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    元スレ梓「唯先輩の馬鹿!!大好き!!」

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    みんなの評価 : ★★
    タグ : - けいおん! + - ギャグ + - 唯×梓 + - + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :


    「逃がさないわよ!」
    「いぃぃやあぁぁぁぁ!」

     こんな始まり方はどうかと思いますが、軽音部はこういうところです。
     もう慣れました。慣れたくなかったけど慣れました。

     慣れました。中野梓です。

     声の主は勿論、逃げ惑う澪先輩と、それをこれでもかと追いかけるさわ子先生。
     音楽室から始まったその攻防は、廊下を経て、下のフロアにて繰り広げられていたようだけど、
     結局、舞台を音楽室に戻したようです。
     クールな澪先輩も素敵だけど、こういう澪先輩もなかなか……じゃなくて。

    2 = 1 :

    「あれ、なんとかならないんですかね……?」

    「無理だろ、ああなるとさわちゃんは服着せるまで諦めないからなー」

     野生のカモシカを思わせるような、しなやかで可憐、
     かつ一切無駄の無いフォームで軽やかに室内を駆け巡る音楽教師の手には、
     白とピンクを基調としたフリフリの衣装。
     そんな恥ずかしい衣装を喜んで着るのは、唯先輩かムギ先輩くらいなものだと思うのだけれど。
     当の唯先輩はといえば、私の横でギターを練習していたりする。
     この日は珍しく、教えて欲しいと私にせっついて来たので、素直に教えてあげているところなのである。
     どうしてかは分からないけれど、唯先輩にやる気があるのは私としても嬉しい。
     嬉しいけれど、一つだけ。今の私には気になることがある。

    3 :

    パンツ脱いだ

    4 :

    ふぅ…

    5 = 1 :

    「あの、唯先輩」

    「どうしたの、あずにゃん?」

    「さっきから、ムギ先輩がものすごい笑顔でこっちを見てる気がするんですけど」

     「女の子同士っていいわよね」という素敵な人生のスローガンを掲げる百合と沢庵の申し子は、
     まるで女神のような笑みを携えて、明らかに許容量を超えたティーカップに、
     ゴールデンティップを多量に含んだ高価なダージリンを淹れ続けている。

    「そうかなぁ。ムギちゃん、いつもあんな感じだよ?」

    「いや、それはそれで問題な気が……」

    6 = 1 :

     私達の方と澪先輩達の方とを交互に、首だけを回転させて、とてもいい笑顔で見つめている。
     せめて、零れ続けている紅茶にも目を向けて欲しいものだけど。
     隣で「おーい、ムギー、帰ってこーい」と突っ込む律先輩の声など、何処吹く風である。
     
    「それより、ここなんだけど」

    「あ、そこはですね……」

     意識を唯先輩の方に移した次の瞬間――。

    7 = 1 :

     ドカッ!

    「きゃっ!?」

     不意に、突然私の背中に強い衝撃が走った。
     なにかが、ぶつかったような、なにかに、押されたような。
     前方へと傾く体。
     その先には唯先輩。
     
     ああ、ぶつかるな。

     そう思った時には、私の体は唯先輩に触れていて。

     ――ふわり、と良い匂いがした。

    9 = 1 :

    「あ、ずにゃん……?」

    「……っ!」

     目を開くと、そこに唯先輩の顔があった。

     唯先輩は、ギターをかばうようにして倒れ、
     私は、倒れる瞬間にギターを背中に回していた。
     そのくらいのことができなければ、軽音部猫成分は担当できない。

     ……本当は偶然だけど。

     ともかく、唯先輩もギターも、無事のようだった。 

     いや、寧ろ問題は今の体勢なのであって……。

    10 = 1 :

    「……」

    「……」

     押し倒されて、仰向け状態の唯先輩は、薄らと頬を赤らめている。

     嗚呼……、そんな顔をされると、唇を奪いたくなるじゃない。
     今のこの体勢。これは純然たるマウントポジション。
     抵抗のすべをなくした唯ちゃんは、もはや私の思うままッ……!

    11 = 8 :

    さる避け支援

    12 = 1 :

    「……なに言ってんですか、ムギ先輩」

     背後から、私のモノローグを模した声で喋るムギ先輩に、冷めた視線を送る。

    「あ、あら。ごめんなさい」

     ムギ先輩は、我に返ったようだ。
     全くもう、それじゃあまるで私が唯先輩のこと好きみたいじゃないですか……。
     私が好きなのは澪先輩であって、唯先輩のことは、べ、別に……。
     ……別に?
     いやいやいや、何を考えているんだ私。

    「続けて」

    「うぉぉい!」

    13 :

    いえん

    14 :

    ムギwwwwww

    15 = 1 :

     寧ろ私が我に返った。
     横には、さっきまでの攻防が嘘みたいに硬直している澪先輩とさわ子先生。
     そして。

    「あずにゃん、大胆……」

    「ち、ちちちちがいます!」

     言われてようやく、私は唯先輩の上から体を退け、乱れた制服を整える。

    「落ち着いて、梓ちゃん。こういうときは息を早めに三回吐くのよ!」

    「そ、そうですね。ハァハァハうぉぉい!!」

     二回目のうぉぉい!

    「これじゃただのエロ親父ですよ!! 深呼吸でしょそこはー!」

    16 = 1 :

     ぽん、と肩を叩かれる。振り向けばそこにはおデコ。

    「梓もやるようになったな! まさかノリツッコミをも習得しているなんて!」

     グッと、親指を立てる律先輩。
     最高に嬉しくない賛辞だ。脳ミソもおデコみたいにトゥルットゥルになればいいのに。

    「さっきの動きもすごかったわ。まさかあの一瞬でギターも唯ちゃんも怪我をしない(素敵な)体勢に持ち込むなんて」

    「どうして頬を赤らめながら言うんですか」
     
     あとさりげなく「素敵」っていうフレーズいれないでください。
     もうこの軽音部ダメかもわからんね。と思いつつ、唯先輩に声をかける。

    「すみません、唯先輩……、大丈夫でしたか?」

     聞くまでもなく、けろっとしているのだが念のため。

    17 = 1 :

    「大丈夫だよ。ありがとぉ、あずにゃん」

    「ごめんなさいね、二人とも。
      先生、澪ちゃんに服着せることに夢中で周りが見えてなかったみたい」

    「……反省してくれてるなら、別にいいです」

     冷静になってくれたようだし、さわ子先生だって悪気があった訳ではない。
     ただ、内に滾る欲望をほんの少し抑えきれなくなっただけなのだ。
     それはさわ子先生に限った話ではない。誰にでもあることだ。
     だから、この程度のことを咎めていては、私の器量が知れるというもの。
     そう。例えば、愛すべき我が親友、平沢憂。
     彼女に唯先輩の話題なんぞ振ろうものなら、「ゆ」の字を発した段階で目が光る。
     比喩とかじゃなくて、こう、実際に色彩やら光度やらが八割強増す。
     そして、光速の三百倍程度の速度で彼女の顔面は、私の息のかかるポジションへと移動するのだ。
     私はそこでいつも思う。

     『近い』と。

     憂は、お姉ちゃんから風邪をもらうならやっぱりキスしかない!
     と、平気でのたまうような生粋のスィスターコンプレックスだ。
     あそこまで自分の欲望に正直ならば、もはや清々しい。

    「まぁ、澪ちゃんには着せるけどね」


     懲りてねえ。

    18 = 14 :

    ちち父がいます

    19 = 1 :

    「さて、それじゃ今日は解散にするかー」

     ひと段落したところで、部長の律先輩がうまくまとめようと解散宣言。
     実際は、ひと段落もしてないし、練習もしてないけれど、
     この日の部活は終了となった。

    「た、助かった……」

    「ちっ」

    「露骨に舌打ちしないでください」

    「唯~、帰りにアイス食おうぜ」

    「おぉ~、いいね!りっちゃん!」

    20 = 1 :

     ダメだ。
     私はようやく冷静になった。

    「……」

     これじゃダメなんだ。
     なにがダメって、このだらけっぷりが。
     私だって最近はこの空気に慣れて、それが心地良いとすら思っているけど。
     でもいくらなんでもここ数日は練習してなさすぎる。
     普段であれば、澪先輩が皆を説き伏せる所なのだが、今日はそれができない。
     何故なら、さわ子先生に動きを封じられて、音楽室の隅で縮こまっているから。
     だからこそ、私がしっかりしなくちゃいけないのだ。
     そうでなければ、この人達は本当に練習しなくなる。

    「あ、あの!」

    「どうしたー、梓?」

     だから私は、ひとつの提案を持ちかけた。

    21 = 1 :

    「明日、朝練しましょう!」

    「へ?」
    「ほえ?」

     律先輩と唯先輩の首が、左右対称に傾く。
     ちょっとキューンってなった。

    「今日も全然練習できなかったし、このままじゃよくないと思うんです」

    「朝かー、起きるのしんどいんだよなぁ」

    「じゃあ放課後しっかり練習してください」

    「うぐ……、どうした梓、目がマジだぞ?」

    「マジです、大マジですとも」

    23 = 1 :

    「まぁ、いいんじゃないかしら? 私は皆と一緒に居れる時間が増えるのはうれしいわ」

    「そうだな、私も梓とムギに賛成。いくらなんでも、ここ最近だらけすぎてると思う」

     澪先輩ならそう言ってくれると思ってました。
     いつの間にかさわ子先生を退けてるところが素敵です。

    「朝練かぁ、憂に起こしてもらわなくちゃ」

    「たまには自分で起きてくださいよ」

    「えへへ」

     褒めてねえ。

    「仕方ないな、そういうことなら明日から朝練頑張ろうか」

    「だな」

    24 :

    きたいしてる

    25 = 1 :

     翌日。いつもの通学路。
     朝練の為、少し早めに家を出た私は、そこでよく知る人影を見つけた。

    「よーしよしよしよし」

    「……」

    「にゃあにゃあにゃんにゃん!」

     えーと……。

    「何やってるんですか、唯先輩」

    「あ、あずにゃん! おはよ~」

     屈託のない笑みで振り返る唯先輩。
     それにつられて、自然と頬が緩んでしまった。
     時折、この人は本当に私より年上なのか疑うことがある。

     『お姉ちゃんってあったかくて気持ちいいよね』

     愛すべき親友のそんな言葉を思い浮かべながら、私は挨拶を返した。

    26 = 14 :

    唯と律が左右対称にって……!
    大量破壊兵器だろ…条約で禁止するべきだ!

    27 = 1 :

    「ほら、みてみて~」

     そう言って、すっと立ち上がり、こちらへと向き直る唯先輩。
     彼女の両腕に抱かれていたのは、黒い毛並みの猫。
     子猫というには少し育ちすぎているが、首輪もしているし、どことなく品も感じられる。
     少なくとも、野良猫とかではなさそうだ。
     唯先輩の腕の中が心地良いのか、猫は目を細めて気持ちよさそうにしていた。

    「かわいい……」

    「でしょー!」

     ここで、私の中にひとつの悪戯心が芽生えた。

    「唯先輩も、かわいいですけどね」

    28 :

    >>26
    唯なんかは口元に人差し指あててそう
    さあ想像してみろ

    29 :

    >>28
    死んだ

    30 = 14 :

    >>28
    ……!?
    お前は国連を敵に回した…

    31 :

    ちょっとこすってくるわ!ティッシュ貸してくれん?

    32 :

    構わん、続けろ
    支援

    33 = 1 :

     こてんと小首を傾げる唯先輩。

    「唯先輩も、かわいいと思います」

     いつもそう言って抱きついてくるのは唯先輩の方。
     だから、たまには私の方から攻めてやるです。

    「え~、そうかなぁ~」

     意外なリアクションが返ってきた。
     てっきり、「いやいや、あずにゃんには及びますまい」とか
     関取風の声で返してくると思ってたのに。
     しかし、照れくさそうにもじもじする唯先輩は、実際にかわいく見えた。
     カッコよくて優しい澪先輩も素敵だけど、
     唯先輩は唯先輩で、よく分からない魅力があったりする。

     そんなことを考えていたら、すっかり忘却していた昨日の出来事が脳内にフィードバックした。
     同時に、自分の顔が熱くなっていくのが分かる。

     この展開はマズイ。

     有体に言えば「やべえ」

    34 = 1 :

    「えへへ~、ありがとぉ」

     だって

    「っ……」

     照れているのは

    「あずにゃんもかわいいよぅ」

     私の方じゃないか!

    「あ、う、えーと、さ、さっきのはその……、違うんです」

     少し考えたら、こういう展開になるのは予想できただろうに。
     後悔する私と、よくやったという私が脳内で終わらない討論を繰り広げる。
     すると、二人の私の間にムギ先輩がにょっきりでてきて、朗らかに手を振りだした。
     そして、満面の笑みを浮かべたまま、後悔する側の私に駆け寄ってきて、
     鼻の穴にゴボウをねじこもうとしてきたので、私は無理やり現実に意識を戻した。

    36 = 1 :

    「どう考えてもゴボウは入りませんから!」

    「ご、ゴボウ??」

    「あ、すいません。こっちの話です」

    「は、はぁ」

    「ともかくさっきのは、違うんですよ」

    「え~。あずにゃんいけずぅ」

     唯先輩に撫でられて紅潮する頬を隠すように、私は首を左右に振った。

    「ちょ、ちょっとからかってみたくなっただけなんですよ!」

    38 :

    牛蒡ワロタ

    39 = 1 :

    「からかうって、あずにゃんが? 私を?」

    「私が、唯先輩を、です」

    「……」

    「……」

    「ふっ」

     至極嬉しそうに、ニヤリと笑う唯先輩。

    「ムカっ! なんですか、その含み笑いはー!」

    「ふふ、嘘だよ。ごめんね」

     よしよし、と言ってまた頭を撫でてくる唯先輩。

     ほら、またそうやって猫扱いする!

    40 :

    頭を撫でただけで猫扱いされるこんな世の中じゃ

    41 :

    「ゴボウしばきあい対決~!!」

    42 = 32 :

    おかしいな、俺、百合属性なかったんだが…

    43 = 1 :

    「にゃぁ……」

     聞いてますか、唯先輩!

    「にゃあぁぁ」

     私は猫じゃなくて……

    「にゃん」

    「よーしよしよしよし」

    「ハッ!?」

     会話してるつもりが、にゃあしか言ってなかった!



     ……わざとじゃないですよ?

    45 = 1 :

    「そういえばこの子、あずにゃんに似てるかも」

     猫を見つめて、ほわ~ん、となりながら唯先輩。

    「そうですか?」

    「そうですさ」

    「いや、そうですさって」

    「そうでもない」

    「どっち!?」

     あれ、この人意図的にボケる人だっけ。

    47 = 1 :

    「でも、本当に似てると思うなぁ」

     そう呟いた後、唯先輩は何かに気付いたように「はっ!」と声を上げた。

    「もしかしてこの子、あずにゃんのこど」梓「違います」

    「ぶー、あずにゃんが冷たいっ!」

    「いや、そんなこと言われましても」

     私を何だと思ってるんですかこの人は。
     ……だけど、不思議と悪い気はしないかな。
     あずにゃん2号……じゃなくて3号か、ふふ。

    48 = 1 :

    「あ、撫でてもいいですか?」

    「うん、どうぞ~」

     そう言って、唯先輩は自分の頭を差し出した。

    「よーしよしよしよ、ちげえ!」

    「……」

    「……」

    「ちげえって言った」

    「……」

    「あずにゃんがちげえって言った……」

    「なんで泣きそうなんですか」

    「私のあずにゃんが……」

     ていうか、私、何時の間に唯先輩の私物化されてるんですか。

    49 :

    地の文がしっかりあると読み応えあるな
    ちゃんと最後まで書いてくれ


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