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    元スレハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!」 キョン「分裂するぞ」

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    201 :

    よかろう(待ってる)

    202 = 200 :

    投下してきますー

    203 = 200 :


    α


    ハルヒ「…………ま、いいわ。あんたらの仲はおいおい聞くとして」

    キョン「初対面だっての」

    ヤスミ「ですですっ!」

    長門「……」

    ハルヒ「ヤスミちゃん! まずはこのアンケート用紙に記入して! それと、まだ入団試験は始まっていないことを肝に銘じておきなさい!」

    ヤスミ「御意に!! 心得ております!!」

    朝比奈「す、涼宮さぁん……新入団員候補はヤスミちゃんしかいないんだし、試験は無しでも……」

    ハルヒ「黙らっしゃい!!!」ピッシャーン!!

    朝比奈「ひえぇえぇっっ!!!!」

    ハルヒ「みくるちゃん! その発言は高尚なSOS団の入団試験に対する侮辱の発言と捉えるわよ!!」

    朝比奈「あ、あわわ……す、すいません!」

    キョン「神聖にして不可侵の象徴たる団長様よ、その入団試験の内容は決まったのか?」

    ハルヒ「これから考えるの!!! 候補者が一人に絞られたことによって、より細密な試験が可能になったから!」

    キョン「選考基準ぐらい教えろよ」

    ハルヒ「何をトンチンカンなことを言ってるのよキョン!」

    ハルヒ「ここはSOS団よ!? いかに自分が平々凡々の一般人とは違うかを上手くアピールできたら高得点に決まってるじゃない!」

    キョン「手からメロンソーダが……」ジョワワァ

    ハルヒ「20点!!」ビシッ!!

    古泉・朝比奈「「(意外と厳しいっっ!!?!??)」」

    キョン「長門が笑ってる」ピッ

    ハルヒ・朝比奈・古泉「「「!!?!?!?」」」ビクッッッ!!

    長門「……ドッキリ」

    ハルヒ「~っ、危ない危ない……いきなり100点満点を出しちゃうとこだったじゃないの!!」モー!

    古泉「基準って……」

    204 = 200 :


    ヤスミ「……むー」カキカキ

    ハルヒ「あらあなた、洒落た髪留ね。笹の葉かしら? そんな形してるわね」チョンチョン

    ヤスミ「あっ、これですか? これはこの前のフリマで買ったのです!! 一目惚れです! LOVERです!!」

    ハルヒ「あら、あなたも行ってたのね。あたしたちも皆で行ったのよ、フリマ。ねぇみんな」

    古泉「ええ。次回に備えて下見も兼ねた備品収集でした」

    ヤスミ「はわわっ! ニアミスしてたのですか!! あーもったいない!!」

    朝比奈「うふふ、ヤスミちゃんによぉく似合ってますよー」

    ヤスミ「わたしもこれすっごく気に入ってるんですよ!! 最近買ったのだけど、もうずっと昔から馴染んでるみたいな!」

    キョン「……」

    ヤスミ「あっ、先輩はどう思います!? この髪留め!! 似合ってますか?」

    キョン「……にあ―――」

    ヤスミ「そんな褒めなくてもー!! いやぁ照れちゃいますよー!! 先輩ったらぁ!!」キャッキャ!

    キョン「……古泉ってこんな気持ちだったのか」

    古泉「(なにゆえ今僕の気持ちを理解したのでしょう……)」

    ヤスミ「はいっ! 書けました!! ご覧いただいてよろしいですかっ!」

    ハルヒ「オッケー! 確かに受け取ったわ!! それじゃヤスミちゃん、今日はもう帰っていいわ」

    ヤスミ「そうなんですか!? 火を噴くドラゴン退治の試験とかは……」

    朝比奈「ないない、いないいない。いないでしょぉ? ヤスミちゃん??」

    ハルヒ「……なるほど」

    朝比奈「なるほどらないでください!!! お願いですからぁああ!!」ウワァアン!

    ハルヒ「とりあえず、試験の内容は当日まで伏せておくことにするわ! 試験日がいつなのかも不明!!」

    キョン「考えてないだけだろ」

    ハルヒ「だからヤスミちゃん! 来れる日は毎日ここに来ること!! いいわね?」

    ヤスミ「承知いたしました!! それでは、先輩方。お先に失礼します! ではっ!」

    朝比奈「……かわいらしい子ですねぇ」

    ハルヒ「十分に素質を備えた子であることは確かだわ!!」

    古泉「……ふふ」

    キョン「何笑ってんだ。気持ち悪い」

    長門「……」ペラ

    205 = 200 :


    ハルヒ「さて! そうと決まったら一日でも早く試験を実施しなくっちゃね!! と、その前にアンケートを読まなきゃ……」

    朝比奈「あ、あたしも見てみたいです」ソソッ

    ハルヒ「口外禁止だからねっ! 情報を抜き取られないように気をつけるのよっ!!」

    朝比奈「は、はい!」

    古泉「では僕たちは……たまには体を使った運動でもしますか」

    キョン「…………」ゴクリ

    古泉「……意味深な目を向けるのは控えてください。中庭でキャッチボールでもしましょうか」

    キョン「しかたねーな。じゃお前ボールな」

    古泉「えぇ……」

    長門「……」ペラ

    ハルヒ「ふむふむ……」ジィ

    朝比奈「へぇ……」ジィ




















    キョン「何が?」ビュン!

    古泉「彼女ですよ。渡橋ヤスミと名乗った少女」パシィ!

    キョン「あいつがどうかしたのか?」

    古泉「どうもこうも。わざわざあなたに言うまでもないことでしょうが」

    古泉「彼女はこの学校の、新入生では、ないっ……ですね」ビュッ!!

    キョン「それがどうしたってんだ」パシッ!

    古泉「いやぁ、あなたにとっては些末なことかもしれませんが……これはちょっとしたミステリーですよ」

    キョン「言うほどでもないだろう。例えあいつの素性が分からなかろうが、予想を立てようが―――」

    キョン「ハルヒにとってあいつは、SOS団の入団候補生としか見てねえみたいだしよ」

    キョン「魔球『切り裂きムービング』いくぞー」グルグル

    古泉「予告殺人は勘弁してください」

    206 = 200 :


    古泉「先日、あなたの言っていた『未来のSOS団』というのは彼女のことですか?」

    キョン「さあな。何を視てそんなこと言ったかなんて忘れたよ」

    古泉「彼女が何者であるのか。またその正体によっては僕たちにとって女神になるのか」ビュン!

    キョン「……」パシィ

    古泉「あなたの仰った通り……橘京子ら敵勢力はまたまた、消息を絶ちました」

    古泉「と、思えばこうして渡橋ヤスミなる少女が出現した―――」

    キョン「よっ」ビュン!!

    古泉「―――これは単なる偶ぜぶふぁっっ!!?!?」ゴシャァア!!

    キョン「目瞑ると危ないぞー。ボールから目を逸らすなー」

    古泉「ぐふ……もう少し僕の話を聞いて欲しかったんですがね」ゲホッ

    キョン「ん」ピッ

    古泉「?」クルッ

    ハルヒ「キョーン! 古泉くーん! あたし帰るから今日はもう自由かいさーん!! 今みくるちゃん着替えてるから覗いちゃダメよー!!!」ダダダッ!

    古泉「……足を止めることなく彼方に消えていきましたね」

    キョン「俺らも戻るぞ。あまり待たせるのも悪いからな」

    古泉「……承知しました。話はそれからという訳ですね」ニコニコ

    キョン「まず鼻血を拭けよ」

    古泉「これは失礼しました」

    キョン「それと、ヤスミのことはそんなに詮索しなくていい」

    古泉「何故です?」

    キョン「放っておいても問題ないからだ。それにあいつが何者かなんてすぐわかるさ」

    古泉「……あなたが言うなら、そうなんでしょうね。分かりました、信用させていただきますよ」

    キョン「ありがとさん、っと」

    207 = 200 :


    キョン「朝比奈さーん、入っていいですか?」コンコン

    朝比奈「あっ、はぁい。もういいですよ」

    キョン「では」シュン!

    朝比奈「わっ!?」

    古泉「ドアを開ける手間を惜しまないでください」ガチャ

    長門「…………」ジッ

    キョン「分かってる分かってる、そう見てくれるな長門よ」

    朝比奈「へ?」

    古泉「渡は、おっと、ヤスミさんのことですよ」

    朝比奈「ヤスミちゃんがどうかしたんですか?」

    キョン「いえいえ、どうもしませんよ。やつはただの新入生です」

    長門「…………」ジィ

    キョン「……オホン、それよりも」

    キョン「古泉が俺たちに話したいことがあるそうです」

    古泉「えっ? 僕が、ですか?」

    朝比奈「古泉くんが?」

    キョン「ほら、あるだろ? あれだ、アレ」

    長門「あの時の」

    古泉「ちょ、ちょっと待ってください。思い当たる記憶が……」

    キョン「じゃあ、もうなんでもいいからとりあえず謝っとけ!」

    古泉「なぜっ!!?」ガーン!

    208 = 200 :


    朝比奈「お茶です」コト

    古泉「どうも、朝比奈さん。それで、今一度お聞きしたいのですが、僕が話すべきことというのは……」

    キョン「橘京子のことだよ。お茶がうまい」ズズ

    古泉「橘京子の…………ああ、そういうことですか」

    朝比奈「何か新しく分かったことがあるんですか?」

    古泉「いや、新情報と言うほど、大したものじゃありませんよ」

    古泉「ただ、僕と橘京子が幼なじみであったということを話せ、と彼は言っているんですよ」

    キョン「…………」

    朝比奈「えっ!? お、幼なじみ……ですか? それは、その超能力者になる前、から?」

    古泉「ええ、ずっと前ですよ。涼宮さんも超能力も関係ない、ただの仲の良い幼なじみです」

    古泉「互いに超能力者となり、敵対といった形をとるまではね」

    キョン「……」ズズ

    長門「……」

    朝比奈「……」

    古泉「彼女が涼宮さんとは別に信奉している対象がいたことは知っていました」

    古泉「しかし、その存在がどこにいるのかまでは彼女自身把握できていなかった……ですが」

    古泉「ようやく、彼女は『佐々木』さんという涼宮さんにとって代わる『器』を見つけた、というわけですね」

    古泉「僕が知る限りでは、つい1年程前まで、彼女は自身が信奉する対象すら見つけられていなかったようですから」

    古泉「よもやそれがあなたの友人であり、『佐々木』さんであったとは……天文学的な確率と言ってもいいでしょう」

    キョン「……」

    古泉「それとも、むしろこれは必然と言うべきか……」

    209 = 200 :


    古泉「彼女とは……ええ。実は旧知の仲であり、僕の認識が間違っていなければ」

    古泉「幼なじみであり、親友……といっても違わない関係であったと、記憶しています」

    朝比奈「古泉くん……」

    古泉「あなたと佐々木さんほどに歴史はありませんが……まぁそれ相応の覚悟で僕と彼女は今の立場にいます」

    キョン「……」

    古泉「節分の日だったでしょうか? あなたは親友に避けられているならば誰でも落ち込む、と仰られましたが」

    古泉「その通りです。最も親しい友人と壊滅的なまでの価値観の相違があるというのは……」

    古泉「親友と言う関係性を保つには致命的な欠陥です」

    長門「……」

    古泉「ですが、互いに互いの思想を理解するつもりはありません。そんな段階はとうに過ぎました」

    古泉「僕は涼宮さんを、彼女は彼女で佐々木さんを『本物』だと信じて疑わない」

    古泉「二度と、分かり合えることはない……そう確信していますよ」

    朝比奈「そんな……」

    古泉「……なぜ、このようなことを今話させたのですか? そんな必要は……」

    キョン「そんな話をしろと言った覚えはない!!!!!」バァーーン!!!!

    古泉・朝比奈「「ええぇぇええええぇえええぇぇえぇえええ!!!!?!?!?」」ガーン!!

    長門「確かに」

    キョン「何を長ったらしく語ってやがんだ!!! そんな事実俺は知らんぞ!!」プンプン!

    古泉「えぇ……口を挟まず聞いていたじゃないですか……」

    キョン「お前が急にシリアスな顔するからツッコミづらかったんだよ!!! 察せ!!!」

    朝比奈「えぇ……」

    210 = 200 :

    キリは良くないですがここまでー!!

    211 :

    おおう気になる

    212 :

    相変わらず古泉が不憫wwww

    213 :

    だからこそ古泉が輝くって言うのまでがワンセット

    214 :

    輝く古泉たーまやー!!乙乙

    216 :

    >>214
    それ違う輝きや!

    217 :

    俺以外まだ見てる人いたんだ(笑)

    218 :

    >>217
    俺はお前でお前は俺だから見てるのは「俺」だけだよ

    219 :

    >>218
    我は影・・・真なる我で

    220 :

    >>219
    くさい

    221 :

    >>220
    こんなスレで何を言ってんだか

    222 :

    >>221
    こんなスレ言うならなぜいるのか

    223 :

    そこまで悪い意味で言ってないと思う

    224 :

    どんなレスにでも噛みつきたいお年ごろなんでしょ

    225 :

    ただの疑問を口にしてるだけにしか見えないが…
    どんなレスにも噛み付きたい年頃なのかな?

    226 :

    ここまで俺の自演

    227 :

    ここからも俺の自演

    229 :

    自演だらけでも続けます。続けさせてください!
    近々投下します。正確には10月初週頃だと思います。

    230 :

    了解
    正座待機

    231 :

    仕方ない裸待機してる

    232 :

    お ま た せ

    12時過ぎより投下します

    233 :

    とうかー

    234 = 233 :


    α


    キョン「とまあ、古泉が勝手に内情を暴露したところで……」

    古泉「ほとんどあなたの誘導じゃないですか」

    キョン「こんな風に、ここにいる皆がそれぞれ事情を持ち合わせていると思う」キリッ

    朝比奈「(あ、シリアスの時の顔だ……)」ゴクリ

    キョン「(かっこいいですか?)」キリリッ

    朝比奈「(かっこ……)」

    朝比奈「話を続けてください!!!」

    古泉「(また脳内で会話してましたね……)」

    キョン「すいません。で、その各々の持つ責任、任務、役割を全うするためには……」

    朝比奈「全うするためには……?」ゴクリ

    キョン「『こっち』でできることは特にない!!」バン!!

    朝比奈「えええぇっ!? また!? って、こっち……?」

    古泉「こっち、とはどういう意味でしょう? 何かの比喩ですか?」

    長門「…………時空改変」

    朝比奈「え! そ、それって……!」

    キョン「んー……少し違うかもな。俺にも正確には分からんし確証もないが」

    長門「もっと……大規模なもの?」

    キョン「かもな。もしかしたらこのまま何もなかったかのように全てが終わるのかもしれん」

    古泉「……もしかしなければ?」

    キョン「そりゃあ……決着をつけなきゃならんだろうよ」

    キョン「それぞれの、因縁にな」

    235 = 233 :


    β


















    キョン「――――――――――――」

    キョン「―――」

    キョン「(ここは……どこだ?)」

    キョン「(なにがどうなって……あぁ、なるほど。そういうことか)」

    キョン「(時空間の狭間……ここは世界と世界の境界か)」

    キョン「(どうやら俺の思惑通り、俺と力と佐々木の『力』は消滅したみたいだな)」

    キョン「(んで、佐々木の思惑通り、俺はもとの時空間からこんなトコに飛ばされちまった)」

    キョン「(俺がこうなったとなると、あいつはどうなったんだ……? 悪いな、勝手な真似してよ)」

    キョン「(……こりゃ俺の負けかね。ったく……お前が相手だといつもうまくいかねえな)」

    キョン「(お前があの時空間にいる限り、あいつらはまだなんとでもなるんだろう)」

    キョン「(俺も、お前ごとあの空間から消しちまえばよかったかな……)」

    キョン「(…………できっこねぇか)」

    キョン「――――――」

    キョン「(悪いな。長門、古泉、朝比奈さん……ハルヒ)」

    キョン「(厄介ごとは全部そっちに残っちまったみたいだ。申し訳ねぇ)」

    キョン「(力を失った俺が、そっちの世界へ帰る術もない)」

    キョン「(ここで……こんなところで……終わり、か)」

    キョン「――――――」

    キョン「――――――」

    キョン「(はは……体は動かねぇ、声も出ねぇ……万事休す、か)」

    キョン「―――」

    キョン「(…………ちくしょう)」

    236 = 233 :


    ハルヒ「―――あれ? キョン? どこ行ったのよ? ちょっと……キョン!?」

    佐々木「…………」ヨロッ

    「さささ、ささっ、佐々木さん!! だ、大丈夫ですか!?」ワタワタ

    佐々木「……上手くはいったが、どうやら僕は負けたみたいだね」フゥ

    藤原「アンタ……ッ! 力が……!!」

    佐々木「キョンの狙い通りと言ったところか……互いの力の消失。くつくつ、まさか叶うとは。さすがはキョン、見事だ」

    古泉「彼の……っ!?」

    「さ、ささ、佐々木さん!!?」

    周防「……―――は」

    佐々木「心配ないよ。一先ずは……最低限の成功は得た」

    ハルヒ「せ、成功? なに言って……いつものキョンの冗談じゃ……」

    佐々木「彼がこの場にいてはあらゆる障害になりかねないからね」

    古泉「(僕たちなど……歯牙にもかけないという訳ですか……っ!)」

    佐々木「ふむ……なるほど、段階的に消失していくんだね。なら、最後の力を振り絞ってみよう」

    「え?」

    佐々木「では、キョンのご友人の皆さま」スッ

    古泉・朝比奈「「「っ!!?!?」」」

    ハルヒ「なに? なんなの? わっ―――!」

    長門「下がっ――――――」グイッ!


















    佐々木「キミたちも、自分を見つめ直してくるといい―――」パチン!


















    古泉「ッ――――――!?」シュッ!!

    朝比奈「やっ―――!!」シュッ!!

    長門「――――――」バッ!

    237 = 233 :


    古泉「―――っ!」

    古泉「涼宮さん! 長門さん! 朝比奈さ……いない」

    古泉「(それぞれ別の場所へ転移させられた、か)」

    古泉「(皆さんの安否が気になりますが、まずは現状把握を……)」

    古泉「ここは……この感じは」

    古泉「閉鎖、空間……?」

    古泉「(通常の閉鎖空間ではなく、冬合宿の際に起こったあの閉鎖空間に似ている……)」

    古泉「(見渡す限りの闇……陰鬱とした空気……存在せぬ神人)」

    古泉「……」ボッ!

    古泉「(幸いにも、能力は使えるようですね……ならば)」


    ムダダ


    古泉「……っ!? 誰です!」バッ!

    古泉「(……どこから声が?)」


    古泉一樹、オ前ハ此処デ死ヌ


    古泉「…………」

    古泉「面白い冗談ですね。ええ、臨死体験なら何度も経験していますよ」

    238 = 233 :


    オマエノ考エテテイルコトハ無意味ダ
    此処カラハ出ルコトハデキヌ


    古泉「…………どうやら」

    古泉「あなたがこのフロアのボスのようですね」

    古泉「おそらくは、この空間脱出のキーを握っている」


    コノ空間ハ生キテ出ルコトハデキヌ
    オ前は此処デ死二、混沌ニ飲ミコマレルノダ


    古泉「……痛々しいセリフだ。そんな言葉を鵜呑みにする前に、あなたを探し出し、倒させていただきますよ」

    古泉「一刻も早く、元の世界へ帰らねばならないのでね」ボッ!


    無駄ナ足掻キダト直二分カルダロウ


    古泉「はぁっ!!」ドォン! ドォン!!


    此処ハ闇、誰シモガ訪レ死ンデイク


    古泉「おおおぉぉっっ!!!」ドン! ドォオン!!


    古泉一樹、オ前ハオ前自身ニヨッテ―――死ヌノダ


    古泉「っ、恥ずかしい痛々しいセリフをどうも!!」バァン! ボオォッ!


    ―――後悔シロ

    239 = 233 :


    朝比奈「―――!」

    朝比奈「涼宮さん! 長門さん! 古泉くん! キョ……ンくんも……」

    朝比奈「いない……ここは……公園?」

    朝比奈「駅前からどこかに飛ばされた……?? 佐々木さんが……みんなを……」

    朝比奈「……大丈夫、大丈夫だから。きっと、みんな無事だわ。どこへ飛ばされたって、絶対元の世界へ戻ってくる。SOS団に帰ってくる!」

    朝比奈「わたしも、元の世界へ帰る方法を……あれ?」

    朝比奈「なんだかここ、とても見覚えのある……」



    アハハハハ! マテー!



    朝比奈「子供が遊んでる……あれ? なんだろう……違和感が……!」

    朝比奈「…………あぁ、そっか」

    朝比奈「見覚えあって当然……違和感があるのも……久しぶりだからかな」

    朝比奈「(ここは―――)」


















    朝比奈「―――未来、だわ。私の元いた時間」

    朝比奈「私の―――生まれ育った時間」

















    240 = 233 :


    朝比奈「(佐々木さんはこんなことまで……でも、どうして?)」

    朝比奈「どうして私を未来、それもよく知っている場所に送ったの……?」

    朝比奈「時空間座標が分かれば元いた場所に……あぁ」

    朝比奈「TPDDは使えない……ようにされてる。当たり前、かぁ……」

    朝比奈「他の方法は…………ない、こともないけど……」ウーン

    朝比奈「まずは……『ハカセ』のところ訪ねてみようかな」

    朝比奈「もしかしたらTPDDを使えるようにしてもらえるかも知れないし……」

    朝比奈「うん、そうしよう。急いで行か―――あ」


    「グスッ……ウゥ……」


    朝比奈「な、泣いてる子が……ど、どうしよう。急いでるけど……」オロオロ

    朝比奈「うー……! 放っておけません! ごめんなさいみんな、ちょっとだけ送れます!」ダッ!

    朝比奈「あ、あの! だいじょう……!!?!??」

    「グスッ……?」

    朝比奈「あ、あ……え、っと……あの……その」ドキドキ

    朝比奈「(やっちゃった!! あーでも……うーん……バレてないし、大丈夫、よね)」

    「……」

    朝比奈「(もう話しかけちゃったし……緊急事態だし……仕方ない、わ)」

    朝比奈「あの、どうして泣いているの?」

    「…………」

    朝比奈「……あー、一つ聞いていいかな?」


















    朝比奈「あなた……お名前は?」

    みくる「……みくる。朝比奈みくる」

















    241 = 233 :


    ハルヒ「―――――!? ちょ、ちょっと!! みんな!!?」

    ハルヒ「有希!! みくるちゃん!? 古泉くん!? キョン!!!」

    佐々木「ご友人はこの場から、いえ、この世界から消えていただきました」

    ハルヒ「何を……っ! キョン! 早く出てきて説明しなさい!! ドッキリはここまででいいわ!」

    佐々木「やれやれ。まだこの異常事態を認めていただけないみたいね」

    ハルヒ「っ、こっちはこんなの慣れっこなのよ! 異常だって? こんなのただの日常よ!!」

    佐々木「それはそれは。退屈しない日々を堪能されているようでなによりです。さて涼宮さん」

    佐々木「わたしたちと一緒に来ていただきます。場所は北高。あなたたちの部室です」

    ハルヒ「誰に断ってSOS団の部室なんて言ってるのかしら!?? 言っとくけどね―――!」

    佐々木「九曜さん」

    周防「―――」スッ

    ハルヒ「な、なによ―――わっ!」グイッ

    藤原・橘「「っ!!?!?」」

    佐々木「……へぇ」

    周防「―――危険性―――上昇」


















    長門「……渡さない」ザッ!

    ハルヒ「―――有希!! どこ行ってたのよ! もう!」ギュウゥ!

    242 = 233 :


    佐々木「さすがは長門さん。あの程度の『力』ではまるで意に介さない、と」

    周防「―――」

    長門「逃げて。彼らはあなたが狙い」

    ハルヒ「に、逃げてって……できるわけ……あたし、が狙い?」

    長門「エマージェンシーモード。こうなる可能性は限りなく低い予想だった。誤算」

    ハルヒ「なにが、なんだか……ねぇ有希、少し説明を―――」

    長門「わたしの家の方へ向かって。そこに朝倉涼子がいる」

    ハルヒ「朝倉さん? なんで? どうして?」

    長門「早く」

    周防「―――遅い」



    グォオオオオォオオオオォオン!!!



    ハルヒ「わっ! なにこれ!? と、閉じ込め……どんなトリック!!?」

    「極彩色の空間……これは、九曜さん?」

    周防「既に―――制御下―――逃がさないわ」

    長門「……迂闊」

    佐々木「手際が良いね。助かるよ。今の僕は凡夫同然だからね」

    藤原「九曜、僕たちは先に行く。長門有希はお前に任せる」

    周防「―――分かった」

    ハルヒ「あんたらねぇ!! 有希に手ぇだしたらただで済まさな―――」

    長門「必ず―――」ギュッ

    ハルヒ「―――えっ?」

    243 = 233 :













    長門「必ず助ける。みんなで。だから、少し待ってて」

    ハルヒ「有――――――」












    ハルヒ「―――希?」パッ

    ハルヒ「えっ? あれ? また!? どこ行ったの有希!? って、駅前に戻ってる……」

    佐々木「長門さんは九曜さんに少し用があるみたい。さあ涼宮さん一緒に―――」

    ハルヒ「信じるかぁ!! 動かないわよ!!! 有希を返すまで!!! って大声出してもいいのよ!?」ガルル!

    「そ、そんな誘拐とかじゃ……どうします? 佐々木さん」

    佐々木「弱ったねぇ。あまりこの場にい続けるといつ朝倉さんが来てもおかしくないね」

    藤原「おい」スッ

    ハルヒ「なによ! 誰に向かっておいだなんて―――あっ!」フラッ

    藤原「これでいい。行くぞ」ググッ

    「えっ、えっ? ま、まさか……死」

    藤原「馬鹿か。眠っているだけだ。TPDDの応用でこれくらい……」

    佐々木「それはいいんだけど藤原くん。お姫様だっこというのは些か注目を浴びすぎると僕は思うんだがね」

    「い、意外にロマンチック……」

    藤原「どうしろと……ふん。ならおぶればいいんだろう」ヒョイ

    佐々木「あぁ、そっちの方がまだマシだろう。難関としては北高までの坂をどう登るかぐらいだね」

    「藤原さんファイト!」グッ!

    藤原「タクシーを呼べ!! 無駄な時間と体力を使ってられるか!」

    「わわわっ! 言われてみれば! す、すぐ呼んできます!」タッタッタ!

    244 = 233 :


    藤原「……」

    佐々木「さてさて、多少の誤差はあったものの、概ね順調といったところだね」

    藤原「……失われた『力』は戻るのか?」

    佐々木「戻さなければならない、だろう? 問題ないよ。尤も還元されつつあるのは彼女の方に、だけどね」

    藤原「なに?」

    ハルヒ「―――ん」

    「お二人共ー! タクシー捕まえましたよー!! 早く―!」

    佐々木「じゃ、行こうか。始まりの地と言っても過言ではない―――北高へ」












    周防「―――さあ―――どうする? 壊れるまで―――遊ぼうかしら?」

    長門「そんな時間はない」

    周防「時間―――? 統合思念体は―――時間を超越した存在―――ではなかったのかしら?」

    長門「統合思念体は関係ない。わたし個人の問題」

    周防「―――個人?」

    長門「…………」

    長門「SOS団団員としてのわたしの問題」

    周防「―――は……はは―――ばかみたいだわ」

    周防「はは……インターフェースの癖に……あは……なに、それ?」

    長門「……あなたには分からない」ダッ!!

    周防「ええ……分かりたくもないわ」ゴオォッ!!

    245 = 233 :

    ここまでー
    ようやくβ投下できましたー
    読みづらいかもしれませんがご容赦ください

    247 :

    乙!
    かつてないシリアス

    248 :

    ここの周防は意味のある言葉喋ってる時が多いな

    249 = 233 :

    ちょっと頑張って今日も投下しますー
    もう少しで終わらせそうなのでー

    250 :

    やったー!


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