったくないんで安心してください」
一方通行「」
一方通行(落ち着けッ、俺!
まず状況を確かめる……俺は、とうまを背にしている。
つまり寄りかかっている、完全なる密着……!)
上条「ぐー……すぴー……」
一方通行(夢じゃねェンだよな……あァ、動悸で死ンじまいそうだ……)
一方通行(いや、今なら死ンじまっても構わねェ……)クルッ
一方通行「ね、寝てンのか……?」
上条「うぅ、不幸だ……zzZ……」
一方通行「俺は幸せだァ……」
154 = 144 :
かまわん、もっとやれ
155 = 136 :
一方通行「今なら見放題だ、それもこンな至近距離で……しっかり目に焼き付けとくか……」
一方通行「……ふふ」
一方通行「……とうま」
一方通行「ァァァァ゙……口に出しちまった……」
一方通行「…………」ニヤニヤ
一方通行「コイツといると何だが安心すンな……俺も眠くなってきやがった……」
一方通行「だが、寝ちまうのは勿体ねェし……」
上条「オルソラぁ……」ギュウッ
一方通行「い……ッ!?」
一方通行(だ、ダダダダダダ、これはアレだよな!? 抱き締められてンだよな!?)
一方通行「つうかオルソラって誰なンだよ……」ビキビキ
上条「う~ん……そんなとこ抓らないで……」
一方通行「……まぁ、いいか」
156 = 136 :
禁書目録「何だかうるさいんだよ!」
打ち止め「インターホンが鳴ってるよってミサカはミサカは眠気眼を擦りつつ報告してみる……」
禁書目録「とうまー! お客さんだよー!」
打ち止め「反応がないねってミサカはミサカはお寝坊さんの二人に呆れてみたり」
禁書目録「仕方ないね、はいはーい! 今行くよー!」ガチャ
美琴「……なんでアンタここにいるのよ!?」
禁書目録「あ、短髪」
打ち止め「お姉さま!」
美琴「アンタも……!?」
禁書目録「とうまなら寝てるんだよ」
美琴「だ、誰もアイツのことなんて聞いてないわよ……」
157 = 136 :
打ち止め「あれ? でもここはあの人のお家だよねってミサカはミサカは首を傾げてみる」
美琴「う、うるさいわね!」
禁書目録「うるさいのは短髪の方なんだよ」
美琴「なんですってぇ……」
打ち止め「お姉さまには悪いけどミサカはミサカはシスターさんに同意してみる」
美琴「うっ……大声上げたのは悪かったわよ……」
美琴「……ん? この靴は?」
打ち止め「これはあの人……一方通のってミサカはミサカははにかんでみたり」
美琴「いっ、一方通行ですってぇ!?」
禁書目録「うん、お風呂場で一緒にお昼寝中だよ」
美琴「」
162 :
なんという生殺し…。男だと思い込んでる上条さんイイヨネ
ねーここって別のSS書き始めてもいいんかー?いまんとこ2本あるみたいだけど
書くかはわからないけど確認だけさせてよ
エロパロとかはエロくないと申し訳ないし
164 = 144 :
むしろ最近の>>1以外は書いちゃ駄目同時2人が書いちゃ駄目って風潮の方がおかしいと思うしいいんじゃね
166 :
>>162
待ってます
167 :
なにこの新ジャンル
168 :
一方通行は一人で歩いていた。
意味も無く、当ても無く、途方も無く。
漫然と、燦然と、呆然と、自然に。
それは所謂散歩という単語でしか表現できない、
突拍子も無いまでに突然に唐突な一人歩き。
徘徊、彷徨、巡回。
どの言葉もしっくりと来ない散歩。
「……」
元より柔和とは懸け離れた顔面の造詣をしている一方通行。
そんな彼が顔を顰めて歩いていれば、当然道は開ける。
まるでモーゼの如く左右に割れる人並みの中を
屹然と歩く一方通行の背中は、しかしどこか歪み、どこか力なかった。
「クソがァ……」
意図無く吐かれた悪態に、
丁度すれ違った人間が身を跳ねさせて驚き即座に逃げ出す。
しかし一方通行の視界にそれは入らない。
ただただ少し下に目をやって思考の海に漂い続ける。
169 = 168 :
考えていた。
一方通行は、延々と考え事をしていた。
多分、以前の自分が一度もしたことの無い類の、
深い、そして不快、そんな思考回路、意向経路、高考通路。
「チッ……」
頭の中で、いくつもいくつも考えて、
そしてその全てが自分の思うような、
自身の納得するような、自己の狙いを解決する結果にならず。
その度に一方通行は周囲の人間を恐怖させる。
「あの野朗……」
"あの野朗”
それが考え事の起因であり発端だ。
一方通行は昨日からずぅっとその事ばかりを考えていた。
名前も知らない"無能力者”の男、
この所はすっかり忘れていた、というか
忘れようとして、その成果が上がっていたというのに。
嫌な事は忘れた頃にやってくる。
先日、打ち止めにせがまれて近くのコンビニに買い物に出かけた際に、
見つけてしまったのだ。その無能力者を。
170 = 137 :
期待させてもらうぜー
171 = 168 :
幸い、というべきか。
向こうはこちらに気づいておらず、
突然の邂逅に愕然とする一方通行を尻目に
さっさと買い物を終えて去ってしまったのだが。
『なにか言いたい』 『あいつと話してみたい』
一方通行の中の、彼に殴られてから変わった部分が、
彼が去った後にそんな風に疼きだした。
「なンなンだよ……」
寝て、起きた頃には無くなってると思った。
けれどいつもより早く寝て、
そして今日の朝起きてみればその気持ちはさらに大きく、強くなっていた。
『謝りたい』 『礼を言いたい』
素直でなく、悪人を気取る一方通行自身は認めないが、
しかしその心は、きっとその二つの過去に縛られた事項が起こす感情。
あの無能力者にもう一度会って、言葉を交わして、
それでやっとあれから離れられるんじゃないだろうか?
そんな不確定な気持ちも、少し残っていたのかも知れない。
言い知れぬ罪悪感は、今でも僅かにしこりになって残っている。
見えない振りをしていたのに。
あいつの所為でまた見つけてしまった。
そんな、感傷。
172 = 168 :
一方通行は考える。
だからこそ、自分はどうするべきなのか。
自分が彼を見つけた事でいまだ心に残る何かに気が付いたように、
彼も自分と会ったと同時にあの忌々しい事件を想起するだろう。
きっと、自分よりも強く、深く、辛い感覚を鮮明に。
なら、自分は顔を出すべきじゃないのかも知れない。
加害者たる自分は、自分の心など捨て置いて、
それよりも被害者たる彼等が事件を思い出さないように
謝罪の為ですら顔を出さない方が、いいのかもしれない。
「……」
けれど、あるのだ。
多少の期待とも言えないなにかが、
第三位やその妹達を救った彼に、
第一位である自分を倒してまで彼女達を救い上げた彼に会えば、
自分もまた救われるのではないかという幻想が。
そして気づけばまた、
名前も学校名も住所も知らない彼に会うために
どうしたらいいのかを模索しては棄却している。
173 = 168 :
裏組織の力を借りることはできない。
できなくもないだろうが、しかしそれでは場合によっては
彼にまたいらぬ迷惑をかける可能性もある。
逆に表の組織、風紀委員や警備員の力も借りれない、
自分は悪人だから、表の連中の力は借りてはいけない。
けれど、そうなると個人の力で探さなくては行けなくなる。
この塀に囲まれながらもしかし広大過ぎる学園都市の中から、
顔しか情報のない一人の人間を。
「……打ち止めに頼めれば楽なんだがよォ」
一番身近で、一番早くて、一番簡単な方法。
打ち止めの力を借りて、
否、ミサカネットワークの力を借りて住所を教えてもらうこと。
学園都市内部に点在する妹達の人数は今は少数だが、
そこは問題じゃない。
数で調べ上げる訳じゃなく、単に中継に打ち止めを入れて妹達から
教えてもらうだけなのだから。
だから別に妹達、特に自分が最後に殺そうとしたミサカに直接聞いてもいいのだが。
やはりそれもできまい。
174 = 168 :
結局は一人でやるしかないのだ。
自分とあいつの共通の知り合いは、
イコールであの事件の関係者となるのだから。
誰かに聞くという手は使えないと考えていいだろう。
でも、ならばこの気持ちはどうすればいい。
早急にどうにかしたいこの自分の心は。
と、またも袋小路。
一方通行の期限は悪くなる一方という状況で、
ドンっと、誰かと肩がぶつかった。
肩がぶつかる、というのは一方通行にとって慣れない感覚だ。
以前なら常時発動していた能力で自分には衝撃なんて来ないから、
けれどいまは違う、首につけたチョーカーのスイッチを入れないと能力は使えない。
しかもたったの三十分だけ。
「あン?」
不機嫌な所に慣れない感覚と微妙な痛み、
本来なら前方不注意で一方通行も悪いのだが
そんなの関係ないとぶつかった奴に鋭い目と威圧するような声をぶつける。
「おっと、すみませんね……、って」
「テメェ……」
「お前……」
ぶつかったのは、あの日の無能力者だった。
175 = 137 :
紫煙
176 = 167 :
さすが上条さん
177 = 162 :
…止まってる?
掌編投下していいカニ
178 = 166 :
しえん
179 :
期待しえん
180 = 162 :
よくわかんねーけど投下しちゃお。
徹底して一方通行って表記だけど百合子ちゃんです。
一方通行は路地裏を歩いていた。
能力の使用に制限がかかってからはなるべく近寄らないようにしていたわけだが、コーヒーが切れてしまったんだから仕方ないのである。
(前のも飽きてきたしなァ、そろそろ新しいの出てるかね)
頭の中はコーヒーの事でいっぱいで、それ以外は目に入らない。…つもりだったが、遠くで子供の声が聞こえてきた。
「助けてぇぇっ」
少女が助けを求めているようだ。路地裏で昼間っからなにやっとんだ不良って輩はこんちくしょう。
面倒だと思いつつ、根が熱血漢な一方通行は声の方向へ進路を変えた。
「騒ぐんじゃねぇよガキ!犯すぞごらー」(+その他諸々のテンプレセリフ)
「きゃーっ!」
「おいおい、ずいぶん楽しそうじゃねーかオニーサン達ィ」
「なんだぁこのひょろっちいのは。緑豆もやしか」
「アルファルファかもよ?ハッハッハ」←高級大豆もやしに決まってるだろうが
「お…おい待てよ俺コイツ見たことあるぜ、この白頭…一方通行だ!」
「な…一方通行って言ったらあの学園都市最強の!?」
「敵うわけねーよ…逃げた方が…」
「でも無能力者に負けたって噂もあるぜ」
「そういえば…くくく、なーんだ見た目通り弱いんじゃねぇの?」←この辺が頭悪い所
「よし…コイツもサンドバッグにして遊んでやろうぜぇ」←この辺がry
181 = 162 :
「やってみろよ、三下ァ!」
一方通行はチョーカーのスイッチを入れ、5、6人で少女を囲んでいた不良たちを睨みつけた。
3秒でカタが付いた。
「あ…あの、ありがとうおにいちゃん」グスングスン
「別に何もしてねェよ。つーかガキが路地裏なンか通ってンじゃねーよ。とっとと帰…」
そこにウニ頭の高校生がやってきた。
「はぁはぁ、コッチの方から女の子の悲鳴が聞こえたけど…!?」
「あ」
「あ」
(コイツ…最弱っ!?このガキを助けに来たのかァ…?相変わらず善人だな…うわァ表通りからの逆光で後光が差して見える…さっすがヒーローってか)
(えええー!?一方通行!?こわっ!!!!つーかなんでこんなとこに…ハッ女の子!泣いてる!まさかコイツ、この子に何かしたんじゃ…)
「一方通行!!!お前ってやつは…!」フルフル
「へっ?」キョトン
「その子を離せ!」ビシッ
「…あァ?」ケゲン
「泣いてるじゃないかー!」クワッ
「…ええ…?」ポカン
「ち、違うよぉ、この人わたしを助けてくれたの、良い人です!目つきは悪いけど」
少女は、なんとなく把握してフォローを入れた。
182 = 162 :
「え、助けた…?コイツが?」
「そうです!一瞬でシュバババッズバーッと!」
「…別に何もしてねェよ。立ってただけだ」
(最悪だ…どうせ罵られるんだろ。お前みたいな奴がーとか、何を企んでるンだーとか…構わずにコンビニ行けば良かった)
「何だ、俺はてっきりお前が何かしたのかと…勘違いしてゴメンな!一方通行…さん!」←僅かににじみ出る恐怖心
「へっ?」
「ん?だから、勘違いして悪かったって。…どうしたんだ…ですか?」←微かににじみ出る恐怖心
「え…あ…いゃ…うン…べつに」
一方通行は予想外のセリフに戸惑っていた。
なんでこんなに明るく話しかけてくるんだろうコイツは…顔が熱くなる。見られたら気まずいと顔を思いそらした。
俯いて口籠もる一方通行に、上条はハッとした。
「もしかしてどっか痛いのか?お前が怪我するとは思えないけど…って、なんで杖なんかついてるんだ、まさかマジで大怪我を…」
「しっ、してねェ!別に怪我じゃねェからっ…と、とにかくとっとと表に出るぞ、また絡まれたらウゼェし…おら、お前も」
「は、はいっ!ありがとうございましたっ」
少女は時々後ろを振り返りながら、ペコペコ頭を下げつつ走り去った。
危険な路地裏を通るほど急ぎの用があったのかもしれない。
「いやーあの子無事で良かったな。それにしても、お前が人助けなんかするなんてなー。あ、悪い意味じゃなくてだなっ!」
「…別に…気にしてねェし…」
「一方通行…さん?なんか様子が変ですよ。どうかしたのか?」
「べ、別にッ!なンでもねェしっ」
さっさとここから離れてコンビニに行ってコーヒーを買う、それが一番のはずなのに一方通行の足はなかなか動かなかった。
(なンでこンなにドキドキするンだ…足が固まって動かねェ…)
183 = 162 :
「…」
「…」
しばし沈黙が下りた。
(やっぱ具合悪いのかな…?それにしたって、なんで杖?あの最強が怪我なんて考えられないし…
そもそもさっきからなんでココに二人でつったってるんだ俺たちは)
「あー、なあ、ともかくどっか行かないか?不良が追っかけてきたらいやだし…」
「えっあ、お、おう…」
(それでなンで一緒に着いて行ってンだよ俺はァァ?!意味わかんねェェ!)
「そこのファミレスでいいか?」
「わかりませン…」
「え、何が?」
「い、いいいいいや別に何でも無い何でも!構わねェよどこでも!」
(一緒に居られるなら…って、何考えてンだ俺はーー!!…あれ?)
杖をつく一方通行は歩くのが遅い。それなのに、意識して早く歩いてるわけでもないのに、健常者のはずの上条は隣を歩いている。
(もしかして、あわせてくれてンのか…?)
(杖、歩きにくそうだなー。ギプスつけてるわけでもないのに…なんでだろ?)
(さ…さり気ない気遣い…これが正義の味方の真骨頂ってことかァァ!くっ、なんか心臓がギシギシしやがるっ)
(つーかなんで俺、一緒にファミレスなんて…すでに会話が続いてないのに、間が持たねーだろ!不幸だ…)
「いらっしゃいませ!何名様ですか?」
「二人で」
「かしこまりました。こちらへどうぞ」
184 = 162 :
ウエイトレスが4人がけの席に案内した。一方通行にソファを譲って、上条は椅子に腰掛けた。ここでもさり気ない気遣いをみせる上条である。
しかし席に案内されても、話すことが無い。無いわけではないが、切り出せる雰囲気ではなかったので上条はとりあえずメニューを引っ張り出した。
「あー、と…な、何か飲むか?それとも昼飯がまだなら、ここで済ませちまうか?」
「ま、まだだけど…別に、腹は減ってねェし…」
「そ、そう…んじゃ、ドリンクバーふたつってことで!」
精一杯明るく話しかけるが、一方通行は俯いてモジモジしたまま上条を見ようとしない。
店員は内心訝しく思っているだろうが、営業スマイルで注文を受けて立ち去った。
「…」
「…」
「「あの」」
「…どうぞ」
「…いや、そっちからどうぞ」
促されて、少し戸惑ってから一方通行は口を開いた。
「なンで…なンでそンなに普通なンだよ?」
「え…普通?」
「だからよォ、俺は、その…一万人以上ブッ殺した、人間の屑みてーな悪党だろーが。それをなンで、その…」
「ああ…そのことかぁ」
185 :
言っていいのか悪いのか
○○←(ここで茶々を入れる)
これいらんと思うよ
186 = 162 :
「いや、俺はさ、確かにお前がやったことは赦せないよ。赦せないけど…起こったことはもう変えられないだろ」
「それに、お前がさっきあの子のこと助けたって知って、なんとなく思ったんだよ。一方通行って根っからの悪人とかじゃないんだろうなって」
「困ってる人を見て、出来ることをしてあげたいって思うだけの普通さが一方通行にもあるんだなって」
「確かに御坂に話を聞いて、一方通行って奴はものすごい悪人なんだと思ったさ」
「とんでもない怪物だと思ってたよ、前にお前と戦ったとき。でも…」
「悪人がずっと悪人でいなきゃならないルールなんて、ないだろ?」
にこっと笑って、上条はぽかんとしている一方通行を正面から見据えた。
今度こそ本当に後光が差して見えた。このクソッタレの悪党に、このクソッタレの善人は…なんてことを言うんだろう。
さっき心臓に感じたギシギシとした感覚が、もっときつく胸を絞めつけた。
心臓の形が変わるほど強い、身体の内側をぐちゃぐちゃに掻き乱されるような感覚に陥る。
「お、おい一方通行!?」
目頭が熱くてたまらなくなって、鼻がズキズキしだした。頭がガンガンする…と思ったときには、上条が隣に座っていた。
「大丈夫か…?ぼんやりして。俺の話聞いてた?」
187 :
俺の神が集うスレはここですか
支援支援
188 = 162 :
肩を抱かれていると感じても、頭に霞がかかっているようでうまく反応できない。
これが泣きそうになっているせいだと一方通行は知らなかった。
泣き方を知らないせいで、涙がこぼれてこない。熱だけが顔に集まってきてますます辛かった。
「もしかして、泣きそう?隠してやるから、泣いても良いぞ。その、俺がそばにいてて嫌じゃなかったらだけど」
「…いやじゃない…」
上条の腕が一方通行の体を抱き寄せた。他の席からは上条の背中しか見えない。額を上条の肩にくっつけて、一方通行は熱い息を吐いた。
はぁっ、と一息つくと、すっと頭が冴えたようになって、目の前が酷く潤んだ。
ぱたりっと雫がこぼれて上条の太ももに染みを落とす。それからは止めどなく涙が溢れて、一方通行は肩を震わせることしかできなくなった。
回されている上条の腕にますます強く一方通行を抱きしめられながら、一方通行は生まれて初めて泣いた。
189 = 162 :
あいおしまい。
>>185
すまんw初めてやってみたけどやっぱないほうがよさそうだなw
190 = 137 :
面白かったよ
191 :
お疲れ 楽しませてもらった
192 = 168 :
>>174
「あ、前にご飯沢山食べさせてくれた人!」
突然の事態にお互いがお互いの顔を見合わせて完全に硬直してる中、
場違いな程に楽しそうな、嬉しそうな少女の声が二人の間を走る。
「テメェは……」
目の前に突然現れた無能力者から一方通行は
見たことのある白い少女に目を移す。
二人の間にある明らかな距離や漂う雰囲気に、
少女は気づく様子もなく無垢な表情で笑う。
「あの時はありがとう! 本当に助かったんだよ!」
「あァ……。気にすンな……」
曖昧に少女に返しながら、
一方通行は目の前の男の方に視線を戻す。
男は明らかに険しい目つきでこちらを見ながら、
傍らの禁書目録に問いかける。
「禁書目録、お前こいつと知り合いだったのか?」
「うんっ! 前に言ったご飯沢山くれた人だよとーま!」
「……はァン、テメェが"とーま”だったのか」
「するってぇとなにか、打ち止めの言ってた"あの人”ってのは……」
「オレだァな」
193 = 168 :
禁書目録は自分の一言が切っ掛けで
二人がなにかを確認した事に気づかない。
ただただ二人が知り合い同士だったのかな? と無邪気に思うだけだ。
「……チッ」
舌打ち。
一方通行は目の前の男、"とーま”から逃げるようにアスファルトに目を逸らす。
ほらみたことか、結局、こいつの中での自分ってのは極悪人。
やっぱり、ちょっとした感傷で会おうなんて思わなきゃよかったんだ、
拒絶されるって事ぐらい少し考えればわかっただろうに……。
「悪かったな」
「……なんのことだよ」
「別に……。邪魔したなァ」
それでも、拒絶されても。
まだ自分が目の前の男に固執してる、執着してる。
それが情けなくて、後ろ髪引かれる思いでその場を後にしようとして。
「あ、待って待って! 折角また会えたんだから、この間のお礼したいんだよ!」
男に禁書目録と呼ばれていた白い少女に即座に呼び止められた。
「あァ? 礼なンざいらねェよ」
礼どころか、こっちが詫びを入れなくてはならないというのに。
194 = 168 :
なにも知らない少女に、
この場に自分を引きとめようとする少女に、
行き場の無い八つ当たりの感情を抱く一方通行。
しかし反面、これを口実に少しでも"とーま”と話せないかとでも考えてる自分が浅ましい。
どうせ、即座にその本人に却下されて終わるに決まって――。
「そうだな」
決まって――。
「俺も、久しぶりにお前と話したいこともあるし。
どうせだ、暇なんだったら付き合えってくれねぇか?」
決まってると、思ったのに……。
「なぁ、一方通行」
けれど目の前の男は、
禁書目録が言ったから仕方なくという風ではなく、
本当に警戒を解いて、困ったように笑いながら、
一方通行の肩を。
まるで本当に久しくあった旧友にするように。
叩いた。
195 = 166 :
しえん
196 = 168 :
―――
「改めて自己紹介だ。俺は上条、上条当麻だ」
所変わって喫茶店。
ランチタイムとディナータイムの狭間、
一日で最も人が少ない時間帯、アイドルタイム。
その人のあまり居ない一つの喫茶店のテーブル席で、
一方通行と上条当麻はあの事件以来初めて顔を会わせた。
いや、あれは事が事だったので、
むしろこれが始めてのちゃんとした顔合わせになるのだろうか?
「そォかよ」
「淡白だな」
「テメェもな、恨み言の一つも無したァ思わなかったぜ」
「言われたかったのかよ?」
「……」
お互いの目の前にはコーヒーが置かれ、
上条の隣、いまは席を外している禁書目録の席には
でかでかとパフェが置かれている。
本来ならパフェを目の前に席を外すなんて真似を禁書目録がするはずが無いのだが、
一応久しぶりにあった友達同士(と禁書目録は思ってる)なのだからと
少しだけでも二人の時間を作ろうと気遣ったのだろう。
197 = 168 :
「ただいまなんだよ!」
しばしの無言の後、
インデックスが戻ってくる。
やはりどこか認識がズレてるのか、
二人にしてたにも関わらず沈黙を保つ彼等の様子をおかしいと思った様子は無い。
「おぉ、ちゃんと手は洗ったか?」
「当たり前なんだよ。とーまは私をなんだと思ってるのかな?」
上条の言葉に頬を膨らませながら
インデックスはすでにスプーンを手に取り
巨大パフェの解体作業に移る。
こうなるとまた黙々と食べることに集中してしまうので、
当然沈黙が再び降りることになる。
「あー、一方通行」
その沈黙に耐えられなくなったのは、
やはりというべきなのか、上条の方だった。
「ンだよ?」
「お前はあそこでなにしてたんだ?」
「……散歩だよ」
「そっか」
198 = 168 :
ぎこちないにも程がある。
会話ともいえない探り探りの言葉のやり取り。
一方通行としてはこれ位は覚悟してた、
むしろ一応でも対面している状況が作れただけでも僥倖だった。
けれど、場所が悪い。そして第三者も居る。
こんな状況ではいくら覚悟しても込み入った話は口にできない。
そして込み入った話をして、少しでも壁を払わなければ、
世間話などできるはずが無い。
「しっかし……」
そんなこんなで黙って
ミルクも砂糖も入れてないコーヒーを飲んでいる一方通行を見ながら。
上条の方も返事を期待してない独り言を呟く。
「お前が打ち止めの言ってた"あの人”か……。
打ち止めから話を聞いた時には仲良くなれそうだなぁとか思ってたんだけどよ」
「なンだそりゃ?」
「凄く優しくて――みたいなことを言っててさ。
お互い打ち止めとインデックスって言う居候が居るって辺り
状況も似てるし、なぁんか仲良くなれるかなって思ってたんですよね上条さん的には」
「くっだらねェ。ガキの言うことを素直に受け取って勝手にがっかりしてンじゃねェよボケ。
オレはそこの白いの――」
「インデックスだよ!」
「――からテメェの話を聞いた時はぜってェ仲良くなれねェと思ったぜ」
「おいインデックス! お前なにを言ったんだよ!?」
「もぐもぐ……、覚えてないんだよ」
200 :
インなんとかさんには完全記憶能力があったはずでは・・・?
みんなの評価 : ★★★
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